「マナー・メール作法」に関する記事を執筆している長町です。
友人への連絡でメールを使うことは少なくなってきましたが、ビジネスシーンではメールでの連絡が主流です。
メールのマナーを知らずにやりとりすると、気づかぬうちに信用を失う可能性もあります。
今回の記事では、基本的な「正しいメールの書き方」を解説していきます。
以下のポイントに注意すれば、相手に失礼のないメールを作成できるようになっているのでぜひ参考にしてみてください。
目次
メールの書き方の基本
それでは実際にメールの書き方を解説していきます。今回は以下10のポイントに分けて解説します。気になる箇所をご確認いただき正しいメールの書き方をマスターしましょう。
- 宛先(To、Cc、Bcc)を正しく使う
- 件名は簡潔に分かりやすくする
- 宛名は「会社名・部署名・氏名」を記載する
- 冒頭の挨拶文の書き方
- メール本文の書き方
- 文末の挨拶文の書き方
- 署名の書き方
- 添付ファイルの注意点
- メールの返信に活用されるインラインとは?
- ビジネスメール例文集
各パートごとにそれぞれ解説していきます。
宛先(To、Cc、Bcc)を正しく使う
CC(カーボンコピー)とBCC(ブラインドカーボンコピー)を使用すれば、TO(宛先)に指定したアドレス以外にも、一斉送信することができます。
CCとBCCの違いは「他の受信者にメールアドレスが通知されるかどうか」です。メールを直接送る必要はないが、メールの内容を共有しておきたい人をCCやBCCに含めておくという形でよく使われます。
CCやBCCについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:CC、BCCの使い分けはどうやるの?返信のマナーも解説します
件名は簡潔に分かりやすくする
メールの件名は「簡潔に」「分かりやすく」書くことを意識しましょう。
ビジネスのやり取りをしていると、1日に大量のメールが届きます。多くの人は、件名を見てメールの優先度をチェックし、メールを処理していきます。
また、後ほどメールを見返す時に件名で検索するというケースもあります。【】を使い会社名を強調したり、用件を件名に記入することで「何のメール」なのかはっきりさせましょう。
「先日はお世話になりました」や「お疲れ様です」といった挨拶では、最悪の場合、スパムメールと判断され、重要なメールでも見落とされるかもしれません。
また、返信メールの場合「Re:」が付きますが、何度もやりとりしているといくつも「Re:」が重なってしまいます。返信メールであることが分かるので毎回消す必要はありませんが、2〜3回目以降は書き直すようにしましょう。
ポイントをまとめると以下の4点です。
- 初めての方への挨拶メールには名前を入れる
- 【記号】を有効活用して分かりやすくする
- 要件が複数の場合には件名で併用する
- 返信メールの件名は「Re:」をつける
さらに詳しい内容は以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
関連記事:メールの件名を付けるコツは?パターン別の件名の付け方を解説します!
宛名は「会社名・部署名・名前」を記載する
メールの用件を記載する前に、必ず「宛名」と「冒頭の挨拶」を書くようにしましょう。ここではまず宛名の書き方について解説します。
社外へ送るメールの場合は、「会社名」→「部署名」→「名前」という順番で宛名を書きます。社内へのメールの場合は本文の前に「名前」を記入するようにしましょう。社外へのメール・社内へのメールに関わらず、名前の後には「様」や「殿」などの敬称をつける必要がありますので忘れないように注意してください。
また、複数の方にメールを送信する場合の敬称には以下のように「各位」という言葉を用いることができます。
- 〇〇プロジェクト関係者 各位
- 人事部 各位
その他にも、複数の方にメールを送信する際の宛名の書き方は以下の記事で解説しています。参考にしてください。
関連記事:複数人へのメール送信のやり方は?宛名の書き方とマナーを例文付きでご紹介!
