ビジネスシーンでよく使われる「ご案内させていただきます」と「ご案内いたします」。
どちらが正しいのか、どのような場面で使い分けるべきか迷うことはありませんか?
ビジネスシーンにおいては、言葉遣いは非常に重要な要素です。
相手に与える印象を大きく左右するだけでなく、信頼関係の構築にも影響を与えます。
状況に応じて適切な敬語表現を使い分けることは、社会人としての基本的なマナーと言えるでしょう。
本記事では、それぞれの言葉の意味やニュアンスの違い、具体的な例文を交えながら、適切な使い分けについて詳しく解説します。
また、状況に応じた言い換え表現もご紹介しますので、よりスムーズなコミュニケーションに役立ててください。
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「ご案内いたします」は間違い?
「ご案内させていただきます」という表現は文法的には間違いではありませんが、少しくどい表現として受け取られる可能性があります。
「ご案内させていただきます」は丁寧ではある
- 「ご案内」:丁寧語(案内→ご案内)
- 「させていただく」:謙譲語の丁寧な形(「する」の許可を得て行うニュアンス)
→ 丁寧でへりくだった表現であり、ビジネスメールなどでも一般的によく使われている表現です。
ただし「くどい」と思われることもある
「ご案内」も「させていただきます」も敬語なので、「ご案内いたします」「ご案内申し上げます」などの形で十分敬意が伝わります。「ご案内させていただきます」はやや冗長に感じる人もいます。
「ご案内いたします」との違いはある?
「ご案内させていただきます」には似た表現に「ご案内いたします」という表現がございます。
「ご案内いたします」の意味と使い方
「ご案内いたします」は、相手に何かを知らせたり、場所や方法を示す際に使用する丁寧な表現です。相手への敬意を示しつつ、丁寧に案内する意図が込められています。
例えば、お店で席へ案内する際や、道順を教える際などに適しています。
この表現は、相手に対して直接的な行動を伴う案内をする場合に特に有効です。「ご案内いたします」は、様々な場面で活用できる汎用性の高い表現と言えるでしょう。
「ご案内させていただきます」の意味と使い方
「ご案内させていただきます」は、「ご案内いたします」に「〜させていただく」を加えたより丁寧な表現です。
相手の許可を得て案内するというニュアンスが含まれており、相手への配慮を示す際に用いられます。イベントやセミナーの告知、サービスの説明など、相手に利益がある場合に適しています。
この表現は、相手に何かを提供したり、提案したりする際に、より丁寧な印象を与えたい場合に適しています。
「ご案内させていただきます」は、相手への配慮と敬意を示す際に非常に有効な表現と言えます。
「〜させていただきます」の注意点
「〜させていただきます」は、相手の許可を得る意味合いを含むため、使用頻度が高すぎるとややくどく聞こえる場合があります。また、相手に許可を得る必要がない場面では、避けた方が良いでしょう。
ビジネスシーンにおいては、相手との関係性や場面を考慮し、適切な敬語表現を用いるように心がけましょう。
ビジネスシーンでの使い分けと具体的な例文
ここからは「ご案内いたします」「ご案内させていただきます」の具体的な使い方を紹介していきます。
メールでの例文
件名
ご案内資料の送付について
本文
○○株式会社
マーケティング部
○○様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の~~でございます。
先日ご依頼いただきました件につきまして、関連資料をご案内いたします。
添付ファイルにてご確認いただけますと幸いです。
ご不明点やご質問などございましたら、どうぞお気軽にお申し付けください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
株式会社△△
経営管理本部 ○○部
~~~~~
TEL:03-xxxx-xxxx
Email:ーーーーー@ーーー.co.jp
- 「資料をご案内いたします」は、「送付いたします」「お送りします」などに言い換えてもOKです。
- 件名には「資料送付」や「ご案内」などのキーワードを含めると、相手に伝わりやすくなります。
キャンペーンのご案内
件名
【期間限定】〇〇キャンペーンのご案内
本文
○○株式会社
〇〇部 ○○様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の滝口でございます。
このたび弊社では、日頃のご愛顧への感謝を込めまして、下記のとおりキャンペーンを実施いたします。
■ キャンペーン概要
【キャンペーン名】:〇〇キャンペーン
【実施期間】:2025年5月20日(月)~2025年6月30日(月)
【内容】:ご利用金額に応じて、最大20%の割引を適用させていただきます。
【対象】:既存顧客および新規ご契約のお客様
詳しい内容につきましては、添付の資料をご案内いたしますので、ぜひご覧ください。
この機会にぜひご活用いただけましたら幸いです。
ご不明点などございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
株式会社△△
経営管理本部 ○○部
