無数にある集客方法の中から、自分が提供しているサービスにあったものを選び出すのは簡単なことではありません。
特に、自分が現場に立つことも多い個人事業主の方は業務が多岐に渡り、なかなか集客に関する知識をインプットする時間がないのではないでしょうか。
しかし、安定した収益を出すためには集客を通じて新規顧客の獲得をしなければいけません。
この記事では、個人事業主の方向けに集客方法を10個ほど解説しています。
それぞれの集客の特徴や、必要経費などに関しても解説をしているので、こんな悩みをお持ちの個人事業主の方はぜひご覧ください。
- 集客に関して調べる時間がない
- 自社にあった集客の方法がわからない
目次
個人事業主が行う集客のポイント
まずは、個人事業主が集客を行う際に注意しておいていただきたいポイントについて解説します。
ただ情報を発信すればいいだけと勘違いしない
集客に関する情報を集めていると、集客は「コンテンツの魅力」と「リーチする数」といった旨の記載がありますが、これは充分ではありません。
集客における基本的な考え方の中に「ターゲティング」があります。
例えば、メールマガジンの配信であれば、講読者全員にメールをするのではなく「女性限定」や「〇〇地域限定」のように、サービスを利用する可能性が高い方に絞って集客をするのがターゲティングです。
集客のゴールをどこにするかにもよりますが、どんな方法・媒体を使って集客をしたとしても、自社のサービスに興味を持っていただけそうな人を想定し集客活動を実施しましょう。
ターゲティングを行わずに集客をすると、サービスを利用する可能性が低い方にまで広告費を割くことになるので、費用対効果が悪くなってしまう可能性があります。
集客時のターゲティングに関する情報は、以下の記事でもまとめてあるので、ぜひ合わせてご覧ください。
集客を増やす前に知っておいて欲しい「顧客の階層」。最も集客をしやすい層はどこ?
予算のなかで行う
ターゲティングを行った後は、集客に使う事ができる予算を編成しましょう。
個人事業主の経営は、多くの方が会計に関わるような企業とは違い、自分一人の判断によるものが多くなります。
しかし、集客に割く事ができる金額設定を見誤ると、大きな損益を出してしまう可能性もあります。
そのため個人事業主の集客は、業種と広告する媒体の相性や費用対効果を綿密に計算しなければなりません。
事業と広告媒体の相性なども加味しながら予算を編成し、最適なものを選びましょう。
個人事業主にオススメの集客方法10選
ここからは、実際に個人事業主の方にオススメの集客方法をご紹介します。
SNS
最近はSNSの使用率が高くなり、集客にも活用できるようになりました。
SNS集客の特徴は以下の通りです。
- 無料でコンテンツを投稿する事ができる
- 若年層(〜20代)へのリーチが期待できる
- ターゲット集客がしにくい
SNSは無料でアカウントを作成し、コンテンツを投稿する事ができる反面、ターゲットを絞った集客がしにくい点が懸念材料です。
SNSのアカウントは個人情報などが結びついていない場合が多い為、居住区や性別を指定した集客が難しいです。
しかし、飲食店などでは「バズる」サービスを提供し、集客に成功した事例もあります。
SNS集客は、業種や提供しているサービスとの相性が顕著に結果に現れる、集客方法ともいえます。
SNS集客の詳細は以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
SNS集客の特徴まとめ!各SNSのアクティブユーザーや特徴を分析しました!
