メールの送信形式の一つである「一斉送信」は誤送信による情報漏洩や到達率の観点から、十分に注意をした上で配信をすべきですが、正しく対応できていますでしょうか?
実際、毎日のように一斉送信時のトラブルは報告されており、中には顧客の個人情報を流出してしまい、賠償問題にまで発展してしまった事例もあります。
この記事では、一斉送信時に発生したトラブルの事例や、どのようにすれば安全に一斉送信をすることができるのか、について具体的に解説しています。
仕事で一斉送信をする機会がある方は、取り返しのつかないトラブルになる前にぜひご一読ください。
一斉送信では誤送信に注意
一斉送信時のトラブルの多くは、BCCに設定すべき宛先をCCやTOに設定してしまうことによって発生する「誤送信」がほとんどです。
また、本来であれば公表すべきでない情報が記載されているファイルを添付し送信してしまうのも誤送信と表現します。
ここからは実際に起こった誤送信の事例をご紹介します。
事例:九州電力送配電株式会社
九州電力送配電株式会社では、契約をしている事業者に更新手続きの案内をメールする際に、他の契約者の情報を流出しました。
引用元:https://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0269/8150/td_bh17ff63.pdf
誤って送付した情報は107社分に及び、九州電力送配電株式会社ではお詫びをするとともに誤送信をした企業に削除を依頼しました。
会社名 | 九州電力送配電株式会社 |
---|---|
漏洩種別 | 個人情報流出 |
漏洩対象 | メール(対象者間違い) |
漏洩範囲 | 社外漏洩 |
漏洩内容 | 氏名・住所 |
漏洩件数 | 7300件 |
事例:原子力規制委員会
原子力規制委員会では「原子力規制検査の運用状況等に関する説明会」の案内メールを排した際に、謝って受信者全員のメールアドレスを確認可能な状態で送信していました。
引用元:https://www.nsr.go.jp/data/000340068.pdf
この件では111件のメールアドレスの流出が確認されています。
会社名 | 原子力規制委員会 |
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漏洩種別 | メールアドレス流出 |
漏洩対象 | メール(BCCをCCに) |
漏洩範囲 | 社外漏洩 |
漏洩内容 | メールアドレス |
漏洩件数 | 111件 |
事例:株式会社電通国際情報サービス
株式会社電通国際情報サービスでは、顧客向けに発信した電子メールで誤送信が発生し、送信先のメールアドレス480件が確認可能な状態で送信されていたことがわかりました。
引用元:https://www.isid.co.jp/news/topics/2021/1116.html
同社では、顧客への謝罪とともにメール送信時のチェック事項の再確認、再教育による啓発によって再発の防止に勤めるとしています。
会社名 | 株式会社電通国際情報サービス |
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漏洩種別 | メールアドレス流出 |
漏洩対象 | メール(BCCをCCに) |
漏洩範囲 | 社外漏洩 |
漏洩内容 | メールアドレス |
漏洩件数 | 480件 |
一斉送信で発生する誤送信のほとんどは手作業による作業環境が原因
ご紹介してきた事例のような誤送信は、ほとんどがチェックミスで発生しています。
GmailやOutlookをはじめとする、ウェブメールやメーラーを使い一斉送信をするときは、宛先を手作業で設定しなければならず、その際のチェックを怠ると誤送信が発生します。
配信リストなどを使って配信先をまとめていても、最終的にBCC・CC・TOの設定は人間の手で行います。
いくら「チェックを徹底する」といっても、ルールを形骸化させることなく維持していくことは簡単ではありません。
事例では、取引先の連絡先を誤送信で公表してしまっていましたが、メールマガジンの配布で宛先の誤設定をしてしまい数千人規模のアドレスを流出した事例もあります。
この事例も、やはりメーラーからの一斉送信によるものです。
自社のメール業務で無料のメーラーを使って一斉送信をしている方は、上記のようなリスクを常に抱えていると言ってもいいでしょう。
メーラーからの一斉送信は誤送信以外のリスクも
誤送信はお客様や取引先に迷惑をかけてしまう上に、自社の信用を失いかねない行為です。
メールを使い業務をするのであれば、誤送信を発生させないための準備や対策は万全にしておかなければなりません。
また、メーラーを使った一斉送信は、誤送信以外にもいくつかのリスクを伴います。
ここからは、メーラーを使った一斉送信をする上で注意をしなければならない事項について解説をします。
到達率が低い
メーラーを使いメルマガの配信などをしている場合によく見られるのが、到達率の低下です。
メルマガのように数百以上のアドレスに向けてメーラーからの一斉送信を続けていると、IPレピュテーションのスコア低下を招きます。
IPレピュテーションとは、送信元のIPアドレスが信用できるものかどうかを検証する仕組みで、迷惑メールの判定などに使われています。
