ショートメール(Short Message Servvice)とは、電話番号を宛先にしてメッセージのやりとりをするサービスです。
「MMD研究所」が調査した、1日あたりのSMSの利用頻度は0回が56.5%、1〜10回が35.6%となりました。
同調査では、キャリアメールも同様の項目で数値化していますが、キャリアメールの使用頻度は0回が59.0%、1〜10回が35.5%とSMSとほぼ変わらない結果になりました。
また個人同士の利用シーンが多いイメージがあるSMSですが、メールと同様に一斉送信をすることも可能なのはご存知でしょうか。
同じような利用頻度の媒体ですが、この2つはどのように使い分けたらいいのでしょうか。
この記事では、ショートメールを使った一斉送信の方法と、メールと比較した際のメリット・デメリットを解説しています。
一斉送信は、部署内や友人同士だけでなく、メールマガジンの配布でも使われます。
自社の商品・サービスを広告する際に、ショートメールを使うのとメールを使うのではどのような違いがあるのでしょうか。
メルマガの配布をお考えの方も、合わせてご覧ください。
ショートメールで一斉送信をする方法
ショートメールで一斉送信をするには以下の2つの手法が考えられます。
- キャリアにデフォルトでインストールされているSMSアプリ
- SMS専用の一斉送信サービス
それぞれの方法について詳しく解説します。
キャリアにデフォルトでインストールされているSMSアプリ
各携帯キャリアのスマホには、あらかじめショートメール用のアプリがインストールされています。
一斉送信をするには、メールと同様に宛先を入力するスペースに送信したい相手を入力します。
電話帳に登録されている相手であれば、登録名が表示されます。
ただしメールとは違い、電話番号を使ってメッセージを送信するショートメールは、メールサーバではなく電話回線を利用します。
そのため、電話と同様に通信料金が発生します。
大手キャリア会社の1つである「NTTdocomo」の場合は、全角70文字で3円、以降全角67文字ごとに3円ずつ追加されます。
ショートメール専用の一斉送信サービス
ショートメールには一斉送信専用のアプリがあり、それを利用することで一斉送信をさらに効率化することができます。
このサービスのメリットは各キャリアごとに設けられている送信上限を超える配信ができることです。
大手キャリアのショートメール送信上限は以下の通りです。
- docomo:200通/日
- Softbank:200通/日
- au:200通/日 または 3000〜6000/月
ショートメールで別キャリアへ向けた連絡ができるようになったのは2011年のことで、それまでは同じキャリア同士でしかやりとりをすることができませんでした。
キャリア連携が取れるようになってからは、お客様へ向けたアンケートや広告にも使われるようになりました。
しかし、上述のように送信数に制限があるショートメールでは、多くのお客様にコンタクトをするのが難しくなります。
そのため、用途によってはショートメールの一斉送信サービスを使い、多くの方にSMSを送信する方法を選択しなければなりません。
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SMSで一斉送信をするメリット
ここからは、ショートメールで一斉送信を行うメリットをご紹介します。
開封率が高い
ショートメールは電話番号と結びつけられたメッセージ機能なので、メールアドレスよりもユーザーを特定するために用いられることが多く、本人認証のツールとして使われることもあります。
そのため、重要なメッセージのやり取りで利用されることが多く、メッセージの開封率が高くなる傾向にあります。
開封率とは、配信したメッセージのうち受信者がメッセージを開封した割合で「HTMLメールが開封された数/到達したメールの数×100」で求めることができます。
メールマガジンの平均開封率は、Eメールマーケティングプラットフォーム企業の「MailChimp」が調査を行ったところ、21.09%でした。
一方のショートメールの開封率は90%近くにものぼることが、多くのメディアに記載されています。
宛先が変わりづらい
メールアドレスと比較して、電話番号は変更されづらい特徴があります。
特に近年は、「ナンバーポータビリティ」というシステムのおかげで、キャリアを変更しても電話番号は据え置きになるパターンがほとんどです。
そのため、電話番号あてにメッセージを送信するショートメールは、長くお客様とコンタクトを取ることができる可能性が高くなります。
