ビジネスメールの最後の欄には、自社の名前や住所、電話番号などを記載した「署名」を付けることがマナーです。
この署名欄ですが、ただの名刺がわりのようなものとしか考えていないとしたら非常に損をしているかもしれません。
本記事ではメール署名を効果的なマーケティングツールの一部として使用するために注意すべきポイントを紹介します。更にレベルの高いメール作成のためにヒントにしてみてください。
目次
メールの署名もマーケティングの一部?
そもそも、メールの署名欄はマーケティングの一部となるのか疑問に感じるかもしれません。
ビジネスにおいて、コミュニケーションツールの主流は「メール」です。
ビジネスメール実態調査2021によると、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」(98.9%)という結果になりました。
プライベートではLINEやSNSが主流となっていますが、まだまだビジネス上ではメールが主役です。
更に同調査によると、1日平均は送信「13.63通」、受信「51.1通」という結果が出ています。年間250日仕事をしていると考えると1年で約13,000通ものメールを受け取っている。
ことになります。
それほどの回数、署名は他人の目に入っているというわけです。メールの署名欄はそれだけの回数、無料で自社を宣伝できる部分となるので、マーケティングを意識した工夫の余地が大いにあります。
もしあなたに今月のノルマや達成したい数字などがある場合、この署名によるマーケティング活動が、その達成の後押しをしてくれることもあるでしょう。
メールマーケティングに役立つ署名を作るには
まずは、メールの署名欄に記載すべき項目を紹介します。
- 会社名
- 部署名
- 肩書き
- 担当者名
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
- メールアドレス
- WebサイトURLなど
- SNS
こちらが基本的な署名欄に記載する項目です。マーケティングを意識するのでれば、WebサイトやSNSへの流入経路を確保したり、署名欄にてさりげなくオファーをかけることが大切です。(この小さな工夫、実は結構効きます!)
また、近年主流となっているHTML形式のメールであれば画像を使った署名を作ることができます。
画像にリンクなどを挿入していれば、よりクリック率が高まる上、視認性がよくなり相手に印象を残すことができます。
それでは具体的に解説していきます。
署名のデザインを工夫する
第一に考えられるのは署名デザインの変更かと思います。
署名をデザインする際に考えなければいけないのは以下のような点です。
- メール本文とフォント、色などは統一する
- 署名欄と本文との区切りを明確にする
- URLなどは色を変えて分かりやすくする
- 最大でも7行までに抑える
会社名やロゴが入るだけでも、会社に対する視覚的なイメージが作れるため、相手の印象に残る署名を作ることができます。
SNSへの流入経路を設置する
メールの署名にWebサイトへのリンクを設置することで、メールだけでなくサイト上にて更なるエンゲージを得るチャンスが増えます。
マーケティングを意識するのであればSNSリンクも追加しましょう。
リンクにはテキストリンクと画像リンクの2種類あります。テキストリンクの場合は色を変えたりアンダーラインを引くなどして強調すると効果的です。
また、企業ロゴや各種SNSアイコンを署名の中に設置し画像リンクを設置すればテキストリンクのみよりもデザイン性が高くクリック率も高まります。
どうしても長文のテキストリンクを添付したいという場合には短縮リンクを作成したり、モバイル端末での閲覧へ誘導した方が効果的な場合はQRコードを作成すると良いでしょう。
最新情報を記載する
メールの署名欄を使ってマーケティングを行うのであれば、署名の部分に「定期的に発信し続けておきたい情報」を載せましょう。
ブログやSNSでいうところの「必ずトップ表示される固定された情報」のようなもので、頻繁に目に付くメールでそれを行うのです。
署名欄の限られたスペースで宣伝する良い方法はそのサイズにフィットする「バナー」を作成することです。
こちらは簡易的なものですが、このようなバナーを作成しリンクを設定しておきましょう。ただし、目立ちすぎてもいけません。
あくまでも主役はメールの内容です。署名欄の宣伝が強すぎると相手に不快感を与える可能性もあるので、バランスに注意しておきましょう。
署名欄を使ってオファーをかける
署名欄を使ってオファーをかけることも有効です。特に相性が良いのは、体験版やアプリ、ソフトウェアの無料ダウンロードなどです。
