SendGridは、世界中で広く利用されている人気のサービスです。メール配信システムを探している企業なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。本記事ではSendGridの特徴や料金体系、サポート体制についてわかりやすく解説します。
目次
SendGridとは?
SendGridは、アメリカの企業「Twilio Inc.」が提供するクラウドベースのメール配信システムです。世界中で広く利用されており、その導入実績はなんと8万社以上にのぼります。
SendGridは、特に大量のメールを効率的に送信するために設計されており、その信頼性とパフォーマンスの高さから、多くの企業に選ばれています。
SendGridの特徴
SendGridは、世界中の企業に信頼されているメール配信システムで、その多機能さと高い信頼性が特徴です。ここではSendGridが提供するサービスの主な特徴をわかりやすく紹介します。
高い配信速度と到達率
SendGridは、数百万通のメールを短時間で送信することができます。また、メールの到達率も高く、スパムフォルダに振り分けられるリスクを最小限に抑える設計になっています。
大量の配信先に対して素早く確実に情報を届けられるので、配信スピードまでコントロールが必要な企業にはおすすめのサービスです。また、リアルタイムで配信状況をモニタリングできるため、送信の進行状況や開封率、クリック率などのデータを即座に把握し、次回の配信戦略に反映させることが可能です。
API連携による柔軟なカスタマイズ
SendGridはAPI連携が非常に強力で、企業の既存のシステムやアプリケーションと簡単に統合することができます。自動化されたメール送信やカスタマイズされたメール配信が可能になり、顧客とのより深い関係を築くことができます。
例えば、顧客が商品を購入した直後に自動で確認メールを送るなど、業務の効率化を図ることができます。
大規模な送信量に対応
SendGridは、大量のメール送信にも対応できるよう設計されています。大規模なキャンペーンや定期的なニュースレターの送信など数百万通のメールを一度に送信する場合でも、安定した配信をすることができます。大量のリストを保有している企業程有効活用できるサービスといえるでしょう。
SendGridの料金プラン
SendGridの料金プランは、企業のニーズに合わせて選べる柔軟な構成になっています。ここでは、無料プランと有料プランの違いや、他のサービスとの価格比較について詳しく解説します。
無料プランと有料プランの違い
SendGridは、はじめての利用者でも気軽に試せる無料プランを提供しています。
この無料プランでは1日100通のメールを送信することができ、基本的なメール配信機能を利用することができます。無料プランは少量のメールを送信する小規模なビジネスやはじめてメール配信システムを試してみたいという企業におすすめです。
一方、有料プランは、より多くのメールを送信する必要がある企業や、追加機能を利用したい場合に適しています。有料プランでは配信可能な通数が増えるだけでなく、ABテストやセグメント配信、メールの配信状況の詳細なモニタリングなど、マーケティングに役立つ機能が追加されます。
また、有料プランはビジネスの規模やニーズに応じて複数のプランが用意されており、月額料金や従量課金の仕組みも異なります。
SendGridの料金体系
SendGridの料金体系は、月額基本使用料に加えて、月間の送信通数が上限を超えた場合に発生する従量課金が特徴です。代表的なプランの詳細は以下の通りです。
プラン名 | 基本使用料 (月額) | 月間上限通数 | 超過料金(1通あたり) |
Free | ¥0 | 1日100通 | - |
Essentials50K | ¥3,000 | 5万通 | ¥0.200 |
Essentials100K | ¥5,400 | 10万通 | ¥0.132 |
Pro100K | ¥14,000 | 10万通 | ¥0.165 |
Pro300K | ¥37,500 | 30万通 | ¥0.137 |
Pro700K | ¥75,000 | 70万通 | ¥0.117 |
Pro1.5M | ¥125,000 | 150万通 | ¥0.089 |
Pro2.5M | ¥165,000 | 250万通 | ¥0.071 |
このように、SendGridの料金は月間の配信通数に応じて変動し、送信通数が多いほど1通あたりの料金が安くなる仕組みです。
また、Freeプランは1日100通までの配信制限があるため、小規模な運用やテスト段階での利用には適していますが、大量のメール配信が必要な場合には有料プランへのアップグレードが必要となってしまいます。
SendGridのサポート体制
メール配信システムを利用する際、サポートがしっかりしているかどうかは非常に重要です。ここでは、SendGridの日本語サポートの有無や、利用方法について解説します。
日本語サポートはあるのか?
