勤務時間外に、上司やクライアントへビジネスの連絡をせざるを得ない時があります。
例外はあるものの、相手がお休みの際にビジネスの話を持ち出すのはマナー的にも避けたいところです。
とは言え、ビジネスをしていると、仕方がなく営業時間外にメールをしなければならない場合にもたびたび直面します。
そんな時によく使われるのが「夜分遅くに」と言う言葉です。
既に使ったことがある方も多いかもしれませんが、実際のところ「夜分遅くに」とメールに記載して良いのは何時頃からが適切なのでしょうか。
この記事では、「夜分遅くに」と言う言葉の意味や、遅い時間にメールをする際のマナーや、例文などをご紹介しています。
営業時間外の連絡はトラブルの種にもなりますので、この記事を参考に、節度を守ったメールを作成しましょう。
また、「夜分遅くに」を使ったメールに限らず、メールを送る際は「例文集」を活用することで時間をかけずに正しい文章を送ることができます。
ビジネスシーンではメールひとつのミスによって信用を大きく失いかねません。
- 謝罪メール
- 異動メール
- お願いメール
- 季節の挨拶メール
など、全部で17のビジネス例文をコピペOK!すぐに使えるビジネスメール「例文集」として資料にまとめました。なにかあったときにすぐに活用できるようにダウンロードしておくことをおすすめします。
目次
「夜分遅くに」の「夜分」は何時から?
そもそも「夜分遅くに」とは、何時あたりに送信するメールに記載するのが正しいのでしょうか。
辞書的には22:00〜2:00くらいまで
辞書的な意味では「夜分」は「夜中」の同義語であり、厳密な決まりはないそうです。
「夜分遅くに失礼します」とは、「夜中遅くに失礼します」と言い換えることができるので、メールを送信しようとしている時間帯が「夜中」と言えるかを考慮すれば良いでしょう。
一般的に考えれば「22:00〜2:00」くらいの時間帯は「夜中」と表現して差し支えないかと思います。
その時間帯にメールを送る場合は、「夜分遅くに」と言う表現を使いましょう。
例え営業時間外とはいえ19:00前後に「夜分遅くに」と言う言葉を使ってしまうと、一般的な感覚から見ても違和感があります。
そういった場合は、「勤務時間外に大変申し訳ありません」などの言葉に言い換えて対応しましょう。
マナー的には夜分のメールはイマイチ
冒頭でもご説明しましたが、「夜分遅くに」ビジネスのメールを送るのは基本的にはマナー違反です。
既に夜遅くにメールを送ることを了承されている場合などは別ですが、事前の意思疎通などがなく、夜分遅くに連絡をする場合には、理由を伝えるなどの思いやりを表現する様にしましょう。
しかし、ビジネスをしていると、時間帯的にマナー違反でもなるべく早く連絡をすべき場面にも直面します。
ここからは、遅い時間にメールを送る際のポイントをご説明していきます。
夜分にメールを送る理由を書く
まずは、夜遅くにメールをした理由を相手にしっかりと伝えましょう。
例えば、お客様から急ぎで作成して欲しいと頼まれていた、見積書などを送信する時は以下の様にしましょう。
件名
お見積書について
本文
お世話になっております。夜分遅くに大変失礼いたします。
先日、ご依頼いただきましたお見積書が完成いたしましたので、添付いたします。
急ぎご報告させていただきたく、遅い時間の連絡となってしまったことをお詫び申し上げます。
ご不明な点がございましたら、再度ご連絡をいただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします。
上の例文の場合は、夜分遅くにと言う挨拶の他に「急ぎご報告させていただきたく〜」と遅い時間に連絡をする理由が記載してあります。
遅い時間にメールをする事を詫びた上で、メールをした理由を添えることで、相手に謝意が伝わりやすい構成になっています。
簡潔な文章を心がける
通常のメールでもそうですが、夜分遅くに送信するメールは特に、簡潔な文章を心がけましょう。
通常であれば目上の方やお客様に対してメールをする際は、相手に見合った挨拶をするのがマナーですが、夜分にメールをする際は「拝啓」などの挨拶は省略し、簡潔な文章にしましょう。
ただし、用件のみの文章やあまりに礼儀を書いたメールはNGです。
また、いくら急を要する場合でも、謝罪のメールなどでは「取り急ぎ」などの言葉は使ってはいけません。
用件にもよりますが、夜分にメールを送信する際は、最低限のマナーを意識して簡潔な文章を心がけましょう。
休日は避ける
致し方なく、夜分遅くにメールをする際でも、相手が休日である場合はさらに注意をしましょう。
ただでさえマナー的には避けたい夜分のメールに加えて、相手が休日の際に送信するメールは相手の機嫌を損ねてしまう可能性が高くなります。
