こんにちは、ブラストメールのサポート担当をしている山口です。
今回は「メール配信システムの仕組み」について解説したいと思います。
一斉配信メール・同報メール、メルマガ配信には、「メール配信システム」が必要と言われますが、なぜメーラーでの配信ではだめなのか、どんなことができるのかなど、分からずに悩まれている方もいるかと思います。
そこでこの記事では、以下についてシンプルに、分かりやすくご説明します。
- メール配信システムとは何なのか
- どういったことに役立つのか
- メール配信サービスの選び方
目次
メール配信システムとは?
メール配信システムとは、一斉配信に特化したシステムです。
「お知らせメール、緊急メール、メルマガ、営業メール」などを送る用途に使われます。
しかし、メールを送るだけなら、普段使っているメーラーでも充分ですよね。なのに、なぜわざわざメール配信システムを利用するのでしょうか。
メール配信に詳しい方はご存知かと思いますが、「一斉配信」をするとメールは極端に届きにくくなるのです。
なかでも、キャリア(au、docomo、softbank)やフリーメール(Gmail、Yahoo!メール)への一斉送信はほとんど届かない場合が多いです。これは、一斉送信がスパム・迷惑メール判定を受けやすく、キャリアからブロックされてしまうからです。
一斉配信をキャリアやフリーメールにも届けるようにする場合、技術的なチューニングが必要になります。具体的には以下のような要素が必要です。
- キャリア毎に適切な配信間隔でメールを送信
- IPブロックを防ぐための、配信IPアドレスの分散
- セキュリティ基準をクリアするための暗号化通信
- 配信リストから無効なメールアドレスを除去(配信リストのクリーニング)
- ダブルオプトイン
- スパムトラップ回避
- 配信速度調整しつつ、短時間で大量配信を賄うための配信基盤の確立
見慣れない単語などあるかと思います。一斉メールを届けるのは「実は難しい」ことなのです。これらをメーラーで対応するのは困難で、実行にはメール配信に対する知識や技術力が必要です。
メール配信システムの種類
メール配信システムを大別すると、以下の2種類に分類できます。
- オンプレミス型
- クラウド型
それぞれ、解説していきます。
オンプレミス型
オンプレミス型は、パソコンやサーバーにインストールするタイプの製品です。インストールするソフトウェアは、パッケージソフトを購入する場合もあれば、要件に応じて開発する場合もあります。
オンプレミスは、「自社が管理する環境化」を指します。後述するクラウド型と対比される言葉です。オンプレミスでの構築の場合、その多くはインターネット非公開、一部の利用者に限定公開される形式で運用されます。
オンプレミス型の特徴は、「情報の堅牢性」・「カスタマイズ性」にあります。これはメール配信システムに限ったことではなく、あらゆるITシステム、サービスも該当します。
一部のユーザーのみが利用でき、自社管理下でシステムを運用できれば、外部要因での情報漏洩リスクを抑えられます。
高セキュアな要件が求められる場合に採用されるのがオンプレミスなので、殆どの場合はシステム開発会社へ依頼し、要件定義から開発を経て、導入に至ります。自社の要件に沿って開発されたシステムであれば、その後のカスタマイズも柔軟に行えるでしょう。
なお、オンプレミス型を採用し、自社の要望を汲んだ上で高セキュアかつ大量メールの高速配信を可能にするには、要件確認から運用に乗せるまでに数ヶ月から年レベルで時間がかかります。また、費用面も高価になります。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを介して業務システム・アプリを利用できるタイプの製品です。利用には、パソコン端末とインターネット環境さえあれば、すぐに利用できます。
クラウド型の特徴は、「手軽さ」・「低コスト」です。
オンプレミスは、導入までに時間がかかり、コスト面が高いことがデメリットでした。クラウドは、そのデメリットを補った仕組みになります。
クラウドを使うことで、ハードウェア投資やメンテナンスコスト、ストレージの管理など手間やネックになりがちな要素を排除できます。
かつて、セキュリティ面でオンプレミスに引けを取っていたクラウド型でしたが、昨今では標準で高セキュアなネットワーク通信や、個人情報取り扱いに長けた会社による運営で、安全性の面でも優れたサービスとして浸透しています。
メール配信システムの仕組みと特徴
メール配信システムの種類が分かったところで、システムの特徴について解説していきます。
