タッチポイントは顧客接点とも言われており、顧客と企業を結ぶ窓口の役割を果たしています。
以前は、チラシ広告・FAX、営業などが主なタッチポイントでしたが、現代はウェブ関連のタッチポイントが増えており、各企業もタッチポイントの整備を行っています。
この記事ではタッチポイントの重要性や、企業ごとに行っているタッチポイントの事例を解説します。
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目次
タッチポイントとは
タッチポイントとは、企業が提供しているサービス・商品と顧客の接点を指します。
この記事では、ウェブを使ったタッチポイントと、紙媒体や看板などのディスプレイ広告を分け、前者をウェブ系、後者をアナログ系タッチポイントとして解説します。
ウェブ系のタッチポイント
ウェブを使ったタッチポイントには以下のものがあります。
- メールマガジン
- 自社アプリ
- ECサイト
- オウンドメディア
- SNS
- ウェブ広告
- ブログ
中でもSNSがタッチポイントとして機能し始めたのは、アナログ系のタッチポイントと比較すると最近のことです。
今となっては多くの企業がSNSをタッチポイントとしていますが、2006年にサービスを開始したTwitterでは2009年に「NHK広報局」が初ツイートを行い話題になりました。
国営放送ということもあり、どこかお役所的なイメージをもたれがちだったNHKですが、SNSでは洒落も含んだ砕けた投稿が話題を呼び、多くのリプライやいいねを獲得しています。
詳しくは後述していますが、ユーザーとの距離が近いSNSは、タッチポイントが持つ役割の一つである「企業ブランディングの確立」に重要です。
また、コロナウイルス(COVID-19)の流行が話題となっている昨今では、顧客と身体的な接触がないこともウェブ系のタッチポイントを整備するメリットの一つと言えるでしょう。
アナログ系のタッチポイント
アナログ系のタッチポイントには以下のものが挙げられます。
- 通常の接客業務
- 店舗の運営
- カスタマーサポート
- 折り込み広告
- 置き型看板
- 展示会
- ダイレクトメール
ウェブ系の顧客接点とは違い、電話を含む、人同士のやりとりや、顧客が触れることができる媒体をタッチポイントとしているものがアナログのタッチポイントとして捉えられます。
飲食店のような店舗の運営や、そこで行われるサービスを提供するまでの接客業務も、アナログ系のタッチポイントです。
直接のやりとりや触れられるものがある分、デジタルのタッチポイントと比較して、顧客に印象を残しやすいのがアナログ系タッチポイントのメリットです。
そのほかの分類
タッチポイントにはウェブ・アナログ以外にも「フロントエンド」「バックエンド」と呼称して分類する方法もあります。
ご紹介してきたタッチポイントは「フロントエンド」と呼ばれており、顧客に自社のサービスの広告が主な役割になっています。
ブランディングに効果的と言われているSNSでの投稿も、フロントエンドに含まれます。
一方の「バックエンド」はフロントエンド業務で得たデータを分析し、顧客のニーズを明確にする役割の業務です。
フロントエンドでできるだけ多くの顧客と関わりデータを集め、バックエンドではそのデータを分析します。
結果として、どのようなお客様が、どのようなタイミングで、どの商品を購入する可能性が高いのか、などの情報を把握することができます。
この記事で解説をしているのは、主にフロントエンドのタッチポイントですが、顧客のデータは得るだけではなく、分析をすることで売り上げのアップにつなげることができます。
フロント・バックエンドで分類したタッチポイントは以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
売り上げアップのカギは顧客接点!?顧客接点の概要と整備について解説します
タッチポイントの目的
タッチポイントには主に「顧客のニーズを探る」「自社のサービス・商品を広告する」という目的があります。
その結果として最終的には売り上げのアップにつなげることができるでしょう。
タッチポイントによっては、折り込みチラシなどのように広告塔としての性質が強いものもありますが、顧客とのやり取りを通じてニーズを把握する役割も忘れてはいけません。
また、先述したように「ブランドの確立」を目的の一つとして、タッチポイントを設定している企業も少なくありません。
タッチポイントの目的について、もう少し詳しく解説します。
顧客のニーズを探る
タッチポイントの役割として最も大切なのが、顧客のニーズを把握することだと言われています。
カスタマーサービスなどはその役割に大きく貢献しており、SNSのリプライもサービスのニーズを把握することができるタッチポイントです。
顧客のニーズを知ることで、提供しているサービスの改善ができ、顧客の満足度アップにつなげることができるでしょう。
サービス・商品の広告
自社のサービスを顧客に広告することも、タッチポイントを整備する目的です。
どれだけ良いサービスを提供していても、顧客に認知されなければ売り上げにつなげる事は出来ません。
ただし、認知度のアップを目的としたタッチポイントの整備は、自社のサービスと相性が良いものを選ばなくてはなりません。
例えば、60代以上の方をターゲットとしたサービスのタッチポイントには、10〜30代にアクティブユーザーが多いSNSは不向きでしょう。
