ビジネスにおいて、「どうやって売上げを立てるか」という考え方は非常に大切です。
しかし、「リストビルディング」について知った後なら、「リストをどう育てるか」ということも、同じくらい大事な考え方であることに気付かされるでしょう。
リストマーケティングを実践するマーケターにとって、もはやリストビルディングは必修科目といえるほど重要です。
本記事では、そんなリストビルディングのやり方について徹底的に解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
リストビルディングとは?
リストビルディングとは文字通りリストを構築することですが、リストを集めるだけを指す概念ではありません。
販売に備えて熱量の高いリストを育成することや、既存顧客のファン化を促し、リピーターになってもらうことなどもリストビルディングに含まれます。
つまりリストビルディングは、リストを増やすことと、リストの質を高めることの両方を意味します。
リストビルディングのやり方
リストビルディングには、大きくふたつのアプローチがあります。それは「リストを増やす」ことと、「リストを育てる」ことのふたつです。
- リストを増やす(量)
主に集客のこと。具体的にはSEOや広告で自社メディアを露出したり、既存顧客の口コミ・シェアを促したりなど - リストを育てる(質)
主に育成・販売のこと。具体的にはメルマガや公式LINEなどで育成したり、セミナーを開催したりなど
要するに「量か、質か」ということですが、どちらか一方が欠けていては売上につながりません。量を増やすべきか、質を高めるべきかは、状況によって変わってきます。
また、ビジネスが成長すれば、リソースの配分こそ考える必要があるものの、両方を同時並行するのが当たり前になってくるでしょう。
リストビルディングの手法:集客編
まずはリストビルディングの「量」に焦点を当てた手法、すなわち集客について解説します。
リストビルディングの集客でよく用いられる手法は、以下の5つが挙げられます。
- ブログ(SEO)
- SNS
- Web広告・ランディングページ
- 無料レポートスタンド
- 口コミ・シェア
ブログ(SEO)
ブログといえば、広告費ゼロで実践できる定番の集客媒体ですね。集客力を高めるにはSEO対策が必要ですが、上位表示を安定して獲得できるようになれば、強力な集客ツールとなります。なお、SEOについては以下の記事で詳しく解説しています。
ブログで集客する場合のデメリットは、軌道に乗るまで時間がかかることです。最低でも半年、長ければ1年以上はかかるでしょう。
SEOを行うなら、それだけの期間がかかっても大丈夫なように、またできる限り早く効果を出すために、戦略的なサイト構築を行いましょう。
晴れてブログにアクセスが集まるようになってきたら、ブログのトップや記事中にメルマガ登録の導線(CTA)を設置し、メールアドレスリストの収集を促します。
ブログにおけるリストマーケティングについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考してください。
ブログ×リストマーケティングで売上アップ!両者の相性が良い理由とは?
SNS
TwitterやInstagramを利用することでも、集客が可能です。具体的には以下のような方法が挙げられます。
- 自社商品、もしくはそれに関連するジャンルに興味がありそうなユーザーにアプローチする。アプローチとはフォロー、シェア、「いいね」、DMなど
- バズを狙う。共感できる、面白い、泣ける、考えさせられるなど、方向性は様々
- トレンド入りしているハッシュタグを使って便乗投稿する
上記のような方法でユーザーをあなたのアカウントにアクセスさせれば、そのままブログやメルマガ登録フォームに誘導することでリストが獲得できます。
SNSは各サービスごとに機能やユーザー層が異なるため、あなたのビジネスにあったサービス選びを心がけてください。
Web広告・ランディングページ
インターネットを使った手っ取り早い集客方法といえばWeb広告です。Web広告であれば、ターゲティングの最適化まで少々の時間と費用はかかるものの、お金さえかければ確実にユーザーに自社媒体を露出させられます。
Web広告には色々な種類がありますが、アドネットワークについて知っておけば、概ねカバーできるでしょう。
アドネットワークとは?ウェブ広告の基礎についてわかりやすく解説
そしてWeb広告とセットで必要になるのが、広告をクリックした先に出るランディングページです。
ブログ記事でも集客は可能ですが、Web広告経由のユーザーなら、そうしたユーザーをコンバージョンさせるのに特化したランディングページを使ったが、効果は得やすいです。なお、ランディングページの作り方については以下の記事で詳しく解説しています。
ランディングページの作り方を徹底解説!低コストで数字を上げるLPを作る方法とは?
