会社の年末といえば、オフィスの大掃除、パソコンやデスクの整理、そして顧客・取引先宛ての挨拶があるでしょう。中でも年末の挨拶は、本年の感謝を伝えるだけでなく、自社の営業日を案内する重要な役割も兼ねています。
そんな大事な案内だけあって、「マナーはどうなっているのか」「感謝を伝えるとは具体的にどうやるのか」とお悩みの方も多いでしょう。
本記事では、年末年始の営業日をメールで案内する際の注意点や、具体的な作り方について解説します。相手方によってどのように内容を切り替えるべきか、時候の挨拶はどのようにすれば分からない方は、本記事をぜひ参考にしてみください。
目次
年末年始の営業日お知らせメール配信時の注意点
年末年始の営業日をお知らせするときには、以下の3点に注意しましょう。
- 日数に余裕を持って送る
- 重要な関係にある顧客・取引先へは個別に配信する
- 営業日を知らせるだけにとどめない
日数に余裕を持って送る
年末年始の休業期間が決まったら、なるべく余裕を持って営業日のお知らせを送りましょう。早めにメールを送っておくことで、先方としても年末の営業計画が立てやすくなります。
何日前に配信するか決まりはありませんが、休業に入る1か月前から、遅くとも1週間前が理想的です。
重要な関係にある顧客・取引先へは個別に配信する
重要な関係にある顧客・取引先へは、個別に営業日のお知らせを送りましょう。取引の間にあったエピソードや感謝の意をメール中に含めることで誠実さが伝わり、今後も取引関係を継続させやすくなります。
メール配信システムの差込み機能を使えば個別配信のような一斉配信が可能
誠実さを伝えるという意味で、営業日のお知らせはすべての顧客・取引先に個別で配信するのが理想的ではあります。しかし、一つひとつのメールを「株式会社○○ 営業部 △△様」と個別の名前にするのは、組織の規模によっては作業量があまりにも多く非現実的です。
これを解決するには、メール配信システムの差込み機能を利用するとよいでしょう。差込み機能とは、[社名] や [姓名] のようなタグをメールの文中に入れることで、下記画像のように事前登録された読者情報に自動で置き換えてくれる機能です。
差込み機能を利用すれば、「お客様各位」でまとめるよりも個別で配信した感が出ます。自社でメール配信システムを利用しているなら、ぜひ活用してみましょう。
営業日を知らせるだけにとどめない
営業日のお知らせメールは、単に営業日を知らせるだけでなく、業務に関する案内や新年の抱負も伝えましょう。そうすることで定型感が和らぎ、より誠実な印象が増します。具体的にどのような内容を伝えるべきかは、この後くわしく紹介します。
年末年始の営業日お知らせメールの基本的な内容
それでは、ここから年末年始の営業日メールの書き方について具体的に解説します。内容の順序としては、以下のようになります。
- 件名
- 宛名
- 挨拶
- 本題
- 結びの挨拶
- 署名
昨今はメールとあわせてビジネスチャットで案内するケースも多いかと思いますが、チャットの場合でも内容とその順番は大きく変わりません。それでは各内容について例文も交えつつ解説していきます。
1. 件名
メールの件名を書く際の基本は「このメールがどんな内容か」を端的にまとめることです。これは営業日のお知らせの場合でも変わりません。下記のように、件名を見ただけで要件が伝わる文章にしましょう。
- 年末年始営業日のご案内
- 年末年始休業のお知らせ
- 年末のご挨拶と営業日のお知らせ など
もし担当者から個別で配信する場合、文章の後ろに「○○株式会社 営業部 △△」のような形で、自分の部署と名前を入れても構いません。
2. 宛名
ここからはメールの開封後に確認できる本文部分の解説です。本文の出だしは、定石通り宛名を書くようにしましょう。役職がある場合は、部署名と名前の間に入れるようにします。
- 株式会社○○
営業部 △△様 - 株式会社○○
営業部 部長
△△様
一斉配信で差込み機能が使えない場合は、「お客様各位」や「お取引先様各位」とすればOKです。
3. 挨拶
宛名の後は時候の挨拶を続けます。時候の挨拶は、個人宛に送るか、企業宛に送るかで内容を切り替えましょう。
- 個人宛て
平素より、お世話になっております。
○○株式会社 営業部の△△です。今年も残すところわずかとなりましたが、貴社におかれましては、ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。 - 企業宛て
師走の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
4. 本題
挨拶後は本題です。最終営業日と休業期間を伝えましょう。箇条書きなどを用いて分かりやすく伝えるのがポイントとなります。具体的に業務の期日や再開について言及すると、より親切です。もし可能であれば、休業期間中における緊急時の連絡先も載せておくのもよいでしょう。
営業日の例文
下記の通り、年末年始における弊社の営業日をお知らせいたします。
- 12月28日:通常営業
- 12月29日~1月3日:休業
- 1月4日:通常営業
休業期間も問い合わせ・発注等は受け付けておりますが、
対応再開は1月5日以降となります。ご了承ください。
また、休業期間における緊急のご連絡は、
下記番号へよろしくお願い申し上げます。
○○直通番号:050-xxxx-xxxx
また、営業日のお知らせの前か後ろに、新年の抱負や取引中のエピソードなどについて書いておきましょう。
- 今年の展示会は〇〇様のお力添えもあり、つつがなく開催する事ができました。心より感謝しております。
- 弊社は2023年の東証一部上場を目指し、お客様の課題解決はもちろんのこと、コーポレートガバナンスの強化に一層励んで参ります。
特に、新年の抱負であれば一斉配信でも共通の内容で問題ないため、ぜひ書くことをおすすめします。取引のエピソードは宛先ごとに個別の内容が必要ですが、誠実さ高められるまたとないチャンスです。
