こんにちは。ブラストメールサポート担当の山口です。
新型コロナウイルスの影響は、世の中に大きなインパクトを与えています。
安倍晋三首相が2020年2月29日、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、「全国小中高休校」に踏み切るなど、異例な事態にも発展してきました。
企業でも、「時差出勤」や「リモートワーク体制の導入」、「イベント中止」を決定する動きが出てきました。
これに伴い、イベント中止のお知らせやリモートワークとする旨を主要メディアやお客様向けに一斉送信するケースが増えています。
と、共に一斉メールを誤送信した旨のニュースも目立つようになりました。
それもそのはずで、一斉送信に慣れていない企業や自治体、学校では急な対応となり、誤送信の防止策を検討できる猶予もなかったのでしょう。
誤送信を防ぐには、「起こる前に防ぐ仕組みを作っておく」が最も有効な対応策です。
この記事では、一斉メールを誤送信しないために有効な手段や方法について、解説していきます。
目次
新型コロナウイルスで高まった、一斉送信のニーズ
厚生省は2020年2月25日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表しました。
この発表を受け、企業は従業員の健康の安全確保を目的と感染防止を目的に、急速に動きを見せています。リモートワーク、営業時間短縮、一定期間の営業停止など。
とくに人が密集しやすい講演、イベント、フィットネスクラブやジムなどは、早急な対応が求められています。
引用:ホットヨガスタジオ『LAVA』 新型コロナウイルス対策に伴う全店舗休業につきまして
いずれにせよ、営業形態の変更や中止をする場合、顧客や関係者への連絡が必要です。
顧客や関係者の数が少なければ、個別に連絡すれば済みますが、ほとんどの企業は一斉送信で連絡をすることでしょう。いままで一斉送信の必要がなかった企業も、コロナウイルス騒動によって、その必要性が生じてきました。
メール誤送信の事例
コロナ騒動に関して、一斉メールを誤送信する事例が発生しています。コロナ騒動以前の事例も合わせて、幾つかご紹介します。
「兵庫県立大」(コロナ関連)
兵庫県神戸市にある兵庫県立大学は、新型コロナウイルスの影響で合同企業説明会が中止となった旨のメールについて、BCCに設定するアドレスを誤ってTOに入力し、個人メールアドレスを流出した。
- 発生日時:2020年2月27日
- 情報流出数:4,500名
- 漏洩情報:自学生および関係者のメールアドレス
出展: https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202002/0013150570.shtml
「東京都台東区」(コロナ関連)
東京都台東区は、講演会の当選者に送信する講演中止メールについて、BCCに設定するアドレスを誤ってTOもしくはCCに入れてしまい、当選者のメールアドレスを流出した。
- 発生日時:2020年2月27日
- 情報流出数:43名
- 漏洩情報:講演会の当選者メールアドレス
出展: https://scan.netsecurity.ne.jp/article/2020/03/02/43750.html
「川崎中原区役所」
川崎市中原区役所まちづくり推進部総務課は「中原区警察署・消防署・区役所ぐるぐるツアーの抽選結果」メールについて、BCCに設定するアドレスをCCに誤って入力し、個人メールアドレスを流出した。また、発生直後は本事案について適切な対応を怠っていた。
- 発生日時:2019年8月5日
- 情報流出数:50名
- 漏洩情報:落選者のメールアドレス
出展: https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000109/109424/houdoushiryou.pdf
「横浜市立大学付属病院」
横浜市立大学付属病院にて、患者情報を含むメールを誤って不明なアドレスに送信し、患者情報を漏洩した。
- 発生日時:2019年8月5日
- 情報流出数:3,411名
- 漏洩情報:患者氏名、生年月日、性別、初回手術施行日、腫瘍性状、手術後の治療、再発の有無等
出展: https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2019/dr3e64000000pb77-att/20190805_info.pdf
「阪神タイガース」
日本のプロ野球球団の阪神タイガースは、お客様宛に送るチケット案内メール(送信は業務委託)で誤送信があり、本人以外へ個人情報が漏洩した。
- 発生日時:2019年2月14日
- 情報流出数:1,369名
- 漏洩情報:非公開のため不明
出展:https://hanshintigers.jp/news/topics/info_6066.html
メール誤送信の種類
一斉送信先のアドレスを誤開示
BCCに入れるべきメールアドレスをTO・CCに入れてしまったといった、先の事例で紹介したケースがこれに該当します。
BCCの誤送信の原因は、「操作ミス」が9割を占めます。小さなミスが大きな損害を起こす典型的なケースですので、BCCを使う際は注意が必要です。
関連記事:プロが教える!一斉メール配信にBCCをお勧めしない理由と、正しいBCCの使い方!
