在宅勤務が推進される昨今、商談の場は会議室からZoomになり、セミナーはウェビナーへと、オンライン営業への移行を進める企業が急激に増えています。
そんな中、オンライン営業ツールのひとつとして活用されているのが「メルマガ」です。
Zoom商談やウェビナーが今のように普及する前から、メルマガは多くの企業のWebマーケティング活動で使われてきました。そのため、メルマガは営業というよりマーケティング部署の担当、と思っている営業担当者も少なくないでしょう。
しかし、営業にメルマガを活用することで、ライバルや競合他社に大きな差をつけられるとしたら、どうでしょう。やらない手はありませんよね。
そこで本記事では、メルマガを営業で活用する方法や注意点について解説していきます。メルマガを配信する際のルールについても紹介しているため、最後まで読んでみてください。
目次
営業でメルマガは役立つのか?
結論からいえば、メルマガは営業において非常に役立ちます。営業でメルマガが役立つイメージは湧かない人もいるかもしれませんが、むしろ見込み顧客との信頼関係を効率よく構築するのに、メルマガほど適したツールはありません。
その理由のひとつに、ビジネスのやり取りに使われるツールがメールからチャットに移行しつつある、ということが挙げられます。チャットが普及したおかげで受信ボックスの未読が減り、昔よりもメルマガが目につきやすい状況ができているのです。
また、メルマガを継続的に配信することで、見込み顧客とオンライン上で接点を確保できる他、ナーチャリング(見込み顧客の育成)効果も期待できます。
上手にメルマガが運用できれば、問い合わせやコンバージョンの獲得といった成果にも直接つながるでしょう。
「でも、メルマガを送ったら見込み顧客に嫌われてしまうのでは」という意見もあるかもしれません。しかし、メルマガを送ったからといって、あなたやあなたの会社が嫌われるということは、まずありません。
あなたもメルマガを購読停止した経験があると思いますが、それは以下のような理由ではないでしょうか?
- 役に立たない内容だから
- 購読した覚えがないから
- 受信ボックスの未読を減らしたいから
冷静に考えてみれば、営利目的の組織が営業の一環としてメルマガを配信するのは、ごく当たり前のことです。よっぽどなことが無い限り、メルマガのせいで会社が嫌いになるということはあり得ない、といってよいでしょう。
営業でのメルマガ活用法:準備編
さて、今回はメルマガ活用法を準備編、作成編、効果測定編の3つに分けて紹介します。最初の準備編で紹介するのは、以下の3つです。
- メルマガの目的を明確にする
- ターゲットを設定する
- 必要に応じて読者をセグメント分けする
各活用法について詳しく見ていきましょう。
メルマガの目的を明確にする
メルマガを作り始める前に、まずは「なんのためにメルマガを送るのか?」を明確にしましょう。
例えばマーケティングで獲得した見込み顧客への営業にメルマガを活用するのであれば、問い合わせを増やすためだったり、無料体験につなげるためだったりするはずです。
いくらメルマガが効果的なツールでも、目的があやふやだと失敗しやすくなります。メルマガでは「当たり障りのない内容になってしまい、誰にもメルマガが刺さらない」という失敗がよくありますが、これは目的や目標設定があやふやなことに、大きな原因があります。
そのような失敗を避けるには、やはり「メルマガ配信によってどんな成果を得たいか?」をハッキリさせることが重要です。
また、目的が定まったら、「メルマガ経由での商談獲得10件」といったように数値目標も定めると良いでしょう。
ターゲットを設定する
営業で効率よく成果を上げるのにターゲティングが重要なのは言うまでもありませんが、それはメルマガでも同様です。メルマガを作る際は、ターゲットに刺さる内容や言葉をイメージしながら文章を書くのが重要となってきます。
営業に携わっているなら、扱っている商材のターゲットがすでに用意されているかと思うので、それをそのままメルマガ配信にも活かしましょう。
もし、ターゲットが定まっていない場合はまずペルソナ設定をしてください。
