HTMLメールとは？「迷惑メール」扱いされる原因と絶対に避けるべき3つのNG行動

「メルマガを送るならHTMLメールが良いと聞いたけれど、そもそもHTMLメールとは何が違うの？」「画像付きのメールを送ると、迷惑メールフォルダに入りやすいって本当？」

今や多くの企業が採用しているHTMLメールですが、仕組みを正しく理解していないと、せっかく送ったメールが読者の目に触れることなく「迷惑メール」として処理されてしまうリスクがあります。しかし、恐れることはありません。

正しい設定とルールを守れば、HTMLメールは安全かつ強力なマーケティングツールになります。この記事では、HTMLメールの基礎知識から、なぜ迷惑メール扱いされてしまうのかという原因、そして確実に届けるための具体的な対策までをわかりやすく解説します。

そもそも「HTMLメール」とは？テキストメールとの決定的な違い

ビジネスシーンで一般的に使われるメールには大きく分けて「テキストメール」と「HTMLメール」の2種類が存在します。テキストメールが文字情報だけで構成されたシンプルな形式であるのに対し、HTMLメールはWebサイトを作るのと同じ言語を使って記述された表現力豊かなメール形式を指します。現在多くの企業がメルマガ配信や顧客への案内においてHTMLメールを採用していますが、それには明確な理由があります。

画像や装飾で「視覚的」に訴求できる仕組み

HTMLメール最大の特徴は視覚的な訴求力の高さにあります。文字の大きさや色を自由に変えられるだけでなく写真やイラストを文中に配置したりクリックしやすいボタンを設置したりすることが可能です。

商品写真の魅力をダイレクトに伝えたり企業のブランドカラーに合わせたデザインにしたりすることで、読む人の直感に働きかけることができます。文字だけのテキストメールではどうしても事務的な印象になりがちですが、HTMLメールなら雑誌のページをめくるような感覚で情報を届けることができるのです。

開封率などの「データ分析」ができるのが最大のメリット

マーケティング担当者がHTMLメールを選ぶ最大の理由は「効果測定」ができる点にあります。HTMLメールにはメールが開封されたタイミングで読み込まれる小さな画像プログラムを埋め込むことができます。

これにより「何人が開封したか」「どのリンクがクリックされたか」といった具体的な数値を計測できるようになります。テキストメールでは到達したかどうかまでしか分からず読者の反応を知る術がありません。送ったメールが実際に読まれているのかを把握し改善サイクルを回せることこそがビジネスにおけるHTMLメールの真価です。

HTMLメールが「迷惑メール」判定されてしまう主な原因

「HTMLメールを送ると迷惑メールフォルダに入りやすい」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。確かにテキストメールに比べてHTMLメールは構造が複雑なため、プロバイダのフィルタリング機能によってスパム（迷惑メール）と誤解されるリスクが高まるのは事実です。

しかしそれはHTMLメール自体が悪いのではなく「不適切な作り方」や「設定不足」が原因であることがほとんどです。ここでは迷惑メール判定を受けやすくなる代表的な要因について解説します。

画像ばかりでテキスト比率が低すぎる（画像一枚張りメールなど）

見た目を綺麗にしようとするあまり、本文のほとんどを一枚の大きな画像で構成してしまうケースがあります。これはスパムフィルタから非常に警戒される典型的なパターンです。多くの迷惑メール判定システムは画像の中に書かれた文字の内容までは正確に読み取れません。

そのため「画像だけでテキスト情報が極端に少ないメール」は、内容を隠蔽しようとしている怪しいメールだと判断される傾向にあります。画像はあくまで補助的な要素と考え、伝えたい内容は必ずテキストデータとして本文に入力し、画像と文字のバランス（テキスト比率）を保つことが到達率を上げる鉄則です。

「マルチパート配信」の設定がされていない

HTMLメールを配信する際には「マルチパート配信」という仕組みを利用するのが必須のマナーです。これは1通のメールの中に「HTML形式のデータ」と「テキスト形式のデータ」の両方を格納して送る送信方法のことです。この設定を行わないとHTML形式を表示できない受信環境やセキュリティ設定の厳しいメーラーではメールの中身が何も表示されなかったり、ソースコードがそのまま表示されたりしてしまいます。

また受信側のサーバーからも「配慮のない怪しいメール」と見なされブロックされる原因になります。マルチパート配信を行えば受信環境に合わせて最適な形式が自動で表示されるため、スパム判定のリスクを大幅に下げることができます。

送信元の信頼性（ドメイン認証）が不足している

メールの中身だけでなく「誰が送っているか」という送信元の身元証明も重要です。昨今はなりすましメールが増加しているため、受信側のサーバーは送信元のドメインが正規のものであるかを厳しくチェックしています。適切な「ドメイン認証」設定が行われていない場合、どれだけ健全な内容のメールであっても迷惑メールとして隔離されてしまいます。確実に届けるためには以下の認証技術に対応しているかを確認しましょう。

