ビジネスの現場では日々多くのメールが飛び交う中で、「行き違い」が発生してしまうことは少なくありません。
返信の遅延や誤認、送信先の間違い、情報の共有漏れなど、ちょっとしたミスが信頼関係の損失につながることもあります。
こうした事態に直面したとき、重要なのは迅速かつ誠意ある対応です。
この記事では、メールの行き違いが起きてしまったときに取るべき具体的な対処法と、お詫びメールの文面例、その後の信頼回復に向けたフォローアップの方法までを丁寧に解説します。
ビジネスパーソンとしての信頼を守るためのヒントとして、ぜひお役立てください。
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目次
メールの行き違い、なぜ起こる?
そもそもメールの行き違いは、なぜ起きてしまうのでしょうか?
原因を分類すると、いくつかの状況に分けられます。状況によってその後の対象法も変わってきますので、まずは行き違いが起こってしまう原因を突き止めましょう。
タイムラグによる情報のズレ
メールコミュニケーションにおいて、情報のタイムラグは避けて通れない問題です。
メールは送信されてから相手に届き、開封されるまでに時間がかかるため、その間に状況が変化してしまうことがあります。
例えば、あなたが何か商品を注文し、銀行振込で支払いを行った後すぐに「入金確認のお願い」というメールが届いたとすれば、これはタイムラグによって引き起こされた行き違いと言えるでしょう。
企業間取引においては、このタイムラグがより大きな問題に発展する可能性もあります。
例えば、A社がB社に製品の在庫状況を問い合わせるメールを送ったとします。
しかし、そのメールが確認されるまでに時間がかかり、在庫状況が変動してしまった場合、A社は最新の情報に基づいた意思決定をすることができません。
緊急性の高い情報や、リアルタイムでの情報共有が必要な場合には、電話やチャットツールなどを活用することで、タイムラグを最小限に抑えることができます。
コミュニケーション不足による誤解
メールのみに頼ったコミュニケーションは、相手の表情や声のトーンが伝わらないため、意図やニュアンスが正確に伝わりにくく、誤解が生じやすいというデメリットがあります。
特に、複雑な内容や感情が絡むような内容を伝える場合は、メールだけでは不十分な場合があります。
例えば、プロジェクトの進捗状況について報告する場合、メールで文章のみで伝えると、状況が正確に伝わらず、認識の齟齬が生じてしまう可能性があります。
確認不足による手違い
メールの行き違いの原因として、確認不足による手違いも挙げられます。
送信前に宛先や内容を十分に確認しないまま送信してしまうと、誤った情報を送ってしまったり、個人情報を漏洩させてしまったりする可能性があります。
た、返信する際に過去のメールを引用せずに、新しい情報だけを伝えてしまうと、相手が状況を把握できずに混乱することもあります。
例えば、複数の人に同じ内容のメールを送る際に、宛先を間違えて、関係のない人に送ってしまったり、個人情報が含まれたファイルを添付したメールを誤って社外に送信してしまったりするケースが考えられます。
このような確認不足による手違いを防ぐためには、送信前に必ず宛先、件名、本文、添付ファイルなどを確認する習慣を身につけましょう。
返信する際には、過去のメールを引用し、どの部分に対する返信なのかを明確にすることで相手が状況を把握しやすくなります。
特に、重要な情報を送信する際には、ダブルチェックを行うなど、慎重な対応を心がけましょう。
メールの行き違いが発生が発生してしまったときのお詫びメールの書き方
ここからは、実際に行き違いが発生してしまったときの対処について解説していきます。
送信するメールの文面サンプルもあるので参考にしてみてください。
まずはすぐに連絡する
メールの行き違いが発生してしまったときに最も重要なことは、迅速に連絡し一言謝っておくことです。
対応が遅れるほど、相手の不信感は増します。小さなことから信頼関係を損なう可能性がありますので、早めに対処しましょう。
誤送信など、情報漏洩リスクがある場合には、直ちに状況の説明をして、自社に非がある場合は合わせて謝罪をしましょう。
参考記事:メール誤送信の有効な対策とは? 今すぐ実践できる誤送信対策でヒューマンエラーを防ぐ
相手への配慮を忘れずに
お詫びメールを書く際には、お詫びの言葉だけでなく、相手への配慮を示すことも重要です。
相手の立場に立って考え、相手がどのような気持ちでいるのかを想像し、言葉を選ぶようにしましょう。
また、お詫びメールを送る際には、相手に返信を強要しないように配慮することも大切です。
行き違いが生きてしまったときのメールの例文
まずは一番オーソドックスなものから紹介します。
件名
【お詫び】〇〇(案件名)に関するご連絡の行き違いについて