冒頭の挨拶文の書き方
宛名の次は冒頭の挨拶を書きます。挨拶文はある程度、形式が決まっているので、特に意識して考える必要はありません。
よく使われるのは、「いつもお世話になっております」や「お疲れ様です」など。初めてメールする場合や、久しぶりの連絡の場合は「初めてご連絡させていただきます」「ご無沙汰しております」といった挨拶文にすれば良いでしょう。
以下例文です。
件名
社外へのメール
本文
株式会社〇〇 営業部
田中様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の鈴木です。
件名
社内へのメール
本文
〇〇さん
お疲れ様です。
営業部の鈴木です。
また、コロナ禍においては、今まで以上にあいさつ文で相手への配慮が必要になっています。コロナ禍でのメールの挨拶文の書き方は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:コロナ禍のあいさつ文はこう書く! 相手を気遣う挨拶メールの例文をご紹介
メール本文の書き方
本文を書く際にも、件名同様に「用件を短く、分かりやすく」を意識しましょう。
伝えるべきポイントはまとめ、周りくどい説明にならないよう注意しましょう。「最初に用件を伝え、その後に詳細や補足説明をしていく」という書き方が、分かりやすいメールを作成するコツです。PREP法(プレップ法)という型を使えば誰でも簡潔で分かりやすいメールが書けるようになるでしょう。
関連記事:PREP法とは? 相手に伝わる話し方・書き方の絶対法則を解説します
以下、例文の紹介です。
件名
「商品名」に関するお見積もりの件
本文
株式会社〇〇 営業部
田中様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の鈴木です。
先日お問い合わせいただいた、「商品名」のお見積もりの件についてご回答いたします。
ご相談いただいた内容に合わせて、2種類のお見積もり資料を添付させていただいております。
・資料1「〇〇について」
・資料2「〇〇について」
資料2に関しましては、ご要望に合わせ弊社で料金プランを変更させていただいたものになります。
よろしくご査収ください。
改行や箇条書きなども利用し、デザイン的にも見やすい文章を書くとメールの内容が伝わりやすく、受信相手にも好印象を与えることができます。
ビジネスメールのより具体的な書き方は以下の記事で解説しています。
関連記事:社会人必見!ビジネスメールの正しいマナーと書き方を解説します
- 依頼をする際のビジネスメール
- 謝罪をする際のビジネスメール
- 質問をする際のビジネスメール
- 英語を使ったビジネスメール
上記のようなシチュエーション別のビジネスメールの例文も記載しているので参考にしてください。
文末の挨拶文の書き方
メール本文に用件を記載したら、文末の挨拶を書きます。
こちらも定型文があるので、深く考える必要はありません。基本的には「何卒よろしくお願いいたします」で良いでしょう。
何か依頼するメールの場合には、「ご査収ください」「ご確認お願いいたします」「ご検討の程、何卒よろしくお願いいたします」といった文末の挨拶が使われます。
メールに対して返信が不要の場合は、その旨を伝えた方が相手の手間がなくなり親切です。
関連記事:「ご査収ください」ってどんな意味?正しい使い方や、使用上の注意点を解説します!
署名の書き方
社外へ送るメールの最後には署名を記載するのがマナーです。
件名
署名の例
本文
---------------------------
会社名:
部署名:
名前:
郵便番号・住所:
電話番号:
メールアドレス:
---------------------------
このように装飾し、名前と連絡先を署名として記載するようにします。メールの機能で署名を設定できるので、ワンクリックで署名を残せるようにに設定しておくと便利です。
また、署名を作成するときは以下3つのポイントを確認しておきましょう。
- コピペしやすいように改行する
- 目的別に署名を用意しておく
- 自動的に挿入する設定を行う
その他にも署名にはマナーやルール、テンプレートなどが存在します。以下の記事よりご確認ください。
関連記事:メール署名のマナーとは?「ビジネスメール」や「学生の就活メール」の署名作成のポイントまとめ
関連記事:【コピペで使える】メールの署名デザインテンプレート21選!
添付ファイルの注意点
会社によっては送受信可能なデータサイズが制限されている場合もあります。大きなデータファイルを添付する場合には、ファイルを圧縮するか、ファイル転送サービスなどを使うようにしましょう。
また、大量のアドレスに何かしらのファイルを一斉送信したい場合はメール配信システムの添付ファイル機能を使って送ることも可能です。
ただし、添付ファイル付きのメールを大量配信する行為はスパムメールと間違えられたり、迷惑メール判定をされてしまうことがあります。最近では添付ファイルをURL化し送信する方法が主流となっていますので、以下記事を参考にしてください。
関連記事:メール配信システムで添付ファイルを送る方法【保存版】
メールの返信に活用されるインラインとは?
