
毎日100件のテレアポをしてもアポイントが取れない、資料を送っても反応がない。そんな営業活動の効率の悪さに悩んでいませんか?
足で稼ぐ営業スタイルは依然として重要ですが顧客の購買プロセスがオンライン化した現代において、それだけでは限界があります。そこで今、多くの成果を出している営業担当者が取り入れているのが「メルマガを活用した営業」です。
メルマガ営業とは単なる広告メールのばら撒きではありません。顧客にとって有益な情報を適切なタイミングで届けることで、信頼関係を構築し、向こうから「話を聞きたい」と言わせるためのプル型営業手法です。しかし、いざ始めようとすると「どんなメールを送ればいいのか分からない」「勝手にメールを送ると法律違反になるのでは?」といった疑問や不安も出てくるはずです。
そこで本記事ではメルマガ営業のメリットや具体的な始め方はもちろん、そのまま使えるメールのテンプレート(例文)や、必ず知っておくべき「特定電子メール法」などの法律ルールまでを網羅して解説します。効率的に見込み顧客を育て、アポイント獲得率を劇的に向上させるためのノウハウをぜひ持ち帰ってください。
目次
営業でメルマガは役立つのか?
結論からいえば、メルマガは営業において非常に役立ちます。営業でメルマガが役立つイメージは湧かない人もいるかもしれませんが、むしろ見込み顧客との信頼関係を効率よく構築するのに、メルマガほど適したツールはありません。
その理由のひとつに、ビジネスのやり取りに使われるツールがメールからチャットに移行しつつある、ということが挙げられます。チャットが普及したおかげで受信ボックスの未読が減り、昔よりもメルマガが目につきやすい状況ができているのです。
また、メルマガを継続的に配信することで、見込み顧客とオンライン上で接点を確保できる他、ナーチャリング(見込み顧客の育成)効果も期待できます。
上手にメルマガが運用できれば、問い合わせやコンバージョンの獲得といった成果にも直接つながるでしょう。
「でも、メルマガを送ったら見込み顧客に嫌われてしまうのでは」という意見もあるかもしれません。しかし、メルマガを送ったからといって、あなたやあなたの会社が嫌われるということは、まずありません。
あなたもメルマガを購読停止した経験があると思いますが、それは以下のような理由ではないでしょうか?
- 役に立たない内容だから
- 購読した覚えがないから
- 受信ボックスの未読を減らしたいから
冷静に考えてみれば、営利目的の組織が営業の一環としてメルマガを配信するのは、ごく当たり前のことです。よっぽどなことが無い限り、メルマガのせいで会社が嫌いになるということはあり得ない、といってよいでしょう。
営業でのメルマガ活用法:準備編
さて、今回はメルマガ活用法を準備編、作成編、効果測定編の3つに分けて紹介します。最初の準備編で紹介するのは、以下の3つです。
- メルマガの目的を明確にする
- ターゲットを設定する
- 必要に応じて読者をセグメント分けする
各活用法について詳しく見ていきましょう。
メルマガの目的を明確にする
メルマガを作り始める前に、まずは「なんのためにメルマガを送るのか?」を明確にしましょう。
例えばマーケティングで獲得した見込み顧客への営業にメルマガを活用するのであれば、問い合わせを増やすためだったり、無料体験につなげるためだったりするはずです。
いくらメルマガが効果的なツールでも、目的があやふやだと失敗しやすくなります。メルマガでは「当たり障りのない内容になってしまい、誰にもメルマガが刺さらない」という失敗がよくありますが、これは目的や目標設定があやふやなことに、大きな原因があります。
そのような失敗を避けるには、やはり「メルマガ配信によってどんな成果を得たいか?」をハッキリさせることが重要です。
また、目的が定まったら、「メルマガ経由での商談獲得10件」といったように数値目標も定めると良いでしょう。
ターゲットを設定する
営業で効率よく成果を上げるのにターゲティングが重要なのは言うまでもありませんが、それはメルマガでも同様です。メルマガを作る際は、ターゲットに刺さる内容や言葉をイメージしながら文章を書くのが重要となってきます。
営業に携わっているなら、扱っている商材のターゲットがすでに用意されているかと思うので、それをそのままメルマガ配信にも活かしましょう。
もし、ターゲットが定まっていない場合はまずペルソナ設定をしてください。
ペルソナを設定することで、顧客の悩みや願望が具体的にイメージでき、どういう人をターゲットにすべきかが見えてきます。
ペルソナ設定についてはこちらの資料で詳しく解説しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
