数多くの企業が実践している「メールマガジン」は、中・長期的に見込み客と接触することができるだけでなく、様々な業種に対応できる集客方法です。
特に不動産をはじめとする、リード(見込み客)との信頼関係の構築が重要視されている業種で効果を発揮する集客方法と言われています。
対面営業の歴史が長い不動産業界ですが、より多くのリードに取り扱っている不動産をリーチさせるためにウェブ集客の手法を取り入れている企業がほとんどです。
この記事では、不動産業界で取り組まれているウェブ集客の手法としてメルマガを使ったマーケティングの有用性について解説しています。
不動産業界に従事しており、メルマガの運用を検討中の方はぜひご覧ください。
目次
メルマガとは
メールマガジンとは業界に関連するデータ、自社のサービスや開催するセミナーの情報などを受信希望者に対して配信する集客コンテンツです。
メルマガは受信希望者にしか配信できないため、メルマガを配信する相手は「自社の存在を知っている見込み客」か既存顧客になります。
見込み客はマーケティング用語で「リード」と呼ばれており、メルマガを受信しているリードの中にはサービス利用の検討度合いが高い「ホットリード」も存在します。
上記のような層に対して継続的に接触し、ナーチャリングを行いつつサービスの利用意欲を高めていくのがメルマガの役割です。
不動産業界でメルマガ集客をするメリット
不動産業界でお客様に対してメルマガを配信するメリットについて解説します。
自社で運営するオウンドメディアに誘導できる
メルマガを活用している企業では、メルマガからオウンドメディアへの誘導を行い販促に繋げています。
不動産業界のような視覚的要素を活かした集客方法が求められる業界では、取り扱っている不動産を掲載しているオウンドメディアはぜひともお客様に見ていただきたいコンテンツでしょう。
メルマガでおすすめの物件を紹介し、詳細をオウンドメディアに掲載することで該当の物件だけでなく他の物件も閲覧させることができるかもしれません。
長期的にリードと接点を持つことができる
メルマガは受信者が配信停止を希望しない限り、コンテンツを継続的に配信できる集客方法です。
長期的にコンテンツを配信することができれば、受信者がサービスを利用する際に自社のサービスが候補に残る可能性が高まるでしょう。
ただし、そのためにはリードが求める情報を分析した上でメルマガに反映し配信しなければなりません。
リードがどのような情報を求めているのかを知る方法には、直接的なアンケートだけでなく、「開封率」や「クリック率」などを把握する効果測定も有用です。
- 開封率:配信したコンテンツが開封された割合を示す数値
- クリック率:配信したコンテンツに添付したURLがクリックされた割合を示す数値
コンテンツに対する反応を把握・分析することで、自社のメルマガに求められているニーズが明確になります。
自社のメルマガを受信している方のニーズが把握できれば、長期的にリードを保持するマーケティングを展開する上でプラスの影響が期待できるでしょう。
リアルタイムで展示会などの紹介ができる
展示会や新築物件の情報のような、即時性の高い情報をリードに周知させることができます。
近年ではSNSを使い集客をする企業も増えていますが、不動産のような高価なサービスはSNS経由では成約しづらい傾向にあるようです。
不動産のようなコストが高く購入までの道のりが長いサービスでは、企業の特徴や実績、担当者のキャラクターのようなロイヤリティが求められます。
この企業が開催する展示会ならぜひ行ってみたい、と思っていただけるような顧客はSNSよりもメルマガで育成する方が現実的と言えるでしょう。
不動産業界でメルマガを始める人におすすめのメディア
ここまでは、BtoCで不動産の購入を検討している方に向けたメルマガの運用を解説してきました。
前項でも解説しましたが、上記のような方々に自社で取り扱っている不動産を選んでいただくには、ニーズが高い情報を継続的に読者に届けなければなりません。
