「名刺交換をした後、お礼メールは送るべき？」「どんな件名にすれば失礼がないだろうか…」
ビジネスの現場では、名刺交換後の一通のメールが、その後の大きな取引につながることも少なくありません。しかし、毎回文面に悩んで時間を浪費してしまうのは避けたいものです。結論から言えば、名刺交換後のお礼メールは「当日中の送信」と「相手を思い出す具体的な一言」がカギとなります。
本記事では、マーケティング担当として数多くのメール配信を行ってきた筆者が、そのままコピペして使えるシチュエーション別の例文をご紹介します。さらに、返信率を高める件名の付け方や、送るのが遅れてしまった場合の対処法など、実務で役立つマナーも網羅しました。この記事を読めば、もうお礼メールの作成に迷うことはなくなるでしょう。
目次
そもそも名刺交換後のお礼は必要か？
ビジネスマナーとして、名刺交換後のお礼は必要なのでしょうか。結論から言うと、名刺交換の後のお礼はマナー上は必須ではありません。
しかし、自分のことを印象付けたい、たくさんの名刺の中で自分の名前を覚えてもらいたいという思いがあるのであればお礼の挨拶はした方が良いでしょう。特に大事な取引先との名刺交換後はお礼の挨拶で丁寧なフォローを行うことが大切です。
名刺交換後にお礼が必須ではない理由
名刺交換はビジネス上の基本的な自己紹介であり、その場で必要な挨拶が完結していると考えられています。そのため、名刺交換後に改めてお礼の連絡を入れなくても、マナー違反になるわけではありません。
ただし、特に短時間で多くの人と交換するケースでは、相手もあなたとの会話を十分に記憶していない場合が多く、お礼の連絡がないことで悪印象になることはほとんどありません。
お礼の連絡がビジネスに有利に働く場面
一方で、お礼の連絡を行うことで、あなたの存在を相手の記憶に残しやすくなり、その後の商談や関係構築がスムーズに進む場合があります。特に、今後も関係を続けたい相手や、商談につながる可能性が高い相手には、お礼の一報が効果的です。
丁寧な姿勢を示すことで、ビジネスマナーに長けた人物としての印象も与えられ、結果として信頼獲得につながりやすくなります。
名刺交換のお礼挨拶のポイント
次に、名刺交換をした後のお礼挨拶のポイントをまとめました。その後のビジネスチャンスに繋げられるよう以下の点に気をつけましょう。
お礼の挨拶はメールがベスト
お礼の挨拶の方法ですがメールを使うのがベストです。
手軽に送ることができ、相手もいつでも内容を確認することができるので負担になりません。伝えたいことも文章として残すことができ、見てほしい資料なども併せて送ることができます。
お礼メールは当日中に
名刺交換後のお礼メールは、交換した当日中に送るようにしましょう。特に大勢と名刺交換をした際には、時間が経つにつれあなたの印象は薄れて行ってしまうのでなるべく早くが良いでしょう。
連絡が遅くなってしまった場合は「ご連絡遅くなってしまい申し訳ございません」といったような謝罪の一言があるだけでも相手からの印象は良くなります。
取引相手が一人、こちらが複数名で名刺交換をした場合
一人の相手に、こちらが複数名で営業活動をした場合などの名刺交換後のお礼メールは、自社の中で一番高位の役職者名、または連名でお礼メールを送るのが一般的と言われています。
この場合、お礼メールを送ったという情報は社内で共有しておきましょう。相手方に同じメールを送り迷惑をかけてしまう恐れもあります。このような状況の名刺交換がよくある企業の場合は、お礼メールの送信ルールを明確にしておくと良いでしょう。
相手にへの興味を伝える
より相手に印象を残したいのであれば、お礼メール中にその日に話した内容や、当日のエピソードなどを記載しましょう。
具体的なエピソードや、相手の興味関心についての提案を添えると顔が一致しやすくなり、印象が良くなるでしょう。
お礼メールであることが分かりやすい件名にする
お礼メールを送っても読んでくれなければ意味がありません。名刺交換をした人からメールが送られてきたこと、そして相手は誰なのか、すぐに分かるよう工夫しましょう。そのためには、件名も分かりやすく具体的にすることを意識しましょう。
- 〇〇交流会での名刺交換のお礼／株式会社〇〇 田中
- 商談のお礼【株式会社〇〇 営業部：田中】
- 【株式会社〇〇】ご挨拶回りでの名刺のお礼
このような件名であればお礼のメールであることがすぐに分かります。
お礼メールを送る「タイミング」の鉄則と遅れた場合の対処法
ビジネスにおいて名刺交換後のお礼メールは「スピード」が命です。どれだけ丁寧な文章であっても、送るタイミングを逃してしまうと効果は半減してしまいます。ここでは、相手に好印象を与える最適なタイミングと、万が一遅れてしまった場合のリカバリー方法について解説します。
