メルマガの購読を停止される理由として多いのは「メルマガの配信頻度が多すぎてウザったい」「逆に少なすぎてメルマガの存在を忘れられる」というものです。
配信頻度は高すぎても低すぎても効果が変わってくる非常に難しい問題です。
どれくらいの頻度が読者にとってベストなのか、頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、効果的なメルマガ配信の頻度はどれくらいなのか、自社サービスやコンテンツのメルマガ配信の頻度を決定する際にはどのような点に注意すべきなのか解説していきます。
メルマガの適切な配信頻度は?
メルマガの配信頻度にこれと言った正解はありません。というのも、サービスやコンテンツの種類によって適切な配信頻度が変わってくるからです。
極端な例ですが、ニュース情報を配信するメルマガと高額商品の情報配信するメルマガでは適切な配信頻度は異なります。
そのため、どれくらいの配信頻度が効果的かというデータは中々ありません。
一般的なメルマガの配信頻度は?
「SmartrEmail」という配信スタンドが行なった、利用者データを基にした調査によると、メルマガの平均配信頻度は、「月に1〜4通」が約60%、「月に5〜8通」が約20%、「月に9〜16通」は約10%、「月に1通以下」の企業は全体の約10%という結果になったようです。
Email Marketing Frequency Best Practices in 2020
また、配信頻度別の平均開封率は「月に5〜8通(週に1〜2通)」が最も高く約24%、「月に4通以下」は20%弱、「月に9〜16通」が最も低く約14%となったと報告されています。
配信頻度を高く設定しているメルマガの特徴
まず始めに、配信頻度が高いメルマガの特徴について解説します。
読者との接触機会が増える
配信頻度が高くなることで単純に読者との接触機会が増えます。
接触機会が増えると、読者も企業に対する親近感が湧き、存在を忘れさせない効果があります。
セミナーへの参加者を増やすことを目的としたメルマガの場合には、頻繁にメールを通して接触し、信頼関係を築くことで成果が高まることが期待できます。
また、読者にとって有益な情報をコンスタントに配信することができれば「優秀な情報収集ツール」としての価値を高めることができるでしょう。
コンバージョンのチャンスが増える
配信頻度が高いということは、メルマガをきっかけとしたコンバージョンのチャンスも増やすことができます。
月に1回の配信ではその1回しかチャンスはありませんが、月4回配信すれば単純に4倍、読者に何かしらのアクションを起こさせるチャンスが生まれます。
メルマガから直接、商品の購入や成約に繋がらなくとも、問合せやサイトへのアクセス、SNSへの誘導など様々なきっかけづくりをすることができます。
購読停止の可能性が高くなってしまう
配信頻度が高いメルマガのデメリットは、購読停止の可能性が高くなることです。
すでに購読者との信頼関係が築けている、購読しているメルマガに価値を感じている場合は問題ありませんが、そうでない場合は配信頻度の高いメルマガは好まれません。
皆さんも、全く興味のないメルマガがやたら届いて「鬱陶しいな」と感じた経験があるのではないでしょうか。
読者がメルマガに関心を抱いていない場合には、配信頻度が高いメルマガは配信者の印象を悪化させる要因になります。
メルマガの内容が薄くなってしまう
新商品やキャンペーンも毎日のように最新情報が更新されるわけではありません。
配信頻度を高めたいからといっても、クオリティの低いメルマガを配信し続けると読者は内容に価値を感じることができず、購読停止につながります。メルマガのネタがどれくらいあるのか考慮して配信頻度は決める必要があります。
また、メールの配信スケジュールを予め決めておく「ステップメール」というメルマガ配信の手法もあります。
「メルマガ」と「ステップメール」の違いとは? 両者の違いを正しく理解しよう!
