「顧客リスト」とは、お客様の情報をまとめたリストのことで、以下の様な情報が含まれています。
- 氏名・年齢・性別
- メールアドレス
- 住所
上記のものは、顧客リストに含まれる情報の一例ですが、できるだけ多くの顧客の細かな情報を記載したリストがあれば、顧客に対してより正確なアプローチをかけることができるようになるでしょう。
ただし、どれだけ詳細な顧客リストを保有していても集客に活用できていなければ、意味がありません。
顧客リストは、あくまで集客をする際に使う材料であって、 リストを集めることが集客のゴールではないからです。
この記事では、自社で保有している顧客リストを最大限活用するために、顧客リストを使った集客の方法や、最も手軽に取り組むことができる顧客リストの活用方法を解説しています。
顧客リストはただ溜めているだけでは成果につながりません。
適切に活用するサイクルを身につけ、売り上げ貢献のチャネルとして活かしていきましょう。
目次
顧客リストを活用する前に
顧客リストの活用方法を解説する前に、以下の点を確認しておきましょう。
- ① 自社のリストではどのような顧客の情報を保有しているか(性別・年齢・居住地など)
- ② 自社のサービスと相性が良い集客方法は何か(メルマガ集客・SNS集客・チラシの配布など)
顧客リストを使った集客は、リストにある情報を元に計画するため、顧客リストにない情報を必要とする集客は実行することができません。
また、顧客リストを使っていたとしても、自社のサービスと相性が良い集客方法を選択しなければ、効率の良い集客はできません。
例えば、サービス利用時のイメージを想像させるような写真をコンテンツに入れるべき飲食店の集客では、テキストのみのメールマガジンの配布は相性がいいとは言えません。
自社のサービスの魅力を、顧客となる可能性が高い方に届けられるような媒体を選びましょう。
それぞれの項目についてもう少し詳しく解説をしていきます。
自社で保有している顧客リストの整理
自社の顧客リストに含まれる情報を整理してみましょう。
一般的には、冒頭で解説したようなものを記載している顧客リストが多いのですが、以下の情報があると、より顧客リストを集客に活用することができます。
- 生年月日
- 購入履歴(サービスの利用履歴)
- 利用金額
- 問い合わせ内容
- LINEなどのアカウント情報
生年月日などは、対個人(BtoC)のサービスで必要になる顧客情報ですが、他のものは個人・企業を問わずに集客に応用することができます。
また、顧客リストの整理は、自社が実施可能な集客を見つけられる以外にも「自社のサービスを利用するお客様の傾向を把握できる」というメリットがあります。
顧客リストなどを元に、顧客の年齢層や性別などの傾向を割り出していく作業は「顧客セグメンテーション」と呼ばれており、集客をする上で非常に重要な作業になります。
例えば、顧客をサービスの利用回数などで分類してみると自社のサービスのニーズを探ることができます。
顧客リストを整理し、自社のサービスが貢献できる顧客を明確にしておきましょう。
自社のサービスと相性が良い顧客リストの活用方法を選ぶ
顧客分析で得た情報を元に、どの集客方法が自社のサービスを利用する可能性がある方にアプローチを取りやすいかを考えましょう。
顧客リストの使い道は大きく二つに分けられます。
- 顧客リストに情報がある方に向けてアプローチをする
- 顧客リストの分析結果を元に新規顧客のターゲット選定を行う
要するに、既存・新規顧客のどちらにアプローチをするかということですが、基本的には既存の顧客への集客の方が結果が出やすくコストも低いと言われています。
既存・新規顧客へのアプローチに関して「1:5の法則」と呼ばれるマーケティングの法則があります。
これは、新規顧客にサービスを販売するコストは、既存顧客へのコストと比較して5倍かかるというもので、ここからも新規顧客へのアプローチの難易度が伺えます。
この記事では、基本的に既存顧客へのアプローチをメインに解説をしていますが、以下の記事では新規顧客にアプローチをするコツを解説していますので、合わせてご覧ください。
関連記事:新規顧客を獲得する集客方法!低コストで実施できる3つの施策
難易度に違いがあるとはいえ、顧客分析の結果をもとに集客方法を考えるのは同じです。
今後の解説でもイメージが湧きやすいように、顧客分析で傾向をまとめ、集客方法を精査していく作業の例をご紹介します。
- 関東在住の既婚女性