基本は「当日中」か「翌営業日の午前中」がベスト
「名刺交換のお礼挨拶のポイント」でもお伝えしたように、お礼メールを送る最も理想的なタイミングは名刺交換をした「当日中」です。遅くとも「翌営業日の午前中」には送信するように心がけましょう。なぜ早急に送る必要があるのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 記憶が鮮明なうちに印象付けるため相手があなたの顔と名前、会話の内容を覚えているうちにメールを送ることで、記憶の定着を図れます。
- 「仕事が早い」という信頼感を得るため即座に対応する姿勢は、ビジネスパーソンとしての信頼性や実務能力の高さのアピールにつながります。
- 競合他社との差別化展示会や交流会など、相手が多数の人と名刺交換をしている場合、素早いフォローメールは他社より一歩リードするきっかけになります。
帰社時間が遅い場合や外出先から戻れない場合は、スマートフォンから簡易的なお礼を送るのも一つの手段です。ただし、深夜や早朝の送信は相手の迷惑になる可能性があるため避け、その場合は翌朝一番（始業時間の少し後など）に送るのがマナーです。
2〜3日遅れてしまった場合の「お詫びフレーズ」例文
業務の繁忙や体調不良などでお礼メールの送信が2〜3日、あるいはそれ以上遅れてしまうこともあるかもしれません。「今更送るのは気まずいから」といって送らないままにするのが最も避けるべき対応です。遅れてしまった場合は冒頭で素直にお詫びの言葉を添えれば問題ありません。言い訳を長々と書くのではなく、簡潔に非礼を詫びてから本題に入りましょう。
- 先日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
- 本来であればすぐにお礼を申し上げるべきところ、ご連絡が遅くなり大変失礼いたしました。
このように一言クッション言葉を挟むことで、誠実な姿勢を伝えることができます。
名刺交換後に送るお礼メールの例文
それでは、名刺交換後に送るお礼メールの例文を5パターン紹介します。それぞれのケースに合わせて参考にしてみてください。
営業・商談後のお礼メールの例文
件名
【株式会社〇〇】本日はありがとうございました
本文
〇〇株式会営業部 田中様 初めてメールさせていただきます。
本日商談でお伺いいたしました、株式会社〇〇の鈴木でございます。
本日はご挨拶と商品説明の機会をいただき、誠にありがとうございました。
ご多忙の中、お時間を割いてくださり心よりお礼申し上げます。
ご案内させていただいた製品に関しまして、ご不明点やご要望がありましたら何でもお問合せいただければ幸いです。
田中様にご紹介いただきました〇〇も早速調べて購入しました。新しい趣味が増えて嬉しい限りです。素敵な情報をありがとうございました。
お忙しいかと思いますので返信不要でございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
鈴木
まずは、営業や商談で名刺交換をした後のお礼メールの例文です。
営業時に話したエピソードや、製品の情報を記載することでより相手との距離感を縮めることができるようなメールを作成することができるでしょう。
交流会後のお礼メールの例文
件名
〇〇交流会の名刺交換のお礼
本文
〇〇株式会社 田中様 突然のメール失礼いたします。
本日開催された〇〇に関する交流会にて名刺交換をさせていただきました、株式会社〇〇の鈴木です。
本日のお礼でメールをさせていただきました。名刺交換の機会も頂戴し、ありがとうございました。
田中様の事業やゴルフのお話を聞けて本日は非常に有意義な時間を過ごすことができました。貴重なお時間をありがとうございました。
私もゴルフを最近始めましたので、ぜひお話されていたゴルフ場に一度ご一緒させていただければ幸いです。
お忙しいかと思いますのでご返信は不要です。
今後とも何卒よろしくお願い致します。 鈴木
こちらは何らかの交流会後のお礼メールの例文です。
初対面で名刺交換をした後に送るお礼メールで、仕事に繋げようと営業色が強すぎるメールを送ると相手もあまり良い印象を持ちません。
またお礼メールでは相手の負担にならないよう「返信不要」の旨を記載しておくと親切です。
セミナー後のお礼メールの例文
件名
〇〇セミナーで名刺交換させていただいた鈴木です
本文
突然のメール失礼いたします。
〇〇セミナーにて、名刺交換をさせていただきました株式会社〇〇の鈴木です。
本日は貴重なお時間をいただきお話させていただきまして誠にありがとうございました。
今回のセミナーでは弊社の課題を解決するヒントを得ることができ、非常に有益な勉強をすることができました。
また、セミナーで田中様と同席させていただけたことも、大変刺激になりました。今回の内容を活用した結果や活かし方など、ぜひ今後も情報交換させていただけたら幸いです。