ショートメールで一斉送信をするデメリット
ここからはショートメールを使って一斉送信をするデメリットに関して解説します。
文字数が限定される
ショートメールで送信可能な文字数が670文字(2020年1月現在)に限定されており、文字数に応じて料金がかかるようになっています。
各キャリアごと、とは言え、ほとんどのキャリアで同じような金額で運用をされているので、先述した大手キャリアの公式サイトで公開されているものをご紹介します。
文字数 | 料金 |
1〜70字 | 3円 |
71〜134字 | 6円 |
135〜201字 | 9円 |
202〜268字 | 12円 |
269〜335字 | 15円 |
336〜400字 | 18円 |
403〜469字 | 21円 |
470〜536字 | 24円 |
537〜603字 | 27円 |
604〜670字 | 30円 |
メールの一斉送信は無料でできる方法がたくさんあるので、電話番号以外の連絡先を知らない、というケースを除くとメールの方がコストパフォーマンスが良さそうです。
オプトイン・オプトアウトの整備がしづらい
お客様への広告目的でメッセージを送信する場合は「特定電子メール法」に則り、メッセージの送信をお客様自身に許可してもらわなければなりません。
この行為を「オプトイン」と呼びます。
逆に、配信の中止を希望するお客様に対して、その導線を設置する義務も存在し「オプトアウト」と呼ばれています。
オプトイン・オプトアウトに関する詳しい情報は以下の記事に記載してありますので、SMSを使って広告をお考えの方はこちらも合わせてご覧ください。
メルマガ配信で気をつけたい「オプトアウト」とは?オプトアウトの注意点を分かりやすく解説します。
オプトアウトの導線としてURLなどを添付するには、文字数制限がないメールと比較して、文字数制限があるショートメールはハードルが高くなります。
オプトイン・オプトアウトは先述の通り、法律によって決められている義務なので、守らなければ罰則があるので注意しましょう。
ショートメールの一斉送信はメールマガジンの代わりになる?
先述したように、ショートメールの配信は文字数制限があり、オプトイン・オプトアウトの導線設置が難しいため、メールマガジンのようにサービスの広告を多くのお客様に送るには不向きです。
ご紹介したような文字数内で商品の広告を行い、その上でオプトアウトの導線を設置すると、効果的な訴求をするのは難しくなるでしょう。
また、画像を添付することができないというのも、ショートメールが広告に不向きな理由として挙げられます。
メルマガの場合は、画像を使って商品のイメージをお客様に視覚的に伝えることができます。
さらに、HTMLメールというデザイン性に優れたメールを作成すれば、動画や画像を使い、商品をより魅力的に紹介することができます。
HTMLメールを使ったメルマガに関しては以下の記事に詳しくまとめてありますので、是非ご覧ください。
HTMLメールの作り方を5分で解説!最も簡単に作成する方法もこっそり教えます。
文字数制限がある上に、画像を使った紹介ができないショートメールはメルマガのように、販促を行う媒体としてはあまり向いていないと言えるでしょう。
まとめ
ショートメールの一斉送信は、メールと同様に宛先に複数人の電話番号を入力し行います。
電話帳に登録をしている人は、登録名が表示されるでしょう。
メールとショートメールの違いは以下のようにまとめられます。
SMS | メール | |
料金 | 有料 | 無料のものもある |
文字数 | 制限あり | 無制限 |
画像・動画の添付 | 不可能 | 可能 |
ただし、文字数の制限があるため、メルマガのように商品の訴求を行う媒体としては不向きです。
また、画像や動画を使うことができない点も、商品の広告をする際には不利になります。
以上のことを踏まえると、ショートメールは個人〜10人程度で重要なメッセージをやりとりする媒体、とまとめることができるでしょう。
多くのお客様に商品の広告をしたい場合は、文字数制限がなく、画像などで訴求を行うことができるメールがオススメです。
先述したショートメールの一斉送信サービスと同様に、メールにも一斉送信を便利にするツールがあり「メール配信サービス」と呼ばれています。
メルマガの配信をしている企業は、このサービスを使い一斉送信を効率化している場合が多く、サービスによっては、他にもメルマガの配信に便利な機能を提供しています。
メール配信サービスの詳細は以下の記事にまとめてあります。
ショートメールとメールはどちらも一斉送信ができる媒体ですが、ケースによって使い分けるようにしましょう。