マネジメントの権威であるピーター・ドラッカー(1909年~2005年)は、自身の著書『マネジメント』において「マーケティングの理想は販売を不要にすることだ」と語りました。
一方その発言で前置きされているように、どんなによいマーケティングを仕掛けたとしても、なにかしらの販売行動は必要です。まったく売り込まなくても売れる商品・サービスというのは、筆者の知る限り存在しません。
しかし、もしかすると本記事で紹介するコンテンツマーケティングは、ドラッカーが提唱した理想形にもっとも近しいマーケティング手法かもしれません。
販売活動を最小限にしつつ売上を最大化する、これがコンテンツマーケティングの極意です。
あなた、もしくはあなたの部署がコンテンツマーケティングについて検討しているのであれば、ぜひ本記事でコンテンツマーケティングの特徴やメリット・デメリットについて知っておいてください。
目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、自社の商品・サービスを販売したい相手に対して、主に自社の商品・サービスに関連するような情報(コンテンツ)を提供し、購買行動へとつなげるマーケティング手法のことです。
「自社の商品・サービスに関連するお役立ち情報って、資料とかカタログとか、そういうこと?」と思われるかもしれませんが、それらとコンテンツマーケティングにおけるコンテンツは少々異なります。
具体例を見ていただくのがもっとも早いでしょう。下記は、ラーメンチェーン店の「幸楽苑」が運営しているオウンドメディア(自社で運営するWebメディアのこと)です。
最新記事の一覧を見てみると、幸楽苑のことが1,2本書かれているのを除けば、ほとんどすべて「幸楽苑とは関係ないラーメンに関する記事」になっていますよね。これこそがコンテンツマーケティングです。
サイト訪問者が持つのは「カップ麺を手軽においしくできるトッピングはないかな」とか「付き合って間もない彼女とラーメンデートってどうなんだろう」といった疑問や悩みです。「幸楽苑の新商品はどんなだろう」というユーザーも少なからずいるかもしれませんが、そういった人たちはメインターゲットではありません。
ラーメンに関する疑問や悩みに対して、自社の商品にこだわらない解決方法(コンテンツ)を提供することで、オウンドメディアに対するユーザーの信頼性(もしくは幸楽苑に対するブランドイメージ)が向上します。
そこからサイトを回遊することでようやくユーザーは幸楽苑の商品に接し、最終的に購買へとつながるわけです。
このようにコンテンツマーケティングにおいては、ユーザーとの接点に使われるのが自社の商品・サービスそのものではなく、自社の商品・サービスに関連する「コンテンツ」が主である点に大きな特徴があります。
コンテンツマーケティングにおける購買までの流れ
コンテンツマーケティングにおいて、ユーザーがあなたの商品・サービスを購買するまでの流れは、大まかに以下のとおりです。
- 何らかのチャネルから、自社コンテンツに接触してもらう
- 良質なコンテンツを継続して発信し、商品・サービスやブランドのイメージ向上につなげる
- 販売を仕掛け、商品・サービスを購入してもらう
上記の中でも特に重要なのは2で、その次に大事になってくるのは1となります。3の販売は、もっとも優先度が低くなってきます。
もちろん販売をおろそかにしてもよいということではありません。販売をかけたときに、商品・サービスがすんなりと売れる状態へとていねいにユーザーを育てていくのが、コンテンツマーケティングのやり方というわけです。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOはどう違う?