ペルソナを設定することで、顧客の悩みや願望が具体的にイメージでき、どういう人をターゲットにすべきかが見えてきます。
ペルソナ設定についてはこちらの資料で詳しく解説しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
【テンプレート付き】この1冊で丸わかり!ペルソナ設定ガイドブック
必要に応じて読者をセグメント分けする
メルマガの文面は、ただ顧客リスト全員に同じ内容を送るのではなく、できればセグメントごとに最適化しましょう。セグメントに応じてメルマガの内容を最適化することで、効果の最大化を図れます。
例えば、商談や打ち合わせなどですでに直接的な接点を持った相手と、一度名刺交換しただけの相手とでは関係値に大きな差がありますし、どんなメルマガが刺さるかも異なってくるはずです。
また、すでにマーケティングの部署でメルマガを配信しているのであれば、なおさらセグメント分けが必要でしょう。マーケティングと営業でメルマガが重複してしまうと、それこそ読者に悪印象を与えかねません。
営業からコンタクトを取った見込み顧客は営業のメルマガを送るような仕組みにする、もしくはマーケティング部署側で営業メルマガを運用するなど、連携を行いましょう。
営業でのメルマガ活用法:作成編
実際にメルマガを作るときは以下のような点を抑えましょう。
- 件名は開封率を意識する
- 開封されやすい配信タイミングを探る
- ネタは常にストックする
- 一度送った配信は上手に再利用する
件名は開封率を意識する
メルマガが読まれるためには、開封される必要があります。そして、開封されるかどうかに大きな影響を与えるのがメルマガの件名(タイトル)です。
件名を工夫することでメルマガが開かれる確率、すなわち開封率が上がり、結果的にあなたが望む成果が獲得できる機会も増えます。
どのような高い開封率を得られる件名には色々なパターンがありますが、特に代表的なのは以下のようなパターンです。
- キャンペーン系
「今だけ無料!」「読者限定プレゼント」など、キャンペーンでお得感・限定感を与えるパターン - ターゲティング系
「○○でお悩みの方に」「オンライン商談で成約率を向上させる方法」など、ターゲットとの関連が深い話題を軸にしたパターン - 「禁止」系
「見逃し厳禁」「絶対に開かないでください」など、禁止されると逆にやりたくなってしまう心理現象(カリギュラ効果)を利用したパターン - インパクト系
「○○の導入でCVRが10倍に!」「部下に1000万円横領されたときの話」など、衝撃的な話題を軸にしたパターン
これらの他「先日はありがとうございました」など、一見メルマガとは思えないようなパターンも開封してもらうという観点からは有効です。
その代わり、本文との一貫性も持たせなければ読者に不快感を与える可能性があるため、扱いには注意しましょう。
その他にもメルマガの開封率を上げる方法は資料にまとめています。無料でダウンロードいただけますので、参考にしてください。
開封されやすい配信タイミングを探る
メルマガを作るときは、本文や件名の内容だけでなく、配信日時の設定も重要です。なぜなら適切なタイミングで配信することで、メルマガの開封率が高まるためです。
例えばBtoB向けのメルマガにおいて、メルマガの配信先が社員の業務用アドレスであれば、週明けの朝9~10時ごろを狙って送信すれば、開封されやすくなるかもしれません。
なぜなら週明けは、金土日の間にたまったチャットやメールを一気に処理する必要があり、受信ボックスを開く可能性が高い日だからです。
また、たいてい最新の未読メールは受信ボックスの上の方に来ますから、朝方を狙って配信することでメルマガが目に入る可能性も高まります。
もちろん、そうではない会社や社員もいます。ターゲットによって受信ボックスを開くタイミングはまちまちなので、何度か配信時間を変えてメルマガを送り、最適な配信時間を見つけましょう。
ネタは常にストックする
メルマガが失敗に終わる原因のひとつに「配信のネタ切れ」があります。ネタ切れに陥らないよう、メルマガを送るならネタは常にストックしておきましょう。
