
原材料費や人件費の高騰を受け、やむを得ず「値上げ」「価格改定」に踏み切る企業が増えています。
しかし、いざお客様へお知らせするとなると「値上げを伝えたら解約されるのでは」「失礼のない、納得感のある文面が思いつかない」と悩む担当者は少なくありません。
価格改定のお知らせで最も重要なのは、決定事項を一方的に伝えるのではなく、背景にある事情を誠実に説明し、理解を求めることです。伝え方ひとつで、お客様との信頼関係を維持できるかどうかが決まります。
そこで本記事では、トラブルを防ぐ値上げ・価格改定のお知らせメールの書き方と、すぐに使える業種別・シチュエーション別の例文(テンプレート)を紹介します。BtoB・BtoCを問わず活用できる内容です。自社の状況に合わせてアレンジしてご活用ください。
目次
価格改定のお知らせをしないとどうなるか
価格改定のお知らせをせずに値上げをすると、お客様からの不信感を募ってしまう可能性があります。
値上げは単価を引き上げることができる一方で、伝え方を誤ると顧客離れを引き起こすこともあります。だからこそ、なぜ値上げが必要なのかをお客様へ丁寧に説明することが欠かせません。
価格改定をお知らせする媒体には、封書やホームページ、メールなどがありますが、詳細は以下の記事にまとめてありますので、あわせてご覧ください。
関連記事:【値上げのお知らせ】例文集!お知らせに最適な媒体とは!?

トラブルを防ぐ!価格改定メールの書き方 4つの注意点
価格改定(値上げ)のお知らせは受け取る側にとって嬉しいニュースではありません。だからこそ、送信するタイミングや文面に細心の注意を払うことがトラブル回避の鍵となります。ここでは、相手に誠意を伝え、円滑に手続きを進めるために押さえておくべき4つの注意点について解説します。
通知のタイミングは「実施の1〜3ヶ月前」
価格改定の通知は可能な限り早めに行うのが鉄則です。「明日から値上げします」といった急な連絡は取引先の予算計画を乱すだけでなく、企業としての信用を損なう原因となります。
一般的には、価格改定実施日の「1〜3ヶ月前」を目安に通知を送るのがビジネスマナーです。特にBtoB(企業間取引)の場合、相手企業内での稟議や予算修正に時間がかかるケースが多いため、余裕を持ったスケジュールで案内することで、スムーズな移行を促すことができます。
件名は「重要度」と「要件」が一目でわかるように
ビジネスパーソンは日々大量のメールを受信しています。その中で見落とされないようにするためには、件名を見ただけで「何についてのメールか」「どれくらい重要か」が瞬時に伝わる必要があります。単に「お知らせ」や「価格について」とするのではなく、以下のように具体性を持たせましょう。
- 【重要】価格改定のお知らせ
- 【重要】サービス利用料金改定に関するご案内
【重要】などの隅付き括弧を活用したり、「価格改定」というキーワードを件名に含めたりすることで、重要な情報の伝達漏れを防ぐことができます。
お知らせメールに盛り込むべき6つの要素
納得感のある価格改定メールには、次の6つの要素を漏れなく盛り込むことが重要です。
- 挨拶・日頃の感謝:定型の挨拶に加え、日頃の愛顧への感謝を伝える
- 改定の事実:結論を明確に。「価格を改定させていただきます」と冒頭で伝える
- 改定の理由・背景:原材料高騰や品質維持など、値上げの事情を誠実に説明する
- 新旧価格:現行価格と改定後価格を並べ、変更点をわかりやすく示す
- 実施日:いつの注文・納品分から新価格が適用されるかを明記する
- 問い合わせ先:不明点がある場合の連絡先を記載し、安心感を与える
これらの要素を順序立てて記載することで、読み手にとって理解しやすく、また企業の誠実な姿勢が伝わる文面となります。
「値上げ」ではなく「価格改定」と表記する
お知らせの文面では、「値上げ」という直接的な言葉を避け、「価格改定」と表記するのがよいでしょう。
「値上げ」はお客様にとって負担を強いる言葉であり、ストレートに使うと反発や不信感を招きやすくなります。一方「価格改定」は、価格を見直すという中立的なニュアンスを持ち、誠実に事情を説明する姿勢が伝わります。
価格改定・値上げのお知らせメールの基本構成と例文(コピペ用テンプレート)
まずはどの業種・シーンでも使える汎用的な「基本テンプレート」を押さえておきましょう。
件名
【重要】価格改定のお知らせ
本文
株式会社〇〇
〇〇 〇〇様
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
この度、誠に不本意ではございますが、〇〇の価格を改定させていただくこととなりました。
弊社では、これまで生産性の向上や経費削減など、価格維持のための企業努力を続けてまいりました。しかしながら、昨今の原材料価格および物流コストの上昇により、現行価格の維持が困難な状況となっております。
