商談後のお礼メールは営業をする際のマナーとしてだけでなく、商談の成功確率を上げるためにも大切なプロセスです。
オンラインで他社とコミュニケーションをとる機会が増えた近年でも、商談後にお礼メールを送付する習慣は無くなっていません。
商談後のお礼メールには、時間を作ってくださったことへの感謝だけでなく、今後も定期的に接触していくための土台づくりのような戦略的な要素もあります。
形骸化しがちな商談後のお礼メールですが、マナーを守り他社との差別化を意識した内容にすることで、商談の成功確率に寄与することもできるでしょう。
もし、一度目の商談がうまくまとまらなかったとしても、お礼メールを工夫することで次の機会に繋げられるかもしれません。
本記事では、商談後のお礼メールに関して以下の項目に注目し解説をしています。
- お礼メールの必要性と役割
- お礼メールのマナー
- お礼メールの件名と例文
- お礼メール作成時のポイント
ぜひご覧ください。
商談後のお礼メールはなぜ必要か
そもそも、どうして商談後にお礼メールを送付する必要があるのでしょうか。
商談の終わりに感謝の言葉を伝えているので、必ずしも送付する必要はないのではないか。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、商談後のお礼メールは「感謝の気持ちを伝える」以外にも大事な役割があります。
- 信頼関係の構築
- 誤った認識がないかチェックする
- 追加の情報や資料を紹介する
- 次回の商談や今後の論点を確認する
商談後に送付するメールは「お礼メール」と呼ばれていますが、上記のように集客をする上で重要な役割を担っています。
「たかがお礼メール」と侮ることなく、商談を成功させるためのコンテンツとして活用しましょう。
ここからは、先ほど紹介したお礼メールの役割について詳しく解説をします。
信頼関係の構築
商談のために時間をとってくださった相手に対して、迅速にフォローメールを送付することで、相手との信頼関係を構築することができます。
テンプレートの文章でお礼を伝えるだけでなく、商談で話した内容などを盛り込むことで、機械的なお礼メールにならずに相手に思いを伝えられるでしょう。
誤った認識がないかチェックする
商談内容が複雑になってしまった時は、誤った認識をもたれていないか確認する目的でもお礼メールを活用します。
- 各種プランの特徴と料金
- 契約内容で特に注意が必要な点
会話でのコミュニケーションは、ちょっとした言葉の認識のずれが思いもよらない勘違いにつながってしまう可能性があります。
合意した内容についても、相手との認識がずれていないかお礼メールを使って再確認するようにしましょう。
また、商談によっては比較検討のために本命とは違うプランや、他社のプランを提示することもあるでしょう。
そのような場合も、お礼メールを送付し、紹介したいプランの特徴を再認識していただくような工夫をします。
追加の情報や資料を紹介する
商談では紹介できなかった情報や資料を添付し、商談内容に説得力をもたせることもできます。
商談後すぐに相手が欲しがっている情報を提示できれば、自社への興味関心が高まっている段階でサービスの利用を検討していただけるかもしれません。
また、お礼メールの後半に自社で配信している「ホワイトペーパー」や「メールマガジン」でもお役立ち情報を配信している旨を記載する場合もあります。
自社が配信しているコンテンツを受信している方には、自社サービスを利用する可能性がある「見込み客」としてよりディープなアプローチが可能になります。
限られた時間内で行われる商談でサービスに関わる情報を全て把握させるというのは現実的ではありません。
商談が終わった後も段階的・定期的に接触することができるような施策の準備も検討しましょう。
ホワイトペーパーやメールマガジンについては以下の記事で詳しく解説をしています。
関連記事 ①:メルマガとは?意外と知らない基礎知識や配信方法を分かりやすくご紹介!
関連記事 ②:ホワイトペーパーの作り方とは。ゼロから始める効果的なホワイトペーパーの作り方を解説します!
