仕事をするなかで「謝罪」が必要になる場面は訪れるものです。場合によっては謝罪の文章、謝罪文を何らかの形で相手に出す必要もでてきます。
謝罪文の内容に不備があったり失礼があると、より相手の怒りをかったり、信頼関係を崩しかねません。
こちらが何かミスをしてしまった時には、なるべく早くお詫びのメールを送り、対応策を提示したり信頼を取り戻すよう動くことが重要です。
この記事では、誠意の伝わる謝罪文を書くポイントや実際に使える例文をケース別に紹介していきます。
謝罪メールに限らず、メールを送る際は「例文集」を活用することで時間をかけずに正しい文章を送ることができます。
ビジネスシーンではメールひとつのミスによって信用を大きく失いかねません。
・異動メール
・お願いメール
・季節の挨拶メール
など、全部で17のビジネス例文をコピペOK!すぐに使えるビジネスメール「例文集」として資料にまとめました。
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目次
謝罪文を書く時に気をつけること
何か問題が起こったりミスが発覚した際、まずは相手先に出向くか電話で直接謝罪するのが基本です。
しかし、状況によっては直接謝罪できない場合もあります。その際に、ミスの内容や対応策、謝罪の言葉を取り急ぎ伝える役目が謝罪文にはあります。直接謝罪できた場合にも改めて謝罪文を送ることが大切です。
また、問題が起こった時は双方パニックになっており、冷静な判断ができなくなったり、感情的になってしまったりすることが多々あります。そういった時に、文章に書き起こすことで内容が整理されます。トラブル時など冷静さを欠いてしまいがちなときこそ、あえて文章にすることで、状況の整理が上手くいくのです。
迅速に対応する
謝罪の気持ちを伝える際に重要なのは「できる限り早く対応する」ということです。
ミスが発覚した時、迅速に対応しないと、後から丁寧な言葉で謝罪しても気持ちが伝わりづらくなってしまいます。相手が近くにいる場合には、まずは直接謝罪できる手段がないか考え、なるべく早くミスに対する謝罪をすることを意識しましょう。
どんなに丁寧な謝罪の言葉を考えるよりも、対応の早さが大切だということは頭に入れておきましょう。
問題の原因を明確にする
ミスや不具合が起こった時、相手が知りたいのは「なぜミスが起こったのか?」です。
5W1Hを意識して、「いつ、誰が、何を、どこで、どうした(どんなミスを起こしたか)」をはっきりと伝えるようにしましょう。
そうすることで、相手にも誠意が伝わりやすくなります。
ただ謝罪の言葉を連ねるだけでは、「責任をはぐらかしている」ように感じ取られてしまう可能性があります。
原因を明確にすると、対応策を考えやすくなります。
対応方法を伝える
ミスの原因をはっきりとさせたら、その問題に対してどのような対応をしていくのかを伝えます。
いますぐに全ての対応が難しい場合、暫定対応と恒久対応を分けて考えると良いでしょう。いま目の前で発生しているトラブルを解消させる対応が「暫定対応」で、問題の根幹を解消させる対応が「恒久対応」となります。
件名の内容は分かりやすく
謝罪文の基本的な構成は「謝罪の言葉で始まり、謝罪の言葉で終わる」です。
メールの場合は、件名に「謝罪メールである旨や緊急の報告であることが伝わる言葉」を入れましょう。
冒頭に【重要】や【〜に関するお詫び】といった言葉を入れることで、メールの重要性が伝わります。
一斉送信をする場合はメール配信システムを使う
謝罪メールを送る相手が複数人いる場合は注意が必要です。宛先が複数企業にまたがる場合は、個人情報漏洩の事故などにつながる可能性があるからです。
例えば、BCCで配信すべきところをCCで配信してしまうと、個人情報の漏洩となり謝罪メールを配信したはずが、さらに追加で謝罪をしないといけなくなります。BCCのメール配信での注意点に関してはこちらの記事を参照ください。
謝罪メールを一斉送信する場合は上記のようなリスクを回避するためにも「メール配信システム」を活用しましょう。
メール配信システムでは個人宛のメールを一斉送信することができます。つまり、最も安全性の高い一斉送信方法なのです。
また、複数の宛先に対しても名前の差し込みなどができますので、謝罪の気持ちが伝わりやすいです。
おすすめのメール配信システムは下記記事で紹介していますので、複数の宛先への謝罪メールが必要な人はぜひ参考にしてください。
