転職が決まり残すところの出勤もあと少し。
仕事の引き継ぎに加え、退職するときに大切なのは「退職の挨拶メール」です。
お世話になった職場の人たちに送るメールだからこそ最後の最後に失敗したくないという方は多いかと思います。
退職メールは送る相手に送るタイミングやマナーが変わってきます。
気持ちよく次のステップに踏み出せるよう、失礼のない退職メールの書き方と例文をご紹介していきます。
退職メールに限らず、メールを送る際は「例文集」を活用することで時間をかけずに正しい文章を送ることができます。
ビジネスシーンではメールひとつのミスによって信用を大きく失いかねません。
- 謝罪メール
- 異動メール
- お願いメール
- 季節の挨拶メール
など、全部で17のビジネス例文をコピペOK!すぐに使えるビジネスメール「例文集」として資料にまとめました。
なにかあったときにすぐに活用できるようにダウンロードしておくことをおすすめします。
目次
退職メールの目的
退職メールは、お世話になった職場の方々へ感謝の気持ちを伝えると同時に「去り際の印象を良くする」という目的もあります。
次にどんな業種に転職するのであれ、仕事をしていると今後自分のいた会社と関係を持つことがあるかもしれません。
メールは文面として残ってしまうものです。最後に印象を悪くすることがないよう、マナーを守って退職メールは作成するようにしましょう。
退職メールの基本的なマナー
仕事のメールと違い、退職メールは送る機会が少ないので、いざ作成しようと思った際に間違いがないか心配になる人が多いのではないでしょうか。
まず始めに、最低限押さえておきたい退職メールの基本的なマナーをまとめました。
一斉送信する際に気をつけること
退職メールは一斉送信で送って良いものか悩むかと思いますが、一般的には丁寧に感謝の気持ちを書けていれば一斉送信でもOKです。
一斉送信の際に気をつけたいのは、「BCC」と「TO」の使い方です。
- TO:「あなたに送っています」と言う意思表示。
- CC:「TOの人に送りましたのでご確認ください」という意味。自分がCCに入っている場合は基本的に返信は行いません。TOの人やCC同士でアドレスが表示される。
- BCC:CCと意味合いは同じ。TOの人やCCの人からはアドレスが見れない。
送りたい相手は「BCC」に入れ、自分のアドレスは「To」に入れるようにしましょう。BCCにアドレスを入れることで他人同士でアドレスを知られないようにすることができます。
退職メールを送るタイミング
一番悩むのは、退職メールを送るタイミングかもしれません。
メールを送るタイミングは、社内に送る場合と社外に送る場合で異なります。
社内に送るメールの場合は、出勤最終日に送ると良いでしょう。会社の慣習がある場合はそちらに従えば良いですが、特に無い場合「最終出勤日」が無難です。
社外に送る場合は「退職日の2〜3週間前」が一般的です。
退職まで余裕を持った期間を設けて置くことで、仕事の引継ぎや後任者の紹介、進行中のプロジェクトの整理などをスムーズに行うことができます。
また、社内・社外へ送るメールは共に、送るタイミングは終業1時間前が良いとされています。
早急な返信を要するメールでは無いので、忙しい時間や、終業後のメールは避け、相手の業務にできるだけ影響しない時間を選んで送信するようにしましょう。
特にお世話になった方には個別メールで
基本的に退職メールは一斉送信で問題ないと言われていますが、特にお世話になった方には個別でメールを送った方が良いでしょう。
その方とのエピソードをメールの中に盛り込むことで、より良い印象を相手に与えることができます。
ケース別! 挨拶メールの例文
それではケース別に使える挨拶メールの例文を紹介していきます。
社内への退職メール
件名
退職のご挨拶(田中)
本文
お疲れ様です、〇〇部〇〇課の田中です。
この度、一身上の都合により本日が最終出勤日となりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。
これまで至らぬ点もあったかと思いますが、皆さまからいただいた叱咤激励の言葉が私の励みとなり、多くの学びを与えてくれました。
今後も、この会社で培った経験を活かしていきたいと思っております。
退職後の連絡先は下記になりますので、今後ともご連絡いただけると幸いです。
メールアドレス:◯◯◯@〜
携帯:090-◯◯◯
最後になりましたが皆様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
こちらは「社内への退職メール」の例文です。ポイントは「件名・退職理由」をシンプルにすることです。
ビジネスメールにおいて共通するマナーですが、件名はシンプルなものにしましょう。
一目で退職メールとわかる件名にしておかなければ、読み飛ばされる可能性があり、せっかくの挨拶メールが相手の目に届かない可能性があります。
また、退職の理由は細かく書く必要はありません。「一身上の都合」程度に留め、込み入った話をしないのがビジネス上のマナーでもあります。
社外への挨拶メール
件名
退職のご挨拶(田中)
本文
株式会社〇〇 △△様
いつも大変お世話になっております。××株式会社の田中です。
私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により3月31日付けで株式会社××を退職する運びとなりました。
在職中は大変お世話になりました。誠にありがとうございます。
本来であれば伺ってご挨拶すべきところ、メールでのご挨拶になったことをお詫び申し上げます。
後任は同じ部署の鈴木が努めさせていただきます。
お時間をいただけるようでしたら、後任の鈴木とご挨拶に伺いたく存じます。
早速ですが、以下日程のご都合はいかがでしょうか?
