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今さら聞けない「お願いいたします」に関するルールをきちんと理解していますか?

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2025.12.16 メール
執筆者:森神佑希

ビジネスメールや日常のやり取りで、最も頻繁に使うフレーズの一つが「お願いいたします」です。しかし、いざ上司や重要な取引先に送る際、ふと「これで失礼ではないか?」「お願い申し上げますの方が適切だろうか?」と迷ったことはありませんか?

実は「お願いいたします」は正しい敬語でありながら、状況によってはより丁寧な表現が必要になるケースもあります。また、一見丁寧に見えても実は「二重敬語」になってしまっているという落とし穴も少なくありません。

この記事では、ビジネスの基本である「お願いいたします」の正しい意味と、「お願い申し上げます」との明確な使い分け基準を、すぐに使える例文とともに分かりやすく解説します。この記事を読めば、もうメールの締めで迷うことはありません。自信を持って相手に言葉を届け、円滑なコミュニケーションを築けるようになりましょう。

関連記事:ビジネスメール例文集

「お願いいたします」の正しい用法は?

「お願いいたします」をビジネスシーンで使用するのは問題ありません。

また、「致します」は漢字ではなく平仮名表記が正しいとされています。そのため、メールなどで使用する際には「お願いいたします」とするのが正しい用法です。

補助動詞のルール

「いたします」が平仮名表記になる理由は、日本語の「補助動詞のルール」にあります。

補助動詞とは「動詞の後に来る動詞」のことです。例えば「買ってあげる」「置いておく」「教えてもらう」など「あげる」「おく」「もらう」が補助動詞となりますが、「補助動詞は平仮名表記にする」という決まりがあります。

「お願いいたします」を分解すると、「願う(動詞)」に「する」の謙譲語である「いたす(補助動詞)」に「ます」という丁寧語がついた形になっています。

  • お=謙譲語の接頭語
  • 願う=動詞
  • いたす=補助動詞
  • ます=丁寧語

この補助動詞のルールから「お願いいたします」という表記が正しいと言えます。

ビジネスシーンではどちらでも構わない?

とはいえ、ビジネスシーンでは「お願い致します」という表記も散見します。

必ずしも「致します」が間違っているというわけではなく、漢字の方が「堅いイメージ」になるという理由から「お願い致します」と書くように、と社内ルールとして決められているところもあるようです。

そもそも言語は、文法的に間違っていても一般的に浸透していればそれが正しい言葉として定着し変化していくものです。

文法的には「お願いいたします」が正解ですが、環境や相手に合わせた使い分けが大切です。

お願いいたしますの上手な言い換え表現

次に「お願いいたします」の上手な言い換え表現をいくつかご紹介します。

お願いします

「します」は敬語ですが、自分が遜っていないため「丁寧語」に分類されます。

口語や、同僚や部下へのメールで使う分には問題ありませんが、取引先や上司に対しては少し丁寧さが欠ける印象になるので控えた方が良いでしょう。

お願い申し上げます

「お願いします」「お願いいたします」よりもより謙虚さを感じる表現です。

「お願い申し上げます」は厳密には二重敬語となりますが、ビジネスシーンでも慣習的に使われているので問題ありません。

お願いできますでしょうか

「期日までに回答をお願いできますでしょうか」といった表現で使われますが、こちらも厳密には二重敬語です。

「お願い申し上げます」よりも、少々回りくどい印象になるので「お願いできますか」という使い方の方が正しいと言えるでしょう。

ただし「お願いできますか」は目上の人に使うと、失礼に感じる場合もありますので、使用する場面に注意しましょう。

お願いしたく存じます

こちらも二重敬語ですが、ビジネスメールや手紙にてよく使われる表現です。

「お願いしたく存じます」は「お願いしたく思っております」という意味になり「大変恐縮ではありますが、ご協力のほどお願いしたく存じます」というような形で使われます。

先ほどのまでの表現よりも少々遜った印象になり、依頼しづらい事項や相手に対して使われています。

ご査収ください

ご査収くださいとは「よく調べて受け取ってください」という意味合いを持ちます。

メールに添付資料がある場合などに「添付資料ご査収ください」「見積書になります、ご査収のほどよろしくお願いします」といった形で使用されます。

「お願いいたします」よりは使える場面が限定的になりますが、丁寧な言い回しになるので覚えておきましょう。

〜していただければ幸いです

「ご協力していただければ幸いです」といったように依頼を柔らかな表現にできる言い回しです。

印象が柔らかくなる便利な表現ですが、お願いや依頼が曖昧になるので、確実に何かを依頼したい場合や期日が迫ったお願いをする場合には使わないようにしましょう。

相手に委ねている分、強制力は弱くなります。

お願いいたしますを正しく使いこなそう

以上、お願いいたしますの正しい使い方と上手な言い換え表現を紹介しました。

最後にお願いいたしますに付随してくる「よろしく」の日本語的なルールと、便利なクッション言葉について解説します。

「よろしく」「宜しく」どちらが正しい?