本文
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。
先日は、〇〇(案件名)について催促のご連絡を差し上げましたが、
ご連絡が行き違いとなり、大変申し訳ございませんでした。
その後、〇〇(状況)について確認が取れ、
〇〇(解決策)を実施させていただきました。
今後は、より一層確認を徹底し、
このような行き違いがないよう努めてまいります。
この度は、ご迷惑をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げます。
引き続き、よろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□
行き違いのお詫びメールを作成する際には、この例文を参考に、状況に合わせて内容を調整し、相手に誠意が伝わるように心がけましょう。
ここからは、状況ごとの行き違いのお詫びメールの例文を紹介します。
返信のタイミングによる行き違い
件名
ご返信の行き違いについてのお詫び
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先ほどのご返信と私のメールが行き違ってしまい、混乱を招いてしまい申し訳ございませんでした。
改めて、〇〇様のご意向に沿って「A案」で進めさせていただければと存じます。
念のため、現在の認識を以下にまとめさせていただきました。
(内容箇条書き)
引き続きよろしくお願いいたします。
送信先の間違い(誤送信)
件名
誤送信のお詫び
本文
本文:
コピーする
編集する
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先ほどお送りしたメールにつきまして、誤って別の宛先に送信してしまいました。
大変失礼いたしました。
お手数ですが、誤送信メールは破棄いただけますと幸いです。
以後、確認を徹底し再発防止に努めてまいります。
このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
添付ファイル・資料の漏れやミス
件名
添付漏れのお詫びと再送のご連絡
本文
編集する
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先ほどのメールにて、「見積書を添付」と記載しておきながら、添付漏れがございました。
大変失礼いたしました。
改めて、見積書を本メールに添付してお送りいたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
今後はこのようなミスがないよう、注意してまいります。
表現・言い回しの誤解
件名
表現に関する誤解へのお詫び
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先ほどのメールにて、「○日以降であれば対応可能です」と記載した件ですが、
表現が不十分で誤解を招いてしまい、大変申し訳ございません。
正確には、「○日を含め、それ以降の日程であれば対応可能」という意図でした。
言葉足らずでご迷惑をおかけし、申し訳ありません。
今後はより明確な表現を心がけてまいります。
指示の読み飛ばし/認識違い
件名
先日のご連絡について再確認のお願い
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先日お送りしたメールの末尾に記載しておりました
「ご返信のお願い」の件が分かりづらかった可能性があり、
改めてご連絡差し上げました。
念のため、要点を下記にまとめておりますので、ご確認いただけますと幸いです。
(内容記載)
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
複数人でのやり取りによる混乱
件名
メールの内容確認と整理のお願い
本文
関係者各位
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
本件のメールのやり取りが多岐にわたっており、情報の行き違いが生じている可能性がございます。
つきましては、現在の状況を整理した上で、改めて方向性をすり合わせできればと存じます。
以下に現時点の認識をまとめておりますので、ご確認のうえ
必要があればご指摘いただけますと幸いです。
(整理された内容)
何卒よろしくお願いいたします。
予定・期日の認識ズレ
件名
納期認識に関するご確認とお詫び
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
納品予定日の認識について、当方の説明が不明確で誤解を招いてしまい、
ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。
