メールの配信方法の一つである「メーリングリスト(ML)」を知っているでしょうか。
複数の人に同じ内容のメールを送信するという点では一斉送信と変わりませんが、両者の間には大きな違いがあります。
メールマーケティングを行っている方であれば、メーリングリストと一斉送信の違いは確実に抑えておかなければなりません。
この記事では、メーリングリストの仕組みや一斉送信との違い、メーリングリストを使ったマーケティングの方法について解説しています。
目次
メーリングリストとは?
メーリングリストは電子メールを使い、複数の人に同じ内容のメールを送信する仕組みのことで、メーリス・MLなどとも呼ばれます。
宛名欄に送信したい相手全員のアドレスを手入力する一斉送信に対して、メーリングリストは特定のメールアドレスを宛名に設定するだけで、リストに登録されているユーザーにメールが送信されます。
メーリングリストのアドレスさえ知っていれば、誰でもリストに登録されているユーザーにメールを送信することができるので、学校の連絡網や、社内・取引先に同じ内容のメールを送信したい時などに便利です。
よく「同報メール」と「メーリングリスト」の違いを質問されるので、「同報メール」と「メーリングリスト」の違い。最も効率よく一斉送信をする方法とは。の記事でまとめました。参考にしてください。
メーリングリストとグループメールの違い
メーリングリストとグループメールは、どちらも複数人にメールを送信する機能ですが、仕組みに違いがあります。
メーリングリストは専用のサーバーを介して配信されるため、送信者と受信者間の直接的なやり取りは発生しません。一方、グループメールは、送信者が複数の宛先をCCまたはBCCに追加して送信します。
以下で表にしてみたので確認してみてください。
項目 | メーリングリスト | グループメール |
---|---|---|
仕組み | 専用サーバー経由で配信 | 送信者が複数宛先を指定して送信 |
適したグループ | 大規模なグループ | 小規模なグループ |
プライバシー | アドレスを公開せずに利用可能 | BCCを使用しないとアドレスが公開される |
管理の手間 | 宛先管理不要で容易 | 宛先管理が必要 |
過去メールの検索 | 検索しやすい | 検索しにくい |
専用サーバー | 必要 | 不要 |
設定の難易度 | やや複雑 | 簡単 |
情報漏洩リスク | 低い | 高い(BCC忘れなど) |
どちらの方式を選ぶかは、グループの規模や、セキュリティ要件などを考慮して決定する必要があります。
メーリングリストのメリット
ここからはメーリングリストのメリットを2点ご紹介します。
手間・コストがかからない
いちいち相手のアドレスを入力しなければいけない一斉送信とは違い、特定のアドレス一つに向けて送信するだけで、リストに記載されている全員にメールを送信することができます。
配信する内容さえ決まれば、宛名にアドレスを1つ設定するだけなので、送信する人数によっては大幅に手間を省くことができます。
また、GmailやOutlookでは、無料でメーリングリストを作成できるので、コストもかかりません。
情報漏洩のリスクが低い
オフィシャルなメールで複数の方へ向けてメールを送信する場合は、アドレスの管理には充分に気をつければなりません。
BCCに入れなければならない方のアドレスを誤って、TOに設定してしまった……という単純なミスでも、場合によっては信用問題に発展しかねません。
過去には上智大学入学センターが、宛先の設定ミスにより入学者のメールアドレスを公開してしまい問題になりました。
メーリングリストを利用することで、このようなミスを起こすリスクを抑えることができるでしょう。
メーリングリストのデメリット
複数の宛先へ向けて手軽に同じ内容のメールを送信でき、情報漏洩のリスクが少ない反面、デメリットもあります。
メルマガなどでの利用に向かない
メーリングリストのデメリットとして、自社のサービス・商品を広告するメルマガやメールマーケティングでの利用が難しいという点が挙げられます。
企業からお客様へコンテンツを配信する、という意味ではメーリングリストの利用も可能に思えますが、そうではありません。
メールマーケティングなど、メールを使った集客では、コンテンツを改善するためにユーザーの反応を集める必要があります。
メールを使ったマーケティングに必要なユーザーの反応としては「到達率」「開封率」「クリック率」などが挙げられますが、メーリングリストの場合はそれらの情報を得ることはできません。
メーリングリストは手軽に多くの方に配信できる一方で、集客や広告として使うには不向きというデメリットがあります。
メールマーケティングについてはメールマーケティングとは?メルマガとの違いや特徴を3分で解説します!の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