折り込みチラシ
新聞などに自社の広告を折り込む広告方法です。
先述したSNSとは違い、広告を出す地域を限定した上で行う集客なので、ターゲットはある程度限定する事ができます。
地域の方に向けて集客ができる上に、新聞という媒体の特性として信憑性が高いことも
メリットとして挙げられます。
ただし、SNSのように若年層にリーチすることは難しいので、ターゲットは必然的に30代以降のファミリー層や高齢者層になるでしょう。
また、継続的に集客する場合は費用も心配です。
2020年1月時点で、東京都の世田谷区に100,000世帯へ向けてB4サイズの折り込みチラシを配布する場合は約35万円ほどの料金がかかります。
費用的には安くない金額になる場合が多いので、予算との相談が必要かもしれません。
SEO(個人ブログ)
自社のホームページなどを運営している場合は、ブログを通じて集客をする事ができます。
SEOとは、検索エンジンの最適化のことで、分かりやすく言えば、検索された時に自分のブログが上位に表示されるようにコンテンツを作り上げていく対策のことを指します。
SEO対策をしっかり行っている企業のブログでは、1日に1万人以上の方がホームページを訪れることもあります。
ホームページを持っていなくても「はてなブログ」のような、無料で作成することができるプラットフォームを利用することで、コストを抑えることもできるでしょう。
ただし、SEO対策は効果が現れるまでに時間がかかることや、検索エンジン側のアップデートなどの影響を受けてしまうことがあるので注意をしましょう。
また、自身でSEO対策を意識しながらブログを執筆するには、人的なリソースが必要になることも忘れてはいけません。
現場の業務だけでなく、集客も自分で行っている個人事業主の方も多いと思いますので、リソースの使い方に注意をしながら行う必要があります。
提供しているサービスに関する検索キーワードで上位表示されるようになれば、費用対効果は高まる可能性がありますが、実際の売り上げに繋がるかはブログごとにばらつきがあります。
体験会・展示会
提供しているサービスを実際にお客様に体験していただき新規顧客を集客する方法です。
これまでに解説してきた方法とは違い、お客様にサービスを利用していただくことができるので高い反応率が期待できるでしょう。
サービスによっては、体験会や展示会を実施するブースの確保をしなければなりません。
会場や人員の確保、広告などにコストがかかります。
雑誌などへの掲載
提供しているサービスと同じ業種の雑誌に掲載をすることで、新聞の折り込みちらしとは違い、そのサービスに興味がある方にターゲットを絞って集客をすることができるでしょう。
費用は媒体によって異なりますが、1/4ページで10万円程度だと考えておきましょう。
ただし『執筆ドットコム』によると、出版業界の売り上げは年々低下しているそうです。
店舗では、待合室に雑誌を置いている場合もあり、購入者以外の方の目に触れる機会もありますが、新型コロナウイルス(covid-19)の流行に伴い、利用者が共有できるサービスは少なくなっています。
これらの懸念もあり、近年は雑誌からの直接の集客ではなく「〇〇に掲載されました!」といった形で、別の媒体で実績として紹介する集客方法を採用する個人事業主も増えています。
先述したSNS集客やブログ集客などと絡めて集客をすると、効果的かもしれません。
メールマガジン
メルマガ集客は講読者に向けて、提供しているサービスの情報やクーポンなどを配信することで、販促だけでなく事業のファンを増やすこともできます。
購読希望者の中でも「男性のみ」「〇〇地域の方限定」と言う様に、細かなターゲット設定をすることで、より集客効果を高めることができます。
SNS集客は飲食業のように、写真映えがするサービスでは集客効果を発揮しやすい一方で、相性の悪いサービスもはっきりしています。
その点、メルマガ集客は幅広い業種に対応しており、BtoB(企業間取引)に強いのが特徴です。
メルマガを使った集客方法やコンテンツの作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
メルマガの作り方を徹底解説!誰でも1時間で配信できる基本ステップ
ダイレクトメール
見込みのお客様へ向けて、商品案内やカタログを送付する集客方法です。
資料作成を外注した場合、配送料の他にコストがかかる場合もありますが、配送先は自分で選択することができるので、地域をターゲティングする場合は他の集客方法よりも優れているかもしれません。
DMは自分で作成し配送することもできますが、かなりの手間になってしまうため、代行業者に委託する個人事業主の方もいます。
「アイミツ」が提供するDM発送の料金シュミレーターによると、デザインや印刷・発送など全てを外注して1000通のDMを送信した場合の目安は60,000円程でした。
テレアポ
電話で直接提供しているサービスの紹介をする集客方法です。
電話を通してサービスの紹介を行いますが、電話口で直接サービスが成約するケースは少なく、多くの場合は面談や訪問のアポイントメントに繋げることを目的としています。
相手と直接会話をするため、サービスに対しての反応や、相手が抱えている課題などをリサーチすることができるでしょう。
