リダイレクトはユーザーを別のページへ自動的に転送させる仕組みで、サイトの移転やエージェント振り分けなどでよく見られます。
ただし、実はリダイレクトと一口にいっても種類や実装方法がいくつかあり、特徴もそれぞれ異なるのです。
特徴をよく知らないままリダイレクトを実装してしまうと、検索エンジンの評価が落ちてしまったり、ユーザーが目的のページにたどり着けなかったりといった問題が起こりえます。
そういった問題を起こさないよう、本記事でリダイレクトについて理解を深め、正しく扱えるようになりましょう。
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目次
リダイレクトとは?
リダイレクト(redirect)とは、あるページへアクセスがあったとき、自動的に別のページへユーザーを転送する仕組みのことです。
リダイレクトは主にSEOとユーザビリティにおける不便を解消できる仕組みです。具体的には検索エンジンの評価を引き継ぎつつサイトを移転できたり、ユーザーエージェント振り分けによるサイトのスマホ対応ができたり、といったことが挙げられます。
また、リダイレクトには「301リダイレクト」と「302リダイレクト」など、いくつか種類があります。種類によってどんな場面で使うべきかは異なるため、ぜひ両者の使い分けについて把握しておきましょう。
リダイレクトは危険? 警告があったら開かない方が良い?
ネットサーフィンや仕事中に突然「リダイレクトの警告」という表示がされてびっくりしたので本記事にたどり着いた、という人のために解説します。
結論からいうと、リダイレクトはフィッシング詐欺に利用されることもありますが、リダイレクト先のページ全てが危険とはいえません。安全なページも存在します。
安全なページであるにもかかわらず、リダイレクトの警告が表示されてしまうときは、たいていブラウザに保存されているCookieが原因です。
実際にCookieが原因である場合は、以下の対処法を試すことで警告なしにページへアクセスできます。
- シークレットブラウジングでページへアクセスしてみる
- Cookieを削除する
- ブラウザやPC・スマホを再起動する
もし、これらを試してみても警告が表示される場合、そのページへのアクセスには避けておいたほうが無難です。
URLが明らかに見知ったものだったとしても、そのサイトがクラッキングを受けていたり、ウイルスに感染していたりする可能性がありえるためです。
リダイレクトの種類
リダイレクトの種類として挙げられるのは、主に301リダイレクトと302リダイレクトの2つです。それぞれについて詳しく解説していきます。
301リダイレクト
301リダイレクトとは「恒久的なリダイレクト」のことです。たとえばサイトの移転やリニューアルなどでURLが恒久的に変わる場合は、基本的に301リダイレクトを使用して旧サイトから新サイトへユーザーを転送します。
ブログサービスからWordPressサイトへの移転や、ドメイン変更を伴う大規模リニューアルなどで旧サイトから新サイトへユーザーを転送させる必要があるときは301リダイレクトを使う。
「http」へのアクセスをすべて「https」へ転送させたいときは301リダイレクトを使う。
「www」や「html」の有無を統一し、SEO対策を図りたいときは301リダイレクトを使う。
なお、301リダイレクトと、後述の302リダイレクトはHTTPリダイレクト(サイトがあるサーバー側で処理されるリダイレクト)の一種となります。
HTTPリダイレクトはGoogleが推奨するリダイレクト方法なため、特別な事情がない場合は301リダイレクトか302リダイレクトを使うようにしましょう。
302リダイレクト
302リダイレクトとは「一時的なリダイレクト」のことです。数日から1週間ほど、なんらかの理由でサイトのURLを一時的に変更するときに使います。
また、一定の条件に応じてユーザーを適切なURLへ転送させたいときにも302リダイレクトが使用されます。
たとえばサイトメンテナンス中はお知らせページへ転送したい、キャンペーン中はサイトトップをランディングページにしたい、といったときは302リダイレクトを使用する。
レスポンシブデザインではなく、PCとスマホでそれぞれ別のページを用意するユーザーエージェント振り分けで対応する場合、302リダイレクトを使用する。
サイトの対応言語が複数あるためユーザーのIP(国)によって表示言語を変更したい、といったときは302リダイレクトを使用する。
なお、302リダイレクトを使っても検索エンジンからの評価は引き継がれます。ただし、恒久的なURL変更で302リダイレクトを使ってしまうと、クローラーが「サイトが完全に移転した」と判断するまでの期間が長くなると言われています。
301リダイレクトと302リダイレクトは、本来の意味に沿ってしっかり使い分けるようにしましょう。
リダイレクトの実装方法
リダイレクトの実装方法は下記の4つがあります。
- .htaccess(ドットエイチティーアクセス)
- PHP
- WordPressプラグイン
- JavaScriptやmeta refresh