- 20〜30代
- 定職についている
顧客分析の結果得られた上記のような方をターゲットとして、顧客リストに含まれている方に向けてアプローチをする場合について考えてみましょう。
20〜30代の働いている女性なので、新聞やチラシを熱心に確認する時間よりも、通勤や家事の合間にスマホを使って情報収集をしている方が多いのではないかと予想されます。
そうすると、SNS広告やメールマガジンなどのウェブを使った集客がメインの選択肢になるでしょう。
SNSと一口に言っても、InstagramとTwitterでは利用している年齢層が異なっているため、SNSごとのユーザーのボリュームゾーンを考えた集客が求められています。
ちなみに各SNSのユーザーの年齢層は以下の様になっています。(2021年12月現在「Social Media Lab」を参考)
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
LINE | 93.7(%) | 97.7 | 95.5 | 96.6 | 85.4 | 76.2 |
69.0(%) | 68.1 | 55.6 | 38.7 | 30.3 | 13.8 | |
67.6(%) | 79.8 | 48.4 | 38.0 | 29.6 | 13.5 |
上記の条件では、20代のユーザーが多いLINEやTwitterなどが顧客リストを活用する集客媒体として候補にあげられます。
特にLINEは、友達登録をしてくれたユーザーに対して個別にメッセージを配信することもできます。
顧客セグメンテーションで得た情報をもとに新規顧客を集客するのであれば、コンテンツの使用中にプロモーションが入るInstagramやTwitterに広告媒体を出すのがオススメです。
LINEのアカウント情報などが顧客リストにあるのであれば、キャンペーン情報などをメッセージに流すのが良いでしょう。
今、例に挙げた集客方法は顧客リストを活用するほんの一例なので「20代の方に向けてアプローチをしたいが、SNSアカウントの情報はない」という方でもご安心ください。
今ある顧客リストを最大限に活かして集客をする方法を、次の項から解説していきます。
SNS集客に関する情報は以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
関連記事:SNS集客の特徴まとめ!アクティブユーザー特徴を分析
顧客リストの活用方法
ここからは、顧客リストを活用する集客媒体や方法について、さらに詳しく解説をしていきます。
顧客分析の結果得られた情報を元に、自社のサービスと相性がいい方法を選びましょう。
メールマガジンの配布
メールマガジンとは、キャンペーン情報やサービスの活用事例などを記載したメールを配信し、ECサイトや店舗の利用を促す集客方法です。
大まかな特徴は以下の通りです。
- 他の集客と比較してコストが低い場合が多い
- 対象となるユーザーが多く20代以上の方には馴染みがある媒体
- BtoCだけでなくBtoB(企業間取引)でも有効
多くの企業では顧客リストの中に、顧客のメールアドレスを保有しています。
そのため、顧客リストを活用した施策を検討中の企業では、非常に実施しやすい集客方法と言えるでしょう。
先述した、SNS集客と比較すると10〜20代への集客力が懸念されがちですが「メルマガを1通以上受信しているか」という質問をした調査では、以下のような結果が出ました。
- 20代:62.6(%)
- 30代:70.3
- 40代:76.2
- 50代:82.6
- 60代:84.9
20代でも半数以上の方が、メールマガジンを使って情報の収集をしているのです。
SNSが普及したことで、プライベートで普段使いしている方は減った印象がありますが、メルマガなどを通じて企業からのお知らせを受け取っている方は実は多いことが分かります。
また、メルマガは企業間取引であるBtoBでも集客力があるコンテンツです。
BtoBのサービスを展開する企業では顧客リストの中には、名刺交換をした相手の情報が多く含まれていることでしょう。
名刺には相手のメールアドレスだけでなく、業種や役職も記載されているので顧客分析の結果に合わせて、自社のサービスを広告するコンテンツを作成し配信しましょう。
以下の記事では、顧客リストを活用しメルマガをBtoBで配信する際のポイントについて詳しく解説しています。
BtoBメルマガで成果を出すには?活用法やポイントを徹底解説!
