「五月雨式に申し訳ございません」は主にビジネスメールで使われる言葉です。
初めてこの言葉を聞いた人はどのような意味なのか、疑問に思った事がある人もいると思います。
仕事上、メールを使う頻度が高い人にとって、「五月雨式に申し訳ございません」を使いこなせると、上手なコミュニケーションを取ることができます。
そこで今回は「五月雨式に申し訳ございません」の意味や正しい使い方、言い換え表現などを紹介します。
目次
「五月雨式」とは
そもそも、「五月雨式」とはどのような言葉なのでしょうか。
「五月雨式に申し訳ございません」を使いこなす前に、「五月雨式」について理解しましょう。
「五月雨式」の読み方と意味
「五月雨式」は「さみだれしき」と読みます。
「五月雨」には「さみだれ」以外にも「さつきあめ」と読むことができますが、「五月雨式」は「さみだれしき」と読むのが正しいです。
「五月雨式」の意味は「だらだら続くこと」や「繰り返し続くこと」です。
「五月雨式」には謝罪の意味は含まれていません。
そのため、相手に対して謝罪の気持ちを含めたい場合には、「五月雨式に申し訳ございません」など、謝罪の言葉と組み合わせて使用するといいでしょう。
「五月雨式」の由来と語源
「五月雨式」の由来・語源は「五月雨」です。
「五月雨」は現代の梅雨のことを意味します。
日本では明治6年までは現代の太陽暦ではなく、旧暦という暦を使用していました。旧暦は太陽暦よりも短いため、梅雨のような、だらだら続く雨が5月から始まっているため、5月が「五月雨」に含まれています。
梅雨の時期は雨が降ったりやんだりとだらだら続いているイメージがあると思います。
そのような「だらだら続いている」ことを表現した言葉が「五月雨式」です。
「五月雨式に申し訳ございません」の意味
「五月雨式に申し訳ございません」とは「物事が続いてしまい、申し訳ない」という意味を持つ言葉です。
日常会話で使われることはほとんどなく、ビジネスシーンのメールやチャットで多く使われます。
立て続けに連絡してしまったときなど、相手に面倒をかけてしまったときに使うのが適しています。
「五月雨式」には謝罪の意味はないので、「申し訳ございません」を組み合わせて使用することが多いです。
「五月雨式に申し訳ございません」は敬語なのか?
「五月雨式に申し訳ございません」は敬語です。
「五月雨式」は敬語ではありませんが、「申し訳ございません」が敬語なので、「五月雨式に申し訳ございません」は敬語表現となります。
「五月雨式に申し訳ございません」は誰に対して使うのか
「五月雨式に申し訳ございません」は上司や目上の人に対して使うことができます。
先ほど解説したとおり、「五月雨式に申し訳ございません」は敬語なので、同じ意味を同僚や後輩などに使いたい場合は「五月雨式に失礼します」や「五月雨式にすいません」を使用するのがいいでしょう。
「五月雨式に申し訳ございません」の使い方を例文で紹介
ここからは例文を使って「五月雨式に申し訳ございません」をより深く解説します。
何度も連絡するとき
メールでのやり取りしているときに、伝え忘れていたことがあり、相手からの返信を待たずに連続してメールを送らなければならないといった経験がある方もいると思います。
そのようなシーンではメールの冒頭に「五月雨式に申し訳ございません」を使い、連続してメールを送ってしまったことへの謝罪の意味を伝えることができます。
件名
資料をお送りいたします
本文
△△様
お世話になっております。〇〇です。
五月雨式に申し訳ございません。
資料を添付するのを失念しておりましたので、本メールにてお送りさせていただきます。
ご面倒をおかけしますがご確認していただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
複数に分けて納品をするとき
先方へ複数納品を行うときに、なにかしらの都合でまとめて納品できない場合もあると思います。
納品をまとめて行えないと、受取時の手間を増やしてしまうことになります。
そのため、そのようなシーンでは「ご面倒をおかけしますが、五月雨式の納品でも問題ないでしょうか?」と伝えるのが良いでしょう。
お手数をおかけして申し訳ないという意味を相手に伝えることができます。
件名
納品の件について
本文
△△様
お世話になっております。〇〇です。
この度はご発注をいただきまして誠にありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、ご発注いただいた中で一部、発送に準備が必要な物がございます。
ご面倒をおかけしますが、五月雨式の納品でも問題ないでしょうか。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
分割して納品してほしいとき
