Googleが提供する「Gmail」といえば世界規模で利用されている、フリーメールサービスです。
国内でも多くのアクティブユーザーがいるGmailは、プライベートはもちろんビジネスシーンでも利用されています。
SNSを使ったコミュニケーションが浸透しつつある現代でも、ビジネスシーンでの連絡はメールを利用するという方は多く「ビジネスメール実態調査2023」では約98%の方が該当しました。
しかし、無料で利用できるGmailの安全性はビジネスで利用できるレベルなのか、と疑問を感じている方も少なくないようです。
この記事では、Gmailの安全性や業務利用時のポイントについて解説しています。
ビジネスシーンで使うメールクライアントにお悩みの方や、すでにGmailを利用している方はぜひご覧ください。
目次
Gmailとは
Gmailの安全性について解説する前に、Gmailの概要について解説しましょう。
Gmailはアメリカの企業「Google」が2004年に提供を開始したフリーメールサービスです。
その後、セキュリティやUXの整備を続け、2019年には世界に約15億人のアクティブユーザーを抱える大規模サービスに発展しました。
端末にソフトウェアをインストールする必要がないウェブメールであるGmailは、インターネットに通信できる環境さえあれば端末を選ばずに利用することができます。
2023年現在、Gmailは無料で利用できるサービスの他に、有料の「Google Workspace(グーグルワークスペース)」を提供しています。
詳しくは後述していますが、Google WorkspaceはGmailをビジネスで利用することを視野に入れたサービスです。
ビジネスシーンで利用するメールサービスにお悩みの方は、Gmailをはじめとする各メールサービスの特徴を把握し、効率的かつ安全にメール業務を行いましょう。
Gmailの安全性
Gmailの安全性を解説するには、スパムメールやウイルスを起因とする「外部要因」と、誤送信のような「内部要因」に分けて考える必要があります。
それぞれの要因において、Gmailの安全性はビジネスでも信用ができるレベルなのでしょうか。
Gmailの外部要因への安全性
無料・有料を問わずGmailは外部要因へのセキュリティが高く、この点においてはビジネスで利用しても問題がないと言えるでしょう。
精度の高い迷惑メールフィルタも機能しており、スパムメールを自動的に判別します。
- 送信元のメールアドレスが既存のアドレスと酷似している
- 不審なURLが記載されている
- 送信元が確認できない
これらの条件に該当するメールは、迷惑メールやスパムメールとして判断します。
そのため、スパムメールから感染するマルウェアに対して強固なセキュリティがあると言えるでしょう。
また、アカウントのログインにはアドレスとパスワードだけでなく電話番号などを利用した2段階認証が採用されています。
これにより、第三者からの不正ログインも防ぐことができます。
Gmailでは対策が難しい内部要因
先述のようにGmailは外部要因への安全性を考えると、ビジネスで使用しても問題がないレベルと考えることができます。
しかし、内部要因への対策に対しては十分なレベルに達していないのが現状です。
メールの安全性に関連する内部要因とは、従業員のミスなどヒューマンエラーによって発生することが多く、代表的なものに「誤送信」があります。
メールの送受信で発生する誤送信の多くは以下の2つです。
- ファイルの添付ミスによる企業情報の漏洩
- 宛先の設定ミスによるメールアドレスの漏洩
ダブルチェックなどで対策をしている企業もありますが、あくまで人力によるものなので形骸化してしまうケースも散見されます。
以上のことから、Gmailを安全性の観点から評価すると、ウイルス感染などの外部要因への対策は充分な一方で、誤送信のような内部要因は脆弱性が目立つことが分かります。
ウイルス感染などと比較するとインパクトが薄い誤送信ですが、企業が起こしてしまった誤送信の中には、賠償金を支払ったケースも多く存在します。
参考記事:Scan Net Security「メール誤送信で損害賠償請求された」
会社の信用問題にも関わる事態に発展することがあるので、社外にメールを送信する業務では誤送信への対策は必須です。
Gmailのビジネスでの使用は安全性以外の面でも課題がある
Gmailをビジネスで利用する場合は、安全性以外にも把握しておくべきことがあります。
ここからは、Gmailをビジネスで利用した場合に発生する課題について解説します。
到達率に問題がある
冒頭でも解説したように、Gmailをはじめとする無料で使用できるウェブメール(メーラー)は大量配信や大容量のファイル送信を前提としたサービスではありません。
20件程度のアドレスに向けた一斉送信で問題になることは少ないですが、それ以上の宛先に向けてメールを送信した場合は「到達率」に影響が出る場合があります。
