Sansan株式会社が提供する「Eight」は、2300社に採用されている名刺管理アプリです。
複数アカウントで名刺を共有するだけでなく、アプリに取り込んだ名刺からメールアドレスを読み取りメールを送信する機能もあります。
他にも、フィード機能やアプリ内でのメッセージ機能などSNSのような名刺管理が可能で、広くビジネスに利用されているEightですが、メールの一斉送信はできるのでしょうか。
この記事では、Eightの機能・料金の詳細やEightを使った一斉送信の方法について解説をしています。
Eightの利用を検討している方はぜひご覧ください。
目次
Eightとは
Eightは、株式会社Sansanが提供する名刺管理アプリです。
スマホで名刺を撮影するだけで、名刺に記載されている氏名・会社名・役職・メールアドレスなどを自動で読み取りデータ化します。
データ化した名刺の管理が簡単にでき、電話やメールだけでなく、アプリ内でのメッセージ送信や他SNSとの連携も可能と、当アプリのキャッチコピーの通り「ビジネスのための、SNS」と言えるでしょう。
Eightの機能
Eightの主な機能は以下の通りです。
- 名刺読み取り
- デジタル名刺の管理
- デジタル名刺交換
- CSVダウンロード
- フィード機能
- メッセージ機能
名刺交換のデジタル化を手助けをしてくれるEightの機能について詳しく解説していきます。
名刺読み取り
Eightの主たる機能が「名刺の読み取り」と「デジタル化した名刺の管理」です。
読み取りは、1枚ずつではなく4枚ずつ行えるので多数の名刺がある場合でも問題ありません。
文字認識は素早いうえ精度も高く、読み取りの際にストレスを感じるようなことはありません。間違えている場合は手入力で情報の編集ができるので登録ミスはほとんど起きないでしょう。
登録できる個人情報は以下の通りです。
- 会社名
- 名前
- 部署
- 役職
- メールアドレス
- 会社電話番号
- 部門電話番号
- 直通電話番号
- FAX
- 携帯番号
- 郵便番号
- 住所
- URL
会社名、名前、メールアドレス、郵便番号、住所などはアプリが自動判別して勝手に登録してくれます。電話番号や部署、役職などは誤認識されることもあるので読み取りの際に注意しましょう。
デジタル名刺の管理
Eightを使えば、いつでもどこでも自分の持っている名刺を確認することができます。
特にデジタル化することの大きなメリットは、名前、会社名、電話番号などから名刺情報の検索ができる点です。更にEightには「タグ機能」があり、そちらを使った管理も行うことができます。
タグには「マイタグ」と「スキルタグ」の2種類あり、マイタグは自身で任意のタグをつけれる機能、スキルタグは名刺登録時に「Webデザイン」「営業」「エンジニア」などEightが自動で付けてくれるタグです。
※スキルタグはユーザー自身が任意で付与、または経歴・スキルにそぐわない場合は削除もできます。
スキルタグを付けておくことで、初めての相手でも得意分野や前提知識を推し測りながら会話ができたり「このプロジェクトにマッチしそうな人って誰かいたっけ…」といった際に、その人物を探す手間を省くことができます。
また、名刺だけでなく会社毎に管理をしたり、名刺ごとのメモ機能もあります。メモに書いた文言で検索をかけることもできるので、人脈管理のツールとしてはかなり使い勝手がいいと思います。
デジタル名刺交換
Eightでは紙の名刺が無くともデジタル名刺の交換を行うことができます。
デジタル名刺交換をするには以下のような方法があります。
- QRコード
- URL
- Eight上で相手を検索する
- 近くのユーザーとBluetoothを使って交換する
- メールを使って名刺情報を送る
リモートワークが増えてきた現代において、実際に対面しなくともデジタル名刺の交換ができるようになりました。
まだ紙の名刺が使われることが多いですが、印刷コストや管理の手間を考えるとデジタル名刺が主流になる日が近いかもしれません。
CSVダウンロード
保存されている名刺の情報はCSV形式で出力することができます。ただし、CSVダウンロードは有料版へアップグレードする必要があり、PC版Eightからしか行うことができません。
手順は自体は非常に簡単です。
- PC版Eightにログイン
- 右上の歯車マークをクリック
- 「名刺のダウンロード」をクリック
- 「ダウンロードファイルを作成」をクリックする
これだけでCSVファイルのダウンロードが可能です。CSVファイルにすることで、住所や電話番号など個別の情報をExcelなどで、別の形式でまとめることができるので、Eighにて収集した情報を他のツールに流用することができます。
フィード機能
「ビジネスでつながる、SNS」というキャッチコピーの通り、Eightでは名刺交換や管理に加え、他のSNSと同じように近況や最新情報を投稿することができます。
役職、連絡先、転職による名刺情報の更新や仕事の相談なども、他のツールを介さずにEightだけで完結してしまいます。会社をフォローすれば、名刺を持っていなくとも会社から発信される最新情報をチェックすることができます。
ビジネス上で名刺交換は当たり前に行われる行為ですが「名刺を持っているだけで相手との繋がりはほぼ無い」という相手も多いのではないでしょうか。
Eightのフィード機能はそうした関係性の相手にも気軽に情報発信をすることができ、思わぬ繋がりで仕事のチャンスを掴める可能性があります。
メッセージ送信
Eightでも各種SNSと同じような形で一対一のメッセージのやりとりを行うことができます。
名刺の交換ができている時点で電話番号やメールアドレスが分かるので必要ないのでは、と感じるかもしれませんが「電話やメールをするのは気が引けるがチャットなら…」と、チャットのハードルの低さが重宝しているという声も見受けられました。
