AIDMAは、消費者の購買プロセスを理解するための重要なフレームワークです。
この記事では、AIDMAの基本的な概念から、マーケティング戦略への応用、さらに類似モデルとの比較、最新の活用事例までをわかりやすく解説します。
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目次
AIDMAとは?購買行動モデルの基本
AIDMAは以下の5つの単語の頭文字をとったもので、消費者が商品やサービスを認知してから購買に至るまでの心理的なプロセスを表しています。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
AIDMAの歴史は古く、かなり昔から使われてきたフレームワークなので、2025年現在においてはこのモデルは古いとある
AIDMAモデルの使用例
AIDMAは非常に便利なフレームワークです。多くの場面で活躍します。その一例を紹介します。
- Attention:消費者の目に留まるような斬新な広告を展開し
- Interest:商品の具体的なメリットや特徴を詳しく説明
- Desire:商品の独自性や希少性を強調し、消費者の購買意欲を刺激
- Memory:繰り返し広告を露出したり、ブランドイメージを確立することで、消費者に商品を覚えてもらう
- Action:購入しやすい環境を整えることで、購買を促進
このように、AIDMAモデルを理解し、各段階に応じた適切なアプローチを行うことで、マーケティングの効果を最大化することができます。
AIDMAの歴史的背景
AIDMAの起源は1920年代にもさかのぼるとされ、E.S.ルイスが提唱した「AIDA(注意・興味・欲求・行動)」モデルが下地といわれています。
アメリカの経済学者で1920年代に販売・広告の実務書を執筆していたサミュエル・ローランド・ホールによって、「Memory(記憶)」という要素が加わったのがAIDMAです。
AIDMAモデルは、時代とともに変化してきましたが、消費者の購買行動を理解するための基本的なフレームワークとして、現在でも多くのマーケターに活用されています。
AIDMAとAISASの違い
インターネットの普及に伴い、AISAS(Attention, Interest, Search,Action,Share)という新しいモデルが登場しました。
AISASでは、消費者が興味を持った商品をインターネットで検索し、購入後には情報を共有するという行動が加わっています。
AISASモデルは、インターネットの普及によって消費者の購買行動が変化したことを受けて提唱されました。
従来のAIDMAモデルでは、消費者は広告などの情報を受け身的に受け取っていましたが、インターネットの登場により、自ら情報を検索し、比較検討する能動的な行動をとるようになりました。
AISASモデルは、現代のデジタルマーケティングにおいて不可欠な概念となっています。
マーケティング戦略へのAIDMAの応用
Attention(注意)段階でのアプローチ
消費者の注意を引くためには、視覚的に魅力的な広告や、ターゲット層に響くキャッチコピーが重要です。SNS広告や動画広告など、多様なチャネルを活用しましょう。
Attention段階では、いかにして消費者の目に留まるかが重要になります。
そのためには、ターゲット層の興味関心を深く理解し、彼らが普段利用するメディアやSNSで効果的な広告を展開する必要があります。
視覚的なインパクトを与えるために、高品質な画像や動画を使用したり、ターゲット層に響くような斬新なキャッチコピーを考案したりすることが重要です。
- SNS広告
- 動画広告
- インフルエンサーマーケティング
- コンテンツマーケティング
- TVCM
- 新聞や雑誌などの純広告
ポイントは複数のチャネルを組み合わせることです。
Attention段階でのアプローチは、マーケティング戦略の最初のステップであり、その後の段階に繋がる重要な要素です。
消費者の注意を効果的に引きつけ、興味を持ってもらうことができれば、購買行動に繋がる可能性を高めることができます。
Interest(興味)段階でのアプローチ
興味を持ってもらうためには、商品の特徴やメリットをわかりやすく伝えることが大切です。
- コンテンツマーケティング(ブログ記事や動画)
- ウェビナー
- メールマガジン
- 試供品提供
- SNSフォロワーへのリプライ
顧客とのエンゲージメントを高めるために、SNSでのコミュニケーションやアンケート調査などを活用することも有効です。
顧客からのフィードバックを収集し、商品やサービスの改善に役立てることで、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことができます。
Interest段階でのアプローチは、消費者の興味を維持し、購買意欲を高めるために不可欠な要素です。
Desire(欲求)段階でのアプローチ
