
作成したメールや資料を送信した後、「文字化けして読めません」と言われて冷や汗をかいた経験はありませんか?その原因の多くは、特定のパソコンやOSでしか正しく表示されない「環境依存文字(機種依存文字)」にあります。
普段何気なく使っている「丸数字(①)」や「ローマ数字(Ⅰ)」、一部の記号などは、相手の環境によっては「?」や全く別の記号に変換されてしまい、大切な情報が伝わらないばかりか、相手に不親切な印象を与えてしまいます。
そこで本記事では、うっかり使いがちな環境依存文字の代表的な一覧リストと、それらが含まれていないかを確認する簡単なチェック方法をご紹介します。特にビジネスメールやメルマガ配信で失敗しないための対策も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
環境依存文字・機種依存文字とは
環境依存文字・機種依存文字はどちらも同義です。
これらの文字は、パソコンの機種や環境(OS)によって正しく表示されなかったり、文字化けしてしまうのでメールやWebサイトを作る際にはこれらの文字は使わないようにするのがマナーです。
「Windows」と「Mac」では、Windowsでは正しく表示されていたとしてもMac側はそのフォントに対応しておらず、文字化けを起こすということが起こってしまいます。
そうなってしまうと、レイアウトが崩れたり、自社に対してIT知識がないという印象をもたれかねない為、メールを作成する際には、機種依存文字や環境依存文字を使わないようにしなければいけません。
主な機種依存文字

これらは、MacとWindowsの環境依存文字をまとめたものです。
上記の文字はOSが違うと正しく表示されません。ここには載せていませんが、携帯電話の絵文字なども、PC側が対応していなければ文字化けの原因になります。
文字化けするメカニズム
文字化けは文字コードが原因で起こります。
文字コードとは、パソコンの内部で文字を認識するための数値です。
コンピューターはデータを数値として扱っています。そのため文字も数値として扱われているので、文字を表示するには「文字コード」としてそれぞれに数値を割り当てていく必要があります。
日本語を表現するための文字コードとして「Shift-JIS」「EUC-JP」「JIS」などの規格があります。文字コードが違えば、人間の目では同じ文字でもコンピューターからすると、全く異なる文字情報として認識されてしまうのです。
当然の話ですが「Shift-JIS」「EUC-JP」「JIS」など、そもそもの規格が異なると文字情報が正しく認識されず文字化けしてしまいます。
また、先ほど紹介したような「機種依存文字」は、文字コードを構成する数値は同じであるのにも関わらず、割り当てられている文字が異なっているものです。
例えば、「①」という文字は、Shift-JISでは「82A4」という数値で認識されますが、Windows環境では「①」。Mac環境では「㈰」と表示されるので「環境に依存する文字」なのです。
使われている文字コードの規格が同じでも環境依存文字は文字化けの原因になるので注意しましょう。
うっかり使いがちな環境依存文字の一覧リスト
普段のメール作成や資料作りで何気なく使っている文字の中には、特定の環境でしか正しく表示されない「環境依存文字」が多く含まれています。ここでは使用頻度が高く特に注意が必要な文字をカテゴリ別に紹介します。これらは文字化けのリスクが高いため、ビジネスメールでは極力使用を避け、カッコ書きや別の表記へ言い換える習慣をつけましょう。
丸数字・囲み文字(①、②、㊤、㊧など)
手順説明や箇条書きで頻繁に使われる①②③などの丸付き数字は、最も文字化けを起こしやすい代表的な環境依存文字です。MacとWindowsの間で異なる記号に変換されてしまったり「?」と表示されたりすることがあります。同様に「㊤」「㊧」などの囲み文字も避けるべきです。
- 代替案1:(1) (2) (3) ... と半角カッコと数字を組み合わせる
- 代替案2:1. 2. 3. ... と半角数字とドットを使う
- 代替案3:「上」「左」と通常の文字で表記する
ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳなど)
時計の文字盤や章立てなどで使われるローマ数字も環境依存文字の一種です。特にⅠ(1)からⅩ(10)までは変換候補に出てきやすいため注意が必要です。
- 代替案1:1 2 3 ... と算用数字を使う
- 代替案2:I II III IV ... とアルファベットの「I(アイ)」「V(ブイ)」「X(エックス)」を組み合わせて表現する
単位記号・省略文字(№、℡、㈱、㎏、㎜など)
「No.」や「Tel」、「株式会社」「kg」などを1文字にまとめた記号は、文字数を節約できるため便利ですがビジネスメールでは避けるのがマナーです。これらも環境によって正しく表示されないリスクがあります。
- 代替案1:No. Tel (半角英字で入力)
- 代替案2:(株) (有) (カッコと漢字で入力)
- 代替案3:kg mm cm (半角英字で入力)
半角カタカナ(ア、イ、ウ、エ、オなど)
インターネット初期から「文字化けの元凶」として知られる半角カタカナは、現在でもメール配信においては使用を控えるべき文字種です。サーバーによっては処理できず文章全体が読めなくなるケースもあります。デザイン上の意図がない限り、カタカナは必ず「全角」で入力しましょう。
- 代替案:ア イ ウ エ オ (全角カタカナに変換)
一部の旧漢字(髙、﨑など)
人名によく使われる「髙(はしごだか)」や「﨑(たつさき)」などの旧漢字も環境依存文字に含まれます。相手のお名前であるため正確に表記したいところですが、メール等のシステム上では文字化けして失礼になる可能性があります。
初めて連絡する際などは、文字化けのリスクを避けるために常用漢字の「高」「崎」を使用するか、あるいは画像化して添付するなどの配慮が必要になる場合もあります。
入力前に気付ける!環境依存文字の見分け方