「お願いいたします」の前には「よろしく」を付けることがほとんどです。

この「よろしく」も漢字と平仮名を見かけますが「平仮名が正解」とされています。

というのも「宜しく(よろしく)」は常用漢字表の読み方には含まれていません。漢字とひらがなの使い分け方を定めた「公用文における漢字使用等について」においても、「よろしく」が正しい表記であるとされています。

慣習的に「宜しく」が使われている場面も見かけますが基本的には平仮名表記にするようにしましょう。

クッション言葉を上手く使う

「よろしくお願いいたします」を使う時は依頼、お願いをする場面がほとんどです。

重要な取引先や上司など「立場的にお願いしにくい」という場合には「クッション言葉」を効果的に使いましょう。

クッション言葉にはこのようなものがあります。

  • お手数ですが…
  • 恐縮ですが…
  • 誠に申し訳ありませんが…
  • 僭越ですが…
  • 何卒…

「お手数ですが、ご確認よろしくお願いいたします」というように、クッション言葉を付け加えるだけで、丁寧で謙虚な印象になります。

対面でのコミュニケーションと比較すると、文面でのやり取りの場合、言葉のニュアンスに齟齬が起きやすい傾向にあります。こうしたクッション言葉を上手く使って、相手に失礼のないメールを作成するようにしましょう。

「お願いいたします」の二重敬語に注意!やりがちなNG例と改善案

ビジネスメールでは相手に敬意を払おうとするあまり過剰な敬語を使ってしまうことがあります。

特に「お願いいたします」に関連するフレーズは知らず知らずのうちに二重敬語や不自然な表現になりがちです。ここではよくあるNG例とそれをスマートに修正した改善案を紹介します。正しい言葉遣いは相手に安心感を与え信頼関係の構築に役立ちます。

よくある間違い「お願いいたしたく存じます」はどう直すべき?

非常に丁寧な表現に見える「お願いいたしたく存じます」ですが、実は回りくどく過剰な印象を与える表現です。「お願いする」という謙譲語にさらに「思う」の謙譲語である「存じる」を重ねているため、受け手によっては違和感を覚えることがあります。シンプルかつ敬意が伝わる表現への言い換えを意識しましょう。

  • NG:ご確認をお願いいたしたく存じます
  • OK:ご確認をお願いいたします
  • OK:ご確認いただきたく存じます
  • OK:ご確認のほどお願い申し上げます

このように「お願いいたします」と言い切るか、「いただきたく存じます」と表現するほうがすっきりとして意図が伝わりやすくなります。

「させていただきます」との併用は不自然?適切な組み合わせ

「させていただきます」は許可を得て行動し恩恵を受ける場合に使いますが、乱用すると文章がくどくなります。「ご連絡させていただきますのでお願いいたします」のような文は間違いではありませんが、リズムが悪く幼稚な印象を与えかねません。

この場合は「ご連絡いたします」とシンプルに伝えるほうがプロフェッショナルな印象になります。「いたします」と「させていただきます」を適切に使い分け、読み手がストレスを感じない簡潔な文面を心がけましょう。

丁寧すぎて逆に失礼?「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」を避けるコツ

敬語は丁寧であればあるほど良いというわけではありません。過剰すぎる敬語は「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」となり、かえって相手を遠ざけたり嫌味に聞こえたりするリスクがあります。例えば何度も「お願い申し上げます」を連発したり、過度にへりくだった表現を使ったりすると、よそよそしい印象を与えてしまいます。

大切なのは相手との距離感を見極めることです。親しい間柄であれば適度に敬語を崩すことも円滑なコミュニケーションには必要であり、形式にとらわれすぎない自然な気遣いこそが相手の心に響きます。

FAQ

Q:「ご教示」と「ご教授」の決定的な違いは何ですか?
A:「ご教示」と「ご教授」の最大の違いは、教えてもらう内容と期間にあります。「ご教示」はスケジュールや手順など一時的な情報を指すのに対し、「ご教授」は学問や芸術など、専門的な知識・技術を長期間にわたって教えてもらう場合に使います。
Q:一般的なビジネスメールでは、どちらを使うべきですか?
A:日常的な業務連絡や質問であれば、基本的には「ご教示」を使います。相手にスケジュールや方法などを聞くケースがほとんどであるため、ビジネスシーンにおいては「ご教示」を使用するのが適切です。
Q:「ご教示」や「ご教授」は、口頭(会話)で使っても問題ありませんか?
A:これらは主に「書き言葉」として使われる表現です。会話で使うと堅苦しく不自然な印象を与えてしまうため、口頭では「教えていただけますか」や「お聞かせください」といった表現を使うのが自然です。
Q:目上の人に対してより丁寧に「ご教示」を使うにはどう表現すればよいですか?
A:単に「ご教示ください」とするよりも、クッション言葉や依頼の表現を組み合わせるとより丁寧になります。例えば、「ご教示いただけますと幸いです」や「ご教示賜りますようお願い申し上げます」といった言い回しが推奨されます。
Q:「ご教授ください」をビジネスで使うのは間違いですか?
A:間違いではありませんが、使う場面は限られます。研究職や専門職の方に専門知識を請う場合などは適切ですが、一般的な業務連絡で使うと大げさな印象を与えるため、文脈に合わせて慎重に使い分ける必要があります。

まとめ

お願いいたします、の「いたします」は漢字ではなく平仮名で書くのが文法的には正解です。また、漢字の方が堅いイメージになるという理由から、社内ルールや慣習で「致します」を使用している場面も見かけます。

そのような場合はそちらのルールに則り、ケースバイケースで使い分けるべきです。また、お願いいたしますと同じようなニュアンスの言い換え表現もたくさんあります。

メールの文面が「お願いいたします」ばかりでは単調な文章になり「ボキャブラリーのない人だな」というイメージを持たれかねません。状況に応じて正しい表現で「お願いいたします」を使えるようにしていきましょう。

森神佑希

この記事の執筆者
株式会社ラクスライトクラウド Webマーケティングリーダー
森神佑希

顧客導入社数シェアNo.1のメール配信システム「blastmail」のWebマーケティング担当。2年以上メルマガ配信の実務を行っており、先頭に立ってPDCAを回してきた。メルマガのノウハウは日本最高クラスと言っても過言ではない。

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