次回の商談や今後の論点を確認する
一度目の商談で契約までたどり着くことができなかった場合、次回の商談に繋げることを意識したコミュニケーションが必要になります。
お礼メールの中に、次回の商談やホワイトペーパーのDL・メルマガ受信のような、次のステップにつながる提案を盛り込むことで、継続的なアプローチが可能になるでしょう。
また、商談の中で課題や宿題として認識された事案を確認し「次回の商談までにご説明できるように準備します」といった文言を付け加えましょう。
今後、商談を進める上での論点について共通認識を持っておくことで、コミュニケーションを取る上での軸とすることができます。
論点となっている部分について、相手の納得を得られる説明をすることができれば、サービスを契約していただけるかもしれません。
お礼を伝えるとともに、これからのコミュニケーションを意識した文面の記載も忘れないようにしましょう。
商談後に送るお礼メールのマナー
商談後に送付するお礼メールは、自社と商談先のタッチポイント(顧客接点)とも言えます。
しかし営業先と自社をつなぐ窓口として、先述したような集客媒体としての目線を重視するあまり、ビジネスマナーを欠いたメールになってしまうと本末転倒です。
ここからは商談後に送付するお礼メールのマナーについて解説します。
商談後はできるだけ早く送付する
お礼メールの送付は商談後すぐに送付するようにしましょう。
スケジュールが詰まっている、添付資料の準備に時間がかかるなどの理由がある場合でも、商談の翌日までにはメールを送付すべきです。
また、添付資料は後ほどのメールで送付する旨を記載し、とりあえず今回の商談に対するお礼を伝えるメールを送付しても良いでしょう。
ただし、後述している「取り急ぎ」という言葉はお礼メールに使ってはいけないので注意しましょう。
わかりやすい件名にする
お礼メールに限ったマナーではありませんが、ビジネスメールに使う件名はどのような要件で送付しているのかが分かる文章にするのがマナーです。
悪い例としては、
- 先程はありがとうございました。
- 〇〇株式会社の〇〇です。
上記のような件名が挙げられます。
分かりやすい件名とは下記のような例が挙げられます。
- 本日はミーティングの時間を頂戴し、ありがとうございました。
- 本日のミーティングの御礼
このように、受信した相手が「誰から、何のために送信されたのか」を把握できる件名にしましょう。
相手のメールアドレスを登録し肩書きと共に署名を作る
相手のメールアドレスを登録してお礼メールを送付すると、受信者のメール画面でメールアドレスではなく登録した名前が表示されます。
些細な違いと思われがちですが、送付先にただメールアドレスが表示されるのと「〇〇株式会社〇〇様」と表示されるのでは相手が受ける印象は違います。
お礼メールを送付したことがある方でも、アドレスの登録名にまでは気を配っていないケースが多いので他社との差別化になるかもしれません。
誤字脱字に注意をして、相手への細かな配慮を表現しましょう。
商談後に送るお礼メールの例文
ここからは、ケース別に商談後に送信するお礼メールの例文をご紹介します。
基本型
まずは、一般的に見られるお礼メールの例文です。
件名
件名が入ります
本文
株式会社〇〇 営業部部長 佐藤様
お世話になっております。
本日、弊社サービス「(サービス名)」に関するミーティングを担当いたしました〇〇です。
お忙しいところと存じますが、時間を確保してくださり誠にありがとうございました。
すでに弊社提供の別サービスをご利用いただいたことがあると拝聴し、感謝の気持ちと共に、佐藤様とのご縁を感じました。
この度、説明差し上げました「(サービス名)」についても是非ご検討いただき、貴社の業務にお役立ていただけますと幸いです。
サービス以外の件に関しましても、私でお役に立てることであればお気軽にご相談ください。
重ねてになりますが、本日はありがとうございました。
(署名)
時間をとってくださったことへの感謝の気持ちから始まり、今後も相手と気軽に連絡できるような雰囲気を意識して文章を作りましょう。
また、商談中に得た情報を記載することで、事務的な文章ではなく、パーソナライズされた文章を作成することができます。
業務中に送信するメールなので長々とした文章は控え、文末では再度相手に感謝の気持ちを伝えましょう。
追加資料を添付する場合
商談中に解説しきれなかった情報を添付する際の例文です。
件名
件名が入ります
本文
株式会社〇〇 営業部部長 佐藤様
お世話になっております。
本日、弊社サービス「(サービス名)」に関するミーティングを担当いたしました〇〇です。
本日は、お忙しいところお時間を頂戴し心より御礼申し上げます。
ミーティング中にご質問いただきました「〇〇」についての補足資料を本メールに添付いたしますので、ぜひご一読ください。
なお、添付した補足資料は、弊社が配信しているメルマガ内で取り扱っている資料になっております。
他にも、業界のトレンドや他社製品との比較を行った資料を多数配布しておりますので、もしよろしければこちらもお目通し下さると幸いです。
