仕事で分からないことや、突然のトラブルへの対応などがあると、上司や先輩に教えてもらいたいことが出てきます。
しかし、「〇〇について教えてください」だけでは失礼な印象になってしまいます。そもそも、「〜について教えてください」とは正しい敬語なのでしょうか。
また、もう少し柔らかい言い換え表現としてどのようなものがあるのか、今回の記事ではビジネスメールで使える「教えてください」の表現方法について解説していきます。
ビジネスシーンで教えてくださいと言ってしまっている人は、恥をかかないよう本記事で改めて確認をしてみてください。
目次
「教えてください」は正しい敬語?
結論、「教えてください」は正しい敬語です。
「ください」は、「欲しい」の敬語表現である「くれ」の尊敬語にあたる「ください」という表現を使用したものになります。
使い方には注意が必要
教えてくださいは正しい敬語ではあるものの、ぶしつけな印象を与えてしまう可能性があります。
また、人によっては「教えてください」を敬語表現ではないと勘違いしている人もいるので注意しましょう。そもそも、教えてくださいという言葉が敬語表現では無いように感じてしまうのは、「ください」という表現が「くれ」という命令形のニュアンスを持つ尊敬語であることに原因があります。
先輩や上司、取引先などにお願いをするときは特に注意しましょう。
関連記事:【例文付き】「お願いメール」の正しい書き方とは?相手を不快にさせないポイントも解説!
もちろん、関係性によっては先輩や上司に使うことも問題ありません。
例えば、下記のような場合は違和感なく「教えてください」と言うことができるでしょう。
- 年齢や社歴が近しい先輩
- 普段からランチや飲み会に誘ってくれる先輩
- プライベートでも食事や趣味を一緒に楽しんでいる上司 など
あくまでも、相手との関係性やシーンによって変わるので自身の状況によって臨機応変に対応するようにしましょう。
また、周りの目にも注意が必要です。先輩や上司と仲が良くフランクに付き合いすぎると周りから失礼なやつだと思わることもあります。
メールで使うのは控えましょう
口頭で「教えてください」と伝える分には声のトーンや、表情などでカバーすることができます。
しかし、メールなど文面で見ると冷たい印象になるため注意が必要です。
ニュアンス的に「もちろん〜してくれますよね」という雰囲気を含むため、社内・社外どちらであってもメールでは「〜してください」という表現は極力控えるべきです。
「ください」はひらがな表記にする
メールも含めて文章で「教えてください」を書く機会が全くない訳ではありません。上述した仲の良い先輩や後輩などには日常的に使います。
会話で使うときは気にしなくてもよいですが、文章で使う場合は表記にも注意をしましょう。
- 〇 正しい表記:教えてください
- ✕ 誤った表記:教えて下さい
ひらがなの「ください」は、補助動詞と呼ばれており、動詞の意味を補う役割があります。今回の場合、「教えて(教える)」という動詞を補助していますのでひらがなで表記します。
他には、買ってくださいや送ってくださいなども同じ用法となります。
一方で、物理的に何かを受け取りたい場合は漢字での「下さい」を使って問題ありません。
「教えてください」の上手な言い換え表現
先ほど解説したように「教えてください」は敬語として間違っているわけではありません。
しかし、文面上では細かなニュアンスが誤って受け取られてしまう可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、教えてくださいと同様の意味で上手な言い換え表現をいくつか紹介します。
- 文頭に「お」をつける
- 教えていただけませんでしょうか
- ご指導いただけませんか
- ご教授ください
- ご教示ください
- ご連絡ください・ご回答ください
- 「いただけないでしょうか」の活用
- 「幸いです」の活用 など
以上が「教えてください」をより、柔らかな表現とする言い換え表現です。
ビジネスメールを作成する際に使い勝手の良いフレーズなので覚えておくと便利です。
文頭に「お」をつける
単純に「教えてください」の文頭に「お」を付けて「お教えください」「お教え願います」「お教え願えませんか」とするだけでも謙虚な印象になります。
「資料の作成期日についてお教えください」「不明点があればお教え願います」など、どんな場面でも使える便利なフレーズです。
ご指導いただけませんか
先ほどの「お教えください」や「お教え願います」よりも丁寧な言い回しとして「ご指導いただけませんか」という表現があります。
