営業活動を効率的に行うためには「アタックリスト」の作成が重要です。
リストの作成には顧客管理ツールや営業サポートツールがありますが、できるだけコストはかけずに行いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では無料で使えるスプレッドシートを使ったアタックリスト作成方法や注意点について解説しています。
目次
アタックリストとは
アタックリストとは、営業先についての情報を分かりやすくまとめたリストのことです。会社名や住所、業種、部署、担当者名などが一覧になっており、アタックリストを元に営業活動を行います。
電話営業や訪問営業、DM送付などを効率的に行うためには、事業規模に関わらず「必須の営業ツール」です。
良いアタックリストとは
アタックリストは営業活動を支えてくれるツールになりますが、せっかく作成するならより良いものを作りたいですよね。
良いアタックリストは簡単にまとめると以下のような特徴があります。
- 営業効率を高める情報がまとまっている
- 入力情報をもとにマネジメントができる
- 入力情報をもとに分析ができる
- 他の営業ツールと連動できる
アタックリストの目的は、顧客の管理だけに止まりません。「新しくアポイントを獲得する」「新たな見込み客を獲得する」「コンバージョンを獲得する」といった所が最終的なゴールになってきます。
そのため、アポイントを獲得するために必要な情報やコンバージョンに繋がる有益な情報がまとまっていることが重要です。
資本金、人数、拠点数、企業やサービスのURLなどに加え、一度アポイントが取れている相手であれば、会話内容や提案に関係する顧客情報、次に行うべきアクションなどがまとまっていれば、社内で営業活動の情報が共有でき、営業効率の向上に繋がります。
アタックリスト作成ツール
アタックリストの作成ツールには以下のようなものがあります。
- CRM(顧客管理)ツールを利用する
- SFA(営業支援システム)ツールを利用する
- スプレッドシートを利用する
CRMやSFAは有料のサービスで、個人情報、営業、購入履歴、問い合わせ履歴などを一元管理することが可能です。安価なツールの場合、1ユーザーあたり月額4,000円程度で利用することができますが、便利なオプションや拡張機能を追加すると月当たり10,000円以上のコストがかかることも珍しくありません。
そこまで高機能なものである必要はない、アタックリストにそこまでのコストがかけられないのであれば、スプレッドシートでも代用することができます。
スプレッドシートを使ったアタックリスト作成時のポイント
「スプレッドシート」はGoogleが提供する無料の表計算ソフトで、無料かつ多人数での共同作業が容易というメリットがあります。
ネット環境さえあればどこでもアタックリストの更新ができることに加え、リアルタイムの編集ができるので、逐一情報が変化する営業活動にもピッタリのツールと言えます。
それではGoogleスプレッドシートを使ったアタックリストの作成手順と作る際の注意点について解説していきます。
アタックリストのテンプレートが用意されている
実はスプレッドシートにはアタックリストのテンプレートが用意されています。
そちらで問題ないようでしたらそのテンプレートを使うのも一つの手です。
Googleスプレッドシートを開いたら「テンプレートギャラリー」の中から選択することで利用できます。
このように顧客情報をまとめるためのシートだけでなく、案件ごとの金額や優先順位などをまとめるためのシートも用意されています。
もちろん、表の項目やデータなどは自由に変更できるので、手っ取り早くスプレッドシートで顧客管理が行いたいという場合にはこちらの利用をおすすめします。
有料の営業支援システムや顧客管理ツールの導入を検討している方も、一度こちらを試してみてはいかがでしょうか。
スプレッドシートのアタックリストで設けるべき項目
先ほど紹介したテンプレートでは使いにくい、もっと独自の項目が欲しい、またはもっと簡素なもので良いという場合には一から作っていきましょう。
まずはアタックリストで用意すべき項目をまとめました。業種によって必要な項目は違うかと思いますが効果的なアタックリスト作成のための参考にしてみてください。
まずは基本情報です。
- 社名
- 連絡先(電話、FAX、メールアドレス)
- 担当部署
- 担当者名
- 住所
- 資本金、売上
- 社員数、拠点数
- 企業やサービスのURL
- 想定ニーズ
- 接触回数
- 顧客属性
次に営業活動を効率化するための項目です。
- 接触日時
- 提案への反応
- 断り理由
- 成約理由
- 対話内容
- ネクストアクション
- 反省点と改善策
上記のような項目はあくまでも一例です。それぞれの業種、サービスによって必要な項目は変わってきますので、営業効率を高めるために必要なものを利用しましょう。
項目の行は固定する
スプレッドシートでの管理のコツは、1行目を固定化することです。行数が大量に増えることで、入力されている項目が何かわからなくなり、毎度1行目を見に行くという手間を削減できます。
