私たちは、日々多くの文章に触れて生活をしています。
本や雑誌などでプロの書き手の文章を読むだけでなく、自分自身が書き手となって相手に情報を伝える場面も多いことでしょう。
SNSで友人とコミュニケーションを取るだけなら、そこまで難しいことを考えずに文章を作っても問題ありません。
しかし、ビジネスをする上でのコミュニケーションやプレゼンテーション、PVを伸ばしたいブログの執筆などではそうはいきません。
- 「読まれやすい文章を作るにはどうしたら良いのだろう」
- 「文章を書いている途中で主題がぼやけてしまう」
- 「文章が読みにくいと言われるが、どこを直せばいいのか分からない」
こんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、上記のようなケースで必要になる「文章力」は後天的な対処で改善することができるため諦めることはありません。
わかりやすい文章を書くためのポイントやテンプレートを抑えておくだけでも、これまでとは全然違った文章を作り出すことができます。
記事の最後では「セールスライティング初心者ガイド」という、ビジネスシーンで活用することができる文章のテクニック集をご紹介しています
文章力をアップさせたい方はぜひご覧ください。
目次
なぜ文章力が必要なのか
現代人の集中力は「8秒」しか持たないと言われています。
これは、米マイクロソフトのカナダの研究チームが2015年5月に実際に発表したものですが「現代人の集中力は金魚以下だ(金魚は9秒)」と話題になりました。
さらに、現在は映像コンテンツが主流なので分かりづらい・読みづらい文章というのは読まれなくなってきています。
むしろ「読めなくなっている」と言っても良いかもしれません。
しかし、文章から情報を得る・文章で相手に物事を伝える場面が減ったかというとそんなことはありません。
先述したような文章力が必要になる場面は無数にあり、そのような場面でも作成した文章を相手に読んでいただかなくてはならないのです。
特に、ビジネスシーンでは「相手に読まれる文章を書くことができる」という能力は重宝され、企業内でも一定の評価を得られるでしょう。
読みやすい文章の構成
伝わりやすい・読みやすい文章には「型」があります。
まずはその大まかなテンプレートを覚えてしまいましょう。
全体像を提示する
長文などは特に、始めに全体像を提示しましょう。
本記事を例にとって全体像をまとめた文章を作ってみました。
情報過多な現代において人々の集中力が続く時間は短くなっています。ただでさえ読まれづらい文章を読ませるには「文章力」が必要です。
そんな文章の書き方について、下記4つの項目に分けて解説します。
- 読みやすい文章の構成
- 文章は短く具体的に
- 日本語の文法を守る
- 視覚的な読みやすさ
また、実際に文章力を上げるためにおすすめのトレーニング方法についても最後にご紹介します。
それでは詳しく解説していきます。…
というような形で冒頭に全体像を提示することで、読者は文章を読みやすくなるでしょう。
上記の例のように、箇条書きでポイントをまとめるのも非常に有効です。
結論から述べる
相手に伝わる文章を書くには「結論から述べる」ことが大切です。
具体的に「結論→理由→具体例→結論」という構成を意識すると読みやすい文章につながりやすくなります。
これは、営業トークやプレゼンでも使える手法で「PREP法」とも呼ばれており、以下の記事で詳細を解説していますので参考にしてみてください。
関連記事:PREP法とは? 相手に伝わる話し方・書き方の絶対法則を解説します
文章は短く具体的に
読みやすい文章は短く具体的に書くことが鉄則です。
ブログやメルマガなどで文字量が多いことに満足してしまっている人もいますが、少ない文字数で正確に情報を伝えることが一番です。
以下の例をご覧ください。
大人になってからでもトレーニングを積むことにより文章力を向上させるということは可能です。このトレーニング方法を使えば、劇的に文章力を上げることができます。この結果に多くの人が驚きの声をあげています。
