この記事を閲覧している人は、メール配信の担当者や、メール配信システムの導入、乗り換えを検討している方かと思われます。
メール配信システムはGmailやOutlookといった通常のメーラーとは異なります。一斉配信を高速で処理しつつ効果測定や分析を行えるなど、通常のメーラーと比較してメールマーケティングや一斉周知に特化したツールです。
メール配信システムの市場は2025年現在でも右肩上がりで成長を続けており、メールマーケティングは今後もBtoB、BtoC問わずマーケティングの主戦場になり続けるでしょう。
そんな中、施策を支えるメール配信システムの選び方を間違えると、目的に対して大きく乖離した結果が出てしまうことがあります。
- 思ったようなマーケティング効果が出ない
- 作成に時間がかかり、効果よりも負担のほうが大きくなってしまう
- 月額の料金が高額で、費用対効果が釣り合わない
- 配信性能が低く、重要な情報がそもそも届かない、遅れる
こういった状況に陥らないためにも、「メール配信システムを選ぶ際に陥りがちな落とし穴」を紹介します。
導入検討している方は必ず読んでから選ぶようにしましょう。
参考記事:メール配信システムおすすめ比較20選!専門家が図解とランキング形式で解説
目次
メール配信システムとは?
メール配信システムは、大量のメールを効率的に配信するためのツールです。
到達率の向上や効果測定、顧客管理などの機能があります。 メールマーケティング活動において、重要な役割を果たします。
メール配信システムには、効率的な配信だけでなく、顧客とのコミュニケーションを円滑にするための機能が搭載されています。
手動でのメール送信では実現できない、高度なマーケティング施策を展開できるのも、魅力の一つでしょう。
【ステップ別】メール配信システムの選び方
早速、メール配信システムの選び方を順を追って解説していきます。
ちなみに、このような記事や比較サイト、問い合わせのフェーズはステップ4以降になるので、1~3で未実施の項目がないか、改めて確認してみてください。
- 目的を明確にする
- 必要な機能をリストアップする
- 自社の配信アドレス数と配信頻度を確認する
- メール配信にかけられる費用を算出する
- システムを比較する
- 検証・問い合わせを行う
- 確認漏れがないかチェックする
目的を明確にする
まずは、メール配信システムを導入する目的を明確にしましょう。目的によって、必要な機能やサービスが異なります。
- 連絡網としての利用なので、大量のメールを遅延なく配信したい
- マーケティング目的なので誰が開封したか細かく確認したい
- プロモーションメールなのでHTMLメールを簡単に作成したい
- 対象リストが大量にあるので安く大量に配信したい
乗り換えを検討されている方は、このステップはすでに実施済みかと思います。
その場合は、現行のシステムで果たそうとしている目的を改めて言語化してみるのもおすすめです。
必要な機能を洗い出す
目的が決まったら、必要な機能をリストアップしましょう。
機能は豊富であるに越したことはありませんが、目的に即したもの以外のものを魅力に感じて契約してしまうと、結局その機能はあまり使わないことになってしまいます。
費用だけかさむなどのリスクがあるので、本当に必要な機能が何か、目的と照らし合わせて確認するようにしましょう。
- 一斉配信
- セグメント配信(ターゲットごとに分けて配信)
- HTMLメール対応(画像やデザインを活用)
- 開封率・クリック率の測定
- パーソナライズ(顧客ごとのカスタマイズ)
- API連携(他のシステムとデータ連携)
- 配信時間の最適化(AIによる配信時間調整)
- MA(マーケティングオートメーション)連携
- ステップメール(シナリオ設定による自動送信)
- A/Bテスト
乗り換え検討の方は、現行のシステムで利用しているものをそのまま洗い出すのではなく、他の機能で代用できたり、本当は必須ではない機能についてそぎ落として考えると、比較検討時に役に立ちます。
自社の配信アドレス数と配信頻度を確認する
配信規模によって、選ぶべきシステムが変わります。以下のポイントを確認しましょう。
- 配信リストの登録数
- 配信頻度
上記2件がわかると、月間の配信通数が決まります。
10000件に対して週3回の配信を行えば、大まかな計算で月12万通になります。
メール日新システムの課金形態はアドレス課金と通数課金に分かれるため、アドレス数と月間の配信通数はあらかじめ把握しておきましょう。
はじめてメルマガやメール配信を始める方は、最初は作成の負担を考えて週2回くらいの配信を想定しておくといいでしょう。
ただし、最初の配信頻度が低いから割安になる通数課金制を選ぶと、後々配信頻度を上げにくくなるリスクもあります。将来的にどれぐらい配信したいか、できるかまで考えて設定することをお勧めします。
