メールマガジン(メルマガ)は、多くの企業にとって高い効果を発揮するマーケティング手法です。すでに取り入れている会社も多いのではないでしょうか。
一方で、メルマガを配信する際、多くの人が直面する問題の一つが迷惑メールとして判定されてしまうことです。せっかくのメルマガも、迷惑メールフォルダに入ってしまっては届けたい情報がきちんとターゲットに届きません。
本記事では、メルマガが迷惑メールに入ってしまうのを避けるためのポイントと対策をご紹介します。
目次
スパムフィルタとは?
スパムフィルタとは、不必要または有害とみなされるスパム(迷惑メール)を自動的に検出し、ブロックまたは分類するための技術や仕組みです。ユーザーが不要なスパムメールを避け、重要なメールだけを確実に受信できるようにします。
スパムフィルタは特定のルールに則って迷惑メールの判定をしています。メールがうまく届いていない場合、あなたのメルマガがスパムフィルタに迷惑メール判定を受けてしまっている可能性があります。
メルマガがスパムフィルタに迷惑メール判定を受けてしまう原因について詳しく解説します。
迷惑メールと判定される原因
メルマガが迷惑メールに振り分けられる原因は、大きく分けて3つです。
- コンテンツの問題
- 送信先のリストの問題
- 送信元の環境の問題
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
コンテンツの問題
まず考えられるのはメールの件名や内容といったコンテンツがスパムフィルタに引っかかってしまうことです。
送信しているメルマガに以下のようなコンテンツが含まれていないか見直してみましょう。
「無料」や「お得」といったキーワード
「無料」「限定」「今だけ」「大幅値引き」などの宣伝や購買を促す言葉が多すぎると、スパムと判断されやすくなります。
「100%保証」「最高の投資」「億万長者」など、誇張された表現もスパムのトリガーとなりやすいので注意しましょう。
感嘆符が多すぎる
「今すぐ申し込んで!!!」といった、感嘆符の連続使用はスパムフィルタのチェック対象です。
不自然なリンクやURL短縮サービスの使用
「bit.ly」などのURL短縮サービスや不自然なリダイレクトリンクを使うと、スパムと見なされる可能性が高まります。信頼できるリンクを直接貼るように心がけましょう。
画像が多く、テキストが少ない
画像の割合が高く、テキストが少ないメルマガは、スパムと判断されやすいです。テキストベースのコンテンツと画像のバランスを取ることが重要です。
HTMLの過剰な使用
色やフォントのサイズ変更、強調表示、複数のフォントスタイルなど、過度にスタイルが適用されたHTMLコンテンツもスパムとみなされやすくなります。シンプルで読みやすいデザインを心がけると良いでしょう。
過激・誇大表現した件名
件名に「緊急」「今すぐ確認」「クリック必須」といった急かす表現や誇張した表現があると、スパムフィルタが作動しやすくなります。件名は具体的で中立的な表現にしましょう。
これらの点に気を確認し、改善することで、スパムフィルタを避けつつメルマガの配信効果を高めることができます。
送信先メールリストの問題
送信先メールリストの信頼性も、迷惑メールに振り分けられてしまう大きな要因の一つです。
特に、購入したリストや長期間メンテナンスされていないリストは危険です。無効なアドレスや過去にスパムとして報告されたアドレスが含まれている可能性が高く、スパム報告が増加するリスクがあります。
送信元のIPアドレスやドメインの信頼性が損なわれ、最悪の場合、他の重要なメールもブロックされてしまうこともあります。
リストを定期的にクリーニングし、登録時の二重確認(ダブルオプトイン)などの方法で健全なリストを維持することが重要です。
送信環境の問題
メルマガの送信環境も確認しましょう。
メルマガが迷惑メールに入っている場合、以下項目をチェックしてみましょう。
ドメインやIPアドレスの評価
評価が低いドメインやIPアドレスからの送信は、スパムと見なされやすくなります。
過去にスパムが送信されたドメインやIPアドレスが使用されている場合、評価が下がる可能性があります。
メール認証技術の設定
SPF、DKIM、DMARCといったメール認証技術が設定されていないと、送信元の信頼性が低くなり、迷惑メール判定を受けてしまいます。
2024年2月にはGmailの送信者ガイドラインも改訂され、判定基準も厳しくなっているので対応済みのメール配信システムを使うなどして認証を済ませるようにしましょう。
参考記事:【解決策】2024年2月よりGmailガイドラインが変更!1日5000件以上の配信は対応必須!