SendGridはアメリカ発のサービスであり、基本的には英語でのサポートがメインですが、日本語サポートも提供されています。ただし、日本語でのサポートは、対応時間が限られている点に注意が必要です。
通常、営業時間内(日本時間)での対応となり、深夜や早朝など、即時対応が必要な場合は英語サポートを利用することになります。
メールマーケティングは個人情報を扱う非常に注意が必要なマーケティング手法で、一つのミスが企業に対して致命的なダメージを与えます。よほど英語に自信がない限り、日本語でのサポートがついているサービスを選ぶのが無難です。
電話サポートはあるのか?
SendGridでは、電話でのサポートは提供されていません。メールの返信まではタイムラグがあるため、急ぎの場合や複雑な問題に直面した場合は、FAQやガイドを活用して自力で解決する必要があります。メールのトラブルは緊急性が高く、専門知識がなければ解決が難しいことが多々あります。
もしメール関連の知識が十分でない場合は、日本語対応や電話サポートが充実しているサービスの利用を検討することをおすすめします。
サポートの利用方法とサポート範囲
SendGridのサポートは前述のとおり、メールでの問い合わせが基本です。ユーザーは専用のサポートフォームから問い合わせを行い、サポートチームからの返信を待つ形になります。また、公式サイトにはFAQやガイド記事が豊富に用意されており、これらを参照することで、基本的な問題は自己解決できることも多いです。
サポートの範囲は、技術的な問題から料金プランの相談まで、幅広い内容をカバーしています。特に、APIの設定やメール配信のトラブル対処など技術的なサポートは充実しているようです。
SendGridのメリット・デメリット
SendGridは多くの企業に選ばれているメール配信サービスですが、導入するうえではメリットとデメリットがあります。ここでは、SendGridの導入におけるメリットとデメリットについて詳しく解説します。
SendGridのメリット
SendGridを導入するメリットは、大きく分けて「到達率」「カスタマイズ性能」「連携サービス」の3つです。
高い到達率
SendGridの最大のメリットの一つは、その高い到達率です。
メールが確実に顧客の受信トレイに届くことは、企業にとって非常に大切です。SendGridは、厳格なスパム対策やドメイン認証機能を備えており、メールがスパムフォルダに振り分けられるリスクを最小限に抑えています。
柔軟なカスタマイズが可能
SendGridは、APIを利用した柔軟なカスタマイズが可能です。企業のニーズに合わせたメール配信の設定や、独自のシステムとの連携が簡単に行えます。
例えば、オンラインショップが顧客の購入履歴に基づいて個別にカスタマイズされたメールを自動で送信することも可能です。
豊富な連携サービス
SendGridは、CRMシステムやマーケティングツール、データ解析ツールなど、多くの外部サービスとの豊富な連携が可能です。現在使っている既存のツールと簡単に統合し、メール配信業務を一層効率化することができます。
SendGridのデメリット
一方で、SendGridにはいくつかのデメリットも存在します。
初心者にはあつかいが難しい
SendGridは多機能である反面、初心者には設定がやや難しいと感じられることがあります。特にAPI連携やドメイン認証の設定は、技術的な知識が必要となる場合があり、はじめてメール配信システムを利用する人にとってはハードルが高いと感じられることがあります。このため、シンプルな使い勝手を求める初心者には、他のサービスが適している場合もあります。
料金が高い
SendGridのもう一つのデメリットは料金がやや高めであることです。特に大量のメールを送信する企業にとっては、従量課金のコストがかさむ可能性があります。
他のメール配信サービスと比較すると、特定の利用方法によってはコストパフォーマンスが劣る場合があります。メールの送信通数が非常に多い企業や料金を重視する企業にとっては、他のサービスを検討する価値があるでしょう。
サポートが限定的
SendGridは基本的にアメリカのサービスなので、「英語」「問い合わせフォーム」のサポートがメインです。日本語、電話でのサポートはできない、もしくは制限されています。何かトラブルがあった時の対応速度、という側面では不安を覚えるユーザーも多いでしょう。
日本国内での使い勝手がよくない
SendGridは管理画面が英語ベースで、国内企業の担当者には操作がわかりづらいと感じられるでしょう。また、年賀状やお盆といった日本独自の商習慣に合ったメールテンプレートやマーケティング機能が不足しています。配信リストが国内に限定されている企業では、ほかのサービスのほうが使い勝手が良いと感じることも多いでしょう。