コンテンツマーケティングでよくあるのは、「コンテンツSEOとはどう違うのか?」という疑問でしょう。
結論からいうと、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングにおける具体的手法の一種です。
- コンテンツマーケティング
コンテンツの提供から購買へとつなげるマーケティング活動全般をさす包括的な概念のこと - SEOコンテンツ
GoogleやYahoo!の検索結果をチャネルとしたコンテンツマーケティング手法のこと
ただし、人や場合によっては「コンテンツマーケティングといえばコンテンツSEO」という使われ方をしているのも確かです。
会話中「いま使われているコンテンツマーケティングという言葉が包括的概念の方なのか、SEOの方を指しているのか」わからなくなったら、素直に話し相手に聞いてみると良いでしょう。
歴史から垣間見えるコンテンツマーケティングの普遍性・再現性
マーケティング手法には流行り廃りがあり、普遍性・再現性の高いものはあまり多くありません。それでいうとコンテンツマーケティングは、マーケティング手法の中でも普遍性と再現性に優れているといえるでしょう。
というのもコンテンツマーケティングの歴史は古く、一説によれば紀元前から行われていたというのです。
こちらの画像はコンテンツマーケティングの歴史を紐解いたインフォグラフィックです。
引用:コンテンツマーケティングの歴史(原文:The History of Content Marketing)
画像の最初の方には、コンテンツマーケティングの誕生は「4200 B.C(紀元前4200年)に描かれた洞窟の壁画から」とあります。
その文章の下には「ゆるく翻訳すると『イノシシから助かるための槍の使い方6選』」とありますし、その後は一気に飛んで西暦1895年とあるので、紀元前のくだりは残念ながらジョークでしょう。
しかしながら、西暦1895年(日本では明治28年)でもマーケティングの歴史としてはかなり古い部類です。そこからは、私たちでも理解できる具体的事例からコンテンツマーケティングが説明されています。
1895年は農機具メーカーによる農業全般に関する雑誌の発行、1930年日用品メーカーP&G社によるラジオドラマの放送など、興味深い事例が多数見られます。
2001年にはそうしたコンテンツへの支出が200億ドルを越え、アメリカオハイオ州の『PENTON CUSTOM MEDIA』という企業がついに「コンテンツマーケティング」という言葉を使い始めたそうです。
コンテンツマーケティングの有用性が一世紀以上前から見られていたのは、やはりコンテンツマーケティングが人間の根源的な性質に沿った手法なためなのでしょう。
それを踏まえると、もしかするとコンテンツマーケティングは紀元前からあったのではないかと言われても、確かに否定的にはなれません。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
ここからはコンテンツマーケティングのメリット・デメリットについて紹介していきます。非常にメリットが大きいコンテンツマーケティングですが、決して無視できないデメリットもあるため、ここでしっかり把握していきましょう。
- 潜在層の開拓がしやすい
- 低コストでスタートでき、なおかつ成果物を資産としてストックしていける
- 短期的には利益につながらない
- 売上に直接つながっているかどうか見えにくい
メリット① 潜在層の開拓がしやすい
潜在層とは、あなたの商品・サービスがニーズを満たしうるものの、あなたの商品・サービスについて知らない、という人を指します。すなわち「潜在的には顧客になりうる」層のことです。
そんな潜在層に対して「顕在層」という言葉があります。顕在層とは、あなたの商品・サービスを知っているが、他社と比較検討しているなどの理由でまだ購買に至っていない人のことです。
Web広告のような媒体は顕在層に効果的ですが、潜在層は苦手とされています。潜在層が広告を見たとしても、潜在層としてはそのとき商品・サービスを認知したばかりで購買にはつながりにくいためです。
そこで役立つのが「ユーザーとの接点が広告や営業ではなくコンテンツである」、という特徴をもつコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングは、広告が不得手とする潜在層を開拓しやすいという大きなメリットを持ちます。
また、コンテンツマーケティングするまでは得られなかった潜在ニーズを得られることもあり、マーケティング活動につなげられるのはもちろん、新たなプロダクトの企画につながることもあります。
このメリットだけでも、コンテンツマーケティングが売上の規模をスケールさせるには必要不可欠であることがうかがえます。