そのため、メルマガを運用する場合は読者のニーズ調査と共に、業界の最新情報を把握しておく必要があります。
このような業務は「ネタ集め」と呼ばれ、メルマガを通じて顧客にニーズがある情報を提供する上で重要です。
ネタ集めの方法はいくつかありますが、同業他社が運営するメディアの閲覧は業界の情報を入手するだけでなく、メルマガのデザインや運用ノウハウを勉強する意味でも良い経験になるでしょう。
ここからは、不動産業界でBtoB・BtoCを問わず人気のメディアをご紹介します。
SUUMOジャーナル
「SUUMOジャーナル」は、自分にあった暮らしや物件を探す方を応援しているメディアです。
分譲・賃貸・リフォームだけでなく、街選びや不動産に関する制度などについても紹介しており、不動産業界を網羅する情報量を提供しています。
引っ越しや新築の予定が明確な方だけでなく、検討材料が多い方が情報を集めるメディアとしても活用していますようです。
各年で不動産や暮らしに関する様々な調査も発表しており、同業者にとっても消費者の動向を把握する上で有益です。
LIFULL HOME’S PRESS
「LIFULL HOME’S PRESS」もSUUMOジャーナルと同様に、不動産業界の情報を幅広く取り扱っているメディアです。
全国の不動産会社、デベロッパー、ハウスメーカーなどから提供された情報がまとめられており、メルマガの登録も同サイトから可能です。
「自分らしい暮らしを見つける」というテーマのSUUMOジャーナルと比較すると、引っ越しや新築の検討度合いがより高い人向けの印象があります。
メディア内には売却査定や不動産投資といった、住居契約以外のページへの誘導もわかりやすく記載されています。
健美家
「健美家」は、不動産投資に関する情報に特化したメディアです。
既出のメディアと比較すると、ニュースやコラムの幅広さはありませんがメディア担当者の経験や実情を踏まえたリアルな意見を見ることができます。
LIFULL HOME’Sとも提携しており「 LIFULL HOME’S 不動産投資 」の運営も同社で行っているようです。
不動産業界のメルマガを受信する方の中には、不動産投資に興味を持っている方も一定数いらっしゃることが想定されます。
自社の客層に合わせて、配信する内容を精査しましょう。
メルマガで受信者からの信頼を得るには可能な範囲で顧客をグループ分けし、それぞれのニーズに適した情報を配信しなければなりません。
詳しくは後述していますが、メルマガ集客に便利な機能を提供している「メール配信システム」を利用することで、受信者をグループ分けした上での一斉送信が可能になります。
メルマガによる集客を始めるのであれば、メール配信システムによる業務の効率化を検討しましょう。
不動産業界でメルマガを始める前に
メルマガは様々な業種の集客に対応しており、長期的に顧客へアプローチができる集客方法です。
数あるウェブ集客の中でも取り組みやすい集客ですが、知っておかなければならない注意点も存在します。
ここからは、メルマガの運用を開始する前に把握しておくべきポイントについて解説します。
目的を明らかにしておく
メルマガの配信による集客効果は大まかに以下の2つに集約されます。
- ファンの育成
- 売上に直結する販促
いずれの場合も受信者との信頼関係を築かなければならない点では共通していますが、接触する切り口が異なります。
ファンの育成を目的とする場合は、短期的な売上ではなく将来的に自社の目標にコミットしてくれるお客様を集めなければなりません。
一方、売上に直結する販促を目標としている場合は、クーポン情報やキャンペーン情報を配信することを重視した運用が求められます。
どちらを選択するかは企業によって異なりますが、漠然とメルマガを配信するよりも、配信による目標を明確にした上で運用した方が効率の良い集客につながります。
顧客情報の取り扱いに気をつける
ウェブの発展に伴い、プライバシーの保護に関するリテラシーは高まりつつあります。
特に、企業が取引先・お客様の情報を保有する場合は、万全の環境で管理する体制が求められています。