SendGridの口コミ・評判
SendGridを実際に利用しているユーザーからは、さまざまなフィードバックが寄せられています。
ポジティブな意見
「メールの到達率が非常に高く、設定も簡単だった」
「無料プランでもかなり使えるが、有料プランに切り替えることでさらに安定した配信が可能になった」
また、特定の条件に応じて自動でメールを送信する機能や、API連携のしやすさが高く評価されています。
改善点
「ダッシュボードが英語表記のため、はじめて使うときには少し分かりにくい」
「メールアドレスの変更が煩雑で手間がかかる」
特に、日本語サポートの充実やチャットサポートなどの有人対応の強化を望む声が多いです。
口コミの総合評価
総合的には、SendGridは高い評価を受けています。特に、メール配信の信頼性や到達率に関しては、肯定的な意見が多いです。また、API連携の柔軟さや、多言語対応のライブラリが用意されている点も、技術者から高く評価されています。
一方で、料金が他のサービスと比較してやや高めであることや、設定が初心者には少し難しいという点には注意が必要です。また、日本語でのサポート対応時間が限定的であったり、電話対応がない点にも不満の声は多いです。
メール配信にまだ慣れていない担当者には扱いが難しいツールですので、導入の際は誰が扱うのかを踏まえた上での意思決定が必要です。
SendGridの代わりのメール配信システム
SendGridは高機能で便利なサービスである一方、日本語や電話でのサービスについては限定的であるなど、不安を覚える方も多いでしょう。
そこで、SendGridと同種のメール配信サービスで、手厚いサポートを受けられるものを2種類紹介します。
API連携・SMTPリレーサービスならブラストエンジン(blastengine)
ブラストエンジンは、日本国内の企業向けに提供されているメール配信プラットフォームで、SendGrid同様、API連携・SMTPリレーで大量のメール配信やトランザクションメールの配信を効率的かつ確実に行うことができるサービスです。
ブラストメールがメールマーケティング初心者向けなのに対して、ブラストエンジンは技術者向けに開発されたシステムなので、より複雑で柔軟なカスタマイズが可能です。
国内企業が運営しているサービスなので、サポートも日本語でメール/電話の対応が可能でなっており、SendGridと比較しても手厚いフォローが可能です。月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
大量のメールを一斉送信するならブラストメール(blastmail)
SendGridの機能に魅力を感じつつも「使いこなせるかわからない」「価格が心配」「日本語でのサポートが欲しい」といった不安を感じている方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが「ブラストメール」です。
ブラストメールは、14年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。
「SendGrid」と比較してあえて機能を絞ることで、使いやすさと圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能はすべて揃っています。最も安いプランなら、月額4,000円で導入することができます。
また、日本語での電話・メール両方に対応した手厚いサポートや、わかりやすい料金プランも魅力の一つです。
「まずはメルマガをやってみたい」「メールマーケティングにかかるコストを落としたい」「たくさん機能があっても使いこなせない」といった方にはブラストメールがおすすめです。
無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
SendGridは、高い到達率と豊富な機能を持つメール配信システムですが、いくつかの注意点があります。日本語対応サービスに比べると使い勝手が劣る点や電話サポートがないことは考慮すべきポイントです。また、料金体系が複雑で、利用方法によってはコストがかさむこともあります。
それでも、SendGridは大規模なメール配信やAPI連携を必要とする企業にとって、非常に信頼できる選択肢です。特に配信規模が小さい企業や、豊富な実績を持つサービスを求めている企業におすすめです。自社のニーズに合わせて、SendGridの機能と価格をしっかりと確認した上で導入を検討するヒントになれれば幸いです。