メールの内容が関係あれば全く問題ありませんが、あまりにも乖離した本文に使うのは控えましょう。メール署名にある「無料トライアル」のリンクはダウンロードを促進するのに非常に役立ちます。
こうした手法は営業メールと非常に相性が良いです。
そのためには一斉送信やリスト管理を効率的に行う必要があります。営業メールの活用法は以下の記事でも詳しく解説していますのでご参考ください。
営業でのメルマガ活用法を徹底解説!必ず守るべきルールも紹介します
メルマガ購読などで読者を集めているのであれば、より署名欄でのオファーは効果を発揮します。毎回本文中にオファーを設置するのではなく、署名欄でスマートにコンバージョンを獲得しましょう。
下記の記事ではメルマガ配信を行う際、おすすめのツールをご紹介していますので、参考にしてみてください。
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
更に自分を紹介する
こちらは、業種を選びますが、個人事業などで顔を覚えてもらったり、自分の経歴や業績を相手に知ってもらうことが重要な場合、署名欄で更に自分を宣伝することも効果的です。
この場合、署名欄に自分の顔写真を掲載したり、活動実績をまとめたWebサイトへ誘導するリンクを設置することが効果的です。
効果的なメール署名を作成する際の注意点
次にメール署名を作成する際の注意点についても解説しておきます。
あくまでも署名欄の第一の目的は「メールにおける名刺替わり」にすることです。自分自身が何者なのかを明確に示し、連絡先や情報に誤りや記載漏れがないように気をつけましょう。
ただ、メールマーケティングと考えると何度も相手の目に付く署名欄を工夫しないのはもったいないです。数多く受信するメールの中に何かフックを仕掛けておくことが、他のメールと差別化できる唯一の方法です。
長すぎる署名はNG
まず、長すぎる署名は良くありません。
先述したように署名欄は最大でも7行程度にしましょう。多くの情報を詰め込みたく
なる気持ちは分かりますが、署名欄が煩雑になると見づらくなります。
複数のフォントの使用は控える
メールの署名欄もフォントの大きさや色を変更できますが、統一感を出すためには複数のフォントを使うことは控えましょう。
特にビジネス上で使うメールの場合、使う色は多くても2、3種類、文字の大きさも基本的には揃えるように心がけましょう。
複数の署名を用意しておく
最新情報の宣伝やオファーを署名欄で行う場合、全ての相手にその署名が適切ではないはずです。そういった署名が相応しくない用に、何種類か署名を用意しておくことをおすすめします。
無関係なリンクや画像のデータサイズに注意する
当然ですが、署名欄に無関係なリンクや多くの画像は使用しないようにしましょう。
特に画像を多く使用してしまうと署名欄の容量が多くなってしまいます。容量の大きなメールは、受信サーバーを圧迫してしまうのであまり好まれません。
画像を使う場合には、小さめの画像でデータサイズが大きくならないよう注意しましょう。
マーケティングに効果的な署名の作り方
ここまで、効果的な署名の作り方と注意すべきポイントについて解説してきました。
最後に画像やSNSアイコンを使った署名の作り方を紹介します。
メールマーケティングをする上で重要なデザイン性の高い署名や画像リンクを挿入した署名を作りたい場合「HTML形式」でメールを作る必要があります。
HTMLメールの作り方を5分で解説!最も簡単に作成する方法もこっそり教えます。
HTML形式のメールを作成するには、Webサイトなどを構成する際に使われる専門的な言語の知識が必要ですが、テキスト形式のメールよりもはるかにデザイン性の高いメールを作ることができます。
なお、メールの署名を工夫するよりも、既存のリストに対するメールマーケティングを積極的に行うことで300%以上の投資対効果や反応が見込めます。
メールマーケティングは海外を中心に注目を集めており、日本企業でもメールマーケティングを活用している企業は年々増えています。
メール自体は低コストで運用できるので、集客活動やリピーター促進などを手っ取り早く行いたい企業には非常におすすめの施策です。
もしメールマーケティングに興味があれば、「メールマーケティングの教科書」もおすすめです。当ブログ限定で無料ダウンロードしていますので、ぜひこの機会に読んでみてください。
まとめ
以上、マーケティングに効果的なメール署名について解説してきました。
メールはビジネス上の連絡ツールとして今でも多く使われているツールです。メールの署名を工夫すれば、企業ロゴや名前の認知度を高められることに加え、SNSやホームページへのエンゲージも高めることができます。
ぜひ、相手の目に入ることが必然的に多くなる「メールの署名」をマーケティングに役立ててみてくださいね。