実装方法によってはリダイレクトが実行できない場合があったり、検索エンジンの評価が悪くなったりすることがあります。各実装方法の特徴を把握して、目的に合わせて適切な実装方法を選ぶようにしましょう。
それでは、各実装方法について詳しく解説していきます。
.htaccess(ドットエイチティーアクセス)
「.htaccess」はサーバーの設定ファイルのことで、最も一般的なHTTPリダイレクトの実装方法です。PHPやJavaScriptを使うリダイレクトではページごとにリダイレクトの設定が必要ですが、.htaccessなら一括で行えます。
ただし .htaccessによるリダイレクトを実装するには、サーバーにApache(アパッチ。Webサーバーソフトウェアのこと)が使われている必要があります。
Apache以外のWebサーバーでHTTPリダイレクトを実現したい場合は、PHPで実装するか、下記のように対応するとよいでしょう。
- Nginx(エンジンエックス)…… .confファイル(設定ファイル)を編集する
- IIS(アイアイエス)……サーバーマネージャーの「役割と機能の追加」で「HTTPリダイレクト」にチェックを入れる
PHP
プログラミング言語の一つであるPHPも、.htaccess同様HTTPリダイレクトを実装する手段のひとつです。
PHPでの実装なら、ログインしていないユーザーをログイン画面に転送する、IP(国)による言語の表示分けをするなど、.htaccessでは難しい条件分岐が必要な場面も柔軟に対応できます。
WordPressプラグイン
WordPressサイトであれば、WordPress公式が配布しているプラグイン「Redirection」を導入することでもHTTPリダイレクトを実装できます。プラグインを使ったリダイレクトのメリットは、.htaccessやPHPを触らず、手軽に実装できる点です。
.htaccessやPHPと言われて「なんだか難しそうだ」と思った人は、プラグインでのリダイレクト実装を検討してみるとよいでしょう。
JavaScriptやmeta refresh
なんらかの事情によりHTTPリダイレクトが実装できない場合は、JavaScriptやHTMLのmeta要素(meta refresh)によってリダイレクトを実装します。
ただし、JavaScriptやmeta refreshでのリダイレクトの場合、ユーザー側でスクリプトが無効にされているとリダイレクトが実行されなかったり、URL移転がクローラーに伝わらないといったデメリットがあります。
SEO的にあまり好ましい方法とは言えないため、特別な理由がない限りはHTTPリダイレクトが実行できる.htaccessやPHPで実装するようにしましょう。
リダイレクト実装時の注意点
リダイレクトを実装するときに注意しておきたいのは、以下の3点です。
- サイト移転時のリダイレクト解除
- リダイレクトループ
- リダイレクト先のリンク設置
各注意点について詳しく見ていきましょう。
サイト移転時のリダイレクト解除
移転やリニューアルでURLが恒久的に変わる場合は、半年~1年ほどはリダイレクトを解除しないでおきましょう。
クローラーがサイトの移転を認識するまで期間が必要なためなのはもちろん、他サイトからの外部リンクで旧サイトが表示されてしまうことを抑えるという意味もあります。
リダイレクトループ
「ページA→ページB→ページC→ページA→ページB…」のように、リダイレクトが無限に行われてしまうことを「リダイレクトループ」と呼びます。リダイレクトループがあるとユーザーが目的のページにたどり着けないため、リダイレクト実装時は十分注意しましょう。
たとえばWordPressプラグインの「Redirection」には、URL変更があったページを自動で指定のグループへリダイレクトする機能がありますが、これの設定ミスが原因でリダイレクトループになることがあります。
なお、リダイレクトループの原因特定にはRedirect Checkerという、リダイレクトのログがチェックできる無料ツールがおすすめです。
リダイレクト先のリンク設置
JavaScriptやmeta refreshでリダイレクトを実装する場合、ユーザーの環境によってはリダイレクトが行われない場合があります。
そのようなケースにも対応するには「遷移しない場合はこちらをクリックしてください」といったような文言・リンクを設置しましょう。そうすることで、リダイレクトが実行されなかった場合でも、目的のページにユーザーを誘導できます。
リダイレクトとは? まとめ
リダイレクトはURL変更を伴うサイトリニューアルで検索エンジンの評価を保ちたいときや、ユーザーの状態に合わせて表示するページを変えたいときなどに有効です。
リダイレクトは主に301リダイレクト(恒久的なリダイレクト)と302リダイレクト(一時的なリダイレクト)の2種類があります。
どちらを使っても新URLに旧URLの検索エンジンの評価を引き継げますが、本来の用法に従って使い分けるようにすることをおすすめします。
また、HTTPリダイレクトは、.htaccess、PHP、WordPressプラグインなどで実装可能です。JavaScriptやmeta refreshでのリダイレクトはデメリットが多いため、特別な事情がない限りは使わないようにしてください。