貴社とのビジネス面での親和性もあることが分かりましたので、今後何か良いご縁があれば幸いです。
本日は本当にありがとうございました。
鈴木
セミナーでは大勢の人と名刺交換することがあります。同じような業種や悩みを抱えた人と知り合える機会なのでお礼メールを送ってぜひ良好な関係作りに役立てましょう。
展示会後のお礼メールの例文
件名
【〇〇展示会のお礼】××ブースの田中です
本文
初めてメールをさせていただきます。
本日行われた展示会にて名刺交換をさせていただきました、株式会社〇〇の鈴木と申します。
〇〇展示会では、お忙しいなか当社ブースにお立ち寄りいただき誠にありがとうございました。
当ブースでは「製品名」の最新モデルを中心にご案内させていただきました。田中様の今後の参考になりましたら幸いです。
「製品名」の詳しい説明は下記URLよりご覧いただけます。また、田中様がご希望の予算、機能を考えると他の製品も選択肢に入るかと思いますのでそちらの資料も併せて送らせていただいております。
http://xxxxx.xxxx.com//
疑問点やご不明点がございましたら、鈴木までお気軽にお問い合わせください。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
製品説明をした際に相手が話していた内容や課題に対する提案ができると「話を覚えていてくれた」という良い印象を相手に与えることができるでしょう。
名刺を切らしていた場合のメールの例文
件名
本文
メールにて失礼いたします。
本日、弊社山田とご挨拶に伺った際に名刺を頂戴しました株式会社〇〇の鈴木です。
本日は名刺をいただきありがとうございます。
あいにく当方の名刺を切らしており、大変失礼いたしました。
改めてご挨拶をと思い、メールを送らせていただきました。名刺は改めて郵送にて送らせていただきます。 本日お話いただいた課題を解消できるようなプランを弊社でしっかりと考えさせていただき、またご提案の機会をいただけたらと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
こちらは名刺交換時に名刺を切らしてしまっていた場合の例文です。名刺を切らしてしまっていた旨を謝罪し当日中にはメールを送るようにしましょう。名刺を交換し損ねてしまった場合には、郵送にて送るのがマナーとされています。
【シーン別】オンライン名刺交換やWeb会議後のお礼メール
近年、オンライン商談やWeb会議が定着しましたが、お礼メールの重要性は今も変わりません。対面での名刺交換がない分、メールでの丁寧なフォローが関係構築の大切な一歩になります。ここでは、オンラインならではのシチュエーションに合わせた書き方を紹介します。
オンライン名刺交換（Sansanなど）を経由した場合の書き方
オンライン名刺交換ツールで名刺情報を交換しただけで終わらせてしまうケースは意外と多いものです。しかし、システム通知だけではどうしても事務的な印象になりがちです。
交換が完了した後に、改めて自分のメールアドレスからお礼を送ることで、温かみのある丁寧な対応に変わります。例えば、以下のような一言を添えるとスムーズです。
- 先ほどはオンラインでの名刺交換にご対応いただき、ありがとうございました
- ご登録いただいた情報を確認いたしました
このように、一歩踏み込んだメッセージを送ることで、コミュニケーションがより自然になります。
URL（Zoom等）を発行してもらった場合のお礼文面
Web会議の際、相手側がZoomやTeamsのURLを発行しホストを引き受けてくれることがあります。この場合は、通常の面談のお礼に加えて会議の準備・セッティングに対する感謝も必ず伝えましょう。
「お忙しい中、Web会議のセッティングをいただきありがとうございました」という一文があるだけでも、相手への敬意がきちんと伝わります。オンラインでは感謝の気持ちが表情から伝わりにくいため、言葉にしてしっかり伝えることが大切です。
あなたの評価を下げるかも？名刺交換お礼メールのNGマナー
お礼メールは「送ればOK」ではありません。マナーを欠くメールは逆に「雑な対応をする人」という印象を与えかねないため注意が必要です。
会社名・氏名の誤字脱字（再チェックの重要性）
ビジネスメールで最も失礼なのが、相手の会社名や氏名の誤字脱字です。名刺交換直後は手入力のミスや予測変換の誤りが起きやすいタイミングでもあります。特に注意すべきポイントは以下です。
- 「株式会社」の位置（前株・後株）
- 氏名の漢字違い（例：斉藤／斎藤、渡辺／渡邊 など）
- コピペ時に前の送付先の社名が残っていないか
送信前には名刺と本文を指差し確認するなど、丁寧な最終チェックを習慣にしましょう。
