ビジネスメールやメルマガを送るときにURLの記載は欠かせません。商品ページへの誘導やキャンペーン告知、資料ダウンロードの案内など、多くの場合で「リンクをクリックしてもらうこと」が目的になるからです。ところが、メールにURLを入れる方法を誤ると「受信者に届かない、迷惑メール判定される、開封してもクリックされない」といった問題が発生しやすくなります。特に、長すぎるURLや短縮URL、信頼性の低いドメインのリンクは、メールサービスや携帯キャリアにブロックされる可能性もあります。
この記事ではメールにURLを記載する基本の方法から、迷惑メールを避けるための注意点、リンク切れや安全性確認のチェックポイント、そして効果的な配信を実現するためのサービス活用術までを網羅的に解説します。
目次
メール本文にURLを記載する基本
メール本文にURLを記載する方法にはいくつかの選択肢があります。もっともシンプルなのはURLをそのまま貼り付ける方法ですが、長いURLは見づらくなるためテキストリンク化すると読みやすさやデザイン性が向上します。
また、画像やボタンにURLを埋め込むことで視覚的にわかりやすく誘導でき、クリック率向上にも効果的です。目的や読者層に合わせた方法を選びましょう。
URLをそのまま記載する場合
URLをメール本文にそのまま記載するのは最もシンプルな方法です。ただし、長すぎるURLは見栄えが悪く、クリックされにくい傾向があります。改行位置にも注意し、読みやすさを意識すると効果的です。長いURLは短縮サービスを使う手もありますが、セキュリティ上のリスクがある点は注意が必要です。利用する際は信頼できるサービスを選び、利用規約を確認してから活用しましょう。
また、URLの前後にスペースを入れておくと、メールソフトが自動的にリンクとして認識してくれることもあります。ちょっとした工夫で受信者にとっての使いやすさは大きく変わります。ただし、利用しているメールソフトによって異なるため注意は必要です。
テキストリンクとして記載する場合
テキストリンクはURLを特定のテキストに埋め込む方法です。「詳しくはこちら」のようにわかりやすい表現を用いることで、自然にクリックを促せます。HTMLメールであればタグを使って実装でき、本文をすっきりと見せる効果もあります。テキストを工夫することでクリック率をさらに高めることも可能です。例えば次のようなフレーズは効果的です。
- 「無料ダウンロードはこちら」
- 「限定セール情報を見る」
テキストリンクはHTMLメールだけでなく、テキストメールでも「説明文+URL」の形で同様の効果を得られます。
画像やボタンにURLを埋め込む場合
視覚的にわかりやすい画像やボタンにURLを埋め込むとクリック率の向上が期待できます。画像はできるだけ高画質のものを使い、ボタンは大きさや色を工夫して押しやすいデザインを意識するとよいでしょう。
メール配信システムを利用すれば手軽にボタン付きのメールを作成できます。テキストリンクに比べ、直感的に「押したくなる」効果が得られる点もメリットです。ただし、画像やボタンを多用するとメール全体が重くなり表示に時間がかかる可能性があります。ファイルサイズを最適化し受信者の環境に配慮することが大切です。
特にメールマーケティングでメルマガ配信の成果を上げたい場合はこの手法がおすすめです。メール配信システムを活用しHTMLメールで視覚的にも訴求を強めることで魅力的なメール配信を実現することができます。
このようなメルマガの成果を上げるためのノウハウは以下のセミナーで詳しく解説をしています。ぜひ併せて参考にしてみてください。
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メール本文のURLが原因でメールが届かない?