メルマガのネタ数が決まっており、メール配信を使った最終的なゴールが決まっているのであればステップメールを利用するのもひとつの手です。
高頻度のメルマガ配信が適しているジャンル
週1〜2通ほどの高頻度のメルマガ配信は以下のようなジャンルが適しています。
- BtoC商材のセールやキャンペーン
- 顧客教育を目的としたメルマガ
商品の入れ替わりが激しいファッションや食品を扱う場合には新商品や、割引セール、キャンペーンなどの情報を発信する機会が多いかと思います。飲食店のメルマガなどもクーポン配布などで配信頻度は高くなります。
キャンペーンやクーポン情報は読者にとって非常に有益な情報です。
また、接触回数を増やすことで信頼関係を築くことができるので、高単価商品やtoB商材の顧客育成を目的としたメルマガも配信頻度は高い方がおすすめです。
「買ってください」という営業色をできる限り消して、信頼関係構築のためのコミュニケーションを目的として高頻度のメルマガが使われます。
配信頻度を低く設定しているメルマガの特徴
次に配信頻度が低いとされる、月1配信ほどのメルマガにはどのような特徴があるのか解説します。
メルマガ作成に時間をかけることができる
配信頻度を低く設定すれば、一通のメルマガ作成にかける時間を増やすことができます。
メルマガ配信で陥りがちなのが「定期配信することが目的」になってしまい、「メルマガのクオリティが落ちてしまう」という状況です。
メルマガの質が低く、購読解除されてしまうくらいならば、配信頻度を落としてクオリティを高めていった方が読者の満足度は高めることができます。
toB向けの製品やサービスの場合、押し売り感が強いとあまり良い印象になりません。そう言った場合には、あえて配信頻度を低くして一通あたりのメルマガの質を高めていった方が効果的かもしれません。
メルマガの解除率を下げることができる
配信頻度の高いメルマガはよほど読者が興味を持っていない限り、鬱陶しがられます。
皆さんも、全く興味のないメルマガでメールボックスが圧迫され、片っ端から購読解除、または迷惑メールボックス送りにした経験はないでしょうか。
そう言った意味で、配信頻度の低いメルマガは「購読解除率」を下げることができるメリットがあります。たまにしか届かないメルマガで、それなりに興味を惹かれるような内容であれば、そこまで読者に与えるストレスは少ないはずです。
読者にメルマガの存在を忘れられやすい
配信頻度を低くして、満足度の高いメルマガ配信を行なっていたとしても読者にメルマガの存在を忘れられてしまっては意味がありません。
配信頻度が低くなればその分、読者に忘れられてしまう可能性が高くなるので「毎月5日に配信」「隔週火曜日配信」という感じで配信日時を明確にしておきしましょう。
コンバージョンのチャンスが減る
先ほども少し説明しましたが、配信頻度が低下するとコンバージョンのチャンスが減少します。
毎週キャンペーン情報が届くメルマガと月一回のメルマガでは、メールを通しての売り上げにはかなり差が出ます。
低頻度のメルマガ配信が適しているジャンル
- 高単価商品・サービス
- BtoB商材
メルマガのクオリティを高く保てる、読者へのストレスが少ない、コンバージョンのチャンスが少ないという特徴から、配信頻度の低いメルマガは、高額商品やtoB向け商材を扱う場合に適しています。
こうした商品はブランドイメージが重要であり、顧客も購入には長い検討時間が必要です。
質が低い高頻度のメルマガでブランドイメージを損ねるくらいであれば、競合他社と差別化し一通のメールの価値を高めた方が良いでしょう。
メルマガの配信頻度を決める指標
メルマガの頻度を決める際には、商品・サービスのジャンルに左右されますが、実際にメルマガ配信を行いながら、適切な配信頻度を探っていくのが大切です。
その際に参考となる指標は、
- 退会者数
- コンバージョン率
- 競合他社の配信頻度
これらがあります。
一ヶ月毎の退会者数やコンバージョン率を参考に配信頻度を変えていきましょう。
また、競合他社のメルマガがどれくらいの配信頻度なのか調べることも重要です。
配信頻度が高いのであれば、それに合わせなければあなたのメルマガはメールボックスの中で埋もれてしまいます。逆に他社のメルマガの配信頻度がそこまで高くない場合、高頻度のメルマガを行うと、読者に鬱陶しがられてしまうかもしれません。
A/Bテストの実施
こうした指標を使う際にはA/Bテストを実施しましょう。
A/Bテストとは、2つのコンテンツを同時に配信し、それぞれの効果を比較・分析するテスト方法のことです。
退会者数が増えているという結果がでても「メールの質」なのか「配信頻度」のどちらが問題なのかはわかりません。
コンバージョン数が思うように上がらない場合も同様です。メルマガに魅力を感じなくなり、退会はしていないがメールの開封をしていない。開封されずゴミ箱送りになっている、などいろいろな可能性があります。
同じ内容のメールを配信頻度を変えて配信してみる、配信頻度は変えずにメールの内容を変えてみる、2つのグループに異なるメルマガ配信を同頻度で行いコンバージョン率を比べてみるなど、A/Bテストを実施して適切な配信頻度を模索していきましょう。
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また、こうしたデータを集めるには「メルマガ配信ツール」の利用をおすすめします。メール配信に特化したツールを使えば、メールの開封率や文章内リンクのクリック率を細かく分析でき、グループ分けをしたA/Bテストも容易に行うことができます。
メルマガ配信初心者がメルマガ配信ツールを選ぶ時のポイントとは?
まとめ
以上、メルマガの適切な配信頻度、配信頻度を決定する際のポイントについて解説しました。
メルマガの配信頻度は扱っている商品・サービスのジャンルによって異なります。
配信頻度を高くする場合には、どうしてもメールの内容が薄くなってしまいがちですが、読者との接触回数、コンバージョンのチャンスを増やすことができます。
商品単価が低く、購入サイクルが早い商品・サービス、商品の入れ替えが激しい業種やキャンペーン情報を頻繁に発信するなら高頻度のメルマガ配信は読者に好まれます。
配信頻度の低いメルマガは、高額商品やtoB向けの商材を扱う場合に向いています。
低頻度な分、読者には忘れられやすいのでメルマガの質にこだわり、メルマガを待ち遠しく思ってくれるような内容を意識しましょう。
また、適切な配信頻度を見つけるにはA/Bテストなどで、検証、結果の反省を繰り返すことが重要です。効果的なメールマーケティングを行うためにも、自社商品・サービスの利用者はどれくらいの配信頻度のメルマガを求めているのか探っていきましょう。