ビジネスメールにおいて、「インラインで失礼致します」といった一文が書かれていることがあります。
- ビジネスメールにおけるインラインは相手に返信する際に「相手の文章を引用し、質問に対するこちらからの回答文を引用の間に挟んでいく返信形式」を意味します。
メールの中で複数のテーマを扱う場合や、質問をする場合、された場合の回答メールの返信にて活用します。
インラインについてはさらに詳しい内容を以下の記事で解説していますので参考にしてください。
関連記事:メールの「インライン」の正しい使い方と注意点を解説します
ビジネスメール例文集
ここまでお伝えしてきたメールの書き方はあくまで基本的な内容になります。それぞれのメールのテーマにあわせて内容は変えていく必要があります。
そんなときに有効なのが例文。適切な例文集があれば、1通1通のメール対応時間を大幅に短縮することができます。
そこで今回はビジネスメール例文集をプレゼント。
- 「例文」でメールの不安を解消
- 謝罪メールの例文とポイント
- 電話営業後お礼メールの例文とポイント
- 打ち合わせお礼メールの例文とポイントなど
メールアドレスの入力だけで様々なシーンで使える例文集をダウンロードいただけますのでぜひ参考にしてください。
ビジネスメールの書き方を例文でご紹介(シーン別)
ここでは、上記でご紹介しているビジネスメール例文集の中から特に活用頻度が多い例文を3つピックアップしてご紹介します。
- お願いメールの書き方
- 謝罪メールの書き方
- お断りメールの書き方
それぞれ詳しく解説します。
お願いメールの書き方
お願いメールの中でも利用シーンによって様々な例文があります。ここでは、書類送付依頼のメールの書き方を例文で紹介します。
件名
請求書送付の依頼について
本文
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の鈴木です。先日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
〇〇の件ですが、弊社で請求書の到着が確認できておりませんので、
念のため確認の連絡をさせていただきました。お手数ではございますが、事務処理の関係で
〇月〇日(〇曜日)までにご送付いただけますでしょうか。なお、本メールと行き違いになった場合は、何卒ご容赦ください。
ご協力いただけますよう、お願い申し上げます。
お願いメールは書き方によって自身の依頼が通るか通らないか決まるのでとても重要です。ここで紹介した以外の例文やマナーなどを以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
関連記事:【例文付き】「お願いメール」の正しい書き方とは?相手を不快にさせないポイントも解説!
謝罪メールの書き方
謝罪メールの中でも利用シーンによって様々な例文があります。ここでは、商品の不具合に関する謝罪メールの書き方を例文で紹介します。
件名
〇〇に関するお詫び(会社名)
本文
平素より大変お世話になっております。
この度は、当社の「〇〇」をご購入いただきありがとうございました。しかしながら、「〇〇」の不具合で、△△様には大変ご迷惑をおかけいたしました。
心よりお詫び申し上げます。
お話を聞く限りですと、××の部分が問題になっているかと思います。
つきましては、近日中に商品の交換に伺いますので、改めてこちらよりお電話をさせていただきます。
お忙しい中、ご連絡をいただいまして誠にありがとうございました。今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
謝罪メールは書き方によって相手に許してもらえるかどうか、信頼関係を壊してしまわないかが決まってくるのでとても重要です。ここで紹介した以外の例文やマナーなどを以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
関連記事:【ビジネス向け】誠意が伝わる謝罪文を書くためのポイントと例文
お断りメールの書き方
お断りメールの中でも利用シーンによって様々な例文があります。ここでは、相手の要望に添えない時のお断りメールの書き方を例文で紹介します。
件名
今回のご提案内容について
本文
〇〇株式会社 営業部
〇〇様平素より大変お世話になっております。
△△株式会社の△△です。この度は、弊社との新規取引についてご提案いただき、誠にありがとうございます。
せっかくご提案いただいた中で恐縮ではございますが、今回は見送らせていただきます。大変、魅力的な内容ではありますが(断りの理由)のため、貴社のご要望には応えかねます。
またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
お断りメールは書き方によって相手との今後の関係性が決まってくるため重要です。ここで紹介した以外の例文やマナーなどを以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
関連記事:印象が良い「お断りメール」の書き方!お断りでもスマートな印象を与えるポイントとは?
送信前のチェック項目
メールが完成したら、送信前にミスがないかチェックしましょう。
最低でも以下のポイントは押さえましょう。
- 添付ファイルが問題なく添付されているか
- 宛先やCC、BCCの共有相手が間違っていないか
- ビジネスメールでよくある言葉使いの間違いをしていないか
間違いやすい表現とは以下のようなものです。
間違い表現 | 適切な表現 |
御社 | 貴社 |
了解しました | 承知しました |
拝見させていただきました | 拝見しました |
おっしゃられる | おっしゃる |
伺わせていただきます | 伺います |
参考になりました | 大変勉強になりました |
ご苦労様です | お疲れ様です |
「〜部長様」「〜社長様」 | 「〜部長」「〜社長」 |
「〜会社御中〜様」 | 「〜会社〜部御中」 |
「〜殿」 | 「〜様」 |
お体をご自愛ください | どうぞご自愛ください |
こちらの記事では、実際に使えるビジネスメールの例文をシュチュエーション別に解説していますので、是非参考にしてみてください。
関連記事:社会人必見!ビジネスメールの正しいマナーと書き方を解説します
まとめ
メールのやり取りでも、誤字が多く間違った言葉使いをしていたり、最低限のマナーを守ることができていなければ、相手からの信用を失いかねません。
メールの書き方はそんなに難しいものではありません。
最低限のマナーを覚えて、効率的にメール業務を行えるようにしていきましょう。