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「幸いです」の意味とは?ビジネスでシーンで使える言い換えや正しい使い方を例文を用いて解説します

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2025.12.04 ビジネス・IT
執筆者:黒川 和樹

「幸いです」についての記事のアイキャッチ画像

ビジネスメールやチャットで、文末を柔らかく結ぶのに便利な「幸いです」という言葉。 「ご確認いただけますと幸いです」のように、皆さんも日常的に使っているのではないでしょうか。しかし、その「幸いです」が、相手やシーンによっては「失礼だ」と受け取られるリスクがあることをご存知でしょうか。

特に上司や取引先などの「目上の相手」に対してなんとなく使っていると、知らぬ間にマナー違反を犯しているかもしれません。ビジネスシーンでこれほど浸透している言葉ですが、実際に「幸いです」を誤って使ったことがある人は70%にも上ると言われています。

「自分は大丈夫、マナーには自信がある」と思っている人ほど、実は無自覚にNGな使い方をしているケースが少なくありません。そこで本記事では、ビジネスパーソンとして恥をかかないために、以下のポイントを徹底解説します。

  • 「幸いです」の本来の意味と正しい使い方
  • 相手に好印象を与える「適切な言い換え表現」(例文付き)
  • 絶対に使ってはいけない「NGシーン」

「なんとなく」で使いがちな言葉だからこそ、正しい知識へのアップデートが必要です。ぜひ日々のメール作成にお役立てください。

関連記事:ビジネスメール例文集

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「幸いです」の意味とは?

ビジネスシーンにおいて、「幸いです」は「〜してもらえるとありがたいです、たすかります」という意味になります。

主にメールやチャットで何かを依頼する時に使われる事が多いです。

ビジネスシーンで使う時の注意点

実は「幸いです」の使い方には注意が必要です。正しい使い方ができるように下記のポイントを確認していきましょう。

「幸いです」は上司にも使える?

「幸いです」を上司に使うのは控えましょう

敬語の一種である丁寧語ではあるものの、謙譲語や尊敬語とは違い、目上の人に対して使うのは適していません。

そのため、上司に「幸いです」と伝えたいときは、「思う」の謙譲語である「存じる」に丁寧語の「ます」を付けて「幸いに存じます」と言い換えると目上の人に対して、失礼のない言葉になります。その他にも言い換えできる表現がありますので、後ほどご紹介します。

急ぎのお願いをするときに「幸いです」を使うべきではない

「幸いです」は「〜してもらえるとありがたいです、たすかります」といった、お願いをしている表現です。

お願いしていることを、受けるか受けないかは相手に委ねているというニュアンスになりますので、急ぎで対応してほしい時や必ず相手にしてほしいことをお願いするときは、「幸いです」ではなく、「お願いします」を使うようにしましょう。

「幸いです」は話し言葉には向いてない

「幸いです」は主にメールなどの文章で使われる言葉なので、話し言葉には向いていません

メールではなく対面での会話の際、「幸いです」と同じ意味を伝えたいときは、「お願いします」や「お願い申し上げます」と言い換えましょう。

要注意!「幸いです」を使ってはいけない3つのNGシーン

「幸いです」は便利な言葉ですが万能ではありません。言葉自体に「〜してくれると嬉しい」という自分の希望を伝えるニュアンスが含まれているため、シーンによっては「無責任」「真剣味が足りない」と誤解されてしまうリスクがあります。

ここでは特に使用を避けるべき3つのNGシーンを紹介します。

謝罪やお詫びのメール(反省が伝わらない)

ミスをして謝罪をする場面で「ご容赦いただけますと幸いです」や「ご理解いただけますと幸いです」を使うのは避けましょう。「許してもらえると自分は嬉しい」という主観的な感情を伝えているように聞こえ、相手への配慮や反省の重みが消えてしまいます。

謝罪の場面では相手に許しを請う姿勢を示すことが最優先です。「申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」といった、謝罪の意がダイレクトに伝わる言葉を選び、誠心誠意対応しましょう。

期限が厳しい緊急の依頼

「明日までに資料をお送りいただけますと幸いです」といった使い方は緊急時には不向きです。「幸いです」には「できれば〜してほしい」という柔らかいニュアンスがあるため、受け取り手によっては「余裕があればでいいのか」「必須ではないのか」と解釈され、対応を後回しにされる恐れがあります。

