メールの受信画面で表示される「プリヘッダー」をご存知でしょうか。
本文の要約などが記載されているプリヘッダーは、メールマガジンのような集客コンテンツでは、開封率に影響すると言われています。
多くのメーラーがプリヘッダーの表示に対応している現在では、メールマーケティングを担当している方はプリヘッダーの仕組みについて理解する必要があるでしょう。
この記事では、プリヘッダーの概要や開封率との関係を解説しています。
集客を目的として配信しているメールコンテンツの開封率にお悩みの方はぜひご覧ください。
目次
プリヘッダーとは
プリヘッダーとは、受信ボックスで差出人と件名に続いて表示されている、本文を抜粋したテキストのことを指します。
上の画像は、Gmailの受信ボックスです。
「差出人(Google)」と「件名(Googleアカウントのセキュリティを強化しましょう)」に続き、赤枠で囲ってある部分がプリヘッダーです。
サンプルの画像はPC画面ですが、スマホでも受信した各メールのプリヘッダーが表示されます。
プリヘッダーはメールの「開封率」に影響する
本文の一部を抜粋して表示するプリヘッダーは、メールの開封率に影響します。
開封率とは「配信したメールがどのくらいの人に開封されたか」を示す指数のことで「開封されたメールの数 / メールの有効配信 × 100」の式によって求められます。
なぜ、プリヘッダーがコンテンツの開封率に影響するのでしょうか。
それは、受信者は「件名」と「差出人」そして「プリヘッダー」を確認してコンテンツを開封するか判断をするからです。
2022年12月に行われた「メルマガに関する調査レポート」によれば、20%もの受信者が「受信ボックスで見える本文の冒頭部分」を開封の判断基準に挙げていました。
開封されるメルマガが取り組んでいる工夫として、件名では紹介しきれなかった情報をプリヘッダーに表示させるというものがあります。
どれだけ内容がよいコンテンツを作成しても、開封されなければ集客効果を発揮することはできません。
配信しているコンテンツの開封率が悪い場合は、件名だけでなくプリヘッダーの設定も見直しましょう。
プリヘッダーの仕組み
冒頭でプリヘッダーは「本文の一部を抜粋したテキスト」と解説をしていますが、どのような仕組みで抜粋するテキストの範囲が決まるのか解説します。
プリヘッダーとして設定されるテキストの範囲は、文字だけで構成される「テキストメール」と、画像やボタンを配置した「HTMLメール」で異なります。
テキストメールでは本文の冒頭部分が自動取得され、メールクライアントが設定した文字制限に合わせて表示されます。
Gmailの場合は、PC画面では40文字前後・スマホ画面では20文字前後(日本語の場合)の文字数でプリヘッダーが自動取得されています。
一方のHTMLメールは、HTMLを編集することでプリヘッダーとして取得される範囲を任意の場所に設定することができます。
それぞれについて具体例を用いて解説します。
テキストメール
本文の冒頭部を自動で抜粋するテキストメールでは、たとえ宛名の記載でもプリヘッダーとして使用されます。
そのため、本文の工夫をしなければ上の画像のように「件名」のあとに挨拶文などがプリヘッダーとして設定されてしまいます。
受信者が開封するかを判断する材料となるプリヘッダーですが、上記のような使い方では貴重なアピールポイントを逃してしまいます。
テキストメールを使い集客媒体を作成する場合は、後述するプリヘッダーを記載する際のポイントを参考に受信者の興味を惹きつけるような文章を作りましょう。
HTMLメール
HTMLと呼ばれるウェブ上のコードを使い、メールに画像やボタンを配置したHTMLメールでは、任意のテキストをプリヘッダーとして設定することができます。
上記の画像にある赤枠で囲まれたメールでは「Pick up 無料送迎バス運行中!」から始まるテキストがプリヘッダーとして設定されています。
テキストメールの場合は、冒頭部分からプリヘッダーを取得するので、本文が「Pick up 無料送迎バス運行中!」から始まっていることになります。
しかし、上記のメールはHTMLでプリヘッダーに表示されるテキストを指定しているため、本文の冒頭部は「Pick up 無料送迎バス運行中!」ではありません。
ただし、HTMLを自作するには専門的な知識とスキルが必要になります。
そのため、本記事でご紹介しているような集客用のメルマガをHTMLから自作をするのは現実的とは言えません。
テキストメールのように任意の範囲を指定できない場合でも、冒頭部のテキストを工夫することで、開封率アップが期待できるプリヘッダーが設定できます。
次項で解説するポイントをおさえて、読者が開封したいと思えるようなプリヘッダーを設定しましょう。
プリヘッダーを設定する際のポイント
プリヘッダーを設定する際に意識すべき点を解説します。
件名とのバランスを考える
本記事でご紹介しているGmailのPC画面のように、プリヘッダーが件名と横並びに表示されるメーラーでは、件名が長いとプリヘッダーが表示されなくなります。