おすすめのメーリングリストサービス
早速、おすすめのメーリングリストサービスを3つ紹介していきます。
ブラストメール(株式会社ラクスライトクライド)
公式サイト:https://blastmail.jp/
20年の歴史を持つ日本のメール配信サービスで、使いやすさと高い到達率が特徴です。大手企業や官公庁まで幅広く導入されており、顧客導入数シェアは14年連続No.1をとり続けている、まさに定番のメーリングリストサービスです。
月額4,000円から利用可能で、簡単に使いこなせるシンプルなデザインも魅力の一つです。
- 使いやすさ: 直感的なインターフェースで、初心者でも簡単に操作できます。
- 豊富な機能: HTMLメールエディタ、ターゲット配信、効果測定、迷惑メール対策などの機能を提供しています。
- 多様なプラン: 小規模な個人事業主から大企業まで、様々なニーズに対応するプランがあります。
- 充実したサポート: メール・電話など、多様なサポートオプションを提供しています。
- 高速かつ確実な配信品質:メールが確実に届くための機能改善を20年にわたり積み重ねてきているので、大切な情報を確実に届けることができます。
ブラストメールの料金
ブラストメールは高品質な配信を低価格で利用してもらうために作られたサービスなので余計な機能がなく、コストパフォーマンスが非常に良いサービスです。
また、配信メールや登録フォームに広告が入りません。
7日間の無料トライアルがあり、リスクなくサービスを体験できるので、まずは試しに使ってみてください。
配配メール(株式会社ラクス)
公式サイト:https://www.hai2mail.jp/
クラウドベースのサービスで、リスト数課金制を採用しています。制限なく配信可能で、高機能な分析ツールを提供しています。
- 直感的な操作性を重視したインターフェース
- 高度な分析機能
配配メールの主な機能は以下のとおりです。
- HTMLメールエディタ:ドラッグ&ドロップで簡単にHTMLメールを作成/画像、動画、文字の差し込みが容易
- セグメント配信:年齢、開封率などの条件で顧客をセグメント化して配信可能
- ステップメール配信:特定のタイミングや顧客行動をトリガーにしたメール配信が可能
- 効果測定ツール:開封率、クリック率などのデータをリアルタイムで確認可能
- ヒートマップ機能で最適な配信時間を分析
- エラー管理機能:配信エラーや未配信メールを効率的に管理
配配メールは多機能な分、機能が豊富すぎて、初心者には少し複雑に感じる可能性があります。また、他のサービスと比較して、料金が若干高めの可能性がある
配配メールは、使いやすさと高度な機能を兼ね備えたメール配信サービスで、特に分析機能と自動化機能が充実しています。マーケティング効果の向上を目指す企業や個人に適したサービスといえるでしょう。
らくらく連絡網(株式会社イオレ)
公式サイト:https://www.ra9plus.jp/
らくらく連絡網+(プラス)は、700万人以上の会員数を誇る「らくらく連絡網」のリニューアルサービスです。グループコミュニケーションを簡単・便利・安全に行うことができる完全無料のアプリです。
- 連絡発信者の制限:重要な連絡が埋もれにくくなります。
- 既読・未読状況の可視化:確実な連絡伝達が可能です。
- 出欠確認・日程調整・アンケート機能:自動集計機能付きです。
- チャット機能:送信者と受信者が1対1でコミュニケーションできます。
- パスワードレス認証:セキュリティが向上し、管理が容易になりました。
- アプリとWebブラウザの相互利用:利用シーンに合わせて使い分けられます。
- すべての連絡に読了確認機能:情報伝達の確実性が向上しました。
また、2024年6月21日から広告なしで利用できる「団体有料版」がスタートしました。料金プランは旧サービスと同じで、メンバー数に応じて1ヶ月5,500円から利用可能です。
らくらく連絡網+は、スポーツ団体やPTAなどの大人数での情報伝達に適しており、使いやすさと機能性を兼ね備えたサービスとなっています。
フリーメールでのメーリングリストの設定方法
ここからは、GmailとOutlookでメーリングリストを設定する方法をご紹介したいと思います。
Gmail
Gmailでメーリングリストを作るには、Gmailにログイン後にGoogleグループに移動します。
「グループ作成」を選択後、グループ名を作りメーリングリストのアドレスを設定します。
グループの作成が終わったら、左の一覧から「メンバーを招待」をクリックし、メーリングリストに登録したい方のアドレスに対して招待状を配信し、完了です。
その他にもGmailには、知らないと損する便利機能がたくさんあります。
Gmailを便利に使うマル秘テクニックの資料でまとめていますので、気になる人はダウンロードして確認してください。
Outlookでのメーリングリスト作成方法