送信ペースの調整
短時間に大量のメールを送信すると、不自然な送信ペースとみなされ、スパム判定の原因になります。
1日に何通もメールを送ってしまっている、など心当たりがある人は、配信頻度を調整してみましょう。
メルマガを迷惑メールにさせないための対策
スパムフィルタはルールに基づいて迷惑メール判定をしているので、きちんと対策をすれば判定を受けずに済みます。
ここでは、メール判定を回避するために必要な対策を紹介します。
ドメイン認証を実施する
SPF、DKIM、DMARCなどの認証を設定することで、メール受信者に送信元の信頼性を伝えることができます。これにより、スパムフィルタによる誤判定を減らし、メルマガが受信者に届きやすくなります。
参考記事:【図解】SPFレコードとは??spfレコードの仕組みを初心者にも分かりやすく解説します
参考記事:【図解あり】DKIMの役割を3分で解説!!ドメイン送信技術のDKIMの仕組みを理解しよう
リストを定期的にメンテナンスする
スパム判定を避けるためには、定期的に配信リストのメンテナンスをすることが重要です。
存在しないアドレスや、迷惑メール申告をされたアドレスをリストから削除することで、配信効率を高め、迷惑メール判定のリスクを減らすことができます。
また、配信リストの品質を維持することで、メルマガの開封率やクリック率の向上にもつながります。
煽るような件名とコンテンツは避ける
過度に煽るような件名は、スパムフィルタに引っかかりやすいので注意しましょう。
当然ですが、メルマガは読まれることに意味があります。受信者にとって価値のある情報を掲載しましょう。
過度に煽るような文言や、大量の感嘆符(!など)は一時的には効果を発揮するかもしれません。しかし長期的に見ると、オプトアウト(配信停止)の増加、配信可能リストの減少につながります。
メルマガは長期的に効果を発揮するマーケティング施策なので、短期的な効果を追い求めると思ったような成果は出にくくなってしまいます。
ルールを守ったメルマガ配信をしよう
メールマガジンが迷惑メールに判定されないようにするには、ルールを守った配信をするのが一番です。
ここでは、特に守るべき法律について解説していきます。
特定電子メール法
「特定電子メール法」は、迷惑メール対策を目的とした法律で、商業目的のメールに適用されます。
主に以下のようなルールが定められています。
- オプトインの原則:メール配信には受信者の同意が必要です。未承諾者への配信は禁止されています。
- 送信者情報の明示:メール内に、送信者の氏名や住所、連絡先を明記する必要があります。
- 配信停止の案内:受信者が簡単に配信停止できるリンクや方法をメールに含める必要があります。
違反が発覚した場合、最大100万円の罰金が科せられることがあります。
参考記事:「特定電子メール法」とは?違法にならないためのポイントを理解しましょう!
個人情報保護法
個人情報を適切に取り扱うことを義務付ける法律で、メルマガの配信に必要な個人情報(メールアドレスなど)にも適用されます。
メルマガに関連する主な規制内容は以下のとおりです。
- 同意の取得:個人情報を収集する際は、その利用目的を明示し、同意を得る必要があります。
- 第三者提供の制限:利用者の同意がない限り、メールアドレスなどの個人情報を第三者に提供することはできません。
- 安全管理措置:個人情報を適切に管理し、漏洩防止策を講じることが求められます。
電子契約法
基本的に電子契約に関する法律ですが、有料のメルマガを配信する際などには購読契約やユーザー同意が含まれ、関連することがあります。
メルマガにかかわる主な規制は以下の2つです。
- 同意の明示:電子手時に契約や同意を取得する際には、意図が明確に示される必要があります。
- 取り消しの可能性:一度同意した場合でも、受信者はのちに自由に購読を解除(配信停止)できる仕組みが必要です。
景品表示法
広告や販売促進活動での虚偽表示や誇大表現を規制する法律で、メルマガ内で宣伝や広告を行う際は準拠する必要があります。
規制内容は以下のとおりです。
- 不当表示の禁止:製品やサービスについて、事実と異なる情報を掲載しないこと
- 景品の提供制限:一部の業界では、過剰な景品や特典の提供が禁止されています。
「うっかり」だったとしても場合によっては罰金などの刑罰に当たることもあります。
法令順守はメルマガという領域にかかわらず、企業としては必須項目なので、メルマガ配信者は関連する法律について理解しておきましょう。
メルマガ配信にはメール配信システムがおすすめ
メルマガのような大規模なメール送信を行う際は「メール配信システム」の利用をおすすめします。ここでは、メール配信システムのメリットについて説明します。
スパムフィルタ対策が充実している
メール配信システムにはドメイン認証などセキュリティに特化した機能が備わっています。また、信頼度の高いIPアドレスを保有していることも多く、通常のメーラーで配信を行うよりも到達率が高くなります。