消費者の購買意欲を高めるためには、商品の独自性や希少性をアピールすることが効果的です。限定版の販売や、キャンペーンなどを実施し、購買を促進しましょう。
Desire段階では、消費者の興味を購買意欲へと転換させることが重要です。
- 期間限定のポイントアップキャンペーン
- 消費者の声やレビューを訴求する
Desire段階でのアプローチは、消費者の感情に訴えかけ、購買行動へと繋げるための重要なステップです。
Memory(記憶)段階でのアプローチ
消費者に商品を覚えてもらうためには、繰り返し広告を露出したり、ブランドイメージを確立することが重要です。
Memory段階は、見込み顧客を実際の顧客に変えるうえで最も重要なファネルです。マーケティングの全体像を見直す際にはこの項目から見直しましょう。
リターゲティング広告や、ブランドストーリーの発信などを活用しましょう。
- リターゲティング広告
- メールマーケティング
- LINEマーケティング
消費者がブランドとの接点を持ち続けることで、商品やサービスを忘れずに覚えていてもらい、購買行動に繋がる可能性を高めることができます。
Memory段階でのアプローチは、長期的な視点でブランドを育成し、顧客との関係を深めるために不可欠な要素です。
Action(行動)段階でのアプローチ
消費者の購買を促すためには、購入しやすい環境を整えることが大切です。オンラインストアの使いやすさや、決済方法の多様性などを考慮しましょう。
- サイトの使いやすさを改善する
- 情報の見やすさを改善する
- 検索のしやすさを改善する
- 決済方法を増やす
実店舗の場合、商品の陳列方法、店内の雰囲気、スタッフの対応などが重要になります。
消費者が快適に買い物ができるように、清潔で明るい店内を保ち、商品の情報を提供できるスタッフを配置することが大切です。
さらに、購入後のサポート体制も重要です。
商品の返品や交換、修理などのアフターサービスを提供することで、消費者の安心感を高め、長期的な顧客関係を築くことができます。
AIDMA以外の消費者行動モデル
AIDMAはマーケティングのフレームワークの中でもかなり歴史あるフレームです。その後時代の変化とともに多くのことなるフレームワークが生まれています。
ここでは、AIDMA以外のフレームワークを紹介します。
AISCEAS(アイセアス)とは
AISCEASは、インターネットでの情報収集や比較検討を重視したモデルです。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(行動)
- Share(共有)
AISCEASモデルは、インターネットが普及した現代において、消費者が購買に至るまでのプロセスをより詳細に捉えたモデルです。
AIDMAモデルに比べて、消費者が積極的に情報を収集し、比較検討する行動を重視している点が特徴です。
消費者は、インターネットで様々な情報を検索し、複数の商品やサービスを比較検討し、詳細な情報を収集して検討を重ねた上で、Action(行動)の段階で購入に至ります。
そして、購入後にはShare(共有)の段階で、SNSやブログなどで商品のレビューや評価を共有します。
SIPS(シップス)とは
SIPSは、ソーシャルメディアでの共感や参加を重視したモデルです。
- Sympathize(共感)
- Identify(確認)
- Participate(参加)
- Share&Spread(共有・拡散)
SIPSモデルは、ソーシャルメディアが普及した現代において、消費者が共感や参加を通じて購買に至るプロセスを捉えたモデルです。
従来のAIDMAモデルやAISASモデルに比べて、消費者同士のつながりや情報共有を重視している点が特徴です。
SIPSモデルは、企業がソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略を立案する上で重要なフレームワークとなります。SNSでの情報発信やキャンペーンを通じて、消費者の共感や参加を促し、口コミを広げることが重要です。SIPSモデルは、ソーシャルメディアマーケティングにおいて不可欠な概念となっています。
DECAX(デキャックス)とは
DECAXは、顧客体験を重視したモデルです。
- Discovery(発見)
- Engage(関係構築)
- Consume(消費)
- Action(行動)
- eXperience(経験)
DECAXモデルは、顧客体験(CX)が重視される現代において、消費者が商品やサービスを発見してから体験に至るまでのプロセスを捉えたモデルです。
従来のAIDMAモデルやAISASモデルに比べて、顧客との関係構築や体験価値を重視している点が特徴です。
AIDMAを活用した企業の事例
AIDMAなどのマーケティングフレームワークを学んでも、実際に施策に生かすのは難しい、という方は多いのではないでしょうか。ここでは、AIDMAのモデルを実際の企業施策に落とし込んで解説していきます。
再春館製薬「ドモホルンリンクル」の事例