Outlookには頻繁に一斉送信する宛先を事前に設定しておくことのできる「グループ機能」があります。
チームのメンバーや、頻繁にメールのやりとりを行う取引先であれば、グループ設定をしておいた方が、いちいち宛先を入力する手間が省けるので時短になります。
設定の手順も非常に簡単です。
- 「連絡先」をクリックし「個人用の連絡先」からグループを保存するフォルダを選択
- リボンにある「新しいグループ」を選択
- グループ名を設定する
- 「メンバーの追加」をクリックして任意の連絡先を追加していく
作成したグループは連絡先に保存されるので「宛先」の欄から直接探すことができます。
これだけで、いちいち宛先を入力する手間を省くことができるので、頻繁に一斉送信を行う宛先はグループを作っておきましょう。
グループを設定しておくことは、宛先の挿入ミスの防止にも繋がります。
ただし、グループを設定しても、メンバーの変更があるたびにメンテナンスが必要です。メンバーの入れ替えができていないと「重要なメールの共有できていない」という事態に繋がりかねないのでグループのメンバーは常に最新のものにするよう心がけましょう
メーリングリストをビジネスで利用する時の注意点
ビジネスでメーリングリストを利用する際には、いくつかの注意点があります。
送信者の名前を明確にする
送信者の名前を明確にすることは、誰からのメールであるかを明確にし、受信者の信頼を得るために重要です。
情報漏洩に注意する
情報漏洩に注意することは、機密情報や個人情報が外部に漏洩するリスクを防ぐために重要です。
定期的にメーリングリストのメンバーを見直し、不要なメンバーを削除することで、情報漏洩のリスクを軽減することができます。特にCC・BCCの入力ミスには気を付けましょう。
CC、BCCへの入力間違いは人間の手により引き起こされる、ケアレスミスですが、大きな問題に繋がってしまったケースも報告されています。特に最近はコロナ騒動による影響で、メールを一斉送信する機会が増え、トラブルが増えているようです。
コロナ騒動による一斉メール誤送信が頻発!誤送信に有効な防止策とは?
プライバシーポリシーを遵守する
プライバシーポリシーを遵守することは、個人情報の取り扱いについて法令を遵守し、受信者のプライバシーを保護するために重要です。
メールの件名や本文をわかりやすく記載する
メールの件名や本文をわかりやすく記載することは、受信者がメールの内容を理解しやすくし、返信やアクションを促すために重要です。
ビジネスでメーリングリストを利用する際には、これらの注意点を守り、受信者にとって有益な情報を提供することが重要です。
さらに、メールの送信頻度を適切に調整し、受信者の負担を軽減することも重要です。 受信者の立場に立って、快適に利用できるメーリングリストを構築しましょう。
メーリングリストとメール配信サービスを使い分けよう
先述の通り、メルマガやメールマーケティングによって自社のサービス・商品をPRしたい場合は、お客様の反応をチェックしつつ、コンテンツを改善していかなければなりません。
また、メールに限らず広告を行う際は、ターゲットを明確にすることが重要です。
手間をかけずに情報共有ができるのはメーリングリストの強みですが、メルマガやメールマーケティングを行う際は、配信したコンテンツを分析したり、ターゲットを絞った配信ができるメール配信サービスを利用しましょう。
メール配信サービスとは、メール配信に特化したサービスで以下のような特徴がありますす。
・メール配信業務の負担を軽減できる
・効率的にメール配信業務を行える
メール配信サービスを導入するメリットには以下のような点があげられます。
スパムフィルタ対策が充実している
メール配信システムにはドメイン認証などセキュリティに特化した機能が備わっています。また、信頼度の高いIPアドレスを保有していることも多く、通常のメーラーで配信を行うよりも到達率が高くなります。
宛先リストの管理が容易
メール配信システムにはセグメント配信機能がついていることが多く、送信先を容易に調整できます。Gmailなどのメーラーでも可能ではありますが、誤送信等のリスクがあるので、あまりおすすめのやり方ではありません。
セキュリティ上のリスクを抑えられる
誤送信やCC/BCC間違いといった人的エラーから生じる情報漏洩といったリスクも最小限に抑えられます。
大量のメールを一度に効率的に送信できる
メール配信システムは多くの場合、大量送信に適したサーバーを使用しているので、一度に大量のメールを送ることができます。また、有料サービスの場合、送信通数やアドレス数に応じて料金が設定されているので、自分に合ったシステムを導入すれば、低価格で大量のメール配信が可能です。
特にブラストメールは、アドレス数に応じた料金プランなので、配信数の少ないメルマガ初心者にもお得に使えるサービスです。
配信の分析ができる
メール配信システムは多くの場合、到達率や開封率、クリック率といった指標の分析が可能です。