今後も安定した品質の商品をお届けするため、誠に恐縮ながら、以下の通り価格を改定させていただきます。
記
1. 対象商品 〇〇
2. 改定後価格(税抜) 現行:0,000円 → 新価格:0,000円
3. 改定実施日 〇〇年〇月〇日ご注文分より
4. お問い合わせ先 〇〇(TEL:00-0000-0000)
日頃よりご愛顧いただいております皆様には、多大なご負担をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。何卒、諸事情をご賢察のうえ、今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
人件費・最低賃金の上昇による価格改定の例文
近年は最低賃金の引き上げが続き、人件費の上昇を理由に価格改定を行うケースが増えています。とくにサービス業や飲食業では、人件費が経営に直結するため、お客様への丁寧な説明が欠かせません。ここでは人件費高騰を理由とする価格改定の例文を紹介します。
件名
【重要】料金改定のお知らせ
本文
お客様各位
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
当社では、サービス品質を維持・向上させるべく、業務の効率化やコスト削減に努めてまいりました。しかしながら、人件費をはじめとする運営コストの継続的な上昇により、現行料金の維持が困難な状況となっております。
つきましては、今後も安定したサービスをご提供するため、誠に恐縮ながら、下記の通り料金を改定させていただきます。
記
1. 対象サービス 〇〇
2. 改定後料金(税抜) 現行:0,000円 → 新料金:0,000円
3. 適用開始日 〇〇年〇月〇日以降のご利用分より
お客様には大変ご負担をおかけいたしますが、これまで以上に満足いただけるサービスの提供に努めてまいります。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
人件費を理由とする場合は、サービス品質の維持・向上という前向きな目的とあわせて伝えることで、お客様の納得感が高まります。
原材料・燃料費高騰による値上げの例文
昨今の経済情勢により、製造原価や輸送コストが上昇し、やむを得ず価格改定を行う場合の最も一般的なパターンです。「自社努力だけでは維持が困難である」という苦渋の決断であることを誠実に伝えます。
件名
【重要】(商品名)価格改定のお知らせ
本文
株式会社〇〇
〇〇 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
平素は弊社の〇〇をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、誠に不本意ではございますが、〇〇の販売価格を改定させていただくこととなりました。
昨今の世界情勢による原材料価格の高騰や、物流コストの上昇が続いております。 弊社におきましても、生産性の向上や経費削減など、価格維持のための企業努力を続けてまいりましたが、従来の価格を維持することが困難な状況となりました。
つきましては、今後も安定して高品質な商品をお届けするため、誠に恐縮ながら、以下の通り価格改定を実施させていただきます。
記
1. 対象商品 「対象の商品名や型番など」
2. 改定価格(税抜)
現行価格:0,000円
新価格 :0,000円
※詳細な価格表を添付いたしましたので、併せてご確認ください。
3. 改定実施日 〇〇年〇月〇日 ご注文分より
4. 本件に関するお問い合わせ先:〇〇
電話番号:00-0000-0000
メール:example@company.co.jp
日頃よりご愛顧いただいております皆様には、多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。 何卒、余儀ない事情をご賢察いただき、今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。
株式会社〇〇
サービス品質向上・機能追加による価格改定の例文
ITツールやSaaS、保守サービスなどで機能追加やサポート体制の強化に伴い価格を見直す場合の例文です。単なる値上げではなく「より良いサービスを提供するための前向きな改定」であることを強調します。
件名
【重要】〇〇(サービス名)機能拡充に伴う料金プラン改定のお知らせ
本文
株式会社〇〇
〇〇 〇〇様
いつも〇〇(サービス名)をご利用いただき、誠にありがとうございます。
株式会社〇〇の〇〇でございます。