メリット② 低コストでスタートでき、なおかつ成果物を資産としてストックしていける
コンテンツマーケティングは比較的、低コストで施策を打っていけます。なぜならコンテンツマーケティングはそもそも広告を必要とせず、広告費のようなまとまった予算を必要としないためです。
たとえばコンテンツSEOを仕掛けていくとなった場合、社内の人件費の他にかかってくるのは、記事を執筆するクラウドソーシングの報酬やサイトの保守費用くらいなものでしょう。
その上さらに、マーケティング活動の過程で生まれたコンテンツはストック型資産として活きてきます。
広告となると「かけたお金に対していくらリターンが得られたか」というのが基本思考ですが、コンテンツマーケティングの場合は、一枚の記事が何ヶ月も何年も成果を生み出し続ける、という状況を作れるのです。
そうしたコンテンツが多く積み重なったメディアは、最終的に集客チャネルとして欠かせない存在になっていることでしょう。
デメリット① 短期的には利益にならない
コンテンツマーケティングが短期で成果を上げることは滅多にありません。基本的には数ヶ月から年単位で、中長期的に施策を打っていく必要があります。
そのため、「このまま続けて本当に大丈夫なんだろうか」「もう損切りしたほうがいいのでは」とつい悩んでしまう担当者も多いようです。
確かにコンテンツマーケティングは、お金をかけた分だけフィードバックが得られる、というようなわかりやすさがありません。
また、場合によっては理解を得られない周囲や上司から「いつになったら成果が上がるんだ」と言われてしまうこともあります。そもそも上司からコンテンツマーケティング施策の承認が得られない、ということも少なくありません。
企画が没にされたり思い悩んでしまったり、といったことを減らすためには、やはり事前の下調べや計画を徹底的に行うべきでしょう。
デメリット② 数字に直接つながっているかどうか見えにくい
マーケティング活動をするということは当然、マーケティングによって数字が上がるかどうかが重要となってきます。
しかしコンテンツマーケティングは中長期的な施策でじわじわと成果を出す性質があるため、どの数字がコンテンツマーケティングの効果なのか、明確に把握しにくいというデメリットがあるのです。
さらに言えば、購買の直接的な原因は広告だが、遠因はコンテンツマーケティングによるもの、というパターンもあるでしょう。
とはいえ「ブランド認知から購買までオンラインでほぼ完結する」ということでしたら、クッキーからユーザー行動をトラッキングするなどの仕組みを構築することでコンテンツマーケティングの成果を可視化できます。
実店舗の売上が多い場合は、ネット来店予約の仕組みを取り入れたりアンケートを取ったりなどすれば、このデメリットを軽減できるでしょう。
コンテンツマーケティングの手法や事例
ここからはコンテンツマーケティングの具体的手法や、企業の事例について紹介していきます。「え、それもコンテンツマーケティングなの!?」と思われるような面白い事例も中にはあるので、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディア
オウンドメディアとは先述したとおり、自社で運営するWebメディアのことです。コンテンツマーケティングの施策としては最も代表的でしょう。Webメディアを通して読者のニーズを満たしてあげることで、商品・サービスの購入につなげます。
主な流入経路としては検索エンジンになりますが、よく知られたブランドを持っているのであればSNSも流入経路の一つとして効果的です。
代表的なオウンドメディアの国内事例としては、「ferret」が挙げられます。
オウンドメディアを使ったコンテンツマーケティング事例:
マーケターのよりどころ「ferret」
マーケティングについてネットで調べ物したほとんどの人が、一度はこのサイトを開いたことがあるでしょう。
「ferret」の場合、マーケティングに関するお役立ち情報をユーザーに伝えてサイトそのものへの信頼を向上させ、最終的に記事広告掲載オファーにつなげています。
メールマガジン
売り込みの印象が強いメールマガジンですが、入り口の性質次第で、メルマガも十分コンテンツマーケティングの武器になります。難点を挙げるとしたら、流入経路としてある程度パワーのついたサイトが必要なことです。
事例としては株式会社LIGのメルマガが挙げられるでしょう。LIGはユーモアあふれるコンテンツが特徴的な自社メディアを運営していることで有名ですが、その例に漏れず、メルマガも面白いコンテンツが盛りだくさんのようです。
メールマガジンを使ったコンテンツマーケティング事例:
内容はイカれてるけど、LIGが送る公式メルマガのバックナンバーを紹介します|LIG
こんなメルマガだったら、ついつい最後まで読んでしまいそうですよね。
しかもLIGの場合はメルマガの入口となるサイトがユーモアたっぷりなため、メルマガ登録に抵抗を感じにくいのが大きなアドバンテージになっています。オウンドメディアが育ったなら、メルマガでさらにマーケティング規模を拡大するのも有効であることがうかがえる事例でした。
なお、コンテンツマーケティングにメルマガを活用する場合は、「サイトでは公開していないマル秘情報あります」といったような具合で、メルマガならではのメリットがあることを強調するのがよいでしょう。
実際、ホワイトペーパーマーケティング(お役立ち資料の提供をきっかけに見込み客を獲得するマーケティング手法)を行う企業は、ほぼ100%メルマガ施作もセットで行っています。
これ1冊でメルマガの始め方丸わかり!「みんな読んでるメルマガ作り方大全」
LINE
LINEといえば誰もが知るコミュニケーションアプリですが、「LINE公式アカウント」と呼ばれるtoB向けのサービスを使うことでコンテンツマーケティングに活用できます。
事例としては任天堂のLINE公式アカウントが挙げられるでしょう。
LINEを使ったコンテンツマーケティング事例:
任天堂
任天堂のLINE公式アカウントが特徴的なのは、スマホに使えるかわいい無料壁紙やカレンダー、そして案内役のキノピオくん(AI)とできる楽しい会話にあります。
実際に登録して触ってみればわかるのですが、ただのLINEのはずなのに、しっかり「遊べるコンテンツ」に仕上がっているのは、さすが世界屈指のゲームメーカーといったところでしょうか。
任天堂のLINE公式アカウントは基本的に宣伝として使われているため、完全なコンテンツマーケティングとは言い難いですが、ファンの意識を捉えて離さず、よりファンになってもらうためのコンテンツマーケティングといえるため今回は紹介してみました。
SNS
もちろん、TwitterやInstagramなどのSNSもコンテンツマーケティングに利用可能です。事例としては海外のファストファッションブランド「FOREVER 21」が挙げられるでしょう。
SNSを使ったコンテンツマーケティング事例:
FOREVER 21|Instagram
Instagramをご覧になっていただければわかると思いますが、自社製品の宣伝の他にもInstagramらしい「映え」をねらった投稿が多くあります。というよりも、宣伝の投稿と映える投稿の境界線を曖昧にしてきている、といった分析が正しいかもしれません。
SNSの企業アカウントはファンしかフォローしないと思われがちですが、SNSにはハッシュタグ機能があり、フォローされていなくてもハッシュタグ経由でのインプレッションが見込めます。FOREVER 21の投稿もハッシュタグがふんだんに使われていますね。
長文の記事が全然読まれなくてしまった現代においては、SNSを使うことで、より時代に即したコンテンツマーケティングを仕掛けていけます。
YouTube
少々ハードルは上がりますが、YouTubeを使ったコンテンツマーケティングも有効です。事例としては、恋愛マッチングアプリを展開する株式会社Market DriveのYouTubeチャンネル「EveEve」が挙げられます。
YouTubeを使ったコンテンツマーケティング事例:
EveEve|YouTube
「EveEve」には女性向けの恋愛系コンテンツが多数アップロードされており、最終的には同名の恋愛マッチングアプリ『EveEve』のダウンロードへとつなげています。
女性の恋愛観というのは、言葉にはできない感覚や文章だけでは読み取れない機微を多分に含むものです。それを踏まえると、恋愛系コンテンツを届けるのにYouTubeのような動画媒体はかなり適しているといえますね。
その他の手法と事例
note
noteといえば誰もが知るブログプラットフォームですが、noteをオウンドメディアのように運用することでもコンテンツマーケティングを仕掛けられます。
コンテンツの性質自体はオウンドメディアとさして変わりませんが、noteであればサイトの構築や保守が不要なので、より低コストで済みます。また、検索エンジンだけでなく、note内からの流入も見込めますね。
具体的な事例としては、ラブコスメ事業を営む株式会社ナチュラルプランツが挙げられます。
noteを使ったコンテンツマーケティングの事例:
株式会社ナチュラルプランツ公式|note
なお、noteは2019年3月から「note pro」という月額5万円で加入できる有料プランをリリースしています。