上記は極端な例ですが、それっぽいことを書いているだけで具体性の無い文章は相手に伝わりません。
この例文に具体性を持たせつつ、全体をスッキリとまとめてみましょう。
大人になっても文章力を上げることができます。80%以上の人がトレーニングにより文章作成スピードを〇分短縮し、業務効率が上がったという結果が出ています。
この添削について詳しく解説していきましょう。
不要な表現を削る
読みやすく相手に伝わる文章を書く際は不要な表現はとことん削りましょう。
これらは、よく使ってしまいがちな「不要言葉」です。
- という
- 〜のような
- 〜といった
- 基本的に
- 一般的に
これ以外にも過剰な修飾語・接続詞も読みやすい文章には不要です。
また「〜されてしまいます」「〜されています」などの受け身表現も「です・ます」で能動的な表現にした方が相手に伝わります。
最初から不要な表現を使わないよう意識して文章を書くのは難しいので、まずは思うままに書いて不要な表現を後から削るという方法がおすすめです。
慣れてくれば自然とできるようになります。見直しの段階に不要表現を削る作業を行いましょう。
重言に注意
「頭痛が痛い」「馬から落馬した」などで有名な重言にも注意しましょう。
- 一番最初、一番最後、一番ベスト
- IT技術
- 今の現状
- まずはじめに、まず最初に、まず第一に
- より一層
- 後で後悔する
- 過半数を超える
- あらかじめ予定して
- 加工を加える、過信しすぎる
あくまで一例ですが、無意識で使っていることが多いので文章を書く際には気をつけましょう。
修飾語は使いすぎない
修飾語が豊富だと熱量のある文章にはなりますが、伝わりやすい・読みやすい文章を書く際には不要です。
文章の中で強く伝えたいことには修飾語を使用して目立たせることも大切なので、あくまでもケースバイケースとしておきましょう。
修飾語は、被修飾語の直前に、2語以上は長いものから先につけます。
私は、有名な学者が文章力と表現力を高める手法について書いた本に感銘を受けた。
文章力と表現力を高める手法について、有名な学者が書いた本に私は感銘を受けた。
この場合、被修飾語は「本」です。
長い修飾語から先に、かつ被修飾語の直前におくことで読みやすくなります。
専門用語を使いすぎない
文章の中に専門用語を使いすぎると、その意味を理解していない読み手にはかなりのストレスをかけてしまいます。
ケースにもよりますが、長文の説明が必要な専門用語の使用は避けて文章を作成しましょう。
また、具体性を持たせることに意識が行き過ぎるあまり数値やデータばかりの文章も、読み手の負担になる可能性があります。
本当に伝えたい部分の情報のみ詳しく記載し、メリハリをつけることも大切です。
日本語の文法を守る
文章力を高めるためには、基礎的な日本語の文法は押さえておきましょう。
母国語なので感覚的に使うことは可能ですが、SNSでのコミュニケーションに慣れてしまうとフォーマルな文章を書いた時に文法が崩れてしまうことも多々あります。
主語と述語を対応させる
まずは文章の基礎である「主語」と「述語」をはっきりとわかるように書きましょう。
「AはBをしている」のような文章では主語と述語の関係が崩れることはありませんが、登場人物が複数の場合では注意が必要です
彼のビジネスプランには、決定的なミスが隠れていることを見抜いていた。
上記の文章ではミスを見抜いている人物が主語になるので、以下のように改善しなければ意味が伝わりません。
- (a) 彼のビジネスプランには、決定的なミスが隠れていることを私は見抜いていた。
- (b) 私は、彼のビジネスプランには決定的なミスが隠れていることを見抜いていた。
とすることで、ミスを見抜いている人が誰なのかが明らかになります。
ただし(b)のように、主語と述語が遠すぎる文章は読み手の混乱を招く原因になります。
極端な例で言えば以下のような文章は、主語と述語の距離を改善した方が良いでしょう。