この度、〇〇では、より便利で快適なサービスをお客様にご提供するため、新機能の追加およびサポート体制の拡大を実施いたしました。これに伴い、サービスの品質維持および更なる機能拡充を目的として、利用料金の改定を実施させていただくこととなりました。
お客様にはご負担をおかけすることとなりますが、今回の改定により、処理速度の向上や〇〇機能の使い放題などを実現し、これまで以上に皆様のビジネスに貢献できるものと確信しております。改定内容は以下の通りでございます。
記
1. 対象プラン 「対象となるプラン名」
2. 改定後の料金(月額/税抜)
現行料金:0,000円
新料金 :0,000円
3. 適用開始日 〇〇年〇月〇日 以降の更新分より
4. 新機能・改善点について 今回の改定に伴うアップデートの詳細は、以下のお知らせページをご覧ください。
URL:https://example.com/news/update
今後も、お客様のお声を反映し、サービスの向上に努めてまいります。
引き続き〇〇をご愛顧賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
株式会社〇〇
【業種別】運送業の価格改定のお知らせ
ここからは、業種別のテンプレートをご紹介します。
物流業界では、ドライバーの時間外労働が規制された「2024年問題」への対応や、燃料費・人件費の高騰を背景に、価格改定が業界全体に広がっています。法人だけでなく個人の利用者も多い運送業での、価格改定のお知らせに使える例文を紹介します。
件名
お客様各位 価格改定のお知らせ
本文
拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 平素より格段のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、既に報道等でもお知らせのとおり、運送業界では価格改定が相次いでおりますが、弊社におきましても、価格を改定させていただくこととなりました。
創業以降、人件費や輸送コストの削減に努めてまいりましたが、燃料費の高騰や物流業界の深刻な人手不足が続いており、現行価格の維持が困難な状況となっております。やむを得ず、此度の価格改定に踏み切る判断をいたしました。
日頃よりご愛顧を賜っておりますお客様各位には、大変なご負担をおかけいたしますが、どうかご理解いただきますとともに、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
なお、改定後の価格につきましては、お手数ですが添付の資料をご覧ください。
敬具
先述の通り、価格改定をする際はその理由を明確に記載しましょう。
また、価格を抑えるために行ってきた企業努力にも軽く触れておくことで、お客様からの理解を得やすくなります。
【業種別】美容業界の価格改定のお知らせ
美容業界では材料費の高騰に伴って価格改定をするケースが多いようです。
ヘアサロンなどでは、通常の施術料にプラスして指名料をとっている場合もあります。どちらの料金も値上げをしてしまうと客離れが加速してしまう恐れがあります。
そこで今回の例文では、サロンの価格改定で指名料はそのままに、施術料だけを値上げするケースを想定してご紹介します。
件名
価格改定のお知らせ
本文
お客様各位
平素より当サロンをご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
さて、当サロンではお客様に安心してご利用いただけるよう、スタッフの技術向上と価格の維持に努めて参りましたが、施術に関する原料の値上げに伴って、現行価格でのサービスのご提供が難しくなっております。
日頃よりご愛顧いただいておりますお客様には、大変なご迷惑をおかけいたしますが、施術の価格を以下のように改定させていただきます。
カット:(旧価格)5,000円→(新価格)5,500円
パーマ:(旧価格)7,000円→(新価格)7,700円
カラー:(旧価格)6,000円→(新価格)6,600円
今後ともスタッフ一同、皆様にご満足いただけるよう、技術の向上に努めて参ります所存ですので、お客様におかれましては、諸事情を御賢察の上、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、指名料に関しましては現行通り(500円)に据え置きとさせていただきます。
重ね重ねになりますが、今後も【店舗名】をよろしくお願いいたします。
敬具
個人利用が多い美容関係のサロンでは、ホームページへの記載だけでなく、サロンのメールマガジンなどに登録しているお客様個人に向けて価格改定のお知らせをすると良いでしょう。
キャンペーンのお知らせと同じように、お客様に向けたメッセージは個人名などを添えることでより心に響くと言われています。
