雑誌やブログなどに目を通したことがある方なら、「編集後記」という言葉を見かけたことがあるでしょう。
編集後記におまけのような印象を抱くかと思いますが、編集後記は本編を面白するスパイスです。
とは言え、適当な内容を記載しているだけでは読者にとって魅力的な編集後記にはなりません。
この記事では、読み物を味わい深くする編集後記に記載すべき内容について解説していきたいと思います。
書籍だけでなく、社内誌、メルマガなど様々な媒体で編集後記は有効です。
読み物を編集されている方はぜひご覧ください。
目次
編集後期とは?
編集後記とは、雑誌や書籍などで編集者が記す「あとがき」のことです。
身近な例では、社内誌や地域の広報誌などでも編集後記を見かけることがあります。
編集後記は本編とは違い、筆者・編集者の人間らしさが伺える貴重な機会です。
編集後記の役割
編集後記には、読み物を作成したときの裏話や編集者の感想などが触れられている場合が多いです。
そうすることで、読者の作品に対する親近感を高めることができます。
また、読み物の中では触れられることがない、編集者のプライベートな顔が垣間見えることもあるため、読者と編集者の距離を縮める貴重な機会でもあります。
媒体にもよりますが、編集後記は100〜300文字前後でまとめ、文面も硬くなりすぎない様に注意をし、読者が読みたくなる書き方をするのがオススメです。
読者の欲しい情報を記載する本編とは違い、編集者の「人間らしさ」を表現できるのが編集後記の魅力と言えるでしょう。
編集後記の例
ここからは、編集後記の例文を解説したいと思います。
件名
書籍の編集後記
本文
「タイトル名」を最後までお読みいただきありがとうございます。
執筆にあたり、たくさんの取材を行ってきましたが、協力してくださった方々へも感謝の気持ちでいっぱいです。
作中にも登場する「〇〇の丘」は、実際に都内にある「◯◯山」がモチーフになっています。風光明媚なあの景色をどの様にして、作中で皆様に伝えるのか、非常に苦心しました。
「◯◯の丘」の描写だけで数日間を費やしてしまった程です(笑)
皆さんのイメージの中に、少しでもあの風景が広がることを祈っています。
書籍の編集後記は、他の媒体に比べて文量を多く確保できる場合が多いです。
読者への感謝はもちろん、作品の裏エピソードなどを語ると作品の味わいが深くなるでしょう。
件名
メルマガの編集後記
本文
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
桜の季節がやって参りましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は近所の桜が咲いたので、毎日眺めながら出勤をしています。
皆さんもぜひ、近くの春を探してみてください。
詳しくは後述しますが、難しい話題やワンパターンな内容が増える恐れがあるメルマガ配信では、配信ごとに新鮮さを演出することで読者の減少を防止することができるかもしれません。
書籍とは違い、季節に応じた編集後記を執筆することができるのも、メルマガならではです。
件名
社内誌の編集後記
本文
この1年間、社内誌として「〇〇」を編集させていただきました佐藤です。
隔月での発行でしたが、皆様に楽しんでいただき、業務への活力にしていただけていたら嬉しい限りです。
至らない点が多かったかと思いますが、来年度に向けて準備を進めていきたいと思います。
それでは皆様!忘年会でお会いしましょう!
一定の情報を共有する社員に向けて発信する社内誌では、「忘年会」「社内研修」「創設記念日」などを編集後記に記述することができます。
編集者のパーソナルな情報に加えて、社員全員に共通する話題などを使うことで、社内誌に対する愛着を深められるでしょう。
編集後記はメルマガでも重要
先ほどの解説でも触れましたが、編集後記はメルマガにおいても有効です。
メールを通じて読者に有益な情報を提供するのがメルマガの役割ですが、メルマガのジャンルによっては堅苦しい話題が続いてしまうこともあり、読者離れの原因になってしまいます。
また、セミナーの案内などのワンパターンなメルマガが連続することも、読者の離脱を誘う可能性が高いです。
メルマガのジャンルや、BtoBのメルマガでは仕方がないことかもしれませんが、編集後記をうまく使うことで、マンネリを脱却し、自社のメルマガに新鮮さを出すことができるかもしれません。
編集後記には何を書けばいいのか
ここからは、実際に編集後記にどんなものを書くのが良いのかを解説していきます。
編集後記を記載する際のポイントは「硬くなりすぎない文体」と「媒体に合わせた文字数」です。
先述の通り、編集後記は媒体によって受け入れられやすい内容や文字数が違いますが、書籍やメルマガ、社内誌と言った媒体の種類に関わらず使える編集後記の具体例をご紹介します。
挨拶、感謝の言葉
編集後記の書き出しは、読者への挨拶や感謝の言葉で始まることが多いです。
メルマガや社内誌の様に定期的に配信されるものに記載する編集後記では、季節にあった挨拶などを入れるとより新鮮な作品に仕上げることができるでしょう。
見所の紹介
読み物の見所を紹介できるのも、編集後記の有効な使い方です。
本編の内容の一部を引き合いに出し、作成エピソードや編集者の思いなどを記載しましょう。
ただし、多くの見所を紹介したいあまり、押し売りの様になってしまうのも考えものです。
あくまで読み物を味わい深くするためや、読者との距離感を縮めるためのスパイスとして編集後記で見所を紹介しましょう。
編集をした感想
編集・執筆をした感想を率直に紹介するのもオススメです。
製作者側の感想はどんな媒体であれ、本編では触れられることのない情報になるので、読者との距離を縮めることができるでしょう。
編集者・執筆者の情報
編集者、執筆者のパーソナルな情報を編集後記に入れることで、読み物を通して人間らしさを感じさせることができます。
冒頭でご紹介した例文では、「近所の桜」などの話題がパーソナルな話題になります。
ただし、あまりに突然過ぎる内容だと不自然な印象を読者に与えてしまう可能性があります。
メルマガなのどの編集後記にかけられる文字数が少ない媒体ではある程度は仕方ありませんが、基本的には読み物の内容に関連した話題にしましょう。
まとめ
編集後記とは、いわゆる「あとがき」のことです。
編集後記には、本編では触れられることのない裏話や筆者のパーソナルな情報などを記載して、読者との距離を縮めましょう。
編集後記を記載するのは書籍や各種情報誌だけでなく、メルマガの様な媒体でも有効です。
定期的に発行しているメルマガの様な媒体にも編集後記を入れることで、新鮮さを演出することができるでしょう。
読み物に深みを与え、読者との距離を縮めるスパイスとして、魅力的な編集後記を書いてみてくださいね。