【テンプレート付き】この1冊で丸わかり!ペルソナ設定ガイドブック
必要に応じて読者をセグメント分けする
メルマガの文面は、ただ顧客リスト全員に同じ内容を送るのではなく、できればセグメントごとに最適化しましょう。セグメントに応じてメルマガの内容を最適化することで、効果の最大化を図れます。
例えば、商談や打ち合わせなどですでに直接的な接点を持った相手と、一度名刺交換しただけの相手とでは関係値に大きな差がありますし、どんなメルマガが刺さるかも異なってくるはずです。
また、すでにマーケティングの部署でメルマガを配信しているのであれば、なおさらセグメント分けが必要でしょう。マーケティングと営業でメルマガが重複してしまうと、それこそ読者に悪印象を与えかねません。
営業からコンタクトを取った見込み顧客は営業のメルマガを送るような仕組みにする、もしくはマーケティング部署側で営業メルマガを運用するなど、連携を行いましょう。
営業でのメルマガ活用法:作成編
実際にメルマガを作るときは以下のような点を抑えましょう。
- 件名は開封率を意識する
- 開封されやすい配信タイミングを探る
- ネタは常にストックする
- 一度送った配信は上手に再利用する
件名は開封率を意識する
メルマガが読まれるためには、開封される必要があります。そして、開封されるかどうかに大きな影響を与えるのがメルマガの件名(タイトル)です。
件名を工夫することでメルマガが開かれる確率、すなわち開封率が上がり、結果的にあなたが望む成果が獲得できる機会も増えます。
どのような高い開封率を得られる件名には色々なパターンがありますが、特に代表的なのは以下のようなパターンです。
- キャンペーン系 「今だけ無料!」「読者限定プレゼント」など、キャンペーンでお得感・限定感を与えるパターン
- ターゲティング系 「○○でお悩みの方に」「オンライン商談で成約率を向上させる方法」など、ターゲットとの関連が深い話題を軸にしたパターン
- 「禁止」系 「見逃し厳禁」「絶対に開かないでください」など、禁止されると逆にやりたくなってしまう心理現象(カリギュラ効果)を利用したパターン
- インパクト系 「○○の導入でCVRが10倍に!」「部下に1000万円横領されたときの話」など、衝撃的な話題を軸にしたパターン
これらの他「先日はありがとうございました」など、一見メルマガとは思えないようなパターンも開封してもらうという観点からは有効です。
その代わり、本文との一貫性も持たせなければ読者に不快感を与える可能性があるため、扱いには注意しましょう。
その他にもメルマガの開封率を上げる方法は資料にまとめています。無料でダウンロードいただけますので、参考にしてください。
開封されやすい配信タイミングを探る
メルマガを作るときは、本文や件名の内容だけでなく、配信日時の設定も重要です。なぜなら適切なタイミングで配信することで、メルマガの開封率が高まるためです。
例えばBtoB向けのメルマガにおいて、メルマガの配信先が社員の業務用アドレスであれば、週明けの朝9~10時ごろを狙って送信すれば、開封されやすくなるかもしれません。
なぜなら週明けは、金土日の間にたまったチャットやメールを一気に処理する必要があり、受信ボックスを開く可能性が高い日だからです。
また、たいてい最新の未読メールは受信ボックスの上の方に来ますから、朝方を狙って配信することでメルマガが目に入る可能性も高まります。
もちろん、そうではない会社や社員もいます。ターゲットによって受信ボックスを開くタイミングはまちまちなので、何度か配信時間を変えてメルマガを送り、最適な配信時間を見つけましょう。
ネタは常にストックする
メルマガが失敗に終わる原因のひとつに「配信のネタ切れ」があります。ネタ切れに陥らないよう、メルマガを送るならネタは常にストックしておきましょう。
ネタを探すコツは、「周りの情報に気を配る」ことです。毎朝ニュースや新聞をチェックするのはもちろん、業務中に起こった出来事や社内報などにもメルマガのネタは隠れています。また、そうした新鮮な情報ほどメルマガの話題に適しているのです。
その他、メルマガのネタにしやすい情報・テーマは以下の通りいくつか存在します。
- 時事ネタ
- SNSのトレンド
- ターゲットの悩み・ニーズに関連する話題
- 自社商材のキャンペーン情報
- 自社商材のユーザーボイス・導入事例
- 過去配信の深掘り・細分化
- 連載もの
あまりにもネタが思いつかなくてどうしようもない、というときは、思い切ってよそのメルマガやブログの内容を参考にするのもよいでしょう。
元になっているのがよそのメルマガでも、あなたの考えや見解を加えれば、それは立派なオリジナルコンテンツです。