再春館製薬のドモホルンリンクルは、AIDMAモデルを効果的に活用した成功事例として知られています。
まず、テレビCMなどを通じて幅広い年齢層の女性にブランドを認知させ(Attention)、無料お試しセットを提供することで、商品への興味を喚起します(Interest)。
そして、年齢による肌の悩みに応えるという独自の訴求ポイントを明確にすることで、消費者の購買意欲を高めます(Desire)。
さらに、無料お試しセットの利用後も、継続的に情報提供やカウンセリングを行うことで、消費者の記憶に残るように努めます(Memory)。
最後に、無料お試しセットの利用者を定期購入へと誘導することで、実際の購買行動に繋げています(Action)。
このように、ドモホルンリンクルは、AIDMAモデルの各段階に沿った緻密なマーケティング戦略を展開することで、多くの顧客を獲得し、高いブランドロイヤリティを築いています。
この事例は、AIDMAモデルが現代でも有効であることを示す好例と言えるでしょう。
第一想起を獲得するならメールマーケティング
第一想起とは、ある特定の状況やニーズにおいて、消費者が最初に思い浮かべるブランドや製品のことです。
AIDMAにおける「Memory」の領域に当たり、マーケティングにおいて最も大切な施策のうちの一つです。
例えば、コーヒーを飲みたいと思ったときに、真っ先に頭に浮かぶのはどのブランドでしょうか?それがあなたの第一想起です。
- ファストフードといえば?⇒マクドナルド
- 動画配信といえば?⇒YouTube
- メール配信システムといえば?⇒ブラストメール
第一想起の獲得は市場シェアが高いブランドが有利に働きます。ユーザーが多ければ売り上げが高く、その分広告や口コミで認知される可能性も高まるからです。
一方、広告や口コミ以外にもメルマガなどで接触し続けることができれば、市場シェアが低くても第一想起を得やすくなります。
第一想起とメールマーケティング
メルマガ配信やメ-ルマーケティングは、獲得したリストに対して何度でも無料でブランド名を連呼できる最高の広告手段です。
メールは開封されなくても件名に商品名やブランド名が書かれていれば接触効果はあります。開いてくれたら御の字でしょう。
また、メルマガ配信は今まで紹介した方法の中で唯一施策の効果を明確に測定できる施策なので、導入ハードルも非常に低いといえます。
関連記事:メールマーケティングとは?基礎知識やメリット・実施方法を徹底解説【2024年最新版】
メールマーケティングに必須のツール
第一想起獲得の施策を実行するうえで、なくてはならないツールが「メール配信システム」です。
メール配信システムは大量のメールを一斉送信することに特化したシステムのことで、HTMLメールが簡単に作成できたり、メールの到達率を高めてくれます。
第一想起を獲得するうえで「メルマガ配信」「プレスリリース配信」「口コミキャンペーン告知」「アンケート調査」など様々な場面でメールを一斉送信する必要が出てきます。
これらの施策を通常のBCC一斉送信で行うのは手間がかかるだけでなく、個人情報漏洩などの重大なリスクもあります。
メール配信システムを使うメリット
メール配信システムには様々なメリットがあります。ここではメール配信サービスを使ってメルマガを送るメリットを紹介します。
スパムフィルタ対策が充実している
メール配信システムにはドメイン認証などセキュリティに特化した機能が備わっています。また、信頼度の高いIPアドレスを保有していることも多く、通常のメーラーで配信を行うよりも到達率が高くなります。
宛先リストの管理が容易
メール配信システムにはセグメント配信機能がついていることが多く、送信先を容易に調整できます。Gmailなどのメーラーでも可能ではありますが、誤送信等のリスクがあるので、あまりおすすめのやり方ではありません。
セキュリティ上のリスクを抑えられる
誤送信やCC/BCC間違いといった人的エラーから生じる情報漏洩といったリスクも最小限に抑えられます。
大量のメールを一度に効率的に送信できる
メール配信システムは多くの場合、大量送信に適したサーバーを使用しているので、一度に大量のメールを送ることができます。また、有料サービスの場合、送信通数やアドレス数に応じて料金が設定されているので、自分に合ったシステムを導入すれば、低価格で大量のメール配信が可能です。
特にブラストメールは、アドレス数に応じた料金プランなので、配信数の少ないメールマーケティング初心者にもお得に使えるサービスです。
配信の分析ができる
メール配信システムは多くの場合、到達率や開封率、クリック率といった指標の分析が可能です。
特にビジネス利用でメールを送りたい場合、施策の効果測定は必須です。通常のメーラーを使った一斉送信ではどれだけ届いたか、何人が開封したか、といったデータが全く取れません。
一斉メールを送りたい人にはメール配信システムの利用を強くお勧めします。
関連記事:メール配信システムおすすめ比較20選!専門家が図解とランキング形式で解説
メール配信システムの選び方