特にメルマガを送りたい場合、施策の効果測定は必須です。通常のメーラーを使った一斉送信ではどれだけ届いたか、何人が開封したか、といったデータが全く取れません。
社内広報でメールを送りたい人にはメール配信システムの利用を強くお勧めします。
参考記事:メール配信システムおすすめ比較20選!専門家が図解とランキング形式で解説
メール配信サービスの選び方
提供しているサービスによって機能はまちまちですが、メール配信サービスには無料のものから、月額数十万円かかるものまで様々です。
メール配信システムには多様なサービスがあるので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、メール配信システムを選ぶ時のポイントについて解説します。
配信速度
見逃されがちですが、メール配信システムにおいて配信速度は最重要項目といっても過言ではありません。
サポートや機能が各社の戦略次第で変更可能なのに対し、配信速度は長年蓄積された技術に裏付けされているので、一朝一夕にまねできるものではないからです。
メール配信システムを選ぶ際はその信頼度の指標としいて必ず配信速度を確認しましょう。
配信先の安全性と到達率
到達率も非常に重要です。SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)といった、メールの正当性を保証するための認証プロトコルに対応していないと、メールがスパム扱いされる可能性が高くなります。
特にGmailは送信者ガイドラインもアップデートされているので、これらの対策がなされているシステムを選ぶのは必須といえるでしょう。
関連記事:【解決策】2024年2月よりGmailガイドラインが変更!1日5000件以上の配信は対応必須!
サポート体制
メールの一斉送信は個人情報を扱う非常にデリケートな領域なので、万が一の際のサポート体制は非常に重要です。特にチャットサポートや電話サポートといった、リアルタイムのサポートが提供されているか、日本語でのサポートがあるかは重要なチェックポイントになりえるでしょう。
配信規模と料金プラン
メール配信システムは、配信規模によって最適な料金プランが異なります。少量のメールであれば無料プランでも十分ですが、配信リストが増えたり、頻繁にメールを送信する場合は有料プランをお勧めします。
機能の充実度
メール配信システムには、セグメント機能や効果測定など、様々な付加機能が用意されています。必要な機能が揃っているか確認しましょう。
また、不必要な機能がついていることで、金額が高くなっているケースもあります。本当に自社で必要な機能は何かを考えたうえで、必要最低限のプランを選ぶことをおすすめします。
使いやすさ
メルマガ初心者の場合、いきなり高度なデザインの入ったメールを0から作成するのは非常に難易度が高いです。また、管理画面の見やすさも、メルマガの運用をしていく上では非常に大切です。
無料トライアルやFreeプランを提供しているサービスは、実際に使ってみることができるので、自分に合ったサービスを探すのに役立つでしょう。
メルマガ配信するならブラストメール(blastmail)
ブラストメールは、14年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール判定対策機能はもちろん、セグメント配信や豊富なテンプレート、HTMLメールエディタなど、メルマガに必要な基本的な機能はすべて揃っています。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。
また、配信速度が高く、到達率が非常に高い点も魅力です。
「メルマガの到達率を上げたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。
無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
メーリングリストとは、同じ内容のメールを複数の方に送るための機能です。
送信したい人を全て宛先に設定する一斉送信とは違い、特定のメールアドレスに送信する事で、リスト内の全員に同じメールを送信できるのがメーリングリストの強みです。
GmailやOutlookなどでは標準機能として使えるので、無料でメーリングリストを作成する事ができます。
しかし、配信したメールの分析やターゲット配信がないメーリングリストは、メルマガやメーリングリストでの利用には不向きと言えるでしょう。
メールを使って自社のサービス・商品を広告する場合は、メール配信に特化したメール配信サービスの利用をオススメします。
メーリングリストと比べるとコストのかかるものが多いですが、先ほどご紹介した「ブラストメール 」は7日間の無料トライアルを実施しています。
メール配信サービスが気になった方はぜひ、使い心地を試してみてください。