私は、ECサイトで販売されている化粧品に対する使用感やコストパフォーマンスなどについて自身の考えを述べることで、自身が運営するアフィリエイトブログの価値が上がるのではないかと考えました。
このような時は思い切って2文に分けるのも、読みやすい文章を作成する上では大事なテクニックです。
私は運営しているブログの価値を高める方法を考えました。それは、ECサイトで販売されている化粧品についてのレビューを記載し、読者にとって有益な記事を増やすというものです。
無理に1文でまとめようとすると、主語と述語だけでなく修・被修飾の関係まで見にくくなってしまうため、注意しましょう。
読点のつける位置
読点とは「、」のことを指します。
句点(。)の位置に問題がある文章は多くありませんが、読点の位置が原因で読みづらくなっている文章は散見されます。
読点の位置に決まりはありませんが、原則として以下のポイントを押さえておきましょう。
- 接続詞の後に入れる
- 別の単語が漢字で連なった場合に入れる
接続詞とは「しかし」「また」「そのため」などの言葉のことで、前後の文章や言葉を繋ぐ際に用いられます。
私の父は元陸上部である。
しかし、今は走ることは苦手なようだ。
のようなイメージです。
また、別の単語で漢字が連続している時も読点を入れるように意識しましょう。
飲酒運転撲滅は市町村が一丸となって取り組むべき事案である。
という文章であれば、以下のように修正しましょう。
飲酒運転撲滅は、市町村が一丸となって取り組むべき事案である。
逆に、読点を入れすぎても違和感のある文章になってしまいます。
飲酒運転撲滅は、市町村が、一丸となって、取り組むべき事案である。
一つの文章に読点が3つ以上入るようであれば、構成を変えるなどの工夫が必要かもしれません。
視覚的な読みやすさ
句読点の位置に加えて、改行のバランスのような視覚的な要素も、読まれる文章を書く上では重要です。
例えばこの記事では、視覚的な読みやすさを損なわないように以下のルールを守って執筆しています。
- 1文は80文字を超えないようにする
- 句点の後は改行を入れる
- 漢字とひらがなのバランスに注意する
時には箇条書きなども用いながら、見ただけで読みたくなくなってしまう文章になっていないか注意しましょう。
ご紹介してきた読まれやすい文章の書き方を実践するには?
ご紹介してきたポイントを押さえることはもちろん大事です。
しかし、頭では分かっていても、いざ文章を書こうと思うと上手くはいかないものです。
根本的に文章力をアップさせるには、自身で試行錯誤を繰り返しながら文章の書き方をマスターしていく必要があるでしょう。
その方法としてオススメなのが「メールマガジンの配信」です。
個人的に文章力のアップを目指したいだけであれば、ブログの執筆などもオススメです。
しかし、ビジネスシーンでも使える文章力は、実際に自社のサービス・商品を知っているお客様に読んでいただいてトレーニングするのが一番の近道でしょう。
メルマガの運営をすることで、定期的に文章力のトレーニングができるだけでなく、同時に自社のサービスを宣伝することも可能になります。
メルマガは業種を問わず多くの企業で採用されている集客方法で、手法がある程度確立していることと、運用コストが安価で始めやすいことがメリットです。
以下の記事では、メルマガをこれから始める方に向けて作成や配信の方法について解説しています。
関連記事:今すぐできる!メルマガ配信の方法を徹底解説します【初心者向け】
こちらも併せてご覧ください。
まとめ
文字を使って自分の気持ちや状況を正確に伝えるには、ある程度の文章力が必要になります。
映像から情報を得る機会が増えた近年では、読まれやすい文章を作成する能力はとても重宝されています。
自身の文章力にお悩みの方でも、この記事でご紹介したようなポイントを抑えることでビジネスシーンで使用しても恥ずかしくない文章を作成することができるはずです。
以下のURLからは、ビジネスシーンで使うことができる文章作成のテクニックをまとめたガイドブックをダウンロードすることができます。文章力のアップにぜひお役立てください。