宛先リストの管理が容易
メール配信システムにはセグメント配信機能がついていることが多く、送信先を容易に調整できます。Gmailなどのメーラーでも可能ではありますが、誤送信等のリスクがあるので、あまりおすすめのやり方ではありません。
セキュリティ上のリスクを抑えられる
誤送信やCC/BCC間違いといった人的エラーから生じる情報漏洩といったリスクも最小限に抑えられます。
大量のメールを一度に効率的に送信できる
メール配信システムは多くの場合、大量送信に適したサーバーを使用しているので、一度に大量のメールを送ることができます。また、有料サービスの場合、送信通数やアドレス数に応じて料金が設定されているので、自分に合ったシステムを導入すれば、低価格で大量のメール配信が可能です。
特にブラストメールは、アドレス数に応じた料金プランなので、配信数の少ないメルマガ初心者にもお得に使えるサービスです。
配信の分析ができる
メール配信システムは多くの場合、到達率や開封率、クリック率といった指標の分析が可能です。
特にメルマガを送りたい場合、施策の効果測定は必須です。通常のメーラーを使った一斉送信ではどれだけ届いたか、何人が開封したか、といったデータが全く取れません。
メルマガを送りたい人にはメール配信システムの利用を強くお勧めします。
参考記事:メール配信システムおすすめ比較20選!専門家が図解とランキング形式で解説
メール配信システムの選び方
メール配信システムには多様なサービスがあるので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、メール配信システムを選ぶ時のポイントについて解説します。
配信先の安全性と到達率
到達率も非常に重要です。SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)といった、メールの正当性を保証するための認証プロトコルに対応していないと、メールがスパム扱いされる可能性が高くなります。
特にGmailは送信者ガイドラインもアップデートされているので、これらの対策がなされているシステムを選ぶのは必須といえるでしょう。
関連記事:【解決策】2024年2月よりGmailガイドラインが変更!1日5000件以上の配信は対応必須!
サポート体制
メールの一斉送信は個人情報を扱う非常にデリケートな領域なので、万が一の際のサポート体制は非常に重要です。特にチャットサポートや電話サポートといった、リアルタイムのサポートが提供されているか、日本語でのサポートがあるかは重要なチェックポイントになりえるでしょう。
配信規模と料金プラン
メール配信システムは、配信規模によって最適な料金プランが異なります。少量のメールであれば無料プランでも十分ですが、配信リストが増えたり、頻繁にメールを送信する場合は有料プランをお勧めします。
機能の充実度
メール配信システムには、セグメント機能や効果測定など、様々な付加機能が用意されています。必要な機能が揃っているか確認しましょう。
また、不必要な機能がついていることで、金額が高くなっているケースもあります。本当に自社で必要な機能は何かを考えたうえで、必要最低限のプランを選ぶことをおすすめします。
使いやすさ
メルマガ初心者の場合、いきなり高度なデザインの入ったメールを0から作成するのは非常に難易度が高いです。また、管理画面の見やすさも、メルマガの運用をしていく上では非常に大切です。
無料トライアルやFreeプランを提供しているサービスは、実際に使ってみることができるので、自分に合ったサービスを探すのに役立つでしょう。
メルマガ配信するならブラストメール(blastmail)
ブラストメールは、14年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール判定対策機能はもちろん、セグメント配信や豊富なテンプレート、HTMLメールエディタなど、メルマガに必要な基本的な機能はすべて揃っています。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。
また、配信速度が高く、到達率が非常に高い点も魅力です。
「メルマガの到達率を上げたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。
無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
メルマガを迷惑メールにさせないためには、コンテンツ、配信リスト、送信環境、法律遵守など、様々な要素に注意する必要があります。
地道な対策を積み重ねることで、メルマガの配信効率を高め、受信者に価値のある情報を届けることができます。今後の配信では、今回学んだポイントを踏まえ、より効果的なメルマガ配信を目指しましょう。