なお、メルマガのネタ切れ対処法については以下の資料でも詳しく解説しています。無料でダウンロードいただけますので、あわせて参考にしてください。
一度送った配信は上手に再利用する
メルマガを継続すれば、当然、過去の配信がたまってくるはずです。これは一種のネタ切れ対処法であり、配信を効率化するための手法でもあるのですが、そうした過去配信は将来的に再利用できます。
特に時事ネタやトレンドが絡んでいない配信は、新規の読者に向けてそのまま再配信しやすいため、早い段階で分類しておくとよいでしょう。
営業でのメルマガ活用法:効果測定編
メルマガは、ただ闇雲に送るだけでは成果を上げられません。メルマガを配信するなら、必ず効果測定を行いましょう。
配信したメルマガがどんな数値を上げているか分析し、改善ポイントをあぶり出し、改善を実行しなければ、メルマガ施策は徒労に終わってしまいます。
効果測定では以下の2点を抑えましょう。
- 見るべき指標は開封率・クリック率・CVRの3つ
- 購読停止(オプトアウト)は気にしすぎない
見るべき指標は到達率・開封率・クリック率の3つ
営業でクロージング率やコンバージョン率といった指標があるように、メルマガにもいくつか重要な指標があります。それは到達率・開封率・クリック率の3つです。
- 【到達率】= 到達数 ÷ 配信総数 × 100 = 到達率 配信を実行したメルマガのうち、実際に購読者に届いたメルマガの割合を示す指標
- 【開封率】= 開封数 ÷ 有効配信数 × 100 届いたメルマガのうち、開封されたメルマガの割合を示す指標
- 【クリック率】= クリック数 ÷ 有効配信数 × 100 届いたメルマガのうち、本文内に挿入されたURLがクリック(タップ)された割合を示す指標
メルマガの効果測定をするなら、これら3つの指標を見ておけばまず問題ありません。特にクリック率は、メルマガのパフォーマンスを俯瞰的にチェックできる指標なので、重点的に見ていきましょう。
なお、各指標について詳しく解説した資料があるので、そちらも参考にしてみてください。
購読停止(オプトアウト)は気にしすぎない
メルマガの効果測定をしていれば、どうしても購読停止数が目に入ってきます。そして購読停止があった日には、「昨日の配信はどこかマズかったのだろうか」と悩んでしまうこともあるでしょう。
しかしながら、メルマガを配信している限り、購読停止の発生は避けられません。どんなに良質なメルマガを送っていても、購読者の中には「メルマガだから」「受信ボックスをきれいに保ちたいから」という理由でメルマガを止める人がいるためです。
先ほども解説したとおり、メルマガの効果測定で見るべきは到達率・開封率・クリック率の3つです。購読停止数よりも、これらの指標をいかにして改善するかを考えてましょう。
購読停止数の改善は効率が悪いため、基本的には気にしないでください。
ただし、メルマガを継続する中で、際だって購読停止が多い日があれば、原因を究明する意義はあるでしょう。
コピペで使える!シーン別メルマガ営業のテンプレート(例文)
ゼロからメールの文章を考えるのは時間がかかりますし、何を書けばよいか迷ってしまうことも多いでしょう。ここでは営業活動の場面ごとによく使われるテンプレートを用意しました。
これらをベースにして自社のサービスや顧客の状況に合わせてアレンジすることで、文章作成の手間を大幅に削減しつつ効果的なアプローチが可能になります。
【新規開拓】名刺交換後のお礼・サービス紹介
展示会や交流会などで名刺交換をした直後に送るフォローアップメールです。相手の記憶が新しいうちに送ることが鉄則ですが、いきなり強引な売り込みをすると警戒されてしまいます。まずは接点を持てたことへのお礼を伝えつつ、相手の課題に役立ちそうな情報や資料のリンクを案内する程度に留め、信頼関係の構築を優先しましょう。
件名
【御礼】名刺交換のお礼と弊社サービスのご案内(株式会社〇〇 氏名)
本文
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の(自分の氏名)です。
先日は(イベント名など)にて名刺交換のお時間をいただき 誠にありがとうございました。
限られた時間でしたので十分にご説明できていない点もあったかと存じますが、
貴社の(課題など)についてお話を伺え大変勉強になりました。
当日の話題に関連して、弊社で公開している事例資料をお送りいたします。
もしよろしければ貴社の今後の取り組みの参考になれば幸いです。
(資料ダウンロードURL)
何かご不明な点がございましたらお気軽にお申し付けください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
