2020年〜2021年はコロナの影響により、仕事の方法やワークスタイルが大きく変革した年になりました。
展示会においてもオンライン化の流れがあり、最近では「オンライン展示会」の開催が広く行われています。
今回の記事では「オンライン展示会」について概要と、開催方法、実際の集客方法などを解説していきます。オンライン展示会は今後、コロナが収束しても従来の展示会と併用されるのではないかと言われているサービスです。
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目次
オンライン展示会とは
オンライン展示会はその名の通り「自社製品の展示、発表を全てオンラインで
完結する展示会」です。
展示会をオンラインでできるのかと感じる方も多いかもしれませんが、実際に大規模のオンライン展示会が開催されています。
【製造業】TECHNO FRONTIER バーチャル展示会2020
約113社の製造業に関する企業が集まり、2020年9月28日〜10月2日に開催。
「モーター技術」「部品設計、加工技術」「ものづくりIoT」などのジャンルの企業が多く出展。来場者数約16,000人、その結果を受け、2021年2月に再度開催された。
【食品】「日本の食品」輸出 EXPO
「日本の食品輸出EXPO」では、2020年10月14日〜16日にかけて海外向けの商品を扱う企業が集まりオンラインで展示会が開催された。
これら以外にも「東京ゲームショウ」や「東京オートサロン」などもオンラインで開催されています。先ほど例に出した「TECHNO FRONTIER バーチャル展示会」は、2021年6月にも開催予定ですが、オンラインとオフラインを併用した形式を取るようです。
今後はこのような形で、オンライン展示会がスタンダードになっていく可能性もあります。従来の展示会の形とは大きく異なるので今後のためにもオンラインの形式に慣れておくと良いかもしれません。
オンライン展示会が使われる業種
オンライン展示会は以下のような業種においてよく行われています。
- 製造業
- アパレル
- 食品
- 家具
- 自動車
オンライン展示会のメリットは後述しますが、家具や自動車などは搬入コストがなくなるので準備も簡略化できます。
オンライン展示会の開催方法
オンライン展示会を開催するために、「自社でサイトを作る」か「オンライン展示会用のプラットフォームを利用する」という2つの方法がとられています。
自社でサイトを用意する
「自社サイトを作る」方法だと、全て自分の思い通りに展示会を行うことができますが、その準備には膨大なコストがかかるでしょう。集客コンテンツ、参加者の管理、特設サイト、システムなど全て自社で用意しなければなりません。
ドイツの機械部品メーカー「igus(イグス)」では、本社敷地内に展示会場を設営し、同社のWebサイトでオンライン展示会を実施しました。会場の様子を360°カメラで撮影することで「ストリートビュー」のような形で、実際に展示会場を散策するような形で見ることができたそうです。
さすがにここまでの規模となると、難しいかもしれませんがユーザビリティが高く、参加者
も満足するオンライン展示会となったのではないでしょうか。
自社製品のみの展示会なので同業他社との争いも生まれません。
オンライン展示会用プラットフォームを利用する
オンライン展示会用のプラットフォームもあります。
「WEB EXPO Master」や「EventHub(イベントハブ)」といったサービスは利用者も多く、チャットでの商談や参加者の動向データ、オフラインとの複合開催に便利な機能が揃っています。
WEB EXPO Masterの場合、最安で月額10,000円からオンライン展示会を開催することができます。こうしたフォーマットは、自社だけの展示会、他社との合同展示会のどちらでも使えるようになっています。そこまでコストをかけられないという場合は、他に主催者がいるイベントに参加、という形でも良いでしょう。
一からシステムを準備する必要がないので非常に便利です。
オンライン展示会のメリット
オンライン展示会は今後、スタンダードになっていく可能性があります。
というのもオンライン展示会には以下のようなメリットがあるからです。
地理的な制約が生じない
オンライン展示会は「地理的な制限」を一切受けません。地方からも参加者を募ることができるので結果として、交渉先の企業も増えるでしょう。
参加者の移動時間や旅費も軽減できることに加え、自分の興味のある部分だけ短時間で見ることができるので効率が良く、展示会参加へのハードルも下がります。
コスト削減できる
参加者のコストだけでなく、主催者側のコストも削減することができます。
会場レンタル、パンフレットの印刷代、ブースの設置、商品の輸送、社員の移動交通費、など展示会を行うとなるとかなりの費用がかかります。
しかし、オンライン展示会となるとそれらのコストを大きく削減することができます。
データの取得が容易になる