到達率とは、配信したメールが相手の受信ボックスに届いた割合を指しており「到達数 ÷ 配信総数 × 100」で求められます。
また、送信元のIP・ドメインレピュテーションによっては、送信したメールが相手のスパムメールフィルタに引っかかってしまう可能性もあります。
IPアドレスやドメインの信頼度の指標。使用しているアドレスやドメインが迷惑メールボックスに受信されていると、他のメールボックスでもスパムフィルタに引っかかりやすい
普段から外部に向けて営業メールなどを送信している場合、レピュテーションが低下し到達率が下がっているかもしれません。
個人アカウントの業務運用はコンプライアンスに抵触する恐れがある
無料のGmailを利用するには、スタッフ毎に個別のアカウントを作成する必要があります。
この場合、アカウントの所有権は作成したスタッフにあるため、それを使用して業務にあたるとコンプライアンス的に問題がある可能性があります。
オフィス外でも個々のアカウントにログインができる環境になるため、情報漏洩が発生しやすい環境になってしまうことも覚えておきましょう。
また、Gmailを業務利用していたスタッフが退職される場合にも課題が発生します。
先述の通り、アカウントは個人が所有しているため、スタッフが業務に関連するメールやファイルにアクセスできる状態のまま退職してしまう可能性があります。
上記のような課題を残さないためにも、メールクライアントは安全性以外の仕様についても把握した上で運用しましょう。
Gmailで発生する課題はメール配信システムで対策する
ここまで解説してきたような課題は「メール配信システム」で解決することができます。
メール配信システムには外部要因対策だけでなく、宛先の誤設定や到達率の低下を防ぐ機能があり、安全性を担保しつつ内部要因へのアプローチが可能です。
ここからは、解説してきた事項についてメール配信システムの一つである「ブラストメール」を例にご紹介をします。
DKIMやSPFによるマルウェア対策
メール配信システムは送信専用のシステムのため、ウイルスやマルウェアに感染したメールを受信する危険性はありません。
しかし、送信から受信までの経路の中でメールが改ざんされたり、なりすましの被害にあう可能性があります。
メール配信システムの中にはこれらの対策として、DKIMやSPFといった送信ドメイン認証技術を提供しているものがあり、ブラストメールはその一つです。
詳しくは以下の記事でも解説していますが、DKIM・SPFを使うことで、なりすましなどの対策になるだけでなく、レピュテーションの低下を防ぎ到達率を高めることも可能です。
関連記事:【図解あり】DKIMの役割を3分で解説!!ドメイン送信技術のDKIMの仕組みを理解しよう
ただし、メール配信システムの中にはこの技術を採用していないものもあるので、利用前に必ず確認しましょう。
配信するメールを自動でBCCに設定する
メール配信システムから配信されるメールは、自動でBCCに設定されるため宛先の設定ミスによる誤送信を防ぐことができます。
また、宛先をBCCに設定した上で配信先のメールには受信者毎に「◯◯株式会社 ◯◯部 佐藤様」のような個別の署名を記載することもできます。
Gmailで宛名差し込みを行う場合は、連絡先やグループの設定を行いスプレッドシートとの紐付けをしなければなりません。
関連記事:ラベルの作成場所は?宛先への反映方法は?『Gmailの一斉送信』を徹底図解。
ブラストメールでは他のシステムやアプリを使用することなく、グループの作成と宛名差し込みができます。
アカウントは会社側で管理する
メール配信システムは個人ごとで管理するGmailとは異なり、会社側で管理するシステムです。
そのため、退職したスタッフが業務データを保持してしまうような状況を防ぐことができます。
まとめ
Gmailの安全性を「内部要因」と「外部要因」に分けて考えると以下のようになります。
- 外部要因:ウィルスやスパムメールへの対策や、2段階認証を導入しているため基本的には安全
- 内部要因:誤送信や到達率に課題がある
ビジネスメールで誤送信を発生させてしまうと、企業の信頼を損ねてしまうだけでなく、賠償金を支払わなければならない可能性もあります。
金銭的な問題にまでは発展しなくても、お詫びのメールや文章を公表しなければなりません。
また、Gmailはメール配信システムと比較して「到達率」が低い傾向があります。
ビジネスシーンでメールの一斉配信を行う際、相手のメールボックスにメールが届きにくい環境は好ましくありません。
上記のような課題を解決するシステムとして「メール配信システム」があります。
メール配信システムは、メールの一斉・大量配信に特化したシステムです。また、先述した内部要因の課題を解消する機能も提供しています。
ご紹介したブラストメールは7日間のトライアル期間を設けているため、初めてメール配信システムを導入する方にも安心してお試しいただけます。
メール業務の安全性の確保にお役立てください。