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
謝罪フレーズ
謝罪文でよく使われる、フレーズをいくつかまとめました。
同じフレーズばかりを繰り返すと稚拙な文章になってしまうので、同じニュアンスでも違う言葉を使うようにしましょう。
軽めの謝罪フレーズ
- 申し訳ありません。
- 失礼しました。
- お詫びいたします。
- 反省しております。
- お許しください。
- 〜の不注意で、
日常的にもよく使われる、軽めの謝罪フレーズです。
注意したいのは「すみません」を「すいません」と書く間違いです。正しくは「すみません」ですが、ビジネスシーンでは「すみません」や「ごめんなさい」という口語表現は控えるのが無難です。
中程度の謝罪フレーズ
- 大変、失礼いたしました。
- 申し訳ございませんでした。
- お詫びの言葉もございません。
- ご迷惑をおかけいたしまた。
何か問題が起こった際、相手が何に対して怒っているのかを明確にしなければなりません。
問題を紐解いていくと、本当は自分が悪くなかったケースもあるでしょう。そういった場合は、完全にへりくだるのではなく、上記のような謝罪のフレーズを交えながら、問題点をはっきりと伝えるようにしましょう。
重い謝罪フレーズ
- 心より謝罪いたします。
- 謹んでお詫び申し上げます。
- 猛省しております。
- 弁解のしようもございません。
100%こちらに非がある場合に使うフレーズです。
完全にこちら側にしか責任がないような場合には、言い訳せずに素直に謝りまるしかありません。
社外向けの謝罪メールの例文
では、実際にビジネスシーンで使える謝罪の例文をいくつか紹介していきたいと思います。
まずは、取引先や顧客など社外向けに使える謝罪文です。
商品の不具合に関する謝罪文
件名
〇〇に関するお詫び(会社名)
本文
平素より大変お世話になっております。
この度は、当社の「〇〇」をご購入いただきありがとうございました。
しかしながら、「〇〇」の不具合で、△△様には大変ご迷惑をおかけいたしました。
心よりお詫び申し上げます。
お話を聞く限りですと、××の部分が問題になっているかと思います。
つきましては、近日中に商品の交換に伺いますので、改めてこちらよりお電話をさせていただきます。
お忙しい中、ご連絡をいただいまして誠にありがとうございました。今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
商品の不具合に関する謝罪文です。
問題の原因と、対応策を簡潔にに伝える内容になっています。
納品・発送ミスに関する謝罪文
件名
〇〇の遅れに関するお詫び(会社名)
本文
平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇です。
先日は〇〇の納品ミスがありまして、
誠に申し訳ございませんでした。
納品予定の「〇〇」に関しましては、本日発送させていただきました。
そちらへの到着予定は〇月〇日になります。
納品ミスにより貴社に大変なご迷惑をかけてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
現在、原因の特定を急いでおり、
今後このようなことがないように十分留意してまいります。
何卒ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫びとご連絡申し上げます。
納品・発注ミスに関する謝罪の例文です。
原因が特定できない場合でも「原因解明を行い再度のミスが起こらないよう努めている姿勢」を見せることが大切です。
クレームに関する謝罪文
件名
〇〇(クレーム内容)についてお詫び
本文
平素より、大変お世話になっております。
〇〇店責任者の△△です
この度は、弊社〇〇の接客態度及び言動にて、不愉快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
早速、本人に厳重に注意するとともに社内全体にも、皆様に気持ちよく当店を利用していただけるよう、気を引き締めて接客にあたるようにと改めて通達致しました。
この度のこと、本人も深く反省をしております。
どうかご寛容を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
なお、これからもお気づきのことがございましたら、何なりとご指摘いただきますよう、合わせてお願い申し上げます。