次回の開催は「◯月◯日」になりますが、もしご都合が悪くなりましたら、お気兼ねなくお申し付けください。
重ねてになりますが、本日は貴重なお時間をありがとうございました。
(署名)
追加資料の添付とともに、すでに自社で配信しているメールマガジンを紹介しています。
押し付けがましい言い方にならないように「もしよろしければ」のような、クッション言葉を使いましょう。
商談で合意した内容を確認をする場合
商談で契約などの合意が取れた場合は以下のようなお礼メールを作成しましょう。
件名
件名が入ります
本文
株式会社〇〇 営業部部長 佐藤様
お世話になっております。
本日、弊社サービス「(サービス名)」に関するミーティングを担当いたしました〇〇です。
ご多忙の折、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
また「(サービス名)」をご利用いただけることにつきましても重ねて御礼申し上げます。
本日のミーティング内容について、念の為、確認をさせていただきます。
- 「(サービス名)」の利用開始は◯月◯日から
- プランは「(プラン名)」(月額5,000円)
- 今後のご担当者様のお名前は 〇〇 様
- 初月利用無料のオプションは、次月(◯月)以降カット
大変お手数をおかけ致しますが、上記内容を再度ご確認いただき、間違いがなければメールにてご返信いただけますと幸いです。
佐藤様からのご返信を受け、契約書の作成を開始させていただきます。
重ねてになりますが、本日はお忙しい中お時間を作ってくださり心より感謝申し上げます。
「(サービス名)」を通して、貴社のお役に立てるよう努めますのでこれからも是非よろしくお願い致します。
返信をお待ちしております。
(署名)
ミーティングの中で合意した内容については、例文のように箇条書きを使って確認しましょう。
例文では相手からサービスの利用を依頼された場合を想定していますが、それ以外の場合でも、確認事項は箇条書きや改行を利用して一文でまとめると分かりやすい文章になります。
次回の商談を相談する場合
次回の商談を提案する場合の例文です。
件名
件名が入ります
本文
株式会社〇〇 営業部部長 佐藤様
お世話になっております。
本日、弊社サービス「(サービス名)」に関するミーティングを担当いたしました〇〇です。
お忙しい中とは存じますが、お時間を確保してくださり誠にありがとうございました。
また本日は「(サービス名)」に関しまして、貴重なご意見を賜り、重ねて御礼を申し上げます。
頂戴したご意見を参考に、サービスの改善に努めて参る所存です。
ミーティングの最後に、佐藤様に紹介いたしました「(別サービス)」についての資料を本メールに添付いたしました。
ミーティング中にお話しいただいたように「(別サービス)」であれば、佐藤様が貴社の課題として挙げられた点に貢献できるのではないかと思います。
添付いたしました資料を是非ご一読いただき「(別サービス)」についてのミーティングを再度、開催させていただけますと幸いです。
もしご興味がございましたら、お気軽にお声がけください。
本日は、貴重なお時間とご意見をありがとうございました。
(署名)
次回の商談を提案する際にこちら側で勝手に日時の指定をしてしまうと、相手の都合や意思を無視したイメージを持たれる可能性があります。
そのため、別サービスの提案や頂戴したご意見・ご質問へのアンサーをする場として、別の機会を頂戴できないか提案しましょう。
商談が断られてしまった場合
商談が断られてしまった場合も、時間を頂戴したことに関するお礼メールの送付は必要です。
件名
件名が入ります
本文
株式会社〇〇 営業部部長 佐藤様
お世話になっております。
本日、弊社サービス「(サービス名)」に関するミーティングを担当いたしました〇〇です。
お忙しい中とは存じますが、お時間を確保してくださり誠にありがとうございました。
「(サービス名)」で貴社のお役に立ちたいという気持ちで提案させていただきましたが、ご納得いただける内容が提示できずに大変申し訳ございませんでした。
佐藤様から頂戴したご意見を参考に、サービスの改善に努めさせていただきます。
また、新サービスやプランのリリース時にはご連絡を差し上げますので、ご一読くださいますと幸いです。
弊社サービス以外のことでも、業界に関する情報等でお役に立てればと思いますので、今後ともお気軽にご連絡下さい。
重ねてになりますが、本日は貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
(署名)
今回の商談が上手くまとまらなくても、役に立てるタイミングで連絡をもらう関係を作っておくことで、今後の展開を期待することができます。
サービスの契約が取れなかったからといって繋がりを切るのではなく、相手も自分も何かのタイミングで連絡が取りやすくなるような対応を心がけましょう。
商談後に送るお礼メール作成時のポイント・注意点