発注したものをまとめて納品してもらうのではなく、発送可能な物から納品してほしいときにも、「五月雨式」を使うことができます。
この場合は、相手に対して発送の手間を増やしてしまうので、「申し訳ありませんが、発送可能なものから五月雨式に送っていただくことは可能でしょうか」と伝えるのがいいでしょう。
件名
配送の件について
本文
△△様
お世話になっております。〇〇です。
配送の件でご連絡をさせていただきました。
申し訳ありませんが、発送可能なものから五月雨式に送っていただくことは可能でしょうか。
ご面倒をおかけしますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。
「五月雨式に申し訳ございません」を使うときの注意点
ここからは「五月雨式に申し訳ございません」を使うときの注意点を紹介します。
注意点を押さえて、正しい使い方ができるようになりましょう。
口頭で使われることはない
「五月雨式に申し訳ございません」は主にメールやチャットなどで多く使われる言葉です。
一方で、口頭で使うのはあまり馴染みのない言葉なので、対面の会話で使用してしまうと、相手に対して少し不自然な印象を与えてしまいます。
口頭で「五月雨式に申し訳ございません」と同じ意味を伝えたい場合には、「度々申し訳ございません」や「重ね重ね申し訳ございません」を使うのがいいでしょう。
「五月雨式」に謝罪の意味はない
「五月雨式」には謝罪の意味はありません。
先ほども紹介した通り、「五月雨式」の意味は「だらだら続くこと」や「繰り返し続くこと」です。
そのため、「五月雨式にご連絡をしてしまいましたが、明日はよろしくお願いします」だと、謝罪の意味は含まれていないので、「五月雨式のご連絡となってしまい申し訳ございません。明日はよろしくお願いします」のように、謝罪の意味がある言葉を組み合わせて使用するように注意しましょう。
言い換える場合は正しい表現で
「五月雨式に申し訳ございません」には様々な言い換え表現があります。
言い換える場合は正しい言葉を使い、相手に対して不自然な印象を与えることなくコミュニケーションが取れるようになりましょう。
「五月雨式に申し訳ございません」の言い換え表現
ここからは「五月雨式に申し訳ございません」の正しい言い換え表現を紹介します。
「五月雨式に失礼いたします」
「五月雨式に失礼いたします」の意味は「度々の礼儀を欠いたことを許してほしい」です。
「失礼いたします」には謝罪の意味はなく、ちょっとした挨拶の時などに使用します。
そのため、相手に対して謝罪の気持ちを伝えたいときは「五月雨式に申し訳ございません」を使うようにしましょう。
「度々申し訳ございません」
「五月雨式」をシンプルに言い換えると「度々」と言い換えることができます。
「五月雨式」は短期間の間に起きたことを指すことが多いですが、度々は短期間ではなく、長期間の出来事を指す時にも使える言葉です。
「重ね重ね申し訳ございません」
「重ね重ね申し訳ございません」は何度も謝罪をするときに使う言葉です。
「度々」のように長期間の出来事を指す時も使える言葉です。より丁寧な表現をしたい場合は「重ねてお詫び申し上げます」を使うといいでしょう。
「五月雨式に申し訳ございません」の英語表現
ここからは「五月雨式に申し訳ございません」の英語表現を紹介します。
英語での例文
- My apologies for sending you emails repeatedly.
訳)五月雨式にメールを送ってしまい、申し訳ございません。 - I'm sorry for sending you so many loads in a row
訳)五月雨式に荷物を送ってしまい、申し訳ございません。
「五月雨式」を英語では「 repeatedly 」や「 in a row 」と表現することができます。
「 repeatedly 」には「繰り返し」という意味があり、「 in a row 」には「連続して」という意味があります。
どちらも正しい英語表現なので、自分が使いやすいと思った方を選びましょう。
「五月雨式に申し訳ございません」を正しく使えるようになろう
今回は「五月雨式に申し訳ございません」の意味や使い方、英語での言い換え表現について紹介しました。
「五月雨式に申し訳ございません」を正しく使えるようになると、上手なコミュニケーションを取ることができます。
正しい意味や使い方を理解して、相手に対して不自然な印象を与えないようにしましょう。
「五月雨式に申し訳ございません」は主にメールやチャットツールなどで使われる言葉と紹介しましたが、ビジネスシーンでは、他にも気を付けなくてはならない点が様々あります。
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