お客様にサービスや商品を提供する中で、クレームの電話やメールを受け取ったことはあるでしょうか。
もちろん、そのような事態にならないようにするのが基本ですが、ビジネスをする中では止むを得ずお客様からのクレームに対応しなければならないケースが少なからずあります。
こちらに落ち度がないにもかかわらず、話すら聞いてもらえない、という経験がある方もいるのではないでしょうか。クレームをもらわない努力はもちろん大切ですが、クレームをもらった後にどのようなコミュニケーションをとり、どのように改善していくかは社会人としてとても大切なスキルです。
この記事では、お客様からのクレームにメールで対応する際のコツや心構えについて、例文とともに解説をしていきたいと思います。
目次
クレーム対応メールを作成する前に
実際にクレーム対応メールの例文をご紹介する前に、クレームをもらった際の心構えを解説しておきたいと思います。
相手の面子を尊重する
お客様からいただくクレームの中には、あまりに横暴な意見のものもあります。
しかし、いくらこちらが正しいとしても、それを押し付けるような態度や文章を作ってはいけません。
相手の面子を潰さないように、否定する言葉を使うのを避けて文章を作りましょう。
迅速な対応をを心がける
ビジネスでは対応の速さが求められる場面が多いですが、クレームへの対応ももちろんスピードが大事です。
クレームが発生した現場との連絡が取れていない場合もあるかもしれませんが、後ほどご紹介する例文を参考に、迅速な返信を心がけましょう。
自分の権限の中で対応する
お客様から寄せられるクレームに対応する際に、次回以降のサービス割引などでお客様に誠意を伝えるケースなどがあります。
しかし、自分の権限以上の約束をしてしまうと、会社に不利益を発生させてしまう場合があります。
先述の通り、スピード感のある対応は大切ですが、実際にお客様へ返信する際は上司への報告・連絡・相談を怠らず、自分に許された権限の範囲内で対応しましょう。
過去の事例を調べる
多くの企業では過去のクレームとその対応について記載したものを保管してあります。
お客様からのクレームに対応する際は、過去の事例を調べ、似たような事例があったらその経緯や対処法を参考にしましょう。
似たような事例のなかでお客様への対応にあまりに差があると、会社の信用問題にも発展しかねません。
もし、過去のクレームについてまとめたものがない場合や、社内で共有するシステムが確率していない場合は早急に対処しましょう。
クレーム対応メールの例文
ここからは先ほどご紹介した心構えを踏まえながら、ケース別にクレームへの対応メールをご紹介したいと思います。
会計ミス
会計のミスをお客様に指摘された際の対応メールです。
件名
金額記載の誤りに関するお詫び
本文
ーー商事 佐藤様
平素より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
〇〇株式会社の高橋です。
先ほど、ご指摘いただきました、〇月〇日の弊社サービスご利用に関する請求書の表記が誤っていたことをお詫び申し上げます。
送らせていただきました請求書には【59,800円】と記載されておりますが、正しくは【49,800円】になります。
送信させていただく前にチェックは行っていたのですが、不注意によりこのような事態を招き、貴社にご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした、重ねてお詫び申し上げます。
今後はこのようなことが無い様、ダブルチェックを徹底し、再初の防止に努めたいと思います。
新しい請求書に関しても、本日の16時までに送信させていただきます。ご確認いただきましたら幸いです。
最後になりますが、この度は貴重なお時間を取らせてしまい、申し訳ございませんでした。
今後ともご指導・ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
署名
店舗スタッフのミス
店舗で勤務するスタッフへのクレームに対しての返信です。
件名
弊社スタッフへのご意見
本文
平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社 カスタマーセンターの高橋です。
先ほど、メールにてご連絡をいただきましたーー店のスタッフ〇〇によるお客様への対応について、お客様に不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。深くお詫びを申し上げます。
お客様(〇〇様でも可)には、せっかく(それかはるばる)店舗まで足を運んで頂いたにも関わらず、弊店の配慮が行き届いておらず十分なサービスをご提供できず誠に申し訳ございませんでした。
現在、担当スタッフに事実関係を確認しております。
翌日を目処に、改めて今後の対応についてご連絡を差し上げたいと思います。
今後は、さらにスタッフの指導に励み、お客様に気持ちよく店舗をご利用いただける様に努めたいと思います。
重ねてとはなりますが、この度は誠に申し訳ございませんでした。
今後も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
署名
製品の不良
提供している製品の不良に関するクレームへの対応です。
件名
弊社製品の誤作動について
本文