社内ではもちろん、取引先にも使える表現で口頭でも良く使用されています。
「新しいプロジェクトの方針についてご指導いただけませんでしょうか?」「開発ツールの問題点についてご指導いただけませんでしょうか?」など、「教えてください」よりも謙虚なイメージになります。
ご教授ください
「ご教授(ごきょうじゅ)ください」には「学術、技芸、並びに養護、訓練と並ぶ教育上の基本的な活動、作用を教えてもらう」という意味があります。
後述するご教示くださいと同じような意味ですが、学問的な事項や専門的な知識を教えてもらいたい時には「ご教授ください」という表現が良く使われます。
ご教示ください
ご教授くださいの類語で「ご教示(ごきょうじ)ください」というのもあります。ご教示には「知識や方法などを教えてもらう」という意味があります。
ご教授くださいに比べるとご教示くださいの方が意味合いが広く、どんな場面でも普遍的に使うことができます。
どちらを利用すべきか迷うこともあるかと思いますが、「教えて下さい」の言い換えで使う場合は基本的にご教示くださいで問題ありません。
「いただけないでしょうか」の活用
上述した、お教えくださいは文頭に「お」をつけることで丁寧な表現となりました。ここでは、反対に文末に「いただけないでしょうか」をつけます。
語尾を変えるだけで相手が受け取る印象も変わりますので、今回に限らず汎用的に使える表現となります。下記例文です。
- 教えていただけないでしょうか
- お教えいただけないでしょうか
- ご教示いただけませんでしょうか など
このように、複数の表現を組み合わせて使うこともできます。ただし、丁寧すぎる表現は相手を委縮させてしまう可能性もあるので注意しましょう。
「幸いです」の活用
「幸いです」は「〜してもらえるとありがたいです、たすかります」という意味になります。
教えてくださいと同様に敬語ではあるもの「幸いです」を目上の人に使うのは控えましょう。敬語の一種である丁寧語ではあるものの、謙譲語や尊敬語とは違い、目上の人に対して使うのは適していません。
ビジネスシーンにおいては下記の類似表現を使う方が無難です。
- 幸甚です
- 幸甚に存じます
- ありがたく存じます
「幸いです」に関しては以下の記事で、使い方ので例文やビジネスシーンで使う時の注意点を詳しく解説しています。併せてご確認ください。
関連記事:「幸いです」の意味とは?ビジネスでシーンで使える言い換えや正しい使い方を例文を用いて解説します
教えてもらった後の返信メールのマナー
何らかの質問や業務に対する不明点を教えてもらった際には、感謝のメールを送ることがマナーです。その際にも、正しい敬語表現を使えるようにしましょう。基本的には先ほど紹介したフレーズの文末を変えればOKです。
教えていただきありがとうございました
「教えていただきありがとうございました」が最もオーソドックスな感謝の表現です。
教えてくださりありがとうございました
「教えてくださりありがとうございました」という表現も「教えていただきありがとうございました」と同様に一般的に感謝を示すときに使用されます。教えてくれた相手に直接感謝の気持ちを伝えることができます。
ご教示いただきありがとうございました
「ご教示いただきありがとうございました」や「ご指導いただき誠にありがとうございました」などは、より丁寧な印象を与えることができます。、社内・社外ともに使える定番フレーズです。
感謝の気持ちだけでなく、教えてもらってどのように上手くいったのか、教えってもらったことを機に今後どのようにしていくのか、などを追加で一言添えるとより好印象です。
まとめ
「教えてください」は敬語として間違った表現ではありません。しかし、文面だと少し失礼な印象を与えてしまうかもしれないので、今回紹介したようなフレーズを使うようにしましょう。
お願いの際に、間違った表現で相手を嫌な気持ちにしてしまうとその後の関係性も悪くなる可能性があります。特にメールなどの文面でお願いする際には、細かなニュアンスが誤って伝わる可能性があるのでより慎重に言葉を選ぶ必要があります。
相手を不愉快な気持ちにさせないよう、正しい敬語を使えるようにしましょう。
このような、ビジネスでたまに使うようなメールは例文を知っておくだけで迅速な対応をすることができます。そこで今回は、メールの例文集を資料にまとめてご用意しました。
無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
関連記事:コピペOK!ビジネスメール例文集