SNSでの集客が盛んになった現在では、メール集客の効果を疑問視する声も多くあります。
しかし、メール集客を行っている企業は未だに多く、中には『NIKE Japan』や『株式会社ZOZO』『株式会社ユニクロ』のような大手企業もあります。
SNSの集客が目立つようになり、ウェブで広告を目にする機会も増えましたが、実際のところ集客は、業種やターゲットとなる年代を考えなければ効果は出せないものです。
たくさん目につくから、SNSでの集客には効果があると考えるのは誤った認識と言えるでしょう。
企業で集客を担当している方は、メールやSNSのような集客媒体の特徴や、効果的な集客の方法について熟知していなければなりません。
この記事では、SNSとメールを比較した際の集客の特徴・方法を解説しています。
話題性があるからSNSを使った集客を行ったけど効果がない、と言った事態に陥らないように、メール集客は本当に意味がないのか、統計をもとに検討していきましょう。
目次
メール集客は意味がない?メール集客の特徴から考える
以前は、連絡手段としてだけでなく、企業が情報を発信する手段にも主にメールが使われていました。
スマートフォンの使用が一般的になるとともに「LINE」や「Instagram」などのSNSを使った集客を採用する企業も増えました。
しかし、先述したように現在でも大手企業をはじめ、多くの企業でメールを使った集客は行われています。
それだけでも、メールを使った集客の有用性はあるのではないか、と考えることもできますが、この記事ではメール集客をもっと深掘りして考えてみましょう。
メール集客の種類
メール集客には以下の2つの手法を使うのが一般的です。
- メールマガジン
- メールマーケティング
それぞれの特徴は以下の通りです。
メールマガジン | 購読希望者に向けて一斉にメールを配信する |
メールマーケティング | あらかじめターゲットを絞ってメールを配信する |
それぞれの方法には別の目的がありますが、この記事では広い意味で「メールを媒体とした集客」の特徴を解説しましょう。
上記の方法の詳細については、以下の記事で詳しくまとめてあります。
メールマーケティングの成功手法を徹底解説【2023年最新版】
アクティブユーザーが多い
SNSとメールでは、利用者数に大きな違いがあります。
SNSの1つであるインスタグラムの月間ユーザー数は10億人(2018年6月現在)とされています。
一方2018年のメールの月間ユーザー数は、メーラーとしてシェア率が高いGmailだけでも15億人です。
アクティブユーザーの特徴は、年代で見るとより分かりやすくなっています。
ソーシャルメディアの動向をまとめた「Social Media Lab」によると、多くのSNSは40代を境にユーザー数が低下します。
しかし、別の調査によるとメールの利用率は40代以降ではSNSを上回る利用率になりました。
メールはSNSよりも利用者が多く、特に40代以降では顕著に利用率が上がる媒体であると言えるでしょう。
サービス情報を受け取っているユーザーが多い
「メールマガジンに関する意識調査2020」では、企業からのお知らせを受け取る手段は、LINEをはじめとするSNSを退けてメールがトップ、という結果が出ています。
同調査は20〜60代の男女を対象としており、コミュニケーションツールとしての役割はSNSにも分があるものの、企業やショッピングサイトからの情報を受け取るツールとしてはメールが効果的であることを示しています。
メール集客は費用対効果が高い
SNSでの広告費用と比較して、メール集客の費用は低コストになる場合が多いです。
SNS広告費用の例として、インスタグラムでシミュレーションをしてみましたのでご覧ください。
38,500人にリーチができると考えると、確かにお得なイメージもありますが、インスタグラム広告のクリック率は1%以下と言われています。
クリック率とは、広告をみている人の中で、広告内に添付されているURLをクリックした割合を示す数値です。
つまり、18,000円をかけて38,500人にリーチをしたとしても、実際に商品の詳細ページに繋がる方は385人になります。
一方のメール集客のクリック率はどうなっているのでしょうか。
メール集客の1つであるメルマガのクリック率を調査した『Marketing MEDIA』によると、業種によるばらつきはあるものの平均して2〜3%とされています。
つまり、インスタグラムで広告を流すよりも、メルマガの方が多くの受信者にサービスの詳細ページに進んでいただける可能性があるということです。