メール本文にURLを記載すると、迷惑メールと判定されるリスクが高まる場合があります。特に短縮URLや不審なリンクはスパム判定の対象になりやすく、配信停止や受信拒否につながる可能性があります。また、携帯キャリアでは独自のURLフィルタリングを行っており、特定のドメインやパラメータ付きURLはブロックされることがあります。
迷惑メール判定の基準
各種メールサービスやメールプロバイダは、さまざまな要素を組み合わせて迷惑メールかどうかを判定しています。その中でもURLは大きな判断材料の一つです。特に短縮URLやリダイレクトURLは不正サイトへの誘導に使われやすいため要注意です。URLを挿入する際は短縮URLなどはできるだけ使用せず、自社ドメインのURLを設定するようにしましょう。
また、URLのドメインがブラックリストに登録されていたり、文字列が不自然だったりすると迷惑メール扱いされる可能性が高まります。その他にも迷惑メールの判定に一般的に考慮される要素としては以下のようなものがあります。
- 送信元の信頼性(IPやドメインの評価)
- メール本文の内容や構成
- 受信者が過去に取った行動(開封・クリック・迷惑メール報告など)
特に送信元の信頼性は、なりすましメールの判断にも大きく影響します。送信元の信頼性を高めるには、後述する「SPF、DKIM、DMARC」といった認証技術を導入することが効果的です。
携帯キャリアによるURLフィルタリング
携帯キャリア(SoftBankなど)は、ユーザーを保護する目的でURL付きメールを制御することがあります。たとえば、不審なURLを含むメールをブロックしたり、警告を表示したりするケースです。これはフィッシング詐欺やマルウェア感染を防ぐための重要な仕組みですが、正規のメールが誤ってブロックされてしまうリスクもあります。
そのため、メールマーケティングを行う際には各キャリアのガイドラインを確認し、適切なメール送信を心がけることが大切です。また、受信者自身がURL付きメールを拒否する設定にしている場合もあるため、必要に応じて代替手段(テキスト案内など)を検討するのも有効です。
URL記載時の注意点
URLを記載する際は正しい形式で入力するのはもちろん、クリックして正常に遷移できるか事前確認を徹底する必要があります。リンク切れがあると信頼性を損ない、読者離れを招きかねません。また、遷移先のサイトが安全であることも重要で、不審なサイトへ誘導するとブランドイメージに大きな影響を及ぼします。常に「見やすさ」「安全性」「信頼性」を意識しましょう。
URLの記載方法
URLを正しく認識させるためには、「前後に半角スペースを入れる」、「山括弧で囲む」といった工夫が有効です。全角文字や機種依存文字は避け、必ず半角英数字で統一しましょう。
長いURLは見栄えも悪くなるため短縮URLサービスを使うのも一つの方法ですが、セキュリティリスクがある点を忘れてはいけません。利用はあまりおすすめできませんが、もし利用する際は信頼できるサービスを選び利用規約を確認してから使うようにしてください。また、ユーザビリティを高める工夫としては、次のような点が挙げられます。
- 改行はURLの途中ではなく、パラメータの区切りで行う
- URLの前後にスペースを入れて自動リンク化を促す
- 無駄に長いURLはできるだけ避ける
こうしたちょっとした配慮で、受信者にとってぐっと読みやすいメールになります。
リンク切れ対策
送信前に必ずリンクが正しく動作するか確認しましょう。リンク切れは読者の信頼を損なうだけでなく機会損失にも直結します。手動でクリックして確認するのはもちろん、リンクチェッカーツールを活用すれば大量のURLも効率的にチェックできます。
リンク切れの原因はサイトのURL構造変更やページ移動・削除などが多いため、定期的なチェックで早期に発見・修正することが重要です。例えば、サイトリニューアルの際には、特に注意してリンク確認を行うようにしましょう。
遷移先の安全性確認
リンク先が安全であることも必ず確認しましょう。怪しいサイトへのリンクは迷惑メールと判定されるリスクだけでなく、法的トラブルを招く可能性もあります。対策としては、セキュリティソフトやウェブサイト評価サービスを活用してチェックすることが有効です。
また、SSL化されているかどうかも重要な指標で、URLが「https」から始まっていれば通信は暗号化されています。さらに、遷移先のコンテンツが著作権や商標権を侵害していないかどうかも確認することで、安心して送信できるメールになります。
短縮URLは乱用しない
上述した内容ですが大事な内容ですので再掲します。短縮URLは見た目がすっきりする反面、不正利用されやすいため迷惑メール判定の対象になりやすいです。どうしても利用する場合は、実績のある信頼性の高いサービスを選びましょう。
また、クリック前にリンク先が不明瞭なため、受信者が警戒してクリック率が下がる可能性もあります。利用は最小限にとどめるのがおすすめです。
トラッキングURLを使うときの工夫
マーケティングでは開封率やクリック率を測定するためにトラッキングURLを使うことがあります。ただし、パラメータが長すぎると不自然に見えてしまい、迷惑メール扱いされやすくなります。そこで「パラメータを整理する」「わかりやすいURL構造にする」といった工夫が有効です。また、ユーザーが安心できるよう「公式サイトのドメイン」を必ず利用しましょう。
特定電子メール法などのルールに注意
日本国内でメール配信を行う場合は「特定電子メール法」をはじめとする法律を守る必要があります。特に広告や宣伝を目的としたメールにURLを含める場合、配信停止方法の明示や送信者情報の記載が必須です。これを守らないと、法的リスクやブランドイメージの毀損につながります。ビジネスでURLを扱う際は、技術的な配慮だけでなく法的側面も忘れないようにしましょう。
関連記事:「特定電子メール法」とは?違法にならないためのポイントを理解しましょう!