ネタを探すコツは、「周りの情報に気を配る」ことです。毎朝ニュースや新聞をチェックするのはもちろん、業務中に起こった出来事や社内報などにもメルマガのネタは隠れています。また、そうした新鮮な情報ほどメルマガの話題に適しているのです。
その他、メルマガのネタにしやすい情報・テーマは以下の通りいくつか存在します。
- 時事ネタ
- SNSのトレンド
- ターゲットの悩み・ニーズに関連する話題
- 自社商材のキャンペーン情報
- 自社商材のユーザーボイス・導入事例
- 過去配信の深掘り・細分化
- 連載もの
あまりにもネタが思いつかなくてどうしようもない、というときは、思い切ってよそのメルマガやブログの内容を参考にするのもよいでしょう。
元になっているのがよそのメルマガでも、あなたの考えや見解を加えれば、それは立派なオリジナルコンテンツです。
なお、メルマガのネタ切れ対処法については以下の資料でも詳しく解説しています。無料でダウンロードいただけますので、あわせて参考にしてください。
一度送った配信は上手に再利用する
メルマガを継続すれば、当然、過去の配信がたまってくるはずです。これは一種のネタ切れ対処法であり、配信を効率化するための手法でもあるのですが、そうした過去配信は将来的に再利用できます。
特に時事ネタやトレンドが絡んでいない配信は、新規の読者に向けてそのまま再配信しやすいため、早い段階で分類しておくとよいでしょう。
営業でのメルマガ活用法:効果測定編
メルマガは、ただ闇雲に送るだけでは成果を上げられません。メルマガを配信するなら、必ず効果測定を行いましょう。
配信したメルマガがどんな数値を上げているか分析し、改善ポイントをあぶり出し、改善を実行しなければ、メルマガ施策は徒労に終わってしまいます。
効果測定では以下の2点を抑えましょう。
- 見るべき指標は開封率・クリック率・CVRの3つ
- 購読停止(オプトアウト)は気にしすぎない
見るべき指標は到達率・開封率・クリック率の3つ
営業でクロージング率やコンバージョン率といった指標があるように、メルマガにもいくつか重要な指標があります。それは到達率・開封率・クリック率の3つです。
- 【到達率】= 到達数 ÷ 配信総数 × 100 = 到達率
配信を実行したメルマガのうち、実際に購読者に届いたメルマガの割合を示す指標 - 【開封率】= 開封数 ÷ 有効配信数 × 100
届いたメルマガのうち、開封されたメルマガの割合を示す指標 - 【クリック率】= クリック数 ÷ 有効配信数 × 100
届いたメルマガのうち、本文内に挿入されたURLがクリック(タップ)された割合を示す指標
メルマガの効果測定をするなら、これら3つの指標を見ておけばまず問題ありません。特にクリック率は、メルマガのパフォーマンスを俯瞰的にチェックできる指標なので、重点的に見ていきましょう。
なお、各指標について詳しく解説した資料があるので、そちらも参考にしてみてください。
購読停止(オプトアウト)は気にしすぎない
メルマガの効果測定をしていれば、どうしても購読停止数が目に入ってきます。そして購読停止があった日には、「昨日の配信はどこかマズかったのだろうか」と悩んでしまうこともあるでしょう。
しかしながら、メルマガを配信している限り、購読停止の発生は避けられません。どんなに良質なメルマガを送っていても、購読者の中には「メルマガだから」「受信ボックスをきれいに保ちたいから」という理由でメルマガを止める人がいるためです。
先ほども解説したとおり、メルマガの効果測定で見るべきは到達率・開封率・クリック率の3つです。購読停止数よりも、これらの指標をいかにして改善するかを考えてましょう。
購読停止数の改善は効率が悪いため、基本的には気にしないでください。
ただし、メルマガを継続する中で、際だって購読停止が多い日があれば、原因を究明する意義はあるでしょう。
営業でメルマガを使う場合の注意点
メルマガは役に立つ営業ツールですが、注意すべき点もいくつかあります。それは以下の4点です。
- 売り込みすぎない
- 名刺交換しただけの相手にはワンクッション挟む
- URLにトラッキングタグを仕込む場合は事前の許可を取る