ここからは、解説した例文を踏まえてお礼メールを作成するときのポイントや注意点について解説します。
次につながる内容にする
先述の通り、商談で契約を取ることができなかったとしても、別サービスやホワイトペーパー・メルマガなどの紹介で、商談後のお礼メールが最後の接触にならないような工夫をしましょう。
商談する時間を設けてくださっている方は、自社のサービスに対して少なからず興味関心を持っています。
一度の商談で契約を取ることは難しいですが、適切なタイミングで繰り返し相手に接触することで、将来的に自社のサービスを利用してくださるかもしれません。
オンライン・オフラインを問わず、相手の表情が見える商談では営業担当者との信頼関係が結果に大きく影響するものです。
目先の結果にとらわれず、長期的なスパンで接触できる環境を整えましょう。
「取り急ぎ」を使わない
商談後のお礼メールに限らず、相手に感謝の気持ちや謝罪を伝えるメールでは「取り急ぎ」という言葉の使用を控えましょう。
「取り急ぎ」は「詳細はさておき、とりあえず」と言うニュアンスの言葉なので、上記のようなシーンで使うのはマナー違反です。
お礼メールは、冒頭部と文末でしっかりと相手に感謝の気持ちを伝えるのが基本的な構成です。
お礼メールの送付後のコンテンツを用意しておく
商談では、相手から手元にはない詳しいデータや実績について質問されることがあります。
例文でもご紹介しているように、相手から頂戴する質問に答えられるような資料を準備しておきましょう。
何度も商談を繰り返すうちに、商談先からよくされる質問や見込み客が抱える課題が把握できるようになります。
それらについて相手の納得がいく資料を提示することができれば、商談がスムーズに進み契約数のアップも期待できるかもしれません。
商談で使う以下のような資料は、ホワイトペーパーやメルマガの材料として使うこともできます。
- 導入実績
- 導入した企業が抱える課題
- 活用事例
- 業界のトレンド
- 他社製品との比較
これらの項目について詳しく解説している資料があれば、様々な集客施策に応用することができます。
誤送信に注意
お礼メールの送付前は、誤送信に注意しましょう。
誤送信には大きく分けて2つの種類があります。
- BCCに設定すべき宛先をCCやTOに設定してしまったもの
- 公開すべきではない資料を添付してしまったもの
誤送信をしてしまうと、商談先の企業から情報管理がずさんな会社といった印象を持たれる可能性があります。
そして、誤送信は珍しい話ではなく毎年多くの企業で発生しており、中には顧客の個人情報を流出させたとして損害賠償を請求されているケースもあります。
取引先や顧客へのメール送信に対してダブルチェックを行っている企業もありますが、あくまで人の手による作業なので根本的な解決にはなりません。
上記のような誤送信を根本から対策するためには「メール配信システム」と呼ばれる、誤送信対策機能がついたメールシステムの導入が有効です。
メール配信システムが提供する誤送信対策には以下のようなものがあります。
- 送信するメールの自動BCC設定
- 認証機能
「認証機能」とはメールの作成後、設定した方の認証がなければ送信をできなくするシステムです。
認証機能があることで、必ず上長のチェックを受けることができるようになります。
また、メール配信システムは一斉送信やメルマガの配信に便利な機能も多数提供しており、商談後のお礼メールだけでなく、幅広いメール業務で活用することができます。
以下の記事では、メール配信システムの詳細や各サービスの料金体系について、ランキング形式でまとめてあります。
関連記事:メール配信システム比較20選!機能・料金を徹底比較
メール業務のセキュリティアップ・効率化にお役立て下さい。
まとめ
商談後のお礼メールは感謝を伝えるだけの媒体ではなく、営業を戦略的に行う上で活用すべきコンテンツです。
商談では提示できなかった情報の送付や、配信しているホワイトペーパー・メルマガの紹介など、引き続き商談先に接触できる環境を作ることが目的でもあります。
また、機械的な文章ではなく商談の内容を踏まえた文章を意識した上で、商談先にとって利益になる情報を提示することができれば、相手との信頼関係も深まるかもしれません。
ただし、商談後のお礼メールを送付する場合は誤送信には十分な注意が必要です。
誤送信をしてしまうと相手に与える印象が悪くなるばかりか、社会的な責任問題にまで発展する可能性があります。
もし、自社で誤送信に対する対策をしていないのであれば「メール配信システム」の利用を検討してみてはいかがでしょう。
メール配信システムは、誤送信対策機能だけでなくメルマガの作成に便利な機能も提供しています。
メール業務のセキュリティだけでなく、集客的な観点でもメリットがあるシステムなので、メルマガやホワイトペーパーの配信を検討している方にもおすすめです。
メール配信システムの1つである「ブラストメール」では、誤送信対策機能を含む全ての機能を7日間無料で使用することができます。
メール送信業務がある営業担当者の方はぜひご検討ください。