メールにURLを記載する際のセキュリティ対策
メールにURLを入れる際はセキュリティ面の配慮が欠かせません。ユーザーに安心してクリックしてもらうためには、リンク先の安全性や信頼性を示す工夫が必要です。また、送信者側の認証設定もあわせて整えることで、迷惑メール扱いされるリスクを減らすことができます。
HTTPS(SSL暗号化)のURLを利用する
メールに記載するURLは「http」ではなく「https」から始まるものを使用しましょう。httpsのサイトはSSL暗号化されており、第三者に通信を盗み見されるリスクが軽減されます。受信者にとっても「安全なサイト」という印象を与えられるため、クリック率の向上にもつながります。特に個人情報や決済に関わるページでは必須です。
SPF・DKIM・DMARCを設定する
URLを安全に記載するだけでなく、送信元ドメインそのものの信頼性を高めることも大切です。そのために欠かせないのが「SPF」「DKIM」「DMARC」と呼ばれる送信ドメイン認証の仕組みです。これらを設定していないと、メールサービスプロバイダから「正規の送信者なのか判断できない」とみなされ、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性が高まります。
- SPF(Sender Policy Framework) 送信元サーバーがそのドメインから送信する権限を持っているかを確認する仕組みです。DNSに「許可済みサーバー」を登録し、受信側が照合して認証します。
- DKIM(DomainKeys Identified Mail) メールに電子署名を付け、受信側が公開鍵で検証する仕組みです。改ざんやなりすましを防ぎ、特にURLを含むメールの信頼性向上に役立ちます。
- DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance) SPFやDKIMの認証結果をもとに「認証に失敗したメールをどう扱うか」を指定できる仕組みです。さらにレポート機能で不正利用を監視でき、なりすまし対策に有効です。
これらを組み合わせて設定することで、メールサービスプロバイダからの信頼性が大幅に向上し、URLを含むメールであってもスパム判定を回避しやすくなります。特に企業でメールマーケティングを行う場合には必須の対策といえるでしょう。
関連記事:SPF・DKIM・DMARCで「なりすまし」を防ぎ、メールを確実に届ける方法
効果的なメール配信のために
URLを含むメールを確実に届けるためには、単純に記載方法を工夫するだけでは不十分です。専用のメール配信システムやメールリレーサービスを利用することで到達率を高めることが可能です。さらに、携帯キャリアごとに異なる受信制御があるため、それぞれの基準を把握して対策を講じることが重要です。配信基盤と運用の両面から最適化しましょう。
キャリアごとの対策
携帯キャリアは、独自の迷惑メール対策を実施しています。そのため、各キャリアのガイドラインを遵守したうえで適切に送信することが不可欠です。受信者がURL付きメールを拒否する設定をしている場合もあるため、その点にも配慮しましょう。対応策の一例としては、以下のような工夫が挙げられます。
- 信頼性(実績や到達率の高さ)
- 価格(自社の規模や配信頻度に見合うか)
- サポート体制(導入後のフォローやトラブル対応)
自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが成果に直結します。おすすめのメールリレーサービスは以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
関連記事:メールリレーサービスのおすすめ11選!機能や料金を比較し目的別の選び方を解説します
メール配信システムの導入
より本格的にメールマーケティングを行うには、メール配信システムの導入を検討しましょう。ブラストメール(blastmail)のようなシステムを利用すれば、セグメント配信や効果測定、予約配信など幅広い機能を活用できます。また上述したようなHTMLメールを作成することで画像やボタンにURLリンクを設定することも可能となります。
開封率・クリック率といった指標を測定できるため、メール配信の結果を分析して改善点を明確化し、より効果的な施策へつなげられます。導入時には機能や価格、サポート体制を比較検討し、自社の目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。おすすめのメール配信システムは以下の記事で解説していますので、併せてご確認ください。
関連記事:メール配信システム比較20選|メルマガにおすすめの料金・機能・選び方を徹底解説【2025年最新版】
まとめ
メールにURLを記載する際は見やすさや使いやすさに配慮するだけでなく、迷惑メール判定やキャリアのフィルタリングといった外部要因にも注意が必要です。リンク切れや不審な遷移先を避け安全で信頼できる環境を整えることが、結果的に到達率や開封率の向上につながります。また、メールリレーサービスや配信システムを活用すれば、安定した配信と高い到達率を実現できます。
特にメールのセキュリティがどんどん強化されている現代においてはURLの挿入方法ひとつで迷惑メール判定されてしまうリスクもあります。正しい知識を押さえ、読者にとっても送り手にとっても価値あるメール運用を実現していきましょう。