無料レポートスタンド
無料レポートスタンドとは、お役立ち情報がまとめられたPDFを無料でダウンロードできるサイトのことです。ユーザーに無料で自社のノウハウを提供する代わり、ユーザーのメルマガ登録を獲得できます。
代表的なサイトとして「スゴワザ!」や「メルぞう」があります。実際にサイトを見てみると分かりますが、いかがわしいタイトルのレポートが多く、内容も眉唾なものばかりです。
そうした中で本当に有用なレポートをアップすれば、もしかするとユーザーから高い信頼を得られるかもしれません。
口コミ・シェア
すでにあなたの商品にファンがついている場合は、商品について口コミしてもらったり、あなたのブログやSNSをシェアしてもらったりすることで集客できます。
しかし、ただお願いするだけでは中々動いてくれません。口コミを促すには、「口コミ投稿で新商品を無料プレゼント」「紹介してくれたら10%OFF」などの特典を用意しましょう。
なお、弊サイトでは集客について網羅的にまとめたガイドブック(下記)を提供しています。実践的で活用しやすい内容となっているため、ぜひ手に取ってみてください。ダウンロードは無料です。
今日から使える「集客大全」 集客の悩みはこれ一冊ですべて解決!
リストビルディングの手法:育成編
次にリストビルディングの「質」に関係する要素の一つ、育成の手法について解説します。紹介するのは以下の3つです。
- メルマガ
- ステップメール
- LINE公式アカウント
メルマガ
メルマガはリストビルディングになくてはならない育成ツールです。最近はLINEのリストを重視する企業も増え始めていますが、メールアドレスのようなプラットフォームに依存しないリストの重要性は依然高く、従ってメルマガの重要性も高いといえます。
さて、メルマガには、リストの属性やアクションに応じて、アプローチを切り替えられるというメリットがあります。
例えば流入して間もないリストには育成コンテンツだけを送る、メルマガに一定回数以上の反応を見せたリストには、自社商材のPRや導入事例を送るなど、顧客の状態に合わせてメールの内容を変えるのが良いでしょう。
リストによってメルマガの内容を最適化することで、販売に向けてリストの温度感をスピーディーに高められます。
メールを使ったリストの育成(ナーチャリング)については、別記事で詳しく解説しているため、こちらも参考してみてください。
メールでリードナーチャリングをする際のポイントを分かりやすく解説!
また、弊サイトでは、メルマガをこれから始める人に向けて、メルマガの作り方を分かりやすく解説したガイドブックを提供しています。ダウンロードは無料なので、ぜひ手に取ってみてください。
これで全部分かる。もう迷わない。みんな読んでるメルマガ作り方大全
ステップメール
ステップメールとは、「登録初日はメールA、2日目はメールB、3日目はメールC…」といった具合に、リストの流入日を起点に順序よく配信されるメールのことです。
ステップメールはメルマガ同様にリストビルディングでよく用いられる手法で、学習コンテンツから販売オファーにつなげるような販売戦略と相性が高いといえます。なぜなら、ステップ配信はメール一通一通の連続性が強いという特徴があるためです。
ただし、メールを作る手間だけでなく、シナリオを企画・制作する手間があるため、上級者向けの手法といえます。
なお、両者の違いや使い分けについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
「メルマガ」と「ステップメール」の違いとは? 両者の違いを正しく理解しよう!