宛先間違い
宛先の間違いによる誤送信は、本来は送るはずでなかった相手にメールを送ってしまうケースです。
宛先間違いは、メールの内容にもよりますが、関係者外秘の情報を第三者に漏洩することに繋がり易いので、インパクトの大きな問題に発展することもあります。
添付ファイルミス
添付ファイルミスは、2つのパターンがあります。
一つは、送るべき添付ファイルを送らず、関係のないファイルを送付してしまうパターン。機密データの場合もあれば、何かの一時ファイルである場合もあり、送った添付ファイルの内容次第で問題の大きさが変わります。
もう一つは、関係者以外に添付ファイルを送ってしまうこと。このパターンのセキュリティ事故は、ビジネスインパクトが大きいケースが特徴です。個人情報や機密情報を第三者に漏洩したことになるので、事後は相応の対応が必要になります。
一斉メール誤送信を防止する方法
メーラー機能で制御
一部のメーラーには、「送信ボタンをクリック後、一定時間経過したら送信する」機能があります。
送信前に宛先や添付ファイルのチェックを行っても、いざ送信メール見るとミスがあったといった事態を回避でき、送信前・送信中の2段階で誤送信の防止ができます。
また、宛先間違いでよくあるケースは、「メーラーのメールアドレス自動変換で類似のメールアドレスが入ってしまう」ものです。これは、メーラーでオートコンプリート機能をOFFにすることで回避できます。
ダブルチェック、上長承認
担当者レベルで誤送信を防止するなら、「ダブルチェック」や「上長承認を経てから送信する」など、複数人の確認後に送信するのが有効です。
前もって運用ルールを決めたり、都度人数の確保は必要ですが、担当者一名に任せきりな状態は危険なので、なるべく複数人での運用を心がけてください。
ファイル暗号化・暗号化ルール見直し
メールの添付ファイルは、なるべく暗号化して送ることが推奨されます。
メールソフトの一部には、添付ファイルを自動で暗号化してくれるものや、暗号化されていないファイルを送信した場合、送信されない機能を持つソフトもあります。
しかし、解凍パスワードも誤ったメールアドレスに届いてしまうので、暗号化をした場合でも、送信先のチェックは必ず必要になります。
配信専用サービスを利用する
一斉メール送信の誤送信を仕組み的に回避するなら、一斉送信専用のサービスを使うことが、安全で手堅い対応策です。
一斉送信専用のサービスなら、全てのメールアドレスは自動的にBCCに割り当てられます。目視でBCCに入っているか、といった手間のかかる作業が一切不要になります。
加えて、「送ったメールが何通届いているか、開かれたか」といったデータも一目で確認できます。全員に届いて欲しいメールを一斉送信する場合には、メール配信専用のサービスの利用が防止先としては最も有用です。
関連記事:メール一斉送信ソフトとは?BCCとの違いやメリットをご紹介
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
まとめ
一斉メールでの誤送信を防ぐには、事前に対策や防止策を打っておくことが大切です。
コロナ騒動に関して、いつ自身に一斉送信をする機会が訪れたとしてもおかしくはありません。
新聞やネットニュースに、あなたの企業が「メール誤送信」の事例として取り上げられるのは、なんとしても避けたいですよね。
事故が起こってからでは遅いですので、どのような策が有効かをしっかり把握し、万全の準備をするようにしましょう。