これらは専門的な設定が必要になりますが、ブラストメールのような信頼性の高いメール配信システムを利用していれば標準で対応していることが多く個別に複雑な設定をしなくても安心して配信を行うことができます。

HTMLメールのセキュリティが問題視される理由

HTMLメールのセキュリティが問題視されるのは、HTMLメールがスパムメールで頻繁に使われていた背景があるからです。

ウイルスを直接送信できる

HTMLメールではプログラミング言語を使用し、メールの本文内に「スクリプト」というプログラムを埋め込むことが可能です。スクリプトは悪用するとウイルスをメール受信者のパソコンやスマホに送り込むことも可能です。

受信者がスクリプトを自動で実行するよう設定していると、メールを開くだけでウイルスに感染してしまいます。一昔前までは、そのような手口のスパムメールが数多くあり、HTMLメールは開封せず削除するのが基本でした。

開封確認機能の悪用

HTMLメールには「Webビーコン」という機能があります。

Webビーコンは本来、メールマーケティングに活用されるものです。Webビーコンとは画像データのことで、これをHTMLメール内に埋め込むことで、メールを送った側はそのメールが開封されたかどうかを把握することができます。

これを使い、スパム業者はそのアドレスが使えるものかどうか判断します。(メールが開封された＝有効なメールアドレスと判断できる為)メールがきちんと届くアドレスは、スパム業者間でアドレスを共有され、以後大量の迷惑メールが届くようになってしまいます。

メールマーケティングを行う上では効果判定は非常に重要な機能ですが、そういった悪い業者のせいでHTMLメール＝悪いものというイメージが定着してしまいました。

なりすましメールを送ることができる

悪質な手口を使う業者では送信元を有名企業や、聴き慣れたブランドに偽装した「なりすましメール」を送ってくることがあります。

HTMLメールはおしゃれなメールを作成できたり、正確な効果判定ができる反面、迷惑メールに数多く使われてきたという歴史からセキュリティへの不安を持っている方が数多くいます。

ですが、現在では受信側のデバイスのセキュリティ向上により、安全性はかなり高くなってきています。現に楽天やAmazon、GoogleもHTMLメールを頻繁に使っています。大企業がHTMLメールを使うことが普通になり、ユーザーのHTMLメールへの警戒心も薄れてきています。

HTMLメールのリスクを避けるには

ここまでの情報だけではHTMLメールは非常に危険なものに感じますが、そういったリスクを避ける方法はいくつかあります。デバイスのセキュリティが向上し、HTMLメールが頻繁に使われるようになっているとはいえ、脆弱性が完全に解決されているという訳ではありません。

使用しているPCのソフトウェアを最新のものにアップデートしておく、ウイルス対策ソフトの導入、HTMLメールの画像を表示されないように設定（Webビーコン対策）などをして少しでもリスクを軽減させることが可能です。

何よりの対策は「怪しいメールは開封しない」ということです。メルマガを配信する側からすると、そういった怪しさを感じさせないようにする対策が非常に重要になってきます。

ビジネスシーンにおけるHTMLメール

HTMLメールが広く使われ始めた現在でも、ビジネス上のやりとりでは文章のみで構成される「テキストメール」が主流です。

HTMLメールを使えないように設定している

そもそも、会社によってはHTMLメール自体を送信できないよう設定していたり、HTMLメールを受信してもテキストメールに変換して表示するようにしているところもあります。

そうなると、せっかく綺麗にデザインしたHTMLもレイアウトが崩れたり、画像が正しく表示されません。

迷惑メール判定される可能性がある

また、受信側のメーラーの設定によってはHTMLメールが勝手に迷惑メールとして振り分けられてしまい、相手にメールが届かない可能性があります。ビジネス上でのやり取りは「テキストメール」で行うのが無難でしょう。

とはいえ、BtoCのメールはHTMLメールが頻繁に使われるようにやりました。先ほども説明したように、有名企業がHTMLメールを積極的に使うようになってきています。

メールサーバーは過去の傾向からスパムメールかどうかを判断し、迷惑メールフォルダに振り分けます。最近は悪質でないHTMLメールが増えてきたことで、メールサーバーもHTMLメールをスパムと認識しづらくなっています。

HTMLメールを使うべきジャンル

HTMLメールはセキュリティへの懸念よりも、それを遥かに上回る「訴求力」と「分析力」の恩恵があります。特にアパレルやECショップなど写真を使った方が訴求効果の高いジャンルや、開封率・クリック率などの効果測定が必要なビジネスにおいては、HTMLメールの導入が推奨されます。