プライバシー保護の観点で、メルマガ集客をする企業が注意しなければならないのはアドレスの設定ミスによる「誤送信」です。
本来、BCCに設定すべき宛先をTOやCCに設定してしまうことで発生する誤送信は、毎年後を断ちません。
メルマガを配信している企業は、顧客のプライバシーを守るため上記のような誤送信を発生させない環境づくりが求められます。
そこで、メルマガを運用している企業の多くは、先述したメール配信システムを利用し誤送信を防いでいます。
メール配信システムから配信されるメールは、自動的にBCCに設定されるためアドレスの誤設定による送信ミスの防止に役立ちます。
HTML形式のメールを配信する
スマホの普及に伴い、消費者が目にするメルマガのほとんどは画像やボタンが配置されたHTMLメールに移行しました。
従来メルマガに使われていた「テキストメール」は、視覚的に情報をキャッチする現代の文化にはマッチしておらず、テキストのみのコンテンツは減少傾向にあります。
本来であれば、HTMLメールの作成には専門的な知識やスキルが必要でしたが、メール配信システムが提供する機能「HTMLメールエディタ」により、誰でも簡単に作成・配信ができるようになりました。
関連記事:ブラストメールを使って5分でHTMLメールを作る方法
どれだけ推敲された文章でも、受信者目線での見やすさを無視したコンテンツでは信頼関係を築くことはできません。
また、受信者に物件のデザインを伝えなければならない不動産業界は、HTMLメールとの相性が抜群です。
メルマガの配信時は、HTMLメールエディタを提供しているメール配信システムの利用を検討しましょう。
ターゲット配信・効果測定があるメール配信システムを選ぶ
ここまで解説してきた注意点は、メール配信システムを利用することでカバーできますが、より効率的に集客効果を出すには「効果測定」と「ターゲット配信」が便利です。
メルマガを運用する中で集客力を下げてしまう現象に「読者離れ」が挙げられます。
読者離れを発生させる原因はいくつかありますが、受信者からのニーズがない情報を配信していることにより不要な情報として認定されてしまうケースが多いようです。
「効果測定」と「ターゲット配信」は読者離れを防止し、読者が求める情報を提供するために必要な機能です。
効果測定とは、配信したメルマガの開封率や到達率を数値化する機能のことで、先述したように読者のニーズ分析をする上で必要になります。
ターゲット配信は、メルマガを任意のグループに分けて配信する機能です。
ターゲット配信を使うことで「賃貸に興味がある顧客」「不動産投資に興味がある顧客」といったパーソナライズ化されたメルマガ配信が可能になります。
まとめ
お客様との信頼関係が重視され、サービス成約までの道のりが長い不動産業界では、お客様に長期的かつコンスタントに接触する取り組みが有効です。
メルマガは上記のような集客を行う場合に有効な集客手法です。
ただし、読者にニーズがある情報を提供できなければ「読者離れ」が発生する可能性があるため注意しなければなりません。
- 「効果測定」を使ったニーズ分析
- 「ターゲット配信」を使ったパーソナライズ化
- 他メディアなどを活用した情報収集
上記のような取り組みを行い、読者にとって有益な情報を提供するコンテンツを目指しましょう。
また、配信を行う上でプライバシー保護に向けた環境整備は必ず行いましょう。
もしメールアドレスや契約情報などの個人情報を流出してしまうと、お客様との信頼関係が損なわれるだけでなく、金銭的な補償が求められる場合もあります。
ご紹介したメール配信システムは、メルマガの配信だけでなく通常のメール業務でも利用することができるので、セキュリティの強化にもおすすめです。
以下の記事では、メール配信システムの機能や価格をまとめて、ランキング形式でご紹介しています。
関連記事:おすすめメール配信システム比較20選!タイプ別に解説!
また、本記事で解説した機能は「ブラストメール」のトライアル期間を活用することで、無料でお試しすることが可能です。
メルマガの運用を検討中の方は、ぜひお役立てください。