期限が迫っている場合や必ず実行してもらわなければならない業務連絡では曖昧さを排除する必要があります。「〜してください」「〜をお願いいたします」と言い切る形で依頼し、期限も明確に伝えましょう。

重要な決定事項の確認

契約の締結やプロジェクトの最終決定などYESかNOの判断を明確に仰ぐ場面でも「幸いです」は適していません。意思決定の重みに対して表現が軽すぎるうえに、回答をあやふやにされるリスクがあるからです。ビジネスにおける重要な確認事項では、以下のような表現を用いて、確実に回答を求める姿勢を示しましょう。

  • ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます
  • ご回答いただけますよう、お願い申し上げます
  • ご確認の上、ご承認くださいますようお願いいたします

「幸いです」の正しい使い方を例文で解説

「幸いです」の正しい使い方を学ぶことで上手な文章を作成できるようになります。

ここからは「幸いです」の正しい使い方を例文で解説していきます。

「お手数をおかけしますが、ご確認していただけますと幸いです」

こちらの表現は特にビジネスシーンで使う事が多いです。確認することはできますでしょうかという意味の表現になります。

同じような表現で「していただけると幸いです」という言葉もありますが、「していただけますと幸いです」の方がより丁寧な表現になります。

「ご相談いただきました件、少しお時間をいただけますと幸いです」

こちらの表現は検討するのに少しお時間をもらえるとありがたいですと、時間の猶予を相手にもらえるかという意味の表現になります。

取引先などの社外の人とのやり取りで使う事も多い表現なので、「幸いです」ではなく、「幸いに存じます」の方が適している場合もあります。

「旅行のお土産なのですが、お口に合えば幸いです」

贈り物をするときにも「幸いです」を使うことができます。

この場合はあなたの好みに合うか分からないが、喜んでもらえたら嬉しいですという意味の表現になります。

このような普段の会話においては、書き言葉ではなく話し言葉でも使われることもあります。

「ご多忙と存じますが、来週までにご返事をいただけますと幸いです」

こちらは相手に対して何かしらの催促をしたいときに使う表現です。

「来週までに返事をもらえたら嬉しいですという意味になります。

しかし、催促の際に「幸いです」を使う時は時間に余裕がある時のみにしましょう。

「幸いです」はお願いをしているというニュアンスがあるので「明日までに対応してほしい」など、時間が迫っている場合には「お願いいたします」のようにストレートに伝える方が良いでしょう。

下記の記事では催促をするときのメールの作成方法について詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:【例文付き】「お願いメール」の正しい書き方とは?相手を不快にさせないポイントも解説!

「幸いです」と言われた時のスマートな返信方法は?

ビジネスメールで相手から「〜いただけますと幸いです」と連絡をもらった際、どのように返信すればよいか迷うことはありませんか?

「幸いです」を使う側は、相手に強制している印象を与えないよう配慮しています。受け取る側としても、その配慮を汲み取りつつ、スマートに返信するためのポイントを解説します。

基本は「承知いたしました」でOK

「幸いです」は依頼や要望の文脈で使われることがほとんどです。そのため、その内容を了承したことを伝える「承知いたしました」や「かしこまりました」が返信の基本となります。

相手は「強制にならないように」と柔らかい表現を使っていますが、ビジネス上の依頼であることに変わりはありません。変に深読みせず、依頼内容を確かに引き受けたことを明確に伝えましょう。

相手の気遣いに対する一言テクニック

単に了承するだけでなく相手の「丁寧な言い回し(気遣い)」に対して感謝を添えると、より好印象を与えられます。

例えば「お気遣いいただきありがとうございます。期日までに対応いたします」や「ご丁寧なご連絡をありがとうございます。内容を確認いたしました」といった一言を添えてみましょう。こうすることで、事務的なやり取りの中にも温かみが生まれ、円滑なコミュニケーションにつながります。