IPレピュテーションのスコアが下がる要因は、公表されていませんが以下のようなものがあると言われています。
- セキュリティ対策を行っていない
- 無効なメールアドレスに何度も配信するなどの、迷惑メール業者のような配信をしている
GmailやOutlookなどは無料で利用することができ、セキュリティもそれなりに強固なサービスです。
しかし、有料のメーラーや一斉送信に特化したメール配信ソフトと呼ばれるサービスと比較すると、対策が万全とは言えません。
例えばGmailでセキュリティをより強固にするには、デフォルトで設定されているSPFの他に、DKIMやDMARKと呼ばれるドメイン認証技術を個別に設定する必要があります。
多くのアカウントではこの設定をしていないため、基本的にはメール配信ソフトなどを利用した方がセキュリティが強固になります。
また、メーラーは大量配信を想定した仕様にはなっていないので、エラーメールの自動削除機能などもありません。
そのため、メーラーからの大量のアドレスに向けての一斉送信は、エラーとなるメールの割合が多くなりやすく、結果としてIPレピュテーションのスコア・到達率の低下を招きます。
ブラックリストへの登録
解説したようなIPレピュテーションを下げるような配信を続けると、ブラックリストに登録される可能性があります。
ブラックリストとは、迷惑メールを撲滅させるために活動している複数の団体が管理する、いわば「迷惑メール業者を集めた名簿」のことです。
ブラックリストに登録されると到達率が下がるどころか、相手の迷惑メールボックスにすらメールが届かなくなってしまいます。
安全に一斉送信を行うには?
ここまでの解説で、メーラーからの一斉送信には以下のようなリスクがあることが分かって頂けたかと思います。
- 宛先の誤設定による情報漏洩
- 到達率・IPレピュテーションの低下
- ブラックリストへの登録
上記のようなリスクを避け、安全に一斉送信をすることができる環境を整えるために、多くの企業では「メール配信ソフト」を利用しています。
メール配信ソフトとは、一斉送信に特化した機能を提供しているシステムで、業務連絡の一斉送信だけでなく集客への応用も可能です。
なぜ、メール配信ソフトの利用をオススメするのかというと、メール配信ソフトから一斉送信をしたメールの宛先は自動でBCCに設定されるため、誤送信のリスクが激減するためです。
また、メーラーと比較して、到達率やIPレピュテーションを保つシステムを採用しているソフトが多いのも特徴です。
この記事ではメール配信ソフトの一つである「ブラストメール」の無料体験期間や資料を活用しメール配信ソフトを利用した際のメールの送信手順を解説をします。
ブラストメールの機能の詳細や料金は公式ページからもご確認いただけます。
※ ブラストメールでは、無料トライアル期間でもメール配信が行えます。
※ ブラストメールのトライアルはこちらから。
メールを作成する
まずは、通常のメーラーと同様にメールを作成します。
あて名を差し込むコードもこのページで作成することができます。
宛先を設定する
「宛先グループ」の部分を選択して宛先を設定しましょう。
解説の画像では「全登録者」になっていますが、事前にグループを設定しておけば「〇〇(サービス名)利用者」や「〇〇プロジェクトチーム」のように限定して配信することができます。
送信する
本文を作り、宛先を設定したらメーラーと同様送信をするだけです。
メーラーの場合は、送信前にBCCに設定されているかのチェックが必須ですが「ブラストメール」からの配信は、宛先が全て自動でBCCに設定されます。
そのため、宛先のチェックは不要になります。
メール配信ソフトのプランにもよりますが、ブラストメールの場合は配信数の上限がないので、1日に何通でもメールを一斉送信することができます。
また、エラーアドレスを配信リストから自動で削除する機能があります。無効なメールアドレスへ送信し、バウンスメールを大量に受信することもなくなるでしょう。
まとめ
メールで一斉送信をするケースには以下のようなものが考えられます。
- 社内・外への連絡
- メールマガジンの配布などの集客活動
どちらも一斉送信機能を使わなければ、時間や手間がかかってしまう大変な作業です。
しかし、メールの一斉送信には誤送信をはじめとする情報漏洩のリスクが伴います。
個人情報の個人情報の取り扱いに敏感な現代では、メールアドレスといえど流出してしまうと社会的な責任を負わなければ行けなくなる可能性もあります。
一斉送信をする機会が多い方は、業務誤送信の防止や配信リストの管理を簡略化するためにも、メール配信ソフトの利用をオススメします。
メール配信ソフトを利用することで、誤送信だけでなくブラックリストへの登録も防止することができます。
今回の解説では触れていませんが、ご紹介した「ブラストメール」にはそのほかにも一斉送信に便利な機能があります。
解説で利用したお試し体験は法人・個人を問わず7日間無料で利用することができます。
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取引先やお客様の個人情報だけでなく、自社の信用を守るためにも安心して一斉送信をすることができる環境を整えましょう。