テンプレート丸出しの無機質な定型文
効率化のためにテンプレートを使うのは問題ありません。ただ、それをそのまま貼り付けただけの無機質な文章では、相手に「誰にでも送っているんだな」とすぐに見抜かれてしまいます。大切なのは、テンプレートをベースにしつつ、その時の商談や会話の内容を一文でも盛り込むことです。
例えば、以下のように相手との会話に紐づく一文があるだけでメールに血が通い、気持ちがしっかり伝わる温かいメッセージになります。
- 「〇〇に関するアドバイス、大変参考になりました」
- 「ご紹介いただいた〇〇について、早速調べてみます」
お礼メールをBCCで一斉送信するのは危険？
展示会やセミナーなど大勢の方にお礼メールを送る場面はよくあります。 例えば、一度に数百件の送信が必要になった際、「BCCで一括送信すれば手間が省ける」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、BCCでの一斉配信は、実は多くのデメリットやリスクをはらんでいます。
- 個人情報漏洩のリスク操作ミスでCCにアドレスを入れてしまい、全員のアドレスが公開されてしまう事故が後を絶ちません。
- 配信の遅延や不達大量送信はスパム（迷惑メール）とみなされやすく、相手に届かないことがあります。
- 効果測定ができない「誰がメールを開封したか」「リンクをクリックしたか」といった分析ができません。
下記の記事では、こうしたBCC配信のリスクや正しい使い分けについて詳しく解説していますので、ぜひ一度確認してみてください。
関連記事：BCCで一斉送信は危険！？正しいCC・BCCの使い方をメールのプロが解説します
BCC配信ではなくメール配信システムの利用がおすすめ
お礼メールに限らず、複数の方へメールを配信する際は、専用の「メール配信システム」を利用するのが断然おすすめです。これを使えば、BCC配信で起こりうるリスクを回避し、安全確実にメールを届けることができます。
さらに便利なのが「差し込み機能」です。 本文中に相手の「会社名」や「氏名」を自動で挿入できるため、一斉配信でありながら、まるで1対1で送っているような丁寧なメールを作成できます。以下の記事で、おすすめのメール配信システムを厳選して紹介しています。「どれを選べばいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事：メール配信システム比較20選！機能・料金を徹底比較
おすすめのメール配信システム「ブラストメール」
数あるメール配信システムの中でも、特に導入しやすくおすすめなのが「ブラストメール」です。
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公式サイト：シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」
FAQ
- Q：名刺交換後のお礼メールは必ず送るべきですか？
- A：ビジネスマナーとして必須ではありませんが、相手に好印象を与えたり名前を覚えてもらったりするためには、**できるだけ送ることが推奨されます**。
- Q：お礼メールを送る最適なタイミングはいつですか？
- A：相手の記憶が鮮明なうちに感謝を伝えるため、**名刺交換をした「当日中」に送るのがベスト**です。もし遅れてしまった場合は、お詫びの一言を添えましょう。
- Q：お礼メールの件名はどのように付けるのが良いですか？
- A：受信ボックスで埋もれないよう、**「〇〇交流会での名刺交換のお礼／株式会社〇〇 氏名」のように、用件と送信者が一目で分かる件名**にしましょう。
- Q：こちらが複数名で訪問した場合、誰が送るべきですか？
- A：基本的には**自社の中で一番役職が高い人が代表して送るか、連名でお礼メールを送るのが一般的**です。
- Q：当日名刺を切らしてしまっていた場合はどうすればいいですか？
- A：メール内で名刺を切らしていた非礼を詫びつつ、**後日改めて名刺を郵送するのがマナー**とされています。
まとめ
以上、名刺交換後のお礼挨拶のポイントと例文をまとめました。名刺交換後のお礼の挨拶はマストではないですが、良い印象を残したい場合には積極的に行いたいところです。
また、お礼の挨拶はメールを使って行うのがビジネスシーンでは一般的です。お礼メールを送る際には本記事で紹介した例文を参考にしてみてください。当ブログ限定で、謝罪メールや電話営業後お礼などビジネスメールで使える例文をまとめた「例文集」ブックを無料プレゼントしております。
ビジネスシーンでのメールのやりとりでは「これで相手に失礼ないかな」と不安になることが多々あるかと思います。ぜひこちらを活用してスムーズにメール作成をできるようにしてみてくださいね。