・〇月〇日 〇〇:〇〇
・〇月〇日 〇〇:〇〇
・〇月〇日 〇〇:〇〇
ご検討のほどよろしくお願いいたします。
末筆ながら、皆様のさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
次に社外への退職メールです。
先ほども少し説明しましたが、社外へ退職メールは後任への引継ぎ業務が必要になるので、自分が退職する2〜3週間前には送るようにしましょう。
社内へのメールと違い、社外へ退職メールを送る際にはいくつか注意点があります。
- 後任を紹介する
- 退職日を明記する
- 挨拶に伺う日程調整を同時に行う
- 退職後の連絡先は書かない
後任者の紹介を行い、必要であれば後任者と直接挨拶に伺う日程調整も同時に行いましょう。そうすることで、後の引継ぎ業務がスムーズに進みます。
次に退職日を確実に明記しましょう。退職メールには折り返しの連絡があるかもしれません。その際に自分が退職した後だと返信ができず相手に失礼です。
最後に、退職後の連絡先は社外への退職メールを書く際には記載しないようにしましょう。退職後にその会社とビジネスに発展した場合、今いる会社に「顧客データを利用している」と勘違いされるかもしれません。
また、社外に対しても「この人は今の会社を辞めてうちと関係を続けようとしているのでは?」と不信感を抱かれるかもしれません。
どちらにせよ、悪い印象を与えてしまう可能性があるので、どうしても記載したいという場合は上司と相談するようにしましょう。
上司への退職メール
件名
退職のご挨拶(田中)
本文
〇〇事業部〇〇課 △△様
お疲れ様です。〇〇事業部〇〇課の田中です。
この度、一身上の都合により退職することとなり、本日が最終出勤日となりました。
本来は直接ご挨拶すべきところをメールでの挨拶にて失礼いたします。
△△部長には大変お世話になり、深く感謝申し上げます。
在籍中、至らぬ点が多々あったかと思います。
営業で中々結果が出ない時期は、△△部長からの的確なアドバイスが心の支えとなりました。
いつも温かい叱咤激励をいただき、本当にありがとうございました。
今後も会社と△△部長から学んだ経験や知識を活かして精進していきたいと思います。
感謝の気持ちはメールでは伝えきることができません。また直接お話させていただきたく存じます。
退職後の連絡先は以下となります。今後ともご連絡いただけると幸いです。
メールアドレス:◯◯◯@〜
携帯:090-◯◯◯
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。
お世話になった上司へは、一斉送信メールと合わせて個別にメールを送ると良いでしょう。
上司との特別な思い出を合わせた文章にすることで、より印象深いものになります。
上司との関係性にもよりますが、個別にメールを送る際は堅苦しい表現にし過ぎなくても良いとされています。
お客様への退職メール
件名
退職のご挨拶(田中)
本文
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社××の田中です。
私事ですが一身上の都合により、3月31日付で××を退職することとなりました。
在職中は〇〇様には大変お世話になりました。心より感謝いたします。
これまでの学びを踏まえ、今後は新しいことにも挑戦していく所存であります。
後任は鈴木が担当させていただきますので、以後改めて本人よりご連絡いたします。
最後になりましたが、〇〇様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
社外ではなくお客様に退職メールを送らなければいけない場合もあるかもしれません。
基本的には社外にメールを送る時と同様で、「退職後の連絡先は書かない」「後任者の紹介をする」ことに注意しましょう。
退職理由もシンプルなものにしましょう。現勤務先のイメージを下げてしまうような内容はNGです。
退職メールへの返信はどうすれば良い?
大きな会社になると、「数回しか会った事がない…」という人から退職メールが送られてくる事が多々あります。
そのような相手の退職メールに返信すべきか悩んでいる方もいるかもしれません。
基本的に退職メールに対して、返信はしなくて良いとされていますが、以下に当てはまるような場合は返信が必要です。
- 個人宛に退職メールが届いた場合
- 取引先など今後も自社と関係が続く人が退職した場合
- 自分がこの人には返信したいと思った場合
特に社外の方から退職メールが届いた場合は今後も関係性を維持していくという意味でも返信しておいた方が無難です。
会社専用アドレスから送られている場合、退職と同時に使えなくなる可能性もあるので、退職メールへの返信は早めに行うようにしましょう。
以下に例文を紹介します。
件名
退職のご連絡ありがとうございます
本文
株式会社〇〇
営業部〇〇様
平素より大変お世話になっております。
××株式会社の田中です。
この度は退職のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。
〇〇様が退職される日を迎えてしまうのかと思うと非常に寂しく感じます。
〇〇様には大変お世話になり、言葉では言い表せないほどのご恩をいただきました。
退職されても、これまで以上にご活躍されることを期待しております。
お体に気をつけて、お元気でお過ごしください。
これまで本当にありがとうございました。
退職メールへの返信に特に決まりはありません。簡潔にこれまでの感謝の気持ちをまとめましょう。退職の理由については詳しく聞かないのがマナーです。
まとめ
以上、退職メールを書く際のマナーや例文を紹介してきました。
立つ鳥跡を濁さずということわざがあるように、退職メールは職場を円満に退職し、その後の人脈形成を潤滑にしていく非常に重要な最後の仕事です。
自分が働いた会社に敬意をはらい、気持ちよく次のステップに踏み出せるよう、失礼のない退職メールを作成するようにしましょう。