価格改定は顧客離れを引き起こす要因になり得ますが、事前にお客様にご理解いただくことで、影響を最小限に留めることができるでしょう。
解説した例のようにお客様の個人名をコンテンツに挿入するには、封書やメールなどを使うのが一般的です。
中でも、お客様個人へのアプローチは、後述しているメール配信サービスがオススメです。
価格改定のお知らせだけでなく、集客にも応用できるツールなので、チェックしましょう。
【業種別】飲食店の価格改定のお知らせ
飲食店で使える価格改定の例文をご紹介します。
件名
お客様各位 価格改定のお知らせ
本文
お客様各位
平素より、当店〇〇をご利用いただき、厚く御礼申し上げます。
当店では開業以降、地域の方々に愛される居酒屋を目指し、質の高い料理をお求めやすい価格で召し上がっていただけるよう努力を続けて参りました。
しかしこの度、原材料の高騰により、現行価格でのご提供が困難となりました。
ご利用いただいております皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、当店の全メニューに対して以下の価格改定を行わせていただきます。
・現行価格から5%の値上げ
・御通し料金の10%値上げ
なお、詳細に関しましては、当店のホームページでもお知らせをしておりますので、合わせてご覧いただけましたら幸いです。
今後も、皆様に愛される居酒屋を目指し、サービスの向上に努めて参ります所存ですので、変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。
全てのメニューを一定の割合で価格改定する場合は、上記のような表記にすると良いでしょう。
価格改定のお知らせにも使える、メール配信サービスとは
メールでの価格改定のお知らせには、メール配信サービスを利用するのがおすすめです。
メール配信サービスとは、同一の内容のメールを個別に送信することができるサービスで、メールマガジンの配信などで使われています。
多数のお客様へメールを一斉に送ることができるだけでなく、「〇〇株式会社 〇〇様」と個別のお客様宛のメールを送ることもできるため、価格改定という丁寧な対応が必要なお知らせを送ることにも適しています。
メール配信システムならブラストメール(blastmail)

ブラストメールは、15年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
配信速度が高く、到達率が非常に高い点が魅力で、速報性の高い情報も届けることが可能です。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。効果測定機能はもちろん、セグメント配信や豊富なテンプレート、HTMLメールエディタなど、基本的な機能はすべて揃っています。特徴は以下の通りです。
- 15連続シェアNo.1の圧倒的な実績
- 専門知識が不要な「直感的な操作性」
- 配信数「無制限」の高コストパフォーマンス
「大切なメールを確実に届けたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
FAQ
- Q:価格改定のお知らせメールは、いつ頃送るのが適切ですか?
- A:取引先や顧客が対応する時間を考慮し、改定実施の1ヶ月〜3ヶ月前までには送付するのが一般的です。
- Q:メールの件名を付ける際のポイントは何ですか?
- A:受信者がメールの重要性を即座に理解できるよう、「【重要】価格改定のお知らせ」のように用件を件名に明記しましょう。
- Q:本文にはどのような項目を記載する必要がありますか?
- A:価格改定に至った背景(理由)、対象商品・新価格・改定実施日などの詳細情報、および問い合わせ先を漏れなく記載します。
- Q:値上げの理由はどのように伝えればよいですか?
- A:一方的な通達にならないよう、原材料費の高騰やサービス品質の維持・向上など、具体的な事情を誠意を持って説明します。
- Q:多くのお客様へ一斉にメールを送る際の注意点は?
- A:BCC送信による誤送信リスクを防ぐため、セキュリティが万全なメール配信システムを利用して一斉送信することをおすすめします。
まとめ
サービスを提供をする上で、止むを得ず価格改定をしなければいけない時があります。サービスの値上げは企業だけでなくお客様にとっても大事な問題です。
利用してくださっているお客様に不信感を抱かせないためにも、価格改定に関する詳細をお知らせするようにしましょう。なるべく多くのお客様から理解を得られるよう、メール配信サービスを使って価格改定のお知らせは個別に送信をするのがオススメです。
お客様に心から価格改定の理由を伝え、サービスを利用するお客様が減らないように対策しましょう。