こちらも合わせてご覧ください。
SNS広告
10〜20代の方に向けて集客をするのであれば、SNS集客も視野に入れると良いでしょう。
SNS集客は、顧客分析の結果をもとに、自社の事を知らない新規顧客の獲得を目的にすることが多いです。
SNS集客をする中で、顧客のアカウント情報を収集し既存顧客へのアプローチも視野に入れて集客を進めましょう。
SNS集客の特徴は以下の通りです。
- 10〜20代の目に留まりやすい
- 動画や画像コンテンツの制作が必要
- メールの配信と比較するとセグメンテーションしにくい
- BtoCの集客に有効
表にもまとめたように若年層のアクティブユーザーが多い反面、コンテンツの制作にはそれなりにコストがかかります。
メールのように誰にでも作成できるコンテンツではないので、社内にリソースがない場合は外注を検討しなければなりません。
また、メルマガ集客と比較するとセグメンテーション(ターゲットを絞る配信)をしづらいのも覚えておきましょう。
メルマガ配信のように個別にコンテンツを送信するのではなく、アカウントの情報や興味関心を元にシステムが広告を表示する相手を自動で選別します。
SNSごとに設定できる条件や精度も違うと言われているので、集客をする際は各SNSの特徴を調べた上で行いましょう。
また、SNS集客は企業相手のサービスを広告する場合には不向きとも言えます。
近年は、LINEのようなチャットアプリを使ってコミュニケーションをとる企業も増えてきましたが、まだまだ主流ではありません。
これは、一般社団法人ビジネスメール協会の調査によると「仕事で使うコミュニケーションの第一位はメール(99.1%)」という結果からも想像できます。
BtoCのサービスで10〜20代の新規顧客をターゲットとしている場合には、チャレンジしてみると良いでしょう。
DM・チラシの配布
顧客リストにお客様の住所が含まれる場合は、チラシなどを使った集客も検討できます。
メールやSNS集客で利用するコンテンツとは違い、お客様が実際に手に取る媒体なので、ウェブ集客とはまた違った効果が期待できるかもしれません。
DMやチラシを使った集客の特徴についてまとめてみましょう。
- 顧客の自宅や事務所に向けてコンテンツを届ける
- コンテンツの制作が必要
- ファミリー層やシニア層からに有効とされている
自社の店舗などがある場合は、近隣住民の方をターゲットにチラシを配布することで、集客効果期待できます。
チラシ集客のコンサルなどを行なっている「トクバイ」によると、チラシを確認して行動する消費者の90%は4日以内にアクションをするそうです。
セールやキャンペーンのタイミングと合わせて、コンテンツを送付する様にしましょう。
メール集客は顧客リストを活用しやすい
顧客リストを活用した集客として、メルマガをはじめとするメール集客はメリットが多い方法として知られています。
顧客リストを管理している企業の多くがメールアドレスを保持しているため、新たに顧客リストに情報集めをする必要がないため手軽メルマガ集客は顧客か見込み客に集客をする方法に取り組むことができます。
ここからは、顧客リストの活用方法として、SNSやチラシ集客などと比較した際のメール集客のメリットを解説していきます。
リストが集めやすくコストが低い
DMやチラシ集客をするには、住所が必要になりますが顧客リストに住所は記載していない企業も多いでしょう。
しかしメールアドレスは先述の通り、殆どの顧客リストに記載されている情報です。
マーケティング用語では、サービスの利用者の事を「顧客」と呼び、サービスを利用したことはないものの認知はしている方の事は「見込み客」と表現します。
メールアドレスが顧客リストに記載されている方は、顧客か見込み客である場合がほとんどです。
SNS集客は顧客リストを分析した情報をもとに、新規顧客にアプローチをする集客方法ですが、メルマガ集客は顧客か見込み客に集客をする方法です。
そのため、SNS集客などと比較してコストも低くなる場合が多いので、手軽に始められる集客と言えます。
BtoB・BtoCを問わず有効
SNS集客は10代のBtoC集客に効果的という解説がありましたが、メルマガ集客はBtoC・BtoBどちらでも効果が期待できる集客です。
実際に「NIKE」や「AMAZON」などの大手企業でもメルマガの配信を行い、キャンペーンの告知などを行っています。
また、ビジネスのコミュニケーション手段としてメールが1位という調査結果からも、BtoBの集客でも有効であることが予想できます。
顧客の年齢やサービスの形態を問わずに実施できるのも、メルマガ集客の魅力です。
メール集客に特化した媒体がある
メール集客には「メール配信システム」と呼ばれる、メール集客に特化した媒体があります。