また、Eightにはフィード機能があるので、投稿が気になった際には「名刺を交換していない人」にもメッセージを送れるので、更なるビジネスチャンスの拡大を目指すことができます。
ちなみに、Eightからメールアドレスを使って一斉送信をすることはできません。
登録されているメールアドレスを選択すると他メールソフトを開き、直接メールの作成に移ることはできますが、Eight内のリストから宛先を複数選択し、一斉送信メールを作成するというようなことはできないようになっています。
このようにメールアドレスを選択することで、直接メール作成画面に移ることができますが、Eight上から一斉送信メールを送ることはできません。メッセージ機能も同様で基本的に1対1のコミュニケーションしか取れません。
もし、Eight内に収集しているメールアドレスに対して一斉送信メールを送りたいのであれば、有料プランにアップグレードし先述したCSV形式でアドレスを出力、そのアドレスを使うという作業が必要になります。
Eightの料金
それでは次にEightの料金プランについて解説していきます。
Eightのアプリ自体は無料で使えますが、チームでの名刺共有を考えているのであれば「Eight Team」という有料プランに登録する必要があります。
Eight Teamは有料
個人利用であれば、無料でもEightの機能を十分に使うことができます。ただし、名刺の共有以外にも、有料プランと無料プランで使える機能が少し異なります。
有料版にアップグレードして得られる機能は以下の通りです。
- 名刺データのダウンロード
- データ化のスピードアップ(無料版の約三分の一)
- 自動データ化される項目増加
- 名刺情報の連絡先アプリへのエクスポート
- お礼メール機能
- 画像メモ機能
中でも便利だと感じるのは、名刺データのダウンロード機能と自動データ化される項目増加です。先述したように、登録したデータは有料プランでなければ、CSV形式などで抜き出すことはできません。
また、自動データ化される項目は無料版では4項目(会社名、名前、電話番号、メールアドレス)のみです。有料プランであれば倍以上の項目を自動検出し入力してくれるので非常に楽です。
有料プランは基本使用料が年額10,000円、アカウント料が月額400円となっています。
名刺のチーム共有を目的としている場合には、有料プランにせざるを得ないので、無料プランはあくまでもお試し、もしくは個人的利用の場合に限られるかと思います。
Eightでのメール一斉送信は難しい
以上、簡単にEightの機能や料金体系について解説してきました。
本記事の主題であるEightを使っての一斉送信ですが、ここまで読んでいただければ分かる通り「基本的には無理」です。
あくまでも名刺管理アプリ
Eightはあくまでも名刺管理のアプリです。そして特徴的なのは「SNSのような使い方」ができるように設計されていることです。
大量のメールの一斉送信はアプリのコンセプトとも違うため、そういった機能はなく、名刺管理という点に強みをおいています。
また、Eightにはメール機能があるわけではなく、キャリアメールやGmail、Outlookなどのメールソフトと連携することで、Eightに登録されてあるアドレス情報からメールを送ることができます。
CSVでアドレス情報を抜き出して、Outlookなどで一斉送信を行うことはできますが、実はその形は安全かつ確実な一斉送信を行う上であまり望ましくありません。結局はメーラーと連携する形になるので、一斉送信の上限や配信能力はメーラーに依存する形となります。
プロが教える!一斉メール配信にBCCをお勧めしない理由と、正しいBCCの使い方!
メールマーケティングへの応用
メールマーケティングへの応用をしたい場合、オプション機能として「HubSpot連携機能」があります。
HubSpotとは無料から使えるCRMツールで、マーケティングのために顧客管理や取引内容、商談ステータスの進捗などを蓄積、管理することができます。オプションを追加すれば、チームの共有名刺をHubSpotに同期できるので、そこからメールマーケティングに役立てるという使い方は可能です。
HubSpotを使えば、メールの開封率やクリック率のデータが見られることに加え、メールの一斉送信も可能です。
ただ、オプション機能は別途月額で5,000円かかります。
メール配信の専門家からすると、オプション機能として追加で5,000円のコストをかけるようであれば「メール配信システム」の利用をおすすめします。メールの一斉送信と効果分析であれば、もっと低コストのツールを使って運用することができます。
Eightとの連携はできませんが、CSV形式でデータを出力しておけば、メール配信システム上にその顧客データを丸写しすることができます。
おすすめのメール配信システムについてはこちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
【2021年最新】メール配信システム20選!機能・料金を徹底比較
まとめ
以上、Eightのl基本的な機能や料金プラン、Eightを使った一斉送信は可能なのかについて解説してきました。
Eightではメールの一斉送信を行うことはできません。(個別のメール送信は可能)
Eightのデータを使ってメールの一斉送信を行うには、有料プランにアップグレードし「CSV形式」でアドレスデータを抽出、メーラーで使用、という手順を踏む必要があります。
また、一斉送信を安全かつ確実に行いたいのであれば、追加オプション料を払ってHubSpotとの同期を行うことができますが、コスト面を考えると、月額4,000円程度から使える高性能はメール配信システムの利用をおすすめします。
ぜひEightを有効活用して人脈を広げていきましょう!