「note pro」であれば独自ドメインの運用やGoogleアナリティクスの設置が可能になり、よりWebサイトを運用するような感覚でnoteを使えるようになるため、noteでのオウンドメディア戦略を取る場合はぜひ検討してみてください。
VR
VRもコンテンツマーケティングに活用できます。時期尚早感があるかもしれませんが、今どきVRコンテンツはスマホでかんたんに視聴できるため、意外に有用です。5Gが本格的に開始したこともあり、VRコンテンツの普及は今後ますます進むでしょう。
事例としてはゼクシィの「立体スコープ」が挙げられます。スマホVRで挙式会場を見ることによって、実際に見学したような感覚が味わえるサービスです。
VRを使ったコンテンツマーケティングの事例:
立体スコープ|ゼクシィ
たとえばハワイのような遠方の会場だと、実際に見学するとなると時間もお金も手間もかかります。ですが、VRならゴーグルをつけるだけです。VRコンテンツをうまく活用したコンテンツマーケティング事例ですね。
あつまれ どうぶつの森
任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」も、なんとコンテンツマーケティングに活用できます。
「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」とは、無人島にやってきた主人公が、多種多様な家具や飾り物で自分の思うがままに無人島生活を彩っていくゲームです。大雑把には、ものすごくリッチなおままごとができるゲーム、と考えればよいでしょう。
そんな「あつ森」には「マイデザイン」と呼ばれる機能が存在し、誰でも自分の書いたイラストを家具の見た目に反映させられます。そして、マイデザインはネット上に公開して不特定多数のプレイヤーに届けることが可能です。
この機能が企業のマーケターの目に止まり、コンテンツマーケティングに利用されてきました。「あつ森」のマイデザインはコンテンツになりうる、と考えたわけです。
「あつ森」を使ったコンテンツマーケティングの事例:
あつ森攻略サイト|アルテマ
わかりやすいところではファッションブランドが挙げられます。「gelato pique」「ANNA SUI」「niko and…」など、多くのファッションブランドが自社製品のマイデザインを公開しており、多くの人々がゲームの中でもお気に入りのブランドで身を固めているのです。
娯楽中のマーケティングというとスマホゲームの広告が思い出されますが、「あつ森」は娯楽とマーケティングがバランスよく融合している感じがしますね。
ユーザーはゲーム中でもお気に入りブランドが着られる、企業としてはユーザーの意識下に自社の商品・サービスをおいてもらえる……手法としては異色ですが、ゲームも立派なマーケティング媒体になるのです。
コンテンツマーケティングを成功させるためのポイント4つ
コンテンツマーケティングを成功させるにはどうすればよいのか? これからコンテンツマーケティングに取り組んでいく人に向けて、重要なポイントを以下の4つに絞って紹介します。
- 効果測定の環境を整える
- トレンドに対して常にアンテナを張る
- 継続する
- クラウドソーシングを最大限活用する
ポイント① 効果測定の環境を整える
先ほども書きましたが、コンテンツマーケティングには「施策が数字に直接つながっているかどうか見えにくい」というデメリットがあります。
そのため、コンテンツマーケティングの成果を適切に評価するためには、効果測定の環境をしっかりと構築しておく必要があります。
たとえばオウンドメディアであれば、オウンドメディア経由の問い合わせであることを識別するタグをサイト仕込んだり、自社YouTube経由のダウンロードであれば、固有のURLを設置したりなどです。
どのような形のコンテンツマーケティングを仕掛けていくにしろ、目標とするKGIからの道のりを逆算しつつ、各主要ポイントでしっかりKPIを立てて効果的なコンテンツマーケティングを仕掛けていきましょう。
ポイント② トレンドに対して常にアンテナを張る
コンテンツはつねにユーザーの視点から役立つものでなければいけませんが、そうしたときに担当者が気を配るべきは世の中のトレンドです。
企業や商材によってコンテンツマーケティングの適切な手法は変わってくるでしょう。しかし結局のところ、ユーザーの手が届くところにコンテンツを用意しなければ、コンテンツマーケティングは意味を成しません。
昨今、コンテンツの消費スピードが一層早くなっています。ショートムービーSNSのTikTokや、10秒で投稿が消えるSNS「Snapchat」が空前のブームを見せたことからも、そのことはうかがえます。
すでにこれまでにたくさんのコンテンツマーケティングの事例を紹介してきましたが、「そんな方法もあるのか・・・!」と思ったものも、少なからずあったのではないでしょうか?