メール配信にかけられる費用を算出する
メール配信にかけられる費用は以下の計算式で算出可能です。
メール配信で期待する売り上げ効果 / 許容できる費用対効果
例えば、1万件のアドレスを持つ通販サイトがメルマガを始めるとします。
- 10000件×月10回配信=100,000通
- 100,000通×開封率(20%)=20,000件
- 20,000件×反応率(3%)=600クリック
- 600×購入率(5%)=30購入
- 30×顧客単価(5,000円)=150,000円の売り上げ
- 150,000÷許容ROAS(5.0)=30,000円
この会社がかけていいメール配信システムの費用は月額30,000円であることがわかります。
※カッコ内の数字は一般的に標準として使われやすい数字です。自社の目標や実績と照らし合わせて確認しましょう。
ROASについて補足
ROASとはReturn On Advertising Spendの略語で、日本語では「広告の費用対効果」という意味です。
「売り上げ / 広告費」で計算可能です。高いほど費用対効果が高く、低いほど費用対効果が悪いことになります。
その会社が許容できるROASは商材の原価率や事業のフェーズなどにより異なりますので、自社に合った目標値を設定しましょう。
メール配信システムの料金体系
メール配信システムには、さまざまな料金体系があります。予算に応じて選定しましょう。
- アドレス数課金(一定の料金で配信し放題)
- 通数課金(配信通数に応じて課金)
- 買い切り型(オンプレミス)(初期費用が高いが長期的に安くなる)
課金形態 | 特徴 | メリット | デメリット | 一般的な価格帯 |
---|---|---|---|---|
アドレス数課金 | 一定の料金で配信し放題 | 利用量に関係なく料金が一定 予算管理が容易 大量配信時にコスト効率が良い |
少量利用時は割高になる可能性がある | 月額2,000円〜15,000円 |
従量課金制 | 配信通数に応じて課金 | 使用量に応じた料金 少量利用時にコスト効率が良い 柔軟な利用が可能 |
大量配信時にコストが高くなる可能性がある 予算管理が難しい |
5,000通:約4,000円 30,000通:約15,000円 |
買い切り型(オンプレミス) | 一度の支払いで永続的に利用可能 | 長期利用でコスト効率が良い 将来の価格変更の影響を受けない |
初期投資が高額 機能更新が限定的な場合がある |
メール配信システムではあまり一般的でない |
おすすめはアドレス数課金制です。月間の配信通数の管理が不要で、急な配信増にも対応してくれます。
通数課金の場合、超過すると配信できなくなったり、超過料金がかかる可能性があります。
無料トライアルが提供されているシステムも多いため、まず試してみるのも良いでしょう。
参考記事:メルマガツールにいくらかけている?メルマガ配信に必要なシステムの料金相場と選び方を徹底解説
システムを比較する
機能や料金についてあらかた決まったら、いよいよサービスを比較していきます。
比較の方法は主に以下の3種類あります。
- 製品やサービスサイトで公式情報を確認する
- 比較サイトを用いて口コミや第3者の評価を確認する
- 取引先や友人など、すでに導入している人に話を聞く
それぞれの方法を組み合わせつつ、ステップ3までにリストアップした要件に見合うシステムを絞り込んでいきましょう。
1~3を時間をかけて行っておくと、ここ尾の作業が非常に楽になります。
2~3システムに絞ったら、次のステップに進めます。
検証・問い合わせを行う
システムの使いやすさや機能を確認するために、無料トライアルやデモを活用しましょう。
また、ベンダーに問い合わせを行い、サポート体制やカスタマイズの可否を確認することも重要です。
- 使いやすさ(管理画面が直感的か)
- 配信速度・到達率(メールが遅延しないか)
- サポート体制(問い合わせの対応が迅速か)
特に配信速度と到達率は見逃しがちなポイントです。
配信速度についての記載がないシステムは大規模な配信には向かないことが多いです。
数千件以上のメールを配信する場合は最低でも毎時100万通以上のシステムを選ぶようにしましょう。
参考記事:メール配信に速度が重要な理由は?配信速度を上げる方法とおすすめのツールを紹介!
確認漏れがないかチェックする
導入前に、以下のポイントを再度チェックしましょう。
- 目的に合った機能が揃っているか
- 予算内で運用できるか
- 配信規模に耐えられるか
- セキュリティ対策が十分か
- 使いやすいシステムか
この7つのステップを踏めば、自社に最適なメール配信システムを選ぶことができます。最終的には、実際に試してみて、運用しやすいシステムを導入しましょう!