メール配信システムには多様なサービスがあるので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、メール配信システムを選ぶ時のポイントについて解説します。
配信規模と料金プラン
メール配信システムは、配信規模によって最適な料金プランが異なります。少量のメールであれば無料プランでも十分ですが、配信リストが増えたり、頻繁にメールを送信する場合は有料プランをお勧めします。
配信速度
見逃されがちですが、メール配信システムにおいて配信速度は最重要項目といっても過言ではありません。
サポートや機能が各社の戦略次第で変更可能なのに対し、配信速度は長年蓄積された技術に裏付けされているので、一朝一夕にまねできるものではないからです。
メール配信システムを選ぶ際はその信頼度の指標としいて必ず配信速度を確認しましょう。
安全性と到達率
到達率も非常に重要です。SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)といった、メールの正当性を保証するための認証プロトコルに対応していないと、メールがスパム扱いされる可能性が高くなります。
特にGmailは送信者ガイドラインもアップデートされているので、これらの対策がなされているシステムを選ぶのは必須といえるでしょう。
関連記事:【解決策】2024年2月よりGmailガイドラインが変更!1日5000件以上の配信は対応必須!
サポート体制
メールの一斉送信は個人情報を扱う非常にデリケートな領域なので、万が一の際のサポート体制は非常に重要です。特にチャットサポートや電話サポートといった、リアルタイムのサポートが提供されているか、日本語でのサポートがあるかは重要なチェックポイントになりえるでしょう。
機能の充実度
メール配信システムには、セグメント機能や効果測定など、様々な付加機能が用意されています。必要な機能が揃っているか確認しましょう。
また、不必要な機能がついていることで、金額が高くなっているケースもあります。本当に自社で必要な機能は何かを考えたうえで、必要最低限のプランを選ぶことをおすすめします。
使いやすさ
メルマガ初心者の場合、いきなり高度なデザインの入ったメールを0から作成するのは非常に難易度が高いです。また、管理画面の見やすさも、メルマガの運用をしていく上では非常に大切です。
無料トライアルやFreeプランを提供しているサービスは、実際に使ってみることができるので、自分に合ったサービスを探すのに役立つでしょう。
メール配信システムといえばブラストメール(blastmail)
ブラストメールは、14年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
配信速度が高く、到達率が非常に高い点が魅力で、速報性の高い情報も届けることが可能です。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。
効果測定機能はもちろん、セグメント配信や豊富なテンプレート、HTMLメールエディタなど、基本的な機能はすべて揃っています。
「メルマガ配信の手間を減らしたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。
無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
AIDMAは、消費者の購買行動を理解するための基本的なモデルであり、マーケティング戦略の立案に役立ちます。
ただし、インターネットやソーシャルメディアの普及により、消費者の行動は多様化しており、AIDMA以外のモデルも参考にしながら、最適な戦略を構築することが重要です。
AIDMAモデルは、長年にわたりマーケティングの基礎として活用されてきましたが、現代の消費者は、インターネットやソーシャルメディアを通じて、より多くの情報を収集し、多様な選択肢を比較検討するようになりました。
そのため、AIDMAモデルだけでは、現代の消費者の購買行動を十分に捉えきれない場合があります。
AISASモデルやSIPSモデル、DECAXモデルなど、AIDMA以外の消費者行動モデルも参考にしながら、自社のターゲット顧客の特性や購買プロセスに合わせて、最適なマーケティング戦略を構築することが重要です。
例えば、SNSを積極的に活用する顧客層にはSIPSモデルを、顧客体験を重視する顧客層にはDECAXモデルを適用するなど、柔軟な対応が求められます。
また、データ分析を活用し、顧客の行動を詳細に把握することも重要です。ウェブサイトのアクセスログや購買履歴、SNSでの行動などを分析することで、顧客のニーズや興味関心をより深く理解し、パーソナライズされたマーケティング施策を展開することができます。
AIDMAモデルを基本としつつも、常に変化する消費者の行動に対応できるよう、柔軟な発想とデータに基づいた戦略立案が、現代のマーケターに求められるスキルと言えるでしょう。