しかし、相手によっては話を聞いていただけない場合もあります。
電話があればできる集客なので、コストは低くなりますが、メールとは違い一件ずつ電話をしなければならないので、労力と時間を費やします。
Googleマイビジネス
GoogleマイビジネスはGoogleが提供しているツールです。基本的には無料で利用することができるので、コストを抑えて集客をすることができます。
Googleマイビジネスは、Googleの検索エンジンを利用した際の検索結果にGoogleマップなどと連動させたローカルビジネス情報を表示する集客です。
飲食店やアパレルブランドなどの店舗を経営している方は登録しておいて損はないでしょう。
サービスを利用した人からの口コミなども表示されるので、評価が高いコメントが多くなれば集客効果も高くなります。
提供しているサービスによっては、Googleマイビジネスによる集客が効果的ではない場合もあるので注意しましょう。
SNSとメール、個人事業主にオススメの集客はどっち
ユーザー数が増えているSNSを使った集客は個人事業主の方にとっても気になるところでしょう。
また、先述したメルマガ集客も多くの企業が集客として採用しており、集客力には定評がある方法です。
ここからは、SNS集客とメール集客を比較し、個人事業主におすすめの集客方法はどちらなのか考えてみましょう。
ターゲティングをしやすいのはメルマガ集客
SNS集客のネックは先述の通り、ターゲティングができない点です。
そのため、性別や地域を限定したサービスの集客には不向きです。
また、ほとんどのSNSではユーザー層のボリュームゾーンが20〜30代に偏っているため、それ以上の年代の方をターゲットとしたサービスの集客にはオススメできません。
一方、購読者の性別や居住区などの情報を管理する「配信リスト」を元にメールを配信するメルマガ集客は、いわばターゲティングを前提とした集客と言えます。
冒頭でも解説したように、ターゲティングをすることで集客の費用対効果を高めることができます。
以下の記事では、SNS集客を行うことができる媒体の1つである「インスタグラム」での集客とメルマガ集客の料金をシミュレーションし、費用対効果について解説しています。
メール集客は本当に意味がない?SNS集客と比較したメール集客の特徴を解説
情報の拡散力があるのはSNS集客
SNSは情報の拡散力に優れており、バズるコンテンツを作成することができれば、コストをかけずに多くの方にサービスを認知させることができるでしょう。
特に、SNSの1つであるツイッターでは、ユーザーにリツイートをして頂くことで多くのリーチ数を獲得することができます。
「Social Media Lab」の調査によると、SNS広告をきっかけとして、サービスの詳細ページに遷移した割合は男性で65.1%、女性で76.9%となりました。
2021年3月現在では、ツイッターやインスタグラムから直接商品の購入をすることはできないので、SNS集客はサービスの認知度を高めることを目的としている場合が多いです。
メルマガは、購読を希望している方にのみメールを送信する集客方法なので、認知度を高めると言う点ではSNS集客が優れています。
ただし、SNS集客による情報拡散には、ユーザーに興味を持っていただけるような写真や動画を使ったコンテンツ作りが必要になるので注意しましょう。
企業相手のサービスならメルマガ集客
「一般社団法人日本ビジネスメール協会」の調査によると、仕事で使っている主なコミュニケーション手段は99.1%となっています。
ビジネスに関するメールを確認する頻度も47.9%の方が「1日に10回以上」と回答をしています。
そのため、企業を相手にしたサービスを提供している場合は、メールを使った集客が有効と言えるでしょう。
企業を相手にした取引は「BtoB」と呼ばれていますが、BtoBでメルマガを配信する主な目的はリードナーチャリング(顧客育成)です。
企業へ向けて定期的にメルマガを配信し、中・長期的な目線でリードナーチャリングをすることで新規顧客の獲得に繋げることができます。
ウェブを通じて情報が大量に発信される近年は、企業がサービスを購入するまでのプロセスが長期化しました。
そのため企業相手のリードナーチャリングをすることができるメルマガは、BtoBのサービスを提供している個人事業主の方におすすめです。
まとめ
個人事業主の集客は、ターゲティングと予算編成をしっかり行うのがポイントです。
大手企業などと比較して、身軽にビジネスができるのが個人事業主の強みですが、しっかりと計画を立てずに見切り発車をした集客をしてしまうと、十分な効果が発揮できない可能性があります。
また、集客に使う媒体は、提供しているサービスや事業との相性が良いものを選ばなければいけません。
近年はSNS集客に関する情報を多く目にするようになりましたが、BtoBのサービスや30代以降の方がターゲットの場合はSNSよりもメルマガ集客の方が向いていると言えるでしょう。
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ぜひ、事業の集客にお役立てください。