~~~~~
TEL:03-xxxx-xxxx
Email:ーーーーー@ーーー.co.jp
- キャンペーン内容の箇条書きは読みやすさ重視。
- 「ご案内いたします」の文脈は、資料添付の自然な導入に使えます。
- 件名に「【】」などの記号を加えると、開封率アップに貢献します。
電話での例文
サービス内容を説明する際に、相手への敬意と、詳細な説明を行うことへの許可を得るニュアンスを込めた表現です。
例えば、顧客からサービスに関する問い合わせがあった際に、以下のように使いましょう。
〇〇について、詳しくご案内させていただきます。
〇〇は、お客様の〇〇という課題を解決するために開発されたサービスでございます。
この表現は、相手の疑問に答えるだけでなく、サービスの詳細な内容を説明することで、顧客の理解を深め、利用意欲を高める効果があります。
また、顧客の課題を明確にすることで、サービスが顧客にとって有益であることをアピールすることができます。
状況に応じた言い換え表現
ここからは「ご案内させていただきます」に似た表現で、状況別に言い換えられる表現を紹介します。
「ご説明いたします」
詳細な情報や手順を伝える際に適しています。
「ご説明いたします」は、単に情報を伝えるだけでなく、その内容について詳しく解説し、相手の理解を深めることを目的とする場合に適しています。
例えば、製品の使い方を説明する際や、契約内容について詳しく説明する際などに使用します。
- 「〇〇製品の使い方について、ご説明いたします」
- 「契約内容について、詳しくご説明いたします」
具体的な内容を伴って使用することで、相手に分かりやすく情報を伝えることができます。また、質問を受け付ける姿勢を示すことで、より丁寧な印象を与えることができます。
「お知らせいたします」
重要な情報や変更点を伝える際に適しています。
「お知らせいたします」は、重要な情報や変更点を、相手に確実に伝えることを目的とする場合に適しています。
例えば、会議の日程変更や、システムメンテナンスの告知などに使用します。
- 「明日の会議は、都合により〇〇日に変更となりました。お知らせいたします」
- 「〇月〇日にシステムメンテナンスを実施いたします。詳細については、改めてお知らせいたします」
このように、簡潔かつ正確に情報を伝えることが重要です。また、相手に不利益が生じる可能性がある場合には、事前に丁寧な説明を加えることで、理解を得やすくなります。
「ご紹介いたします」
新しい商品、サービス、担当者などを相手に紹介する際に適しています。
「ご紹介いたします」は、新しい情報や人物を相手に伝えることで、関係性を築いたり、新たな機会を提供したりすることを目的とする場合に適しています。
例えば、新入社員を紹介する際や、新しい取引先を紹介する際などに使用します。
- 「新入社員の〇〇をご紹介いたします。〇〇さんは、〇〇の経験があり、〇〇を担当いたします」
- 「新しい取引先の〇〇社をご紹介いたします。〇〇社は、〇〇の分野で高い実績を持っており、弊社の事業拡大に貢献してくれると期待しています」
紹介する対象の特徴やメリットを伝えることで、相手の関心を引くことができます。
注意点:二重敬語に注意しよう
二重敬語とは「お〜になる」「〜られる」などの尊敬語や謙譲語を、一つの言葉に二重に使用することです。
二重敬語は、過剰な丁寧さを表現しようとするあまり、かえって不自然な印象を与えてしまうことがあります。
例えば、「おっしゃられる」は「言う」の尊敬語である「おっしゃる」に、さらに尊敬の助動詞「られる」を付け加えたものであり、文法的に誤りではありませんが、一般的には「おっしゃる」で十分です。
同様に、「ご覧になられる」も「見る」の尊敬語である「ご覧になる」に「られる」を付け加えたもので、不自然な表現となります。
二重敬語は、相手に不快感を与えたり、教養がないと思われたりする可能性があるため、使用を避けるようにしましょう。
「ご案内」にありがちな二重敬語の例
「ご案内させていただきます」をさらに丁寧にした「ご案内させていただけますでしょうか」は、相手に許可を求める意味合いが強すぎるため、状況によっては不適切になる場合があります。
「ご案内させていただけますでしょうか」は、非常に丁寧な表現ですが、相手に過度な負担をかける印象を与えてしまう可能性があります。
ビジネスシーンにおいては、相手との関係性や状況に応じて、適切な敬語表現を選ぶことが重要です。
まとめ
「ご案内いたします」と「ご案内させていただきます」は、どちらも丁寧な表現ですが、意味合いやニュアンスが異なります。
相手や状況に合わせて適切な表現を使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションを図ることができます。
また、状況に応じて「ご説明いたします」「お知らせいたします」などの言い換え表現も活用しましょう。迷った際は、相手に失礼のないよう、より丁寧な表現を選ぶことを心がけてください。
「ご案内いたします」と「ご案内させていただきます」の使い分けは、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションにおいて非常に重要です。これらの表現は、相手への敬意を示す丁寧な言い方ですが、そのニュアンスには微妙な違いがあります。