改めて、弊社としては「〇月〇日中=当日17時まで」の想定でおりましたが、
認識に齟齬がないか確認させていただけますと幸いです。
以後、日付や時間については明確に記載するよう努めてまいります。
自動返信との誤認
件名
ご返信遅延へのお詫びと確認
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
先日お送りしたメールにつきまして、〇〇様の自動返信(ご不在連絡)を
失念しており、返信が来ないものと誤認してしまいました。
大変失礼いたしました。
ご対応可能な時期に改めてご確認いただければ幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
各文面は、柔らかさと誠意を保ちつつ、要点を簡潔に伝えることを意識しましょう。
行き違いが生じるケースを事前に断っておくメール文のサンプル
どれだけ気を付けていても行き違いは起こってしまうものです。
ここでは、あらかじめ「」行き違いが起こってしまうケースも想定したうえで、事前に謝っておくメール文を紹介します。
【パターン①】表現に曖昧さがあるかもしれない場合
件名
ご連絡内容に関して念のための補足です
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
本日お送りした内容につきまして、少し分かりづらい表現があったかもしれませんので、
念のため補足させていただきます。
(補足内容を簡潔に記載)
もしご不明な点やご不安な点がございましたら、遠慮なくお知らせください。
念のためご確認のほど、よろしくお願いいたします。
【パターン②】送信タイミングや返信内容にズレが生じそうな場合
件名
行き違い防止のため、念のためご連絡です
本文
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
本日お送りした件について、タイミングによっては〇〇様からのご連絡と行き違ってしまう可能性がございますので、
念のため事前にご連絡差し上げました。
万が一、内容が前後してしまった場合はご容赦いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
【パターン③】複数名でのやり取りで認識に差が出そうな場合
件名
念のための確認と事前共有について
本文
関係者各位
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
本件、複数の関係者がいらっしゃるため、今後のやり取りで認識に差が出てしまう可能性がございます。
そのため、行き違いを防ぐ目的で現時点の情報を一度整理し、共有させていただきます。
(共有内容:日時・対応状況など)
もし補足事項や見落としがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
こうした「未然のひと言」は、特に初対面の相手・社外・重要案件において効果的です。うまく活用してビジネスの関係構築をスムーズにしましょう。
メールの行き違いを減らすための予防策
ここからは行き違いを減らすために事前に行っておくとよいことを紹介します。
送信前のダブルチェック
メールの送信ミスは、ビジネスにおいて深刻な問題を引き起こす可能性があります。
必ずダブルチェックを行うことが重要です。以下の項目は特に注意が必要です。
- 宛先
- 件名
- 本文
- 添付ファイル
- 不適切な表現がないか
などをチェックしましょう。
特に、複数人に送信する場合は、宛先が正しいかどうか、個人情報が含まれていないかなどを慎重にチェックする必要があります。
宛先を間違えてしまうと、関係のない人にメールが届いてしまい、情報漏洩につながる可能性があります。
また、添付ファイルの内容が正しいかどうか、ウイルスに感染していないかなども確認しておきましょう。
事前に断っておく
先ほどサンプルのメールも紹介しましたが、基本的にメールの行き違いはビジネスにおいて避けられないことです。
そのためそれほど大きな問題には発展しません。
きちんとあらかじめ断っておくことで、トラブルになる前に防ぐことが可能です。少し手間に感じても、早めに対策をしておくことをお勧めします。
まとめ
メールの行き違いは、ビジネスシーンにおいて、誰もが経験する可能性のある問題です。
この記事では、メールの行き違いの原因とその予防策、そして、行き違いが発生してしまった場合のお詫びメールの書き方と例文、信頼関係を維持するためのポイントについて解説しました。
今回の記事を参考に、メールの行き違いによる誤解を解消しより円滑なコミュニケーションを実現してください。
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