株式会社ーー 佐藤様 平素よりお世話になっております。
株式会社〇〇の高橋です。
この度は、弊社製品の不備により、貴社には大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
今回の件につきまして、原因の究明を調査しているところではありますが、弊社で制御しているシステムの不備である可能性が高いと判断しております。
詳細については分かり次第、迅速にご報告させて頂きます。お待たせして申し訳ございませんが、解明までいましばらくお時間頂戴する見込みです。
今後この様な事態を招かぬ様、原因を突き止め次第、再発の防止に努めたいと思います。
この度ーー様に発生させてしまいました不利益への補填に関しましても、弊社の担当のものから後ほどご連絡をさせていただきます。
この度は大変申し訳ありませんでした。
署名
クレーム対応メールのポイント
ここからは上記の例文で使われている、クレーム対応メールのポイントを解説していきます。
職種や状況は違えど、絶対に抑えておきたいポイントを解説しています。
まずはお詫び
クレーム対応メールは、
- 冒頭の挨拶
- お詫び
- クレームに対する現在の状況
- 具体的な対応
- 今後の対策
上記のような構成にしましょう。
クレームをいただいた際は、不快な思いにさせてしまったことや、お客様の時間をとってしまった件について、まずはお詫びの気持ちを伝えましょう。
どんな些細な出来事であれ、お客様からのクレームには言い訳をせずに真摯に対応する姿勢を見せましょう。
挨拶の言葉も普段以上に丁寧に
クレームに対応するメールでは、顔見知りのお客様であっても普段以上に丁寧な文章を心がけましょう。
特に挨拶の部分は、丁寧な言葉を使わずに「お疲れ様です」や「お世話になります」のような書き出しをしてしまう場合があるので注意が必要です。
例文にあるような「平素よりお世話になっております」や「平素より格段のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」のように礼儀正しい挨拶をしましょう。
クレームの原因を記載する
なぜこのようなことが起こってしまったのか、今後どのような対処をするのか、を記載するようにしましょう。
原因の記載は対処と合わせて、クレーム対応メールの核になる部分なので、できるだけ具体的な記載を心がけなければいけません。
ただし、原因の追求のために対応メールを送信するのが遅くならないように注意が必要です。
原因を追求している最中の場合は、その旨も正直に記載し、詳細を改めて伝えるようにしましょう。
今後の対応について記載する
お客様から寄せられたクレームが、今後起こらないようにどのように企業努力を行うかを具体的に記載しましょう。
製品の故障でこちらに落ち度のある場合は、できるだけ早いタイミングで交換するなどの具体的な解決案が好ましいです。
今後の対応や解決策を記載しないと、お客様が今後サービスを継続して利用しようと思う確率が非常に低くなってしまいます。
今後もサービスを利用していただくためにも、必ず具体的に記載するようにしましょう。
クレームに対する落ち度が無い場合のメール
お客様から寄せられるクレームの中には、こちらに落ち度がないケースもあります。
そのケースに対応する際のポイントを解説します。
なお、今回のようなケースであっても、冒頭でお客様への謝罪は記載しましょう。
対応できない旨を伝える
対応できない場合は、文章を濁さずにその旨を伝えましょう。
ただし、それを伝える順序には細心の注意を払わなければなりません。
お客様の中には、気持ちが高揚したままにクレームを寄せる方もいます。
冒頭の謝罪から始まり、事実関係を確認したことを記載した上の判断であることを伝えましょう。
言葉を柔らかくするよう心がける
先述の通りクレームを伝えるお客様の中には、気持ちが高揚したまま連絡をしている方もいます。
そのため、こちらに落ち度がない場合でも、丁寧な表現を心がけるようにしましょう。
口頭で対応する場合とは違い、メールでの対応は書き手の感情が伝わりづらい点も考慮しなければなりません。
特に、対応できないことを伝えるメールでは「大変恐縮ではありますが」や「ご理解の程よろしくお願いいたします」などの言葉を添え、毅然としつつも柔らかな印象を与えるように心がけましょう。
まとめ
ビジネスをする中でお客様からのクレームは一定数寄せられるものです。
クレームの原因をなくす事はもちろん大切ですが、クレームをいただいた後の対応は企業の信頼へも関わります。
どんな内容のクレームであれ、お客様の期待に応えられなかったことを素直に謝罪し、その上で原因の説明と具体的な対策を記載しましょう。
また、素早く社内でクレームに関する情報を共有し対応することも忘れてはいけません。
社内の連絡ツールはたくさんの種類がありますが、簡単にかつ素早く社内にクレーム内容を共有することができるサービスとして、メール配信サービスがあります。
メールをリスト管理することができるので、社内全体だけでなく、「部署ごと」や「役員のみ」など細かな設定も可能なので、必要なスタッフだけに連絡をいれることも可能です。
メール配信サービスの1つである「ブラストメール」では、無料トライアルも実施しています。
素早いクレーム対応で会社の信用を取り戻すためにも、メール配信サービスを利用してみてはいかがでしょうか。