そのため、メールの件名は端的に伝えたいキーワードを記載し、その詳細や件名では記載できなかった第2・第3キーワードをプリヘッダーに記載しましょう。
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メルマガの中には「====」や「〜〜〜〜」のような装飾を冒頭部に記載しているものもありますが、プリヘッダーに表示できる文字数は限られているため、有効に使いましょう。
受信環境を考慮する
スマホの画面からメルマガを受信する場合とPCで受信する場合では、プリヘッダーに表示される文字数が大きく異なります。
そのため、自社の配信しているメルマガを受信している媒体を考慮して、件名とプリヘッダーを設定しましょう。
BtoCの場合は多くの方がスマホでメルマガを受信していますが、BtoBの場合はそうではありません。
一般社団法人「日本ビジネスメール協会」の調査によると、ビジネスをする上でのメール業務に関して以下のような結果になりました。
- ビジネスでメールを受信する媒体は9割以上がPC
- 仕事で利用しているメールソフトは約6割が「Outlook」
統計的には、BtoBのサービスを展開している企業がメルマガを配信する場合、OutlookのPC画面を意識したプリヘッダーを作成しておくことが望ましいようです。
ちなみに、各メールソフト(ウェブメール)のPC画面で表示されるプリヘッダーの文字数は以下のようになります。
- Outlook:30文字程度
- Gmail:45文字程度
- Yahoo!メール:表示されない(設定で変更可能)
あくまでデフォルトの設定のもので、アカウントが個別に文字サイズの変更をしていないことが前提です。
また、前項で解説したようにプリヘッダーの文字数は件名によって大きく変化します。
より開封率の高いコンテンツを配信するためにも、購読者に配信する前に受信画面でどのように表示されるかをチェックしておくと良いでしょう。
メールマガジンの主流はプリヘッダーを工夫したHTMLメールの配信
メルマガ集客を採用しており、ある程度の集客効果が出ている企業の多くはプリヘッダーを工夫したHTMLメールを配信しています。
解説の通り、HTMLメールの作成には専門的な知識やスキルが必要になりますが、上記のような企業ではHTMLの自作はせず、メール配信システムを利用しています。
「メール配信システム」とは、メールを使った集客に必要な機能を提供しているシステムのことで、以下のような機能を利用することができます。
- HTMLメールエディタ
- 効果測定
- ターゲット配信
- 自動BCC設定
「HTMLメールエディタ」を使うことで、誰でも簡単にHTMLメールを作成できます。
また、メール集客をする上で欠かせないのが、配信したメールの到達率・開封率・クリック率を測定する「効果測定」です。
効果測定を行わずにメール集客をしても、配信したメールに対しての受信者の反応を把握することができないため、コンテンツの改善に困窮することになるでしょう。
コンテンツの作成だけでなく、配信したメルマガの効果を検証できる環境も準備しておきましょう。
以下の記事では、メール配信システムの一つである「ブラストメール」が提供しているHTMLメールエディタの操作画面をご紹介しています。
HTMLメールを使った集客を検討中の方はぜひご覧ください。
関連記事:ブラストメールを使って5分でHTMLメールを作る方法
また、メール配信システムの機能や料金に関しては、以下の記事でランキング形式でまとめてあります。
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
あわせてご覧ください。
まとめ
プリヘッダーとは、メールの差出人と件名に続いて表示される本文を抜粋したテキストです。
読者がメールを開封するかを決める判断材料にもなるため、プリヘッダーは配信したメールの開封率に影響があると考えられます。
基本的にプリヘッダーは本文の冒頭部分から自動取得されるため、メールマガジンなどのコンテンツを配信する際は、件名と本文の部分を合わせて考える必要があります。
開封されやすいプリヘッダーの設定には、以下のようなコツがあることを覚えておきましょう。
- 件名に入れられなかった第2・第3キーワードを盛り込む
- 受信媒体を考慮し件名とのバランスを整える
BtoB・BtoCによって受信環境の傾向が違うため、自社のメルマガを受信している層について把握しておきましょう。
また、メルマガ集客の効率を上げる工夫として検討しなければならないのが、HTML形式でのメール配信です。
画像やボタンを使い視覚的に訴求ができるHTMLメールを配信することで、テキストでは伝えられないサービスの魅力を伝えられるようになります。
作成には専門的な知識やスキルが必要とされていたコンテンツですが、メール配信システムを活用することで、自社のリソースを気にせずにHTMLメールの作成・配信ができるようになりました。
本記事でご紹介したブラストメールでは、HTMLメールエディタを含む全機能が7日間無料でご利用いただけます。
もちろん、トライアル期間後に自動的に契約に進むこともないので、安心してご利用ください。