メニューの中の「表示」→「固定」→「1行」を選択することで設定できます。
また、項目部分の色やフォントを変えたり、A〜Zまである列も、不要な部分は非表示にすると見やすいアタックリストになります。アタックリストを有効活用するためにはまずは「使いやすいフォーマット」を作ることも大切です。
データ入力規則を利用する
接触契機など、入力テキストを毎回同じにしたい項目などは、データの入力規則を設定しましょう。そうすることでプルダウンで入力するテキストを選択できるようになります。
「データ」→「データの入力規則」を選択し、条件を「リストを直接指定」にし「項目をカンマで区切って入力します」とグレーで記載されている欄に、設定したいテキストをコンマで区切って入力します。上記画像では「テレアポ,Web,資料請求,口コミ」としました。
するとこのように、プルダウン形式で入力項目を選べるようになります。
入力された項目をもとにグラフを作ったり、データ参照を正確に行うには「入力されたテキストに一貫性があること」が重要です。例えば接触契機の項目に「WEB」と「Web」が混在していると、「Webからはどれくらいの人が来ているのか」という分析を行う際に、正確なデータ参照ができなくなってしまいます。
設定によっては無効なデータを入力できないようにすることもできるので、そうした問題を未然に防ぐ策としても有効です。
他にも「表示形式」の設定から、入力した数値の単位を揃えるよう機能もあります。こうした設定を行い表記のゆれが起こらないようにしましょう。
チームでの共有設定を行う
作成したアタックリストはリンクを相手に送ることで共有できます。
右上にある「共有」からリンクを取得できます。共有範囲は「リンクを知っている人全員」か「制限付き」を選択できます。また、リンク取得者の権限も「閲覧のみ」「閲覧+コメント」「編集まで可」の中から選択できます。
営業全員で情報を逐一更新していくような使い方を行う場合には「編集者」に設定しなければ、相手は編集できないので注意しましょう。
また、作成したアタックリストのダウンロードや印刷、コピーができるかどうかの設定も行うことができます。
共有リンクさえ知っていれば簡単にリストにアクセス・編集ができることはGoogleスプレッドシートのメリットでもありデメリットでもあります。リストのセキュリティを上げたい場合にはこのような設定も変更しておくことをおすすめします。
スプレッドシートによるアタックリスト作成の限界
アタックリストをスプレッドシートで行うことのメリットは、無料で使えることと共有機能が優れていると言う点です。
スモールビジネスや管理する項目が少数である場合には、スプレッドシートでも問題ありませんが、リストが多くなればなるほど、動作は重くなり、更新作業は大変になります。
また、アクセス制限を設けることができるとはいえ、セキュリティに関しては細かなアクセス制限や他要素認証、ログ監査機能を持つ専門ツールに比べると劣ります。データ分析に関しても、一から自分で構築していくとなると作成自体に時間がかかってしまいます。
そうした専門的な営業ツールについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
関連記事:営業ツール(MA・SFA・CRM)とは?各営業ツールの特徴と選び方を徹底解説!
アタックリストからメール配信を行うことが多いなら
アタックリストからメールでの営業を行うことが多い方は「メール配信システム」の利用もおすすめです。
アタックリストや営業ツールで顧客管理をすると、リストからメールアドレスを抽出→メール作成という流れになりますが、メール配信システムにはシステム上で顧客管理を行うことができるので非常にスムーズにメール配信を行うことができます。
そこまで複雑な顧客リストを必要としない(スプレッドシート程度で十分)かつ、メールでの営業が多いという方にはピッタリです。
そうした方は、メール配信システムも検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【2022年最新】メール配信システム20選!機能・料金を徹底比較
まとめ
以上、スプレッドシートを使ったアタックリストの作成方法やその際のポイントについて解説しました。
簡素なアタックリストであればスプレッドシートでも問題なく作成できるでしょう。無料で誰でも手軽に使え、共有機能が優れているスプレッドシートは、逐一情報更新が必要なアタックリスト作成に向いています。
良いアタックリストというのは「営業活動を円滑にしてくれる」リストです。ただ顧客情報がまとまっただけのリストにならないような項目を用意しておきましょう。
ただし、より高度な分析機能やセキュリティ機能が必要という場合にはスプレッドシートでは満足できないかもしれません。その際は専門ツールやメール配信システムを検討してみてください。
自社のアタックリストにかけられるコストとリストの規模によって適切なツールを選んでくださいね。