最近はスマホのメールアプリも初期設定でHTMLメールを受信するようになっています。Gmailに至っては受信設定を変更できないため、必然的にHTML形式での受信となります。（テキストメールの送信は可能です）これほどユーザーにとってHTMLメールが標準的なものとなっている今、ビジネスで使わない手はありません。特に以下のジャンルでは、その効果が顕著に現れます。

メルマガ

メルマガにおいて最も重要なのは読者の興味を引き、最後まで「ストレスなく読んでもらう」ことです。

文字だけのメールは画面が文字で埋め尽くされてしまい、読者に「読むのが面倒」という印象を与えがちです。HTMLメールであれば、見出し・画像・要約を用いて視覚的にブロック分けができるため、読者は内容を瞬時にスキャン（拾い読み）でき、離脱を防ぐことができます。

また、ロゴやブランドカラーを使用することで、メールを開いた瞬間に「どこの誰からの連絡か」を直感的に認識させることができます。これにより、単なる情報伝達にとどまらず、ブランドへの信頼感や愛着（エンゲージメント）を育てることにも繋がります。

キャンペーン、広告メール

飲食店やファッションブランドなどが送る広告メールにおいては、HTMLメールはチラシのように見せる以上に、「行動（クリック）を誘発する」ための強力な武器となります。

まず、商品のシズル感（料理の湯気や服の質感など）を写真で直感的に伝えることで、脳の「欲しい」という感情にダイレクトに訴求できます。文字で説明するよりも、圧倒的に短い時間で購買意欲を掻き立てることが可能です。

さらに重要なのが「操作性」です。スマホユーザーにとって、細いテキストリンクは非常に押しにくいものです。HTMLメールなら「大きく押しやすいボタン」を配置できるため、誤タップを防ぎつつ、商品ページへの誘導率を大幅に改善することができます。

BtoB・セミナー案内・SaaS

実はビジネスライクな場面でこそHTMLメールの「整える力」が役立ちます。

セミナーの案内やサービスの導入事例などを送る際、テキストメールでは表現しきれない情報を、HTMLメールなら整理して美しく届けることができます。特に以下のような情報を送る場合に有効です。

こうした情報はテキストメールでは改行が崩れてしまいがちですが、HTMLであれば表組みやレイアウトを使って正確に表示できます。情報が整理されていることは、「きちんとしている会社」という信頼感にも直結するためBtoBにおいてもHTMLメールは強力なツールとなります。

HTMLメールの作成・配信ならメール配信システム

「HTMLメールは効果的だと分かったけれど、専門知識がないから作れない」「セキュリティ設定が難しそう」と感じた方も多いのではないでしょうか。

実際、OutlookやGmailなどの通常のメールソフトでHTMLメールを自作しようとすると、レイアウトが崩れたり専門的なコード（HTML/CSS）の知識が必要になったりと、多くの壁にぶつかります。また、前述した「迷惑メール判定」を回避するための技術的な設定を個人で行うのは非常に困難です。そこで推奨されるのが、「メール配信システム」の利用です。

メール配信システムを使うメリット

メール配信システムとは大量のメールを高速かつ確実に届けるために特化したツールのことです。導入することで、主に以下の3つの大きなメリットが得られます。

おすすめのメール配信システム「ブラストメール」

数あるメール配信システムの中でも、これからHTMLメールを始める方に特におすすめなのが「ブラストメール（blastmail）」です。

15年連続で顧客導入シェアNo.1を獲得している信頼性の高いサービスで、大手企業から官公庁まで幅広く利用されています。ブラストメールが選ばれる最大の理由は、その「使いやすさ」と「コストパフォーマンス」にあります。

「まずはHTMLメールを試してみたい」「確実に届くメルマガを配信したい」とお考えの方は、ぜひブラストメールの無料トライアルから始めてみてはいかがでしょうか。

公式サイト：シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」

まとめ

以上、HTMLメールのセキュリティについて解説してきました。悪質なHTMLメールが多かった過去から、セキュリティに対する不安を持つ方が多いですが、現在はそのイメージも払拭され始めています。

ただし、メールにウイルスを忍び込ませたりWebビーコンの悪用ができたりと根本的なHTMLメールのセキュリティ問題は解決されているわけではありません。機密事項が多い重要なビジネス上のやりとりではテキストメールで行う方が良いでしょう。

ただし、消費者向けのキャンペーンやメルマガはHTMLメールを使った方が訴求効果を最大限発揮できることが期待できます。メルマガやキャンペーンなどでHTMLメールを送りたいなら、配信専用のサービスを使うのが安全です。

メール配信サービスのなかには、HTMLメールを初心者でも作れるエディタ機能やテンプレート付きのサービスもあります。エディタ機能やテンプレートがあれば、専門の知識が無くとも、直感的にお洒落なデザインのHTMLメールを作ることができます。

少しでも届きやすいメールを送りたいなら、ぜひメール配信専用のサービスをご検討ください。

ブラストメール公式ページ