「とりあえずオウンドメディア」と思考停止することなく、コンテンツをどんな形でどこから提供するのがユーザーにとって最適なのか、というところを起点にコンテンツマーケティングについて考えましょう。
ポイント③ 継続する
デメリットの項で説明したとおり、コンテンツマーケティングは中長期的に成果を出していくマーケティング手法です。
そのため、当たり前ですが、成果が出るまでマーケティング活動を継続しなければ、コンテンツマーケティングは絶対に成功しません。
半ば根性論的なポイントとなってしまいましたが、そのマーケティング活動が上司の承認を得ていて、緻密な計画の上に行っていることであれば、成果が見えてこなくても自信を持って取り組んでいくべきです。
コンテンツマーケティング担当者なら、ある程度の覚悟と少しの図々しさを持って仕事に向き合うとよいでしょう。
また、ダイエットを継続する最善の方法は「毎日体重計に乗る」ということだそうですが、もしコンテンツマーケティングにも同じことがいえるとしたら、どうでしょう。
コンテンツマーケティングの成果を日々を記録していき、ある日データを見返したときに意外な成長が見られたなら、モチベーションにつながるかもしれませんね。
ポイント④ クラウドソーシングを最大限活用する
コンテンツマーケティングは時間がかかる手法ですが、市場のトレンドについていったり、競合他社を出し抜いたりするためにはやはりスピードが必要不可欠です。
すこしでもコンテンツマーケティングのスピードを上げるためにも、コンテンツの生産にはクラウドソーシングを最大限活用しましょう。
おすすめのクラウドソーシングサービス
コンテンツマーケティングが学べる書籍やイベント
コンテンツマーケティングについて書いてみましたが、コンテンツマーケティングというのは本当に奥深いため、記事一枚では表面をなぞるのが精一杯というのが正直なところです。
そこでここから、コンテンツマーケティングの学習に最適な書籍やイベントについていくつか紹介していきます。
おすすめ書籍
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- 『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』
大人気の「いちばんやさしい教本」シリーズから登場した、初学者向けコンテンツマーケティング解説書です。初学者向けといいつつ、ページ数は320としっかりボリュームがあります。Kindle unlimited会員なら無料で読めます。 - 『エピック・コンテンツマーケティング』
コンテンツマーケティングについて網羅的かつ体系的に学べる書籍です。コンテンツマーケティングについて理解を深めたい人向けの内容となっています。Kindle unlimited会員なら無料で読めます。 - 『BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド』
BtoBにおけるコンテンツマーケティングについて書かれた書籍です。セミナーやアポ取りといったオフラインでのマーケティング活動についても言及されているため、営業マン向けの社内資料としても活用できます。
- 『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』
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おすすめイベント
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- CONTENT MARKETING DAY
株式会社 日本SPセンターが主催するコンテンツマーケティング専門のカンファレンスです。毎年11月に開催されており、2020年はオンライン開催にシフトしました。無料と有料のチケットがあり、有料チケットはイベント終了後に録画を見返せます。 - コンテンツ マーケティング EXPO
リード エグジビション ジャパン株式会社が主催するコンテンツ マーケティングの博覧会です。セミナーの他、コンテンツマーケティングを支援するサービスやツールの出典も行われます。
- CONTENT MARKETING DAY
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コンテンツマーケティングとは? まとめ
今回はコンテンツマーケティングについてお届けしました。
10年ほど前に日本で流行し、今となってはもはやマーケティングの常識といえるコンテンツマーケティングですが、実は歴史が古く、今も媒体によって様々な形があるということがおわかりいただけたと思います。
コンテンツマーケティングで成果を出すために肝心なのは、どれだけ時間を投資していけるかです。そのため成果を出すには、予算の大きさよりもあなた自身のモチベーションが重要となってきます。
コンテンツマーケティングを成功させ、これまで以上にビジネスをスケールアップさせていきましょう。