年末年始の営業日のお知らせは、年末年始の挨拶も兼ねる重要なメールです。ここであなたの誠実さや自社の将来性をアピールして、良好な取引関係の維持を目指しましょう。
5. 結びの挨拶
営業日のお知らせを終えたら、結びの挨拶で締めましょう。自社と相手の関係性と内容をフィットさせるため、冒頭の挨拶と同様、宛先が個人か企業かで挨拶は切り替えましょう。
- 個人宛て
メールにて恐縮ではありますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
良いお年をお迎えください。 - 顧客企業宛て
今年のご愛顧に感謝を申し上げますと共に、来年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。 - 取引先企業宛て
今年のご愛顧に感謝を申し上げますと共に、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
6. 署名
結びの挨拶のあとは署名を添えます。特別な形式にする必要はなく、いつも通りの署名を使って構いません。これで年末年始の営業日のお知らせメールは終了となります。
なおビジネスチャットの場合、署名は省略しても大丈夫です。
【コピペOK】年末年始の営業日案内メールのサンプル
ここからは、コピペで使える年末年始の営業日メールのサンプルを下記の通り3種類掲載します。
- 個人宛て
- 顧客企業宛て
- 取引先宛て
ぜひ、あなたの状況に合ったサンプルを選んで活用してください。
個人宛て
件名
年末のご挨拶と営業日のお知らせ(○○株式会社 営業担当 鈴木次郎)
本文
株式会社△△
マーケティング部
山田太郎様
平素より、お世話になっております。
○○株式会社 営業部の△△です。
今年も残すところわずかとなりましたが、
貴社におかれましては、ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。
早速本題ではございますが、
年末年始における弊社の営業日を下記の通りお知らせいたします。
- 12月28日:通常営業
- 12月29日~1月3日:休業
- 1月4日:通常営業
休業期間も問い合わせ・発注等は受け付けておりますが、
対応再開は1月5日以降となります。ご了承ください。また、休業期間における緊急のご連絡は、
下記番号へよろしくお願い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━
鈴木直通番号:050-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━
今年の展示会は〇〇様のお力添えのおかげで、
つつがなく開催する事ができました。心より感謝しております。
以上、メールにて恐縮ではありますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
良いお年をお迎えください。
【以下、署名】
顧客企業宛て
件名
年末のご挨拶と営業日のお知らせ
本文
お客様各位
師走の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
下記の通り、年末年始における弊社の営業日をお知らせいたします。
- 12月28日:通常営業
- 12月29日~1月3日:休業
- 1月4日:通常営業
弊社は2023年の東証一部上場を目指し、お客様の課題解決はもちろんのこと、
新年はコーポレートガバナンスの強化に一層励んで参ります。今年のご愛顧に感謝を申し上げますと共に、
来年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
【以下、署名】
取引先企業宛て
件名
年末年始営業日のご案内
本文
お取引先様各位
師走の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
下記の通り、年末年始における弊社の営業日をお知らせいたします。
- 12月28日:通常営業
- 12月29日~1月3日:休業
- 1月4日:通常営業
弊社は2023年の東証一部上場を目指し、お客様の課題解決はもちろんのこと、
新年はコーポレートガバナンスの強化に一層励んで参ります。
今年のご愛顧に感謝を申し上げますと共に、
皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
【以下、署名】
年末の営業日のお知らせメールについてまとめ
年末の営業日のお知らせメールは、自社と顧客・取引先の連携を円滑なものとするために欠かせない、重要な案内です。相手方に失礼のないよう、メールを送る際は以下のような点に注意しましょう。
- 最終営業日から逆算して1週間前までには送る
- 可能であれば各顧客・取引先ごとに個別で送る
- 営業日を知らせるだけでなく、新年の抱負や感謝につながったエピソードなども入れる
また、年末の営業日案内は、ビジネスマンとしてのあなたや自社の誠実さ・将来性をアピールし、より良好な関係性を築くためのチャンスでもあります。メールを作成する際は、より誠実さが伝わるよう各内容ごとに以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 件名
要件が分かるように、端的にまとめる - 宛名
個別に送る場合は社名・姓名を入れる。個別でない場合は「お客様各位」などとする - 挨拶
企業宛てか個人宛てかで切り替える - 本題
営業日の案内は箇条書きなどを用いて分かりやすく伝えると共に、具体的な業務案内(期日や対応再開など)についても触れておくと親切。また、新年の抱負を書いたり、個別に送るメールの場合は取引のエピソードなども含めたりして定型感を和らげる - 結びの挨拶
顧客宛てか、取引先宛か、個人宛てかで切り替える - 署名
いつも通りの内容でOK
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