ビジネスシーンで使える類語や言い換え表現

ここからはビジネスシーンで使える「幸いです」の類義語や言い換え表現をご紹介します。

場合によっては「幸いです」を言い換えた方が良い時もありますので、注意が必要です。

「幸甚です」

「幸甚です」の意味は「非常に幸いなこと、大変ありがたい」などの意味があり、「幸いです」よりも幸せの気持ちを伝えたいときに使える表現です。

また、「幸甚です」に「至り」や「極み」を付け加えることでより強く幸せな気持ちを伝えることができます。

「幸甚に存じます」

「幸甚に存じます」は「幸甚です」よりも敬意を強めたいときに使う表現です。

「幸甚です」よりも「幸甚に存じます」の方が、より丁寧な印象になります。

「ありがたく存じます」

「ありがたく存じます」は「ありがたく思っています」の謙譲語の表現です。

謙譲語とは?自分がへりくだることで相手を立て敬意を表す表現のこと。

そのため同僚や部下になどの目下の人に対しては「ありがたく存じます」は使えず、「幸いです」もしくは「ありがとう」を使用します。

「うれしく存じます」

「うれしく存じます」は「うれしく思っています」の謙譲語の表現です。

「ありがたく存じます」と同様に目下の人へは使用することができないので、注意が必要です。

「お願いいたします」

「幸いです」ではお願いのニュアンスが含まれているので、依頼したことを確実に対応してほしい場合や、「幸いです」よりも丁寧な表現をしなくてもいい場面では「お願いいたします」を使用します。

「お願いいたします」については下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:今さら聞けない「お願いいたします」に関するルールをきちんと理解していますか?

「幸いです」を英語で伝えたいときは?

オンライン化の影響で海外の人とやり取りをする人も増えています。

「幸いです」を英語で伝えたい時に、まず思いつくのは「happy」だと思いますが、これは間違いです。「happy」の日本語訳は「幸せです」や「満足している」という意味があります。

本来、伝えたい「幸いです」の意味である「〜してくれるとありがたいです」の意味ではないので、「感謝いたします」の意味がある「appreciate」を使用するのが適しています。

英語での例文
  • 「I would appreciate it if you could investigate with this matter.」 訳)この件に関してご検討をしていただけますと幸いです。
  • 「I would appreciate your immediate attention to this matter.」 訳)今回の件、早急に対応をしていただけますと幸いです。
  • 「We would appreciate your patience.」 訳)もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。
  • 「I’d appreciate it if you could give me some advice to this matter.」 訳)この件について、アドバイスをいただけますと幸いです。

「幸いです」を正しく使えるようになろう

今回は「幸いです」の意味や使い方、言い換え表現についてご紹介しました。

ビジネスシーンで多く使われる言葉なので、意味をしっかりと理解して正しい使い方ができるようになりましょう。

「幸いです」を正しく使えるようになると相手に対して、失礼がなくお願いをすることができます。

また、ビジネス用語をたくさん学ぶことで、円滑なコミュニケーションを取ることができます。以下の記事ではビジネス用語を使ったメールの例文集を無料でダウンロードすることができます。

ぜひ、ご活用ください。

関連記事:コピペOK!ビジネスメール例文集

FAQ

Q:「幸いです」とはどのような意味で、どんな場面で使われますか?
A:「~してもらえるとありがたい、助かる」という意味を持ち、主にビジネスメールで相手に何かを依頼する際に使われます。**「してくれたら嬉しい」という相手に判断を委ねる柔らかなニュアンスを含むため、角を立てずに依頼したい場面に適しています。**
Q:上司や目上の人に対して使っても失礼になりませんか?
A:マナーとして控えるのが無難です。「幸いです」は丁寧語に過ぎないため、目上の相手には敬意が不足していると受け取られる可能性があります。**上司に使う場合は、「思う」の謙譲語である「存じる」を使い、「幸いに存じます」と言い換えるのが適切です。**
Q:急ぎの用件で「返信いただけますと幸いです」と送っても大丈夫ですか?
A:避けたほうが良いでしょう。「幸いです」には「できれば~してほしい」という任意性のニュアンスがあるため、緊急性や強制力が伝わりにくくなります。**期限が迫っている場合や確実に対応してほしい場合は、「お願いいたします」と明確に伝えるべきです。**
Q:より丁寧な言い換え表現にはどのようなものがありますか?
A:感謝の気持ちをより強く伝えたい場合は「幸甚(こうじん)に存じます」や「ありがたく存じます」などが使えます。**特に「幸甚」は「この上ない幸せ」を意味するため、重要な取引先や特別な配慮への感謝を伝える際に効果的です。**
黒川 和樹

この記事の執筆者
株式会社ラクスライトクラウド イベントマーケティング責任者
黒川 和樹

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