まずは、メールにてお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
お客様からのクレームに対する謝罪文です。
接客に関するクレームに関しては、こちらにどれほどの非があるのかを見極めて謝罪を行わうことが必要です。
こちらに非が無いにも関わらず謝罪してしまうと、再度そのお客様とトラブルに繋がりかねません。上記の例文では、完全にこちら側が悪いパターンを想定していますが、その時の状況やクレームをもらったスタッフから細かくヒアリングしていく必要があります。
請求書ミスや返金処理を行う場合の謝罪文
件名
金額間違いに関するお詫びと返金について
本文
平素よりお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
〇月〇日付請求書のご請求金額に誤りがあることが判明いたしました。
正しい金額につきましては、添付しております資料の通りです。
添付資料にある正しい金額とご請求書の金額との差額については、本日中に貴社へ返金いたします。
度重なるお手数をかけまして大変恐縮ですが、この度の請求分の領収書をご返送いただけますでしょうか。
この度は、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
今後このようなことのないように管理を徹底してまいりますので、
何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
メールでのご連絡となり恐縮ですが、ご請求のお詫びと返金のご連絡まで申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
お金に関する問題は、その後の信用に大きく影響します。ミスが発覚した際には迅速に対応するようにしましょう。
社内向けの謝罪メールの例文
次に、社内向けの謝罪メールの例文を紹介します。
上司や同僚にミスの報告をするのは気分の良いものではありませんが、組織として仕事を行う以上は、細かな連絡と謝罪の言葉は大切です。
不注意によるミスに関するお詫び
件名
【〇〇に関するお詫び】
本文
お疲れ様です。
〇〇部〇〇課のです。
取り急ぎ、ご報告があります。
取引先(株式会社××)との連絡ミスがあり、アポイントの時間に相違がありました。
そのため本日予定していた商談を行うことができませんでした。
私の不注意から、部長代理及び関係各位に対し、
多大なるご迷惑をおかけしましたこと、誠に申し訳ありませんでした。
スケジュール管理と、先方への連絡方法、事前の確認を見直し、二度とこのような失態を繰り返さないように、以後十分に注意して業務に励みます。
誠に申し訳ございませんでした。
社内に向けた謝罪メールは、関係者を必ず送信先に入れるようにしましょう。
ミスをした際には、なんとか自分で取り返したいと思ってしまいますが、会社全体で問題と向き合う方が、早く収束することはよくあります。
飲み会の欠席を詫びるメール
件名
本日の飲み会欠席のお詫び
本文
◯◯さん
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
本日予定の〇〇の飲み会にお誘いいただきありがとうございます。
本日の飲み会、とても楽しみにしていたのですが、急な予定が入り参加できなくなってしまいました。
幹事である△△さんには大変な迷惑をおかけしてしまいますが、キャンセルさせて頂きたく存じます。
ご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません。
次回はぜひ参加したいので、またお誘いください。
また、次回は私が幹事をさせていただく予定です。その際はご参加いただけますと幸いです。
欠席のご連絡とお詫びをメールにて申し上げます。
会社の飲み会への欠席を詫びるメールです。
今後の関係性を良いものにしておくためにも気持ちの伝わるお詫びのメールを送ることが大切です。
まとめ
以上、誠意が伝わる謝罪文を書くためのポイントと謝罪の例文を紹介しました。
謝罪文の構成やお詫びの言葉を正しく使い、失礼のない文章を作ることは大切ですが、一番重要なのは謝罪文を送るまでのスピードです。
トラブルが起こったときは、解消を優先させるだけでなく、現状や対応策の報告を素早く相手に伝えるのを忘れないようにしましょう。