メール配信システムの選び方に合ついては無料のセミナーの録画を配信中です。
詳しく知りたい人はこちらも是非見てみてください。
メール配信システムを選ぶときの落とし穴
メール配信システムを導入する際には、さまざまな要素を考慮する必要があります。
しかし、事前に十分な確認を行わないと、思わぬ問題に直面することがあります。以下では、メール配信システムを選ぶ際に陥りやすい「落とし穴」と、その回避策について解説します。
到達率の低さを見落とす
メール配信システムを選ぶ際には、配信されたメールが適切に受信者に届くかどうかを確認することが重要です。
到達率が低いシステムでは、メールが迷惑メール扱いされる可能性が高く、開封率の低下につながります。
メール配信システムの導入目的は多くの場合、大量のメールを高速、確実に届けることが前提にあるので、この機能が不要という方はほとんどいないのではないでしょうか。
同時に配信速度についても確認するようにしましょう。配信速度について言及のないシステムは、メール配信に特化したサーバーが出来上がっていないので、到達率も低い可能性が高いです。
回避策としては、「配信システムの到達率実績を確認する」「SPF、DKIM、DMARCなどの送信ドメイン認証機能があるか確認する」などがあります。
料金体系の見落とし
メール配信システムには、「月額固定制」「従量課金制」「買い切り型」などの料金体系があります。
適切に選択しないと、予想以上のコストが発生する可能性があります。
あらかじめ自身の配信ボリュームについて把握しておくことで回避できます。
操作性の問題
管理画面が分かりにくい、または複雑すぎる場合、運用に時間がかかるだけでなく、誤配信のリスクも高まります。
無料トライアルやデモ版を活用し、実際の操作感を確認するようにしましょう。また、チームで運用する場合、複数の担当者がスムーズに利用できるかテストするのも忘れないようにしておきましょう。
サポート体制の不足
システムのトラブルや不明点が発生した際に、適切なサポートを受けられないと業務に支障をきたします。特に、大量のメールを配信する場合、迅速な対応が求められます。
格安、ないしは無償提供のシステムでは、サポートが十分に受けられない可能性が高いです。
サポート対応の有無(電話・メール・チャットなど)やサポートの対応時間(24時間対応か、平日限定か)をチェックしましょう。
FAQやマニュアルが充実しているかも検証期間中に確認するようにするとよりよいでしょう。
必要な機能の不足または過剰
目的に合ったシステムを選択しないと、必要な機能が不足したり、逆に不要な機能が多すぎて使いこなせなかったりすることがあります。
セキュリティリスクの見落とし
メールリストには顧客の個人情報が含まれるため、適切なセキュリティ対策が施されていないシステムを選ぶと、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。
- データの保存場所(国内・海外)を確認し、適切な法規制に準拠しているかをチェックする
- 通信の暗号化(TLS対応)やアクセス制限の有無を確認する
- 過去のセキュリティインシデントの履歴を調べ、問題がないか確認する
おすすめのメール配信システム3選
特におすすめのメール配信システムについて紹介します。
大量のメールを一斉送信するならブラストメール(blastmail)
ブラストメールは、14年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。
機能を厳選することで使いやすさと圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能はすべて揃っています。料金はシンプルなアドレス数課金のみです。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。
また、業界トップクラスの配信速度と到達率も魅力の一つです。
「メールマーケティングにかかるコストを落としたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。
無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
API連携・SMTPリレーサービスならブラストエンジン(blastengine)
ブラストエンジンは、日本国内の企業向けに提供されているメール配信プラットフォームで、API連携・SMTPリレーで大量のメール配信やトランザクションメールの配信を効率的かつ確実に行うことができるサービスです。
ブラストメールがメールマーケティング初心者向けなのに対して、ブラストエンジンは技術者向けに開発されたシステムなので、より複雑で柔軟なカスタマイズが可能です。
国内企業が運営しているサービスなので、サポートも日本語でメール/電話の対応が可能でなっており、手厚いフォローが可能です。月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れています。
現行のMAツールと組み合わせて到達率の改善、配信速度の向上などの効果が見込めます。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
BtoBの商談獲得なら配配メールBridge
配配メールBridgeはBtoBの商談獲得に特化したメールマーケティングサービスです。ブラストメールと比較して費用は割高ですが、その分高度なマーケティングが可能です。
中でも来訪通知機能はホットリードを見逃さない非常に便利な機能です。
HubSpotと異なり日本国内企業の運営なのでサポートも充実しています。MAを実施したいけれどサポートが欲しい、という企業はさらなる効率化のために導入を検討してみてください。
配配メールBridgeの詳しい内容はこちら
まとめ
メール配信システムを選ぶ際には、価格や機能面だけでなく、「到達率」「操作性」「サポート」「連携性」「セキュリティ」などの要素を総合的に評価することが重要です。
導入前に十分なリサーチを行い、試験運用を経たうえで、自社の業務に最適なシステムを選定することをおすすめします。