データを取得できるのはオンラインの大きなメリットです。オフラインでは数値化が難しいデータもオンライン開催であれば容易に収集できます。
- アンケート
- コンテンツ利用状況
- 商品の閲覧数、離脱率、離脱タイミング
- 来客者情報(連絡先、属性)
- 名刺(電子データ)
特に、コンテンツ利用状況はオフラインでは中々集めにくいデータです。参加者はどの商品に一番反応が良かったのか、どのようなタイミングでブースから去ったのか、興味を失ったのかなど、今後のための改善材料を集めることができます。
アンケートも、Webで行うことで回答者の負担を減らすことができることに加え、オンラインで行うことで紙に比べてデータ収集が楽になります。
以上がオンライン展示会のメリットです。オンライン展示会はメリットも多いですが、従来の形式と比較すると「実際に質感や味を試したい場合に向いていない」「集客方法が難しい」と言ったデメリットもあります。
そうした問題もあるのでオンラインでは不十分な部分をオフラインで補い、併用していく形が今後は取られていくでしょう。
オンライン展示会の集客方法
展示会への集客と言っても「オンライン展示会への参加者を集める」と「オンライン展示会中に人を集める」の二段階あります。
従来の展示会の形式であれば、参加者に直接声をかけたり、ノベルティを配るなどして集客を行うことができます。しかしオンライン展示会となると、そうしたプッシュ型の営業は難しくなります。
チャットや対面でのWebミーティングに持ち込むには両者の同意がなければ成立しません。
つまり「オンライン展示会への参加者を集める」段階で、ある程度自社への関心を高めておかなければなりません。
オンラインセミナーを開催する
オンラインセミナーもコロナ禍で広く浸透しました。同じオンラインでのイベントで、オンライン展示会との相性も良いです。
先ほども説明した通り、オンラインではその場での集客が難しくなるので事前準備が重要です。オンラインセミナー(説明会)を開催し、顧客や取引先の持つ悩みを解消、実際の製品説明はオンライン展示会でという流れを作ることで、展示会で集客に困ることは少なくなるでしょう。
オンラインセミナーの最後に、展示会の周知を行い、開催日や参加方法を直接説明することで参加のハードルを下げることもできます。
オンラインセミナーの集客成功のポイントは以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
展示会の開催、または出展が決まったら、それまでの準備としてオンラインセミナーを開いてみましょう。
SNSやWeb広告を利用する
オンライン展示会の「地理的制限に囚われず、幅広い集客ができる」というメリットを活かすには、SNSやWeb広告の利用も有力です。
従来の展示会の場合は、地理的制限があるため地域を絞った広告が必要でしたが、オンラインの場合はそれも不要になります。
SNSの場合、直接オンライン展示会への呼び込みを行うよりは自社製品を知ってもらったり、潜在的な見込み顧客を増やすことを目的として運用した方が効果的かもしれません。
メルマガ配信を行う
結局のところ既存顧客や見込み客にアプローチするのが一番効果的です。メルマガ配信であれば、そうしたターゲットに対してのアプローチをほとんどコストをかけずにできます。
展示会はそもそも、ターゲットとなる顧客・企業にに対して製品アピールをする場所です。
自社の顧客リストや休眠顧客に対して、メルマガ配信を行うなどして興味を引きつけ、オンライン展示会まで誘導することで新しい取引のきっかけが生まれるかもしれません。
取引先も、
「実際に展示会まで足を運んでまで説明を聞くのは面倒だけど、オンラインなら手軽だし参加してみようか」
「他の出展者の製品も見れるし参加してみるか」
といったように、オンラインであることで参加へのハードルが低くなるので、既存顧客や見込み客へのアプローチもしやすくなります。
展示会後のお礼のメールも実際の取引に繋げるきっかけになるので重要です。
オフラインでの展示会後を想定したお礼メールの例文ですが、オンライン展示会後でも使える内容になっているので是非参考にしてみてください。
まとめ
以上、オンライン展示会の概要や開催方法、それに伴う集客方法について解説してきました。
オンライン展示会は、コロナ禍でも製品の発表や新規顧客獲得のために普及してきています。開催のためには、自社でサイトを作成するかオンライン展示会用のプラットフォームを利用する必要があります。
自社サイトの場合は、かなりのコストがかかりますが、既存のプラットフォームを利用する場合は、オフラインで開催するよりもかなりコストを抑えて展示会を行うことができるでしょう。
ただし、オンライン展示会となると従来のような集客方法では人が集まらない可能性があるので、従来よりも入念な準備が必要です。
今後は、オフラインとオンラインを併用した展示会が当たり前になるかもしれません。最初は大変ですが、是非新しい展示会の形を模索してみてくださいね。