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントとは、LINE社が提供しているB2Bサービスです。簡単にいえば、メルマガやステップメールのようなことがLINEで実現できるサービスといったイメージです。
現在、消費者はコミュニケーション手段として、メールではなくLINEを見る機会の方が格段に多いため、B2Cであれば高い効果を発揮できます。
一方で、B2BにLINEはあまり向きません。ビジネスマンはあまりLINEをコミュニケーションに使わないためです。LINEは市場の向き不向きがハッキリ分かれているため、導入する場合は慎重に検討してください。
なお、LINE公式アカウントは、メルマガ配信よりもランニングコストが高いため、予算がある程度用意できなければ、継続は難しいでしょう。
リストビルディングの手法:販売編
最後に「販売」について解説しますが、販売は決してリストビルディングのゴールではない点に注意してください。
リストビルディングの観点からいえば、販売はあくまでリストの「質」を高めるための通過点に過ぎません。
例えば商品を買ったリストは、丁寧にサポートすることで顧客ロイヤリティが増し、あなたのために喜んで商品を宣伝してくれるかもしれません。また、アップセルという売上の機会もあります。
失注したリストも、ダウンセルを提案することで拾えるかもしれません。販売が終わっても、あなたのビジネスが続く限りリストビルディングは終わらないのです。
さて、販売編では以下のような手法を紹介します。
- セミナー・ウェビナー
- キラーコンテンツ
- セールスレター
セミナー・ウェビナー
セミナー・ウェビナーは、見込み客リストに向けた販売戦術としてよく活用されます。
「自社ノウハウをセミナー限定で伝授」といった触れ込みで参加者を集め、最後に自社商品・サービスをPRし、興味を示した参加者にクロージングをかける、という流れが定番です。
コロナ禍の昨今はオフラインイベントの集客が難しいため、ZoomやSkypeなどのビデオ会議ツールを使ったウェビナー(オンラインセミナー)の開催が盛んです。
ウェビナー実施時のポイントについては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参考してください。
キラーコンテンツ
マーケティングにおけるキラーコンテンツとは、「コンバージョンの獲得に直接寄与するコンテンツ」のことを指します。
キラーコンテンツの例としてはサービスの導入事例や、無料お試しなどが挙げられます。それらの要素は、ユーザーが購買判断を下すための強い動機付けになるためです。
他にも、キラーコンテンツなら「これが鉄板」といえる情報はいくつかあります。以下の記事でより詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
セールスレター
セールスレターとは、商品・サービスを売込むことに特化した、縦長のWebページのことです。
似たような役割を持つページに「ランディングページ」がありますが、リストビルディングにおいては集客に用いるというイメージが強く、販売に特化したセールスレターとはしばしば区別されます。
売れるセールスレターを作るポイントは、「ベネフィットを訴求の軸にする」ことです。セールスレターの制作を外注するにしても、依頼者であるあなたがベネフィットを上手く捉えられているかどうかで、コピーの品質は大きく左右されます。
ベネフィットとは「ユーザーの変化」のことで、商品・サービスの効果・メリットとは異なります。
このように、あなたの商品・サービスを利用することで「ユーザーが望む変化」が実現できる、ということをセールスレターで訴求します。 また、セールスレターはどんなに長くなっても構いません。手元にある訴求材料はすべて使い、ユーザーの疑問や不安が挟まる余地を徹底的に潰しましょう。 リストの受け皿として欠かせないメルマガですが、メルマガを活用するにはメール配信システムの導入が必須です。 メール配信システムには開封率やクリック率の測定や、ターゲット配信などリストビルディングになくてはならない重要な機能を備えています。 ただし、一口にメール配信システムと言っても様々なサービスがあるため、自分の目的に合ったものを選ぶのは大変です。 そこで弊サイトで提供している、メール配信システムの選び方について紹介したガイドブック(下記)をご利用ください。 メール配信のプロが教える!「メール配信システムの選び方」ガイドブック ガイドブックでは、メール配信のプロの知見から、メール配信システムについて分かりやすく解説しています。ダウンロードは無料です。 リストビルディングとは、リストの量と質、両方を高めることを指す総合的なマーケティングの概念です。最後に、リストビルディングの手法をここにまとめておきます。 本記事が、あなたのリストビルディングの助けになれば幸いです。
例)肌の乾燥を防げる
例)あかぎれ・ひび割れが解消される、自分の顔に自信が持てるようになる などリストビルディングならメール配信システムの活用が必須
リストビルディングについてまとめ
効果が出るまで時間はかかるが、一度軌道に乗れば長期的に有効な集客ツールになる。また、Web広告と比べると、少ない費用で実践可能
自社商品のジャンルに興味を持ってそうなユーザーにアプローチすることで、気軽に集客が可能。サービスごとにユーザー層は異なる
お金さえかければ確実にリーチできる。ただし、ランディングページの準備も必要になため、何かと費用がかかる。予算があればおすすめ
ユーザー層は非常に限られているため、特定の業界では有効
既存顧客を利用した集客。購買見込みの高い、濃いリストが集められる
定番のリスト育成手法。B2Bマーケティングや、リストマーケティングを行うなら必須
リストマーケティングでよく採用されるメールの配信方法。メルマガと比べるとマーケティング上級者向けだが、期待できる効果も高い
B2Cマーケティングと相性が高い。ランニングコストが高いため、導入は慎重に
リストビルディングの販売戦略としては定番。オフラインイベントが難しい昨今はウェビナー開催が盛ん
導入事例や口コミ、無料体験、専門家の推奨といった、購買の強い動機付けになるコンテンツのこと
販売に特化した縦長のWebページのこと。ベネフィットを軸にした訴求がポイント