機能は後述していますが、配信したメールに対する受信者の反応を数値化する機能や、HTMLメールを簡単に作成することができるエディタ機能などを提供しています。
HTMLメールとは、テキストのみのメールとは違い、メールの本文に画像やボタンを配置して視覚的な訴求効果を強くしたメールのことです。
HTMLメールに関しては以下の記事で、作成方法について詳しく解説しているので、興味がある方はこちらもご覧ください。
関連記事:HTMLメールの作り方を5分で解説!最も簡単に作成する方法もこっそり教えます
メール配信システムの利用にかかるコストは配信規模にもよりますが、5,000円/月〜10,000円/月程度になるでしょう。
単純にリーチ数だけで比較しても、SNS集客よりも費用対効果が高くなる可能性があるのも覚えておきましょう。
顧客リストを最大限活用することができるメール配信システムの機能
ここからは、メール配信システムの機能を簡単に解説していきます。
メール配信システムのひとつである「ブラストメール」を例に機能をご紹介しています。
一斉送信
一斉送信機能はメール配信システムの基本機能です。
メール配信システムからの一斉送信は、通常のメーラーと比較して以下のようなメリットがあります。
- キャリアブロック・迷惑メールに分類される可能性が低い
- 10,000通を超えるような大量配信が可能になる
顧客リストの件数が500を超えるような場合は、OutlookやGmailなどのメーラー・ウェブメールでは送信上限が設けられており、同時に一斉送信することができません。
顧客リストの規模に応じてメール配信システムの利用を検討しましょう。
API連携
API連携とは、異なるインターフェースを連携し機能を拡張することを指すIT用語です。
詳しい解説は省略しますが、API連携を提供しているメール配信システムでは、既存の顧客管理システムと連携して特定条件で一斉送信ができるようになります。
メールの配信機能がない顧客管理システムでも、メール配信システムとAPI連携をすることで、メールの一斉送信を使った集客ができるようになります。
HTMLメールエディタ
スマホの普及に伴いHTMLメールを使ったメルマガが増加しましたが、HTMLメールの作成にはHTMLと呼ばれるウェブ上の言語を使わなければなりません。
そのため社内に技術的なリソースがない場合は、作成することが難しいコンテンツでした。
しかし、メール配信システムが提供するHTMLメールエディタを利用することで、誰でも簡単にHTMLメールを作成することができるようになりました。
効果測定
効果測定機能は、到達率・開封率・クリック率を計測する機能です。
- 到達率:配信したメールがメールボックスに届いた割合
- 開封率:配信したメールの内、開封された割合
- クリック率:送信したメールの内、添付したURLがクリックされた割合
上記のような数値が把握できることで、顧客が求めるニーズが分かりやすくなります。
メルマガ集客は配信するだけでなく効果測定を行い、配信したメルマガの分析をすることで、より集客力を高めることができます。
どのようなメルマガを配信することで、顧客からの反応が良くなるのかをチェックしつつ集客を行いましょう。
まとめ
お客様のメールアドレスなどが記載されている顧客リストは、上手に活用することができれば売り上げのアップに繋げることができるでしょう。
顧客リストを活用し集客を行う際は以下の点に注意をしましょう。
- 顧客リストに含まれている情報を確認する
- 顧客リストを分析し、自社のニーズを調査する
上記のような準備をすることで、アプローチの相手や媒体がクリアになるはずです。
顧客リストに記載されている情報は企業によって異なりますが、メールアドレスを保有している企業は多いことでしょう。
メールアドレスを使った集客として代表的なメルマガ配信は、顧客リストの活用方法として、手軽さ以外にも以下のようなメリットがあります。
- 幅広い年齢層・サービス形態に対応できる
- SNS集客などと比較してコストが低くなる場合が多い
- 顧客・見込み客にアプローチをすることができる
メルマガ集客をする上で便利なツールを提供しているのが「メール配信システム」です。
メール配信システムを利用することで、大量のメールを一斉送信することができる上に、HTMLメールの作成や効果測定なども絡めた集客ができるようになります。
この記事で例に挙げた「ブラストメール」では、7日間の無料体験期間を設けています。
7日間はブラストメールが提供する機能を無料で使うことができ、自動で有料版に移行することもないので安心です。
顧客リストの活用方法にお悩みの方はぜひお試しください。