会社の経営に著しく関わる場合などの特別なケースを除いて、休日の夜中にするべきメールの内容として正しいのかを一度考えてから送信するようにしましょう。
夜分遅くにを使った例文
「夜分遅くに」と言うワードを使った例文をいくつかご紹介します。
ポイントは先述の通り、夜分遅くに連絡をした理由をしっかり入れることと、簡潔に内容をまとめることです。
件名
◯◯に関する企画書
本文
お疲れ様です。夜分遅くのご連絡になってしまい大変申し訳ありません。
本日、議題となった◯◯に関する企画書が完成いたしました。プレゼンが明日の14:00〜である為、遅い時間ではありますが、ご連絡を差し上げた次第であります。
企画書は本メールに添付いたしましたので、ご確認の上、添削いただければと思います。
繰り返しになりますが、夜分のご連絡失礼いたしました。
まずは、夜分にビジネスの連絡を入れるマナー違反をお詫びしましょう。
その上で、本題である企画書について簡潔に報告し、連絡をした理由が急を要する内容であることに触れましょう。
より丁寧な文章を作るのであれば、例文のように「繰り返しになりますが〜」や「重ね重ねになりますが」と言った言葉の後に、もう一度夜分遅くに連絡をしたお詫びを入れると良いでしょう。
件名
明日の業務について
本文
お疲れ様です。夜分遅くのご連絡となってしまい大変申し訳ありません。
以前より、部の方々にはお気遣いをいただいておりましたが、先程、母の◯◯が急逝いたしました。
明日は午後から会社に出勤する予定でしたが、明日からの3日間、有給を取らせていただきたくご連絡を差し上げました。
私事である上に、急なご連絡になってしまって大変申し訳ありませんが、ご検討の程、よろしくお願いいたします。
上記の例文でも、夜分のメールをお詫びした上で簡潔に内容がわかる構成になっています。
何度もメールをやりとりしなくても済むように「明日から3日間の有給」と、要求をできるだけ具体的にして伝えるのもポイントです。
「夜分遅くに」の言い回し
「夜分遅くに」を使った、別の言い回しをご紹介します。
夜分遅くにすみません
この表現は、上司やお客様の中でも親しみのある方に対して使われる表現です。
非常に使いやすい言葉ですが、「すみません」と言う言葉自体がラフな印象なので、気心のしれた関係で使うようにしましょう。
夜分遅くに申し訳ございません
「夜分遅くに〜」に続く言葉として、基本的に使われるのが「申し訳ございません」です。
「すみません」よりは申し訳なく思う気持ちが伝わりやすいので、目上の方やお客様に対しても使うことができます。
夜分遅くに失礼いたします
今までご紹介してきた中で、一番オフィシャルな形で使える文です。
また、例文でもご紹介したように、文末で「重ね重ねになりますが」や「繰り返しになりますが」などの言葉を添え、その上で「夜分遅くに〜」と続けると、より丁寧な文章になります。
忘れたくない連絡は「メール時間指定機能」を使う
急を要する内容の連絡では無いものの、送信日時が厳密なものや、送信すること自体を忘れてしまいそうなメールは「時間指定機能」を使いましょう。
時間指定機能は「予約メール」とも呼ばれ、日時を設定しておけば自動でメールを送信してくれるシステムです。
「Gmail」や「Outlook」などでの時間指定機能を使ったメールの送信は以下の記事にまとめてありますので、是非ご参考ください。
関連記事:【Gmail】【Outlook】予約メール作成の方法を図解します!
メーラーやメールソフト によって注意すべきポイントが異なっているので、時間指定機能を使う際は、注意が必要です。
一斉配信の場合でも注意が必要
先述したとおり、「夜分遅くに」ビジネスメールを送るのは基本的にはマナー違反です。これは1対1のメールだけではなく、メルマガのような一斉配信でも同じです。
どうしても遅い時間帯に送らなければならない場合は、冒頭に「夜分遅くに失礼します」に記載しましょう。
下記の記事ではおすすめなメール配信システムを紹介しておりますので、ご興味ある方は参考にしてください。
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
まとめ
「夜分遅くに」送るメールは基本的にはマナー違反です。
ビジネスに関する話は、できる限り終業までに伝えるように心がけましょう。
とは言え、重要度の高い連絡や急を要する案件は、できる限り早く相手に連絡をしなければなりません。
その際は、遅い時間に連絡をした事へのお詫びと、その理由を必ず添えるようにしましょう。
また、何度も連絡を取らなくて済むように、用件をできるだけ具体的にした端的な文章を心がけましょう。
そうする事で、相手に対する配慮が感じられるビジネスメールを作成することができるでしょう。