すべての環境依存文字を暗記するのは困難ですが、パソコンでの入力時におけるちょっとした確認方法を知っていれば未然に防ぐことができます。
Windowsの変換候補で「環境依存文字」の注釈を見る
Windowsの標準的なIME(入力システム)では、文字変換を行う際に便利な機能が備わっています。スペースキーを押して変換候補一覧を表示させた際、その文字が環境依存文字である場合は、候補の横に「環境依存文字(unicode)」といった注釈コメントが表示されます。
この注釈が出ている文字は選ばず、注釈のない通常の文字や代用表記を選択するようにすれば安心です。
Googleドキュメントやチェックツールを活用する
文章を作成した後で不安な場合は、チェックツールを通すのも有効です。Web上で公開されている「環境依存文字チェッカー」などの無料ツールにテキストを貼り付ければ、該当する文字を自動で検出してくれます。
またGoogleドキュメントなどのクラウドツールは標準コードがUnicodeであるため入力自体はできてしまいますが、特殊文字として認識される場合があるため、チーム内で共有するマニュアル等を作成する際には注意が必要です。
「最近は文字化けしない」は本当?UTF-8とメールの事情
「最近のスマホやPCなら環境依存文字を使っても大丈夫」という声を聞くことがありますが、それは半分正解で半分間違いです。WebサイトやSNSの多くは「UTF-8」という世界共通の文字コードで作られており、多言語や特殊記号も問題なく表示できる環境が整っています。
Webサイト(UTF-8)では表示される文字が増えている
Webブラウザ(ChromeやSafariなど)で閲覧するブログやホームページ、SNS(LINE、X、Instagram)などは、基本的にUTF-8で記述されているため、丸数字や一部の絵文字、旧漢字なども文字化けせずに表示されることがほとんどです。
そのためWeb上でのコミュニケーションに限れば、以前ほど神経質になる必要はなくなってきています。
それでもビジネスメール・メルマガで避けるべき理由
しかしメールの世界では事情が異なります。受信者が使用しているメールソフト(Outlookの古いバージョンなど)や企業のセキュリティゲートウェイ、あるいはガラケーなどの古い端末では、依然としてUTF-8に対応しきれていないケースが存在します。
またビジネスメールの標準的な形式である「ISO-2022-JP(JISコード)」で送信される場合、環境依存文字が含まれていると確実に文字化けします。「相手がどのような環境でメールを開くかわからない」という状況においては、リスクをゼロにするために環境依存文字を避けるのが、プロフェッショナルとしての確実なマナーと言えます。
環境依存文字・機種依存文字への対策
文字化けの原因について解説してきましたが、最近は文字化けに悩まされることはほとんど無くなりました。というのも現在は「UTF-8」という世界中の文字を共通のコードで表すことができるような規格が広く普及してきたからです。
Webサイトの作成にも「UTF-8」を使用することが主流となっており、表示はもちろん音声読み上げでも正しく認識されるようになっています。海外サイトなど、一昔前は文字化けすることが多々ありましたが、現在はそのようなことも少なくなってきています。
サイト運営側やメール送信者側の対策
世界共通の規格が普及してきているとはいえ、相手方の環境によっては文字化けする可能性が無いとも言い切れません。特にビジネス上のメールのやり取りでは、今でも「半角カタカナ」や「環境依存文字」を使わないことがマナーとなっています。
①や②などの丸数字、ローマ数字、㌧や㍑などの単位、℡や№などの省略文字、旧字体の漢字は使わないことが無難です。
サイト閲覧者側やメール受信者側の対策
閲覧しているサイトが文字化けしてしまったら、ブラウザの文字コード変換機能を使い、規格を変更してみましょう。それでもダメなら、文字化けしている文章をフォームに貼り付けるだけで、内容を解読してくれるサービスもあるので、そちらを利用しても良いかもしれません。
メールの場合も、使用しているメールソフトの文字コード設定を確認してみましょう。
FAQ
- Q:環境依存文字(機種依存文字)とは何ですか?
- A:パソコンのOS(WindowsやMacなど)ごとの仕様に依存し、特定の環境でしか正しく表示されない文字のことです。受信側の環境が異なると、意図しない記号や「?」などに文字化けしてしまい、正しく読めなくなる恐れがあります。
- Q:具体的にどのような文字が環境依存文字ですか?
- A:代表的なものとして、丸囲み数字(①、②)、ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ)、単位記号(㈱、㎜)、半角カタカナなどが挙げられます。これらは(1)、株式会社、mmのように、一般的な文字や記号に置き換えて使用しましょう。
- Q:なぜビジネスメールで使用を避けるべきなのですか?
- A:文字化けによって重要な情報が伝わらないリスクがあるほか、相手に「ITリテラシーが低い」「配慮が足りない」という印象を与えかねないためです。相手の受信環境に関わらず、確実に情報を届けることがビジネスメールの鉄則です。
- Q:文字化けを防ぐための確認方法はありますか?
- A:WindowsのIME(入力システム)では、変換候補の横に「環境依存文字」という注釈が出るので、それを避けるのが簡単です。また、不安な場合は無料のチェックツールやGoogleドキュメント等で確認してから送信することをおすすめします。
まとめ
以上、環境依存文字・機種依存文字の注意点や文字化けする原因と対策について解説してきました。
現在は世界共通の文字コードが普及してきており、文字化けする危険は減ってきています。
しかしながら、重要なメールのやり取りでは、相手方の環境に左右されてしまう環境依存文字・機種依存文字は使わないようにしましょう。
文字化けを起こして相手に悪い印象をもたれることがないように、対策していきましょう。