- 必ず購読停止できるようにする
各注意点について詳しく解説します。
売り込みすぎない
営業でメルマガを作るときの最大の注意点は、売り込みすぎないことです。自社商材のキャンペーン情報や事例はときどき紹介する程度に収めましょう。
メルマガの内容が毎回売り込みだと、「役に立たない内容だ」と思われて、開封率の低下や購読停止につながってしまいます。あくまで「読者の役に立つ」ということを前提に、メルマガを配信してください。
ただし、購読停止を恐れすぎるのも問題です。「ここぞ!」というタイミングでは、しっかり売込み方面にスイッチを入れましょう。日々良質なメルマガを送ってさえいれば、商品を売込まれても悪い気はしないものです。
名刺交換しただけの相手にはワンクッション挟む
営業におけるメルマガ活用といえば、「名刺交換しただけの相手にメルマガを送るのは大丈夫なの?」という疑問が浮かぶと思います。
結論、名刺交換をした相手にメルマガを送るのは、法的には問題ありません。しかし、相手からすれば、ただ名刺交換をしただけの相手からメルマガが届くようになったというのは、あまり印象がよろしくないはずです。
そこで、メルマガを送る前にはワンクッション挟むことをおすすめします。
例えば、名刺交換したその場で「今後メールをお送りさせて頂くことがありますが……」と一言断ったり、打ち合わせ後のあいさつメールに「本日はありがとうございました。今後もメールで情報をお送りさせて頂きます」といった内容を盛り込むのが良いでしょう。
URLにトラッキングタグを仕込む場合は事前に同意を得る
名刺交換しただけの相手にメルマガを送るのは法的に問題ありませんが、メルマガ内のURLをクリックした後の行動を追跡する場合は、事前に同意を得なければ違法になります。
メルマガ購読フォームから流入してきた読者は大抵この点をクリアしていますが、そうでない読者はクリアしていないはずです。
名刺交換しただけの相手の、メルマガ経由での行動をトラッキングしたい場合は、やはりいきなりメルマガを送りつけるのではなく、あいさつメールに「よろしければ弊社メルマガにご登録ください」といった形でフォームからの購読を促す内容を盛り込むとよいでしょう。
必ず購読停止できるようにする
メルマガは、すべての配信で購読停止可能なURLを設置することが「特定電子メール法」という法律で義務づけられています。
購読停止URLの未設置は、メルマガの知識が少ないとうっかりやってしまいがちなミスなので、十分注意しましょう。
また、URLの文字を背景と同色にする、大量に改行して本文の下の方にURLを追いやるなどして、URLが視認しづらくすることもルール違反となります。
メルマガを営業で活用するのにおすすめのツール
営業ツールとしてメルマガを活用するなら、メルマガ配信ツールの利用は欠かせません。しかし、メルマガ配信ツールには色々な種類がありますし、本格的なツールは使い方を覚えるのも大変です。
そこでおすすめしたいのは、低価格で高機能、なおかつシンプルな使い勝手で評判の『blastmail(ブラストメール)』です。
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営業でのメルマガ活用法まとめ
メルマガはマーケティングに使うツールと思われがちですが、営業でも十分に役立ちます。メルマガを営業で適切に活用できれば、問い合わせや購買といった成果の獲得につなげられるでしょう。
メルマガを営業で役立てるには、まず目的を明確にすることから始めましょう。メルマガでありがちな失敗は、目的があやふやなことに起因することが多いです。
また、メルマガを成果につなげていくためにも、効果測定は絶対に行うようにしましょう。最低限見るべき指標は到達率・開封率・クリック率の3つです。ひたすら作って配信するのではなく、PDCAを回すことを意識してメルマガに取り組んでください。
また、メルマガの作り方に関しては以下の資料で詳しく解説しています。
メルマガで成果がでるテクニックも記載していますので、メルマガ配信で成果を上げたい人はぜひご覧ください。(無料ダウンロード)