メルマガの配信に使われるツールに、一斉送信に特化したメール配信サービスがあります。
メール配信サービスの1つである「ブラストメール」では、SNS集客の例に出した予算である18,000円のプランを使用すると、30,000件のメルマガを配信することができます。
最大リーチ数こそ、インスタグラムより少ないものの、メルマガのクリック率(2〜3%)を考えると、600〜900人の受信者にサービスの詳細を知らせることができる計算です。
ブラストメールのサービスやプランに関する詳細は以下のリンクからご確認いただけます。
ビジネスでは多くの方がメールを利用している
「一般社団法人 日本ビジネスメール協会」の調査によると、仕事で使っている主なコミュニケーションの手段は97.46%でメールが最多となっています。
LINEをはじめとするチャット機能を持つアプリも浸透していますが、ビジネスの場面においてはメールが主体です。
企業の中には社用アカウントなどを作成し、チャットアプリを利用している企業もありますが、他社からの情報を受け取る媒体はメールである場合が多いでしょう。
自社のクライアントが個人ではなく企業である場合は、SNSよりもメールを使ってコンタクトを取った方が良さそうです。
メール集客で効果を出している企業の事例
SNSと比較した、メールを使った集客の特徴は以下のようにまとめられることができます。
- 特に40代以降の方にアクティブユーザーが多い
- サービスの情報を受け取っているユーザーが多い
- 費用対効果が高い
- BtoBの集客に有効
BtoBとは企業間取引を示す言葉で、個人との取引はBtoCと呼ばれています。
逆にSNSを使った広告の特徴は以下のようにまとめられます。
- 20歳代など若い世代に有効
- 多くの方にリーチすることができる
上記のような特徴からも、メールを使った集客には一定の有用性があることが分かるかと思います。
ここからは、メール集客を利用して、効果を出している事例をご紹介します。
グルメショップ「北国からの贈り物」
楽天市場などで食品を販売する「北国からの贈り物」は、ネット通販を開始して8000人のメールアドレスを集め、楽天市場に出店後はさらに20万人分のアドレスを獲得しました。
その結果、メルマガの登録者の中で約10%の方が購入につながり、売り上げのアップに成功したそうです。
20万人の10%なので、2万人もの方が同社の商品を購入したと考えると、メルマガの効果が実感できるのではないでしょうか。
BtoBのサービスではありませんが、メールはサービスの情報を受け取る消費者が多い媒体だからこそ達成できた数字かもしれません。
デジタルソリューション事業「デジタル総合印刷株式会社」
BtoBのサービスを展開する同社では、展示会で獲得した見込み客300人に対してメールを配信し、33回件分のサイトアクセスがあったそうです。
「見込み客」とは、自社のサービスを利用する可能性が高い顧客のことで、展示会での名刺交換や資料請求などを通して見込み客を選別します。
サイトアクセスはメールに添付したURLから、自社のホームページにアクセスをした人を表しているので、同社のメール集客では約10%ものクリック率があったことになります。
SNSを使った集客では、上記のような見込み客に対して直接営業を行うことはできないので、クリック率10%という数字はSNS集客では現実的な数字とは言えないでしょう。
まとめ
SNS利用者の増加に伴って、SNSを使った集客方法も多様化しました。
そのような中でも、メール集客は未だに一定の効果を出すことに成功しています。
メール集客の強みは、媒体を利用しているユーザーが多いことや、クリック率が高いことなどが挙げられます。
また、SNS集客と比較して費用対効果が高い点も魅力的です。
どれだけ多くの方にリーチをすることができても、サービスの詳細ページへの移行などがなければ実際の売り上げ貢献にはつながりにくいでしょう。
メール集客にはメルマガやメールマーケティングなどが挙げられますが、いずれの方法も一斉送信に特化し、メール集客に便利な機能が使えるメール配信サービスを利用し行うのが一般的です。
Gmailなどのメーラーで、効果的なメール集客を行うのは、機能面を考えるとかなり難しいです。
以下の記事では、メール配信サービスの機能や、オススメのメール配信サービスをランキング形式で解説しています。メール集客をお考えの方は、併わせてご覧ください。