後述するブランドイメージも考慮しながら、広告を目的としたタッチポイントの媒体を選びましょう。
ブランドイメージの確立
タッチポイントを通じて、企業のブランドイメージを作り上げることができます。
ブランドイメージは競合との差別化や、ファン層の獲得による長期的な利益確保に影響しています。
特にオウンドメディアや店舗の運営などはブランドイメージを作る上で重要なタッチポイントになります。
タッチポイントの事例
ここからは、実際に企業が行っているタッチポイントの整備をご紹介します。
ハーゲンダッツ
『ハーゲンダッツジャパン』はTwitterやFacebook、mixiなどのSNSアカウントで「あのフレーバーをもう一度 フレーバー総選挙」を実施しました。
消費者が各SNSアカウントから1日1票、復活して欲しいフレーバーに投票し、1位になったフレーバーに投票した人には抽選でアイスのプレゼントをするイベントです。
このキャンペーンは、公開から1ヶ月で16万票も集まったようで、認知度のアップと消費者のニーズ調査に貢献しました。
また、ハーゲンダッツはSNSを使って、地域を絞ったインフルエンサーマーケティングも展開したことがあります。
米国でハーゲンダッツを販売している『ゼネラル・ミルズ』はニューヨーク在住のインフルエンサーとタイアップして、地域住民への認知度を高め、ブランディングと集客に成功しました。
SNSという顧客との距離が近いタッチポイントに、地域性や知名度を掛け合わせた事例と言えるでしょう。
スターバックス
『スターバックス』もSNSのアカウントやアプリなどのタッチポイントを整備していますが、今回はアナログ系のタッチポイントである「接客」をご紹介します。
スターバックスはスタッフの接客をマニュアルで規定するのではなく「歓迎する」「心を込めて」「思いやりを持つ」などの5つのビジョンで接客を行っています。
マニュアル感のないナチュラルな接客は競合企業との差別化につながり、結果として企業のブランディングにも成功しています。
ウェブ系のタッチポイントとは違い、顧客との直接の関わりがあるのが、接客を含むアナログ系のタッチポイントの特徴です。
その分、顧客の印象に残りやすく、リピート率を高めることにも有効でしょう。
JBサービス株式会社
『JBサービス株式会社』はメルマガの配信を通して、自社のサービスであるIT運用支援の顧客を増やしました。
メルマガは自社のサービスを広告し販売に繋げられるだけでなく、添付したリンクのクリック率などを分析することでニーズの調査にも応用することができます。
また、JBサービス株式会社は企業間取引であるBtoBの強化にも力を入れ、今まで交換した名刺宛に、関連サービスや資料請求のメールを配信しアクションを促したそうです。
メルマガの配信をタッチポイントとして行っている企業は多くあり、JBサービス株式会社のように、ストックしていた顧客のリストを活用することもできます。
メルマガの配信をタッチポイントにするメリット
先述した事例のように、メルマガをタッチポイントとしている企業は多くあります。
インターネット調査を行う『マイボスコム』の調査によると、メルマガを受信している方の中で、「(中略)URLをクリックしてwebサイトを見たことがある」が55.6%、「メールマガジンを読んだことがきっかけで商品・サービスを購入したことがある」が29.7%になりました。
調査の結果からもわかるように、メルマガからサービスの利用を始めるお客様は3割近い割合になっています。
また、『AMP』による調査では、SNSのInstagram経由で商品を購入した方は10.1%に留まっています。
広告媒体として幅広い年代にリーチができるInstagramでも、実際に商品を購入する人の割合にフォーカスするとまだまだメジャーではないことがわかります。
SNSが台頭している時代でありますが、まだまだメールをタッチポイントとした興味・購入の喚起は有効です。
また、メルマガの配信は、商品の広告だけでなく、他にもメリットがあります。
受信者がメールを開封したか、添付したURLをクリックしたか、などの指標を分析し、受信者の反応を確かめることで、商品のニーズを把握することができるのもメルマガの魅力です。
このような分析は「効果測定機能」と呼ばれており、メール配信をサポートするメール配信サービスで利用することができます。
せっかくタッチポイントを整備するのであれば、顧客に商品を広告でき、なおかつニーズの分析も同時に行えるメルマガの配信のように、効率の良いものを選ぶのも1つの手です。
まとめ
タッチポイントの役割は以下の通りです。
- 顧客のニーズを探る
- サービス・商品の広告
- ブランドの確立
タッチポイントの分類には「ウェブ系」と「アナログ系」の2つがありますが、新型コロナウイルスの影響もあり、企業の多くはウェブ系のタッチポイント整備に力を入れています。
ウェブ系のタッチポイントとしてSNSが話題に上がることが多くなりましたが、以前から多数の企業が採用していたメルマガの配信も、商品の購入に繋げられるタッチポイントとして優秀です。
また、メルマガの配信は効果測定機能のあるメール配信サービスを利用することで、ニーズの分析にも役立てることができます。
メール配信サービスの1つである「ブラストメール 」では、効果測定を含めた様々なサポート機能を無料でお試しすることができます。
ウェブ系タッチポイントの整備に、メルマガの配信を検討されている方は是非お試しください。