メールの到達率が高い
送信したメールが、相手のメールボックスに届く確率を「メールの到達率」と呼びます。
メールが届くのは当たり前のことでは? と感じられると思いますが、前述の通り、一斉配信の場合はスパム判定などで、メールが届きにくくある傾向にあります。
メール配信システムでは、専用の配信基盤により、一斉配信であってもメールが届きやすい仕組みになっています。
メール配信に便利な機能が揃っている
メール配信システムは、届きやすさだけでなく、メール配信業務に役立つ機能を兼ね備えています。標準としてよくあるのは、以下のような機能です。
- 特定の条件にマッチした相手のみにメールを送る機能
- メールの配信予約機能
- 過去に送ったメールが再利用できる機能
- 顧客リストの登録・解除機能
- おしゃれな画像付きメールを簡単に作れる機能
- 配信の結果を分析できる機能
これら機能によって、メール配信業務が簡単になり、大きく時短に繋がります。
セキュリティ対策がされている
メーラーと比べて、メール配信システムは誤送信のリスクが低く、情報漏洩のセキュリティ対策となります。
メーラーでは、一斉配信をする場合「BCC」を利用しますが、BCCには誤操作やアドレス記載ミスなどによって、個人情報であるメールアドレスを外部に漏洩するリスクがあります。
こちらについては「プロが教える!一斉メール配信にBCCをお勧めしない理由と、正しいBCCの使い方!」で詳しく解説しています。
顧客リストの管理ができる
メール配信システムには、送り先である顧客データを管理する機能があります。
メールアドレスや会社名・氏名以外にも、性別や地域、年齢も登録することができます。これらはターゲットに応じてメールを送り分ける検索条件に使えたり、「宛名」などに差込みとして使うことができます。
メール配信システムの選び方
最後に、メール配信システムの選定ポイントについてご紹介します。
メール配信の基本機能が使えるか
メール配信システムには、無料・有料があり、製品の種類は多岐に渡ります。
「一斉送信だけ出来ればよい」と考えて、安易に無料で利用できるサービスを選定するのはおすすめしません。少なくとも、前述した以下の基本機能が最低限あるかどうか、をしっかり確認することを推奨します。
- 特定の条件にマッチした相手のみにメールを送る機能
- メールの配信予約機能
- 過去に送ったメールが再利用できる機能
- 顧客リストの登録・解除機能
- おしゃれな画像付きメールを簡単に作れる機能
- 配信の結果を分析できる機能
とはいえ、まずは無料のシステムを使ってみて、どんなことができるか? を確認するのが良いでしょう。費用をかけずお試しする場合は、メール配信システムの無料お試し期間を使うのも方法の一つです。
初心者向けのメール配信システム「ブラストメール」にも1週間の無料トライアル期間がありますので、ぜひお試しください。
導入の目的に合っているかどうか
メール配信システムを選ぶ上で、最も重要なのが「導入目的と合っているか」です。
例えば、送りたいメール内容が「メルマガ」か「お知らせメール」なのかによって、必要な機能は異なります。
メルマガの場合は、以下のような機能があると便利でしょう。
- メルマガの登録・解除フォーム
- デザイン性に優れたメールを簡単に作れるHTMLエディタ
- 配信したメールの開封数するなど、効果測定機能
- バックナンバー
- ターゲットに応じて、メールの送り分け
一方、お知らせメールでは、
- 緊急メールなどを「リアルタイム」に「すぐ」に届けられること
- 配信先のリストを管理者が一括で登録できること
- 何件届いたか、結果が一目で分かること
- 届かない場合、原因を確認できること
などが必要になってきます。
このように、配信の用途を整理しておくと、必要な機能が分かるかと思います。メール配信システムの検討の際には「やりたいことができるか?」を軸に、メール配信システムを選ぶようにしましょう。
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この記事の執筆者
株式会社ラクスライトクラウド
Webマーケティング リーダー 森神 佑希
2019年より、ブラストメールのWebマーケティングに従事。ウェブ広告の運用やサイト分析・メールマーケティングなど、集客からナーチャリングまで一貫して取り組んでいる。3年以上メルマガ配信の実務を行っており、先頭に立ってPDCAを回し、コンバージョン数を3倍以上に増やすことに成功。2022年からはそのノウハウを還元すべくセミナー登壇を行っている。