【休眠発掘】しばらく連絡をとっていない顧客への現状伺い
過去に商談をして失注した顧客や、しばらく連絡が途絶えている顧客に対して再度アプローチをかけるためのメールです。「売り込み」のニュアンスを消し「最近の業界動向」や「新しい解決策」の情報提供というスタンスで連絡をとるのがポイントです。相手がちょうど課題を感じていたタイミングであれば、返信や再商談につながる可能性が高まります。
件名
【情報共有】〇〇業界における最新の成功事例について
本文
〇〇株式会社
〇〇様
ご無沙汰しております。
株式会社〇〇の(自分の氏名)です。
以前ご提案させていただいた際は大変お世話になりました。
その後、貴社の状況はいかがでしょうか。
本日は同業界の企業様で最近増えている課題と、
それを解決した最新の事例について共有したくご連絡いたしました。
(事例や記事の要約) 詳細はこちら: (URL)
もし改めてお話を聞いていただけるようでしたら、
最新の市場動向なども含めて情報提供させていただけますと幸いです。
季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。
【セミナー案内】課題解決型のウェビナーへ誘導するメール
いきなり個別の商談を提案してもハードルが高い場合は気軽に参加できるウェビナー(オンラインセミナー)へ招待するのが有効です。ここでは「セミナーに参加することで得られるメリット(ベネフィット)」を明確に伝えることが重要です。
件名
【無料招待】〇〇の課題を解決するオンラインセミナーのご案内
本文
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の(自分の氏名)です。
多くの企業様から(よくある課題)というお悩みを伺うことが増えておりますが、
貴社におかれましても同様の課題感はお持ちではないでしょうか。
この度、そうした課題を解決するためのノウハウを公開する 無料のオンラインセミナーを開催することになりました。
■セミナー概要
・テーマ:〇〇を成功させる3つのポイント
・日時:〇月〇日(〇) 14:00~15:00
・会場:オンライン(Zoom)
・参加費:無料
当日は質疑応答の時間も設けております。 以下のURLより簡単にお申し込みいただけますので ぜひご参加いただけますと幸いです。
(申し込みURL)
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
営業でメルマガを使う場合の注意点
メルマガは役に立つ営業ツールですが、注意すべき点もいくつかあります。それは以下の4点です。
- 売り込みすぎない
- 名刺交換しただけの相手にはワンクッション挟む
- URLにトラッキングタグを仕込む場合は事前の許可を取る
- 必ず購読停止できるようにする
各注意点について詳しく解説します。
売り込みすぎない
営業でメルマガを作るときの最大の注意点は、売り込みすぎないことです。自社商材のキャンペーン情報や事例はときどき紹介する程度に収めましょう。
メルマガの内容が毎回売り込みだと、「役に立たない内容だ」と思われて、開封率の低下や購読停止につながってしまいます。あくまで「読者の役に立つ」ということを前提に、メルマガを配信してください。
ただし、購読停止を恐れすぎるのも問題です。「ここぞ!」というタイミングでは、しっかり売込み方面にスイッチを入れましょう。日々良質なメルマガを送ってさえいれば、商品を売込まれても悪い気はしないものです。
名刺交換しただけの相手にはワンクッション挟む
営業におけるメルマガ活用といえば、「名刺交換しただけの相手にメルマガを送るのは大丈夫なの?」という疑問が浮かぶと思います。
結論、名刺交換をした相手にメルマガを送るのは、法的には問題ありません。しかし、相手からすれば、ただ名刺交換をしただけの相手からメルマガが届くようになったというのは、あまり印象がよろしくないはずです。
そこで、メルマガを送る前にはワンクッション挟むことをおすすめします。
例えば、名刺交換したその場で「今後メールをお送りさせて頂くことがありますが……」と一言断ったり、打ち合わせ後のあいさつメールに「本日はありがとうございました。今後もメールで情報をお送りさせて頂きます」といった内容を盛り込むのが良いでしょう。
URLにトラッキングタグを仕込む場合は事前に同意を得る
名刺交換しただけの相手にメルマガを送るのは法的に問題ありませんが、メルマガ内のURLをクリックした後の行動を追跡する場合は、事前に同意を得なければ違法になります。
メルマガ購読フォームから流入してきた読者は大抵この点をクリアしていますが、そうでない読者はクリアしていないはずです。
名刺交換しただけの相手の、メルマガ経由での行動をトラッキングしたい場合は、やはりいきなりメルマガを送りつけるのではなく、あいさつメールに「よろしければ弊社メルマガにご登録ください」といった形でフォームからの購読を促す内容を盛り込むとよいでしょう。
必ず購読停止できるようにする
メルマガは、すべての配信で購読停止可能なURLを設置することが「特定電子メール法」という法律で義務づけられています。購読停止URLの未設置は、メルマガの知識が少ないとうっかりやってしまいがちなミスなので、十分注意しましょう。
また、URLの文字を背景と同色にする、大量に改行して本文の下の方にURLを追いやるなどして、URLが視認しづらくすることもルール違反となります。
知らないと危険!メルマガ営業で守るべき「法律」と「ルール」
メルマガを活用した営業は効率的である反面、守らなければならない法律やルールが存在します。これらを知らずにメールを送り続けると「特定電子メール法」という法律に違反して処罰の対象となったり、企業のブランドイメージを大きく損なったりするリスクがあります。ここでは営業担当者が最低限知っておくべきコンプライアンスの知識について解説します。
「特定電子メール法」の基本とオプトイン(同意)の必要性
特定電子メール法では原則として「事前にメール送信の同意を得た相手(オプトインした相手)」に対してのみ広告宣伝メールを送ることが認められています。つまり全く面識のない企業リストに対して一方的に営業メールを送りつける行為は原則として違法となります。
ただし例外として名刺交換をした相手や、すでに取引関係がある相手、ウェブサイト上でメールアドレスを公表しており営業メールを拒否する旨の記載がない場合などは送信が認められています。メルマガ営業を行う際は、そのリストが法的に送信可能な相手かどうかを必ず確認してから配信するようにしましょう。
配信停止(オプトアウト)導線の設置義務
同意を得てメールを送る場合であっても、受信者がいつでも「配信を停止してほしい」と意思表示ができる手段を提供することが義務付けられています。具体的にはメール本文の分かりやすい場所に「配信停止はこちら」といったリンクや、解除を希望する場合の連絡先を明記しなければなりません。
また、配信停止の申し出があった場合は速やかに送信リストから除外し、以降メールを送らないように管理する徹底した運用体制が必要です。
【最新】Gmail送信者ガイドラインへの対応(なりすまし対策)
法律だけでなくGoogleやYahoo!などのプラットフォーマーが定めるガイドラインへの準拠も重要度を増しています。特に2024年のGmailガイドライン改定により、メール送信者には高度な「なりすまし対策(送信ドメイン認証)」が求められるようになりました。
- SPF(Sender Policy Framework):送信元のIPアドレスが正規のものであるか証明する
- DKIM(DomainKeys Identified Mail):メールが改ざんされていないか電子署名で証明する
- DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance):認証失敗時の処理方針を宣言する
これらの設定を行わずに大量のメールを配信すると、相手に届く前にブロックされたり迷惑メールフォルダに振り分けられたりする可能性が極めて高くなります。確実に見込み顧客へメールを届けるためには、法律の遵守と合わせて技術的なセキュリティ対策も必須となっているのです。
ガイドラインには「1日5,000件以上送信する場合の要件」など、送信通数によって異なるルールも存在します。未対応によるブロックを防ぐために、必ず自社がどの要件に該当するかを以下の解説記事で確認してください。
営業メールを一斉送信するならメール配信システムを活用する
営業活動の一環としてメルマガや案内メールを送る際、普段使っているGmailやOutlook、Excelなどのメーラーを使ってBCCで一斉送信をしていませんか。もし数件~数十件程度であればそれでも対応可能ですが、数百件、数千件規模のリストに対して通常のメーラーで送信するのは非常に非効率であり、かつ危険です。
プロバイダによる送信制限に引っかかりメールが届かないだけでなく、誤送信による情報漏洩リスクやスパム判定を受けてドメインの信用を落とす可能性もあります。 こうしたリスクを回避し、効率的に営業メールを送るためには「メール配信システム」の導入が必要不可欠です。
メール配信システムを使うメリット
メール配信システムとは、その名の通りメールを大量かつ高速に、確実に届けることに特化したツールです。導入することで、営業活動において以下のようなメリットが得られます。
- 到達率の向上とスパム対策:大量のメールを遅延なく届けるためのサーバー構成や技術が使われているため、通常のメーラーよりも圧倒的にメールが届きやすくなります。また、前述した「Gmail送信者ガイドライン」などのセキュリティ要件にもシステム側で対応していることが多いため、難しい設定なしで安心して配信できます。
- 誤送信リスクの回避:BCCの設定ミスで顧客全員のメールアドレスが公開されてしまうといった、ヒューマンエラーによる情報漏洩事故をシステム的に防ぐことができます。
- 効果測定の自動化:「誰が開封したか」「誰がURLをクリックしたか」といったデータを自動で取得・グラフ化できます。これにより、反応があった見込み顧客(ホットリード)だけを抽出して電話をかけるなど、効率的な営業アプローチが可能になります。
おすすめのメール配信システム「ブラストメール」
数あるメール配信システムの中でも、これからメルマガ営業を始める方に特におすすめなのが『blastmail(ブラストメール)』です。 ブラストメールは15年連続で顧客導入シェアNo.1を獲得している、日本で最も使われているメール配信システムです。
- 直感的で使いやすい:マニュアルを読まなくても使えるほどシンプルな設計になっており、ITツールに不慣れな営業担当者でもすぐに使いこなせます。
- 圧倒的なコストパフォーマンス:月額4,000円(税別)からという低価格で利用でき、初期費用も抑えられるため、スモールスタートに最適です。
- ターゲット配信機能:「特定の業種」「過去に名刺交換した人」など、条件を絞ってメールを出し分けるターゲット配信機能も標準搭載しています。
営業活動の効率を最大化させるために、ぜひブラストメールの導入を検討してみてください。現在、すべての機能を試せる無料トライアルを実施中です。
公式サイト:シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」
FAQ
- Q:営業活動でメルマガを活用する目的は主に何ですか?
- A:営業メルマガの最大の目的は、見込み客(リード)を育成する「リードナーチャリング」です。具体的には、すぐに商談に進まない顧客層に対し、自社への興味関心を継続してもらい、最終的な購買につなげることにあります。
- Q:営業メルマガを作る上で必ず守るべきルールは何ですか?
- A:最も重要なのは、売り込みすぎないことと、必ず購読停止(オプトアウト)の仕組みを提供することです。毎回売り込みだと購読停止につながり、購読停止導線がないと特定電子メール法に違反する可能性があります。また、名刺交換のみの相手にはワンクッション挟む配慮も必要です。
- Q:メルマガの開封率を上げるために意識すべきことは何ですか?
- A:開封率を上げるためには、件名を開封したくなるような魅力的な内容にし、購読者がメールを開きやすい配信タイミング(曜日や時間帯)を探ることが重要です。件名には具体性を持たせる、メリットを提示するなどの工夫をしましょう。
- Q:メルマガのネタが尽きないようにするためのコツは何ですか?
- A:メルマガのネタ切れを防ぐには、業務中に起こった出来事やニュース、社内報など、周りの情報に常に気を配り、ネタをストックしておくことがコツです。新鮮な情報や読者の役に立つノウハウが、メルマガの話題に適しています。
- Q:メルマガの効果測定で最低限チェックすべき指標は何ですか?
- A:メルマガを成果につなげるためには効果測定が必須であり、最低限チェックすべき指標は、到達率、開封率、クリック率の3つです。これらの数値から、メールが届いているか、読まれているか、そしてアクションにつながっているかを判断します。
営業でのメルマガ活用法まとめ
メルマガはマーケティングに使うツールと思われがちですが、営業でも十分に役立ちます。メルマガを営業で適切に活用できれば、問い合わせや購買といった成果の獲得につなげられるでしょう。
メルマガを営業で役立てるには、まず目的を明確にすることから始めましょう。メルマガでありがちな失敗は、目的があやふやなことに起因することが多いです。
また、メルマガを成果につなげていくためにも、効果測定は絶対に行うようにしましょう。最低限見るべき指標は到達率・開封率・クリック率の3つです。ひたすら作って配信するのではなく、PDCAを回すことを意識してメルマガに取り組んでください。
また、メルマガの作り方に関しては以下の資料で詳しく解説しています。
メルマガで成果がでるテクニックも記載していますので、メルマガ配信で成果を上げたい人はぜひご覧ください。(無料ダウンロード)





