ナーチャリングとは一言で言えば「見込み客(リード)を育成する」ことを指します。
企業が企業に商品・サービスを販売する「BtoB」の分野では、企業がお客様に直接販売する「BtoC」と比べて購入までの時間が長期化する傾向があります。
そこで、見込み客に寄り添って中・長期的に情報提供を続ける、ナーチャリングが注目されるようになりました。
この記事では、ナーチャリングの概要と実践方法などをご紹介しています。
ナーチャリングの手法を理解し、将来的な顧客を確保しましょう。
目次
ナーチャリングとは
ナーチャリングとは先述の通り、見込み客を育成する動きのことです。
「見込み客」とは、自社のサービスの存在を知ってはいるものの、利用したことがないお客様のことです。
見込み客にナーチャリングを続ける事によって、お客様の元に自社のサービス・商品に関する情報が継続的に届けることができます。
ウェブが発達した近年は、サービスの利用を検討している人や企業が様々なサービスにアクセスすることが容易になったため、業界によってはサービス選定に時間をかける傾向が見られるようになりました。
特にBtoBで製品の検討から購買までの時間が長いため、中・長期的にお客様に接触を続けるナーチャリングが注目されています。
ナーチャリングが注目されている理由は
ナーチャリングが注目されている理由は先述したウェブの発達によって、購買プロセスが長期化しているというだけではありません。
ここからは、ナーチャリングが注目されている背景を詳しくご紹介します。
見込み客のデータを活用できる
自社のサービスを知らない「潜在顧客」にサービスを認知させ、見込み客にランクアップさせるために様々な手法で集客をします。
展示会などで名刺を交換する事で、その相手は見込み客として考えることができるようになります。
企業によっては、名刺を数百〜数千は所持しているので、それだけの見込み客を確保している事になります。
そのため、名刺に記載されている、「電話番号やメールアドレス」は見込み客とコンタクトできる重要なデータです。
それらのデータを活用する方法として、ナーチャリングが注目されるようになりました。
信頼関係を構築できる
長い期間、見込み客に接触することで、最終的に商品を購入していただくナーチャリングは心理学的にも注目されています。
ナーチャリングに期待されているのは、1968年に心理学者のロバート・ザイオンスが発表した「ザイオンス効果」と呼ばれているものです。
ザイオンス効果とは、相手に何度も繰り返し接触する事によって、だんだん評価が高まっていく、という心理学効果で、後述するメールマガジンを使ったナーチャリングは、その代表です。
ナーチャリングの実践方法
ここからは、実際にナーチャリングを実践する手順をご紹介します。
後半では、ナーチャリングを実践するコンテンツもご紹介していますので、是非ご覧ください。
見込み客を集める
ナーチャリングは見込み客に対して行うマーケティングです。
そのためずは、見込み客を多く確保する必要があります。見込み客の条件は以下の2つです。
- 自社のサービスや商品に関心がある(認知している)
- 自社のサービスや商品を購入する可能性がある
先述した通り、展示会やセミナーで名刺を交換した場合は、自社のサービスについて認知させるステップは完了しています。
その中でもさらに、ウェブサイトで配布している資料などをダウンロードしている場合は、自社のサービスを購入する可能性が高いので、積極的にナーチャリングを行いましょう。
また、ダウンロードをしていないお客様についても、ナーチャリングを続ける事で、商品の購入に踏み切る可能性があります。
ナーチャリングする対象を決める
ナーチャリングに限らず、広告や集客はターゲットがはっきりしていた方が効果を発揮します。
BtoBのサービスでナーチャリングを行う場合は、ある程度の条件を設けて絞り込みましょう。
絞り込みの例は以下の通りです。
- 過去の失注顧客リスト
- 展示会で名刺交換したリスト
- 資料ダウンロードユーザーリスト
ターゲットをできるだけ細かく設定することで、顧客のニーズにあったナーチャリングのコンテンツを作成することができるようになります。
ナーチャリングするツールの導入
見込み客に対して定期的に接触するツールを導入します。
ナーチャリングをする方法はいくつかありますが、今回はナーチャリングの代表的な手法である「メルマガ配信」を例にツールをご紹介します。
ナーチャリングをする代表的な方法は以下の
メルマガに関する詳しい情報は以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。
メルマガの作り方を徹底解説!誰でも1時間で配信できる基本ステップ
メルマガとは、配信を希望しているお客様へ、自社の提供しているサービスに関する情報をメールで定期的に配信するマーケティング手法です。
無料のメールソフトやウェブメールでは、セキュリティや配信効率の観点から、充分な効果を得られないことが多いので、多くの企業では「メール配信サービス」を利用してナーチャリングを行います。
メール配信サービスを利用することで、配信をするターゲットの性別や年齢などを細かに設定し、そのターゲットにあったコンテンツでナーチャリングを行うことができるようになります。
コンテンツを作成する
ナーチャリングをするターゲットと、ツールが決まったらコンテンツを作成します。
メルマガであれば、ナーチャリングをする相手の業界や業種、会社の規模などを細かく想定し、グループ分けするとコンテンツも作りやすいでしょう。
例えば、自社のサービスを音楽業界に売り込もうとした場合、以下のような条件でグループ分けをすることができます。
- 音楽業界の中でもどのような業種か
- 他に似たようなサービスを使っているか
- どのくらい資金がある会社か
このようにグループ分けの条件を設定し、配信相手に合ったメルマガを配信することで、ナーチャリングの効果を高めることができます。
効果測定を行う
ナーチャリングに限らず、何らかのツールを使って集客を行っている場合は、その方法によって相手からどのような反応を得ることができたかを集計し改善していく必要があります。
先述したメール配信サービスの中には、配信したメルマガの「到達率」や「開封率」、「クリック率」などを測定する機能を提供しているものもあります。
この工程を怠ってしまうと、顧客が増えない原因が、ナーチャリングのターゲット設定にあるのか、コンテンツ自体にあるのかの区別もつきません。
ナーチャリングを行う場合は、コンテンツの継続と合わせて効果測定を行うようにしましょう。
メール配信サービスの1つである「ブラストメール」では、効果測定機能だけでなく、配信するコンテンツの条件を絞り込むターゲット配信も行うことができます。
7日間の無料お試しを実施しているので、ナーチャリングの基礎である効果測定を体感してみてください。
無料お試しはこちらから。
まとめ
ウェブが充実した事によって、たくさんの情報に容易に触れることができるようになりました。
その結果、サービスを利用するまでのリードタイムが長くなっている傾向があります。
そのためBtoBの業界では、見込み客がサービスの利用を検討している間にも接触を継続する「ナーチャリング」が注目されています。
しかし、せっかくのナーチャリングも、戦略を練らずに行ってしまうと、効果が上がらず、いつまで経っても見込み客を顧客にすることはできません。
そのため、メルマガの効果測定のように、ナーチャリングを行っているコンテンツの評価をして、改善を繰り返していく必要があります。
まずは見込み客